Never Say Hello

結局は俗物( ◠‿◠ )

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Side W

 昼休みはアホみたいにくそ暇。あぁオレは今授業サボってんだなっていう感動がない。小松に言ったら頭悪すぎって言われた。小松はアホの権化みたいなもんだから仕方ない。ソーセージ入ったパンを齧ろうとしてた小松を教室から誘い出して校内をほっつき歩く。俺腹減ってんだけど、ってビニール袋下げながらも小松はついて来た。どうせ暇だろ付き合えよって言ったら俺部活あんのよ?って言ってもなんだかんだこいつはオレに付き合うし。どっかのコーハイとは違うってワケ。昨日の話は結局何の終着点もつかなかった。廊下のド真ん中を進んで行ってたまたま目が行った。保健医不在のカードが習慣的にオレのチェックポイントになってるからかも知れない。気に喰わないやつが2人。カードが挿さったドアのガラス越しに見えた。
「小松」
「何」
「ここで飯食っていいよ」
 小松は首を傾げ、オレは保健室のドアを開ける。ガラス越しに見え見えなんだよ。2人は思いっきり、もう顔を投げ飛ばすレベルで振り向いた。それでヤツ、隣のくそ地味イケメンの袖引いたよな?無意識か?
「染サン」
 小松はビニール袋を開きながら入って来ていて全く興味なんてないみたいで、呑気なやつ。呼ばれてんぞ。
 隣のくそ地味イケメンがオレから視線を逸らして小松を見た。まじでお前、後輩育成するセンスないんじゃね。
「小松先輩?」
「んあ、朝比奈?」
 小松を見た途端にヤツはあからさまにほっとした顔した。つまんねぇやつだな。
「保健室登校?」
 小松はまじで呑気だな。
「怪我、なさったんですか?」
 ベッドに腰掛けた身体がわずかに前にのめる。え、何それ。小松に懐いてんの?オレより?こいつすげぇ変人よ?
「いや?」
 処置台に乗ってまるで教室みたいに小松は飯を食っている。
「ここ飲食禁止なんですけどね」
 小松のトコのクソガキがやつの前に立ってすげぇ邪魔。お前の地味なイケメン面見に来たワケじゃねぇんだよ。何ホントまじでどうなってんの。え、デキてんの?違うだろ?点数稼ぎ野郎が。
「そうだっけ?やべぇじゃん。行こう、観月」
 アホでバカで素直で律儀。それならその嫌味みたいにイケメン面隠してる前髪なんて校則違反も校則違反くね?小松はオレの腕を引いて保健室から出ていこうとする。
冷生れいおう、小松先輩と知り合いなの?」
 は?は?はぁ?何だよ、ソレ。お前の下の名前で呼ぶ親しいお友達いたワケ?そいつは点数稼ぎでカワイソウなお前に付き合ってるだけよ?小松がピーピー言ってるけどさ、ちげぇんだよ、それどころじゃねぇんだよ、小松。
 なんだよ、冷生って。何だよ。
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