Never Say Hello

結局は俗物( ◠‿◠ )

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Side K 19

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Side K

 余計なコトしたかもな、俺。感想した唇を指でなぞる。ベランダには出ないけど、窓の桟に両腕をついて校庭を見る。後ろから足音がする。多分観月だわ。
「やってきたわ」
 何を?カタカナ?観月が言う「やった」は色々想像しちゃうんだけど。首を傾げたらイラっとしたみたい。顔に出てるし隠す気もない。
「寝取り野郎だよ、お前の小生意気なカワイイ後輩」
 何を言ってもムダだよ、だってバカだもん、観月。それはそれとしてもさ、寝取り野郎って何、俺話ついていけてないんですけど。
「寝取りって…え?寝取られたの?誰を?冷生れいおうちゃんに?」
 聞き間違いかな?観月言いたいこといきなり言うからね。紛らわしいな~。会話には流れと順序があるんだよ、分かるよね?
「朝比奈」
 あの話か。冷生れいおうの姉ちゃん全然関係ないじゃん。それで俺バカじゃん。
「余計なコトしたわ。確定」
 何がだよ。バカは気楽でいいね、あ、俺もバカなんだった。
「唇荒れてるよ」
 擦り切れた薄汚れた唇が。いつも綺麗なのにね。舐めちゃった?俺もそうだよ。舐めて舐めて気付いたら荒れちゃって。観月は俺から顔を逸らした。何、俺の顔見られないことでもあんの。変なカオ。本当余計なコトしたわ。考えてたら、リップ貸そうか新品同然だけど、でもリナちゃんからリップ借りパクってたよねって俺もやっぱバカだから口に出してた。言っちゃったもんだからリップだすけど、何か言う前にそのリップ摘まんだ観月に嫌な予感がした。リナとは別れたから捨てた。ほぅこれで6股と。っていうか分かれたから捨てたってさ、お前そんなきっちりしてたっけか。
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