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集団異世界召喚
異世界生活⑰
しおりを挟む作業場を作り終えた俺たちはいつものように基礎訓練と模擬戦をして、ノエルの作るごはんを食べてのんびりする。
夜はあの日から毎日3人で寝ている。
ノエルによると1人で寝るのは正直さみしいと、カレンによると俺の匂いが好きで落ち着くだとか。
最近はやっと免疫がついてきたがまだ少し悶々としている。
シエルは2人が入ってきたことにより俺の枕の上で寝るようになった。
「うぐっ…はっ!息がっ」
丁度、朝日が昇ってきたくらいだろうか。
俺は今日ノエルの胸によって気付かぬ間に殺されるところだった。ノエルは俺を抱き枕のようにして抱き締めていたがなんとか抜け出した、もう少し気付くのが遅ければ幸せに天に召されていたに違いない。
「ノエル、カレン朝だぞー」
「んん…はぁぁ、おはようございます」
「むにゃむにゃ…お肉…」
ノエルは相変わらずな起き方だが朝には強い、カレンは朝には滅法弱く、現に肉の夢でも見ているんだろう。
そんなやつにはこうだ!
犬耳と尻尾をそっと撫でてやる、これがカレンにも一番効くのは把握済みなのだ。
「ふぁぁ!な、なんでしゅか!」
「朝だぞー」
まだ少しは寝惚けながらリビングへと連れていくがフラフラした足取りだ。
「今日はゆっくりして街へとぶらぶらにしいこう。食べ歩きとかしてみたかったし、それに2人の服とかも買いにいこう」
「金銭的に良いのですか?」
ノエルは金銭面を気にしてくれているようだがダンジョンでいらない宝物などを売り捌いていくとまぁまぁお金が集まった。
「そこは気にしなくてもいいよ」
「ミナト様がそういうなら…」
カレンはすっかり行く気満々で用意をし始めた。
シエルには悪いがお留守番だ。
今日の2人はより一層気品溢れていた。
ノエルはカーディガンを羽織り、スカートを着ている。
カレンは尻尾が空いた専用のワンピースを着ており、いつもは余りわからないのだがノエルほどではないが美形のモノがカレンを更に魅力的にさせる。
これが所謂、隠れ巨乳というやつか。
「あれ美味しそうですね!」
ほぉぉ~と思っているとカレンから串焼牛肉が欲しいと言われて早速食べあるきする。
「お嬢ちゃん可愛いからもう一本あげるよ」
「ありがとうございます」
見事におまけを貰って大満足のようだ。
ノエルも楽しそうに笑っている、2人が楽しそうでなによりだ。
「次は服を見に行こうか、どんなのがいい?」
「特にないのですが、私はこのカーディガンが好きですかね。軽く羽織るだけなので」
「私はこの服も気に入ってるけどなんでも!」
どんなのかは見た方がいいよな、今日は元々奮発してやろうと思っていたところだ。どうせ買うならいいところに行こう。
この街でも有名なブティックのところに行く道中、やはりと言いたくなる出来事が起こってしまう。
「お姉さんこれから飲みに行かない??」
「これから用事があるので」
俺がいるのに目の前でノエルを口説いてくる、なんてやつだ。
しかも髪の毛を掻き上げてめっちゃ決めポーズしてる。キザなのか。
「まさか断られるとはねぇ…こんなやつの何処がいいんだか」
「あ、奴隷だからか、そんなものがあるから…」
勝手に話を進めている。シエラは置いてきて良かった、居たらいま頃この男の顔は引っ掻き傷だらけだろう。
「いえ、私は奴隷でなくともミナト様の傍にいますので」
「わ、私もですっ!」
思ってもなかった事を聞き、顔が真っ赤になってしまった。
「な、なにを熱くなってるんだ、俺と一度遊ぶだけですぐ忘れるさ」
男はノエルの手を掴み連れていこうとするが「触らないで下さい」と避けられる。
「思い上がるなよぉぉ!」
急に男が叫びナイフを取り出しノエルへと斬りかかる。俺は止めることができたがしなかった。
いや、する意味がなかった。
男がナイフを振り上げた刹那、顔の真横を高速で拳が通りすぎる。
「ひぃっ?!」
男は情けない声を漏らして崩れ落ちた。
ノエルは並大抵の奴には負けないとわかっていたからだ。
「まだまだですね、金輪際関わらないで下さい」
ノエルが言い残し俺たちはその場を去った。
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