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雪景色に踊る港の暴風
#8
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オランディの首都リモワは、大きな港で発展した街です。
港の周りには沢山の店が並び、一番大きな通りには市場が出来ます。
今は一年の終わりで日付の変わる時刻。
空には淡青の花が咲いてます。
「キレイですね! これがハナビなんですよね!」
「私も見た事はないのですが、おそらく」
「きっとみんな見てますよね!」
「そうですね、王都にいたら鑑賞できるでしょう」
海上に咲いた花は薬品を上空で燃焼させているものです。
情報は伝聞だけでしたが、ご満足頂けたようです。
───────
メル様から事情を聞いてからすぐ、私達はリモワの市場入口に来ました。
店の看板はCHIUSOの表示にし、途中だったオセチに保冷させておきました。
「キーノスさん、ここが遭遇した場所です!」
「承知いたしました、少し集中するのでお願いしますよ」
「任せて下さい! ばっちり見張ります!」
感動的な言葉です。
メル様が得た情報によると、市場のどこかに大量の爆弾があるようです。
ユメノ様がいつ火をつけるか分からない状態で放置されているようです。
こういうのはビャンコ様が得意なんですけどね……さすがにすぐに局長様へ協力を得るのは難しいです。
ハーブ多めに作ったタバコに火をつけ、意識を広げます。
かなり疲れますが、これで市場内の空気の変化を察知することができます。
動機が脅迫なら、本人が安全な位置を確保できない場所にはないでしょう。
また、すぐに爆発させないためにも……この時間でも人の頻繁に出入りがある場所、火気の強い場所には無いと考えられます。
全て推測ですが、賭ける価値はあります。
空気の変化から見て、条件に該当するのは二箇所です。
港の共用倉庫内か、波止場周辺です。
私は目を開け、メル様に告げます。
「メル様、波止場に放置されている荷を調べてください。近くに居る人に聞けば誰の荷かは分かりますし、不明の場合は私に知らせてください」
私はメル様に小さなブローチをお渡しします。
「それを握って術を使って下さい。そうすれば私の持つブローチに伝わります」
「分かりました! 全力でこめます!」
「いえ、軽めで問題ありませんよ。私も見つけたらメル様にお知らせします」
「わかりました、受け取ります!」
相手がメル様だから使える伝達手段です。
私達は解散し、それぞれの場所に急ぎました。
───────
キーノスさんと分かれてからすぐに波止場に行くため、市場の中へ入りました。
屋台が沢山並んでいて、年越しを祝う人達が飲み会を開いてます。
夜も遅いのでかなり寒く、ところどころに暖を取れる薪缶が置かれています。
薪缶……嫌な想像をして、僕は波止場に走りました。
波止場に着いて荷物をすぐに探し始めましたが、放置してある荷物は一箇所しか見当たりません!
多分アレです! というか、アレしかないです。そもそも他に物が何もないのからすごく目立ちます!
波止場入口にある薪缶の前でお酒を飲んでいる方がいますが、見張りの人はいないみたいです。
僕は荷物の所まで行き中身を見たら、焦げ茶色の粉が沢山詰まった瓶が並んでいました。
僕は荷物から離れ、波止場入口でお酒を飲んでいる人に話を聞きました。
「こんばんは、あそこの荷物って誰のですか?」
「あぁ、それオレ達も分からないんだよ。ずっと置きっぱなしで」
「確かに名前とかないですね」
「そうなんだよ、一応港の掲示板で聞いてるけど名乗り出ないし。近いうちに処分する事になるだろうね」
持ち主不明!
あんな目立つ所にずっと放置するなんて、隠す気あるのかな?
怪しい荷物が見つかったので、キーノスさんのブローチを……と思っていたら
「メル様、良いタイミングでしたね」
ブローチに祈る前に、キーノスさんが現れました。
───────
メル様がブローチを握りしめているところで声をかけました。
もう少し探すのに時間がかかるかと思いましたが、波止場に一箇所しか見当たりません。
これは隠すにしてもあまりにお粗末ですね……隠してないのでしょうか?
「キーノスさん! 凄いタイミングです!」
「倉庫は月の初めから夜は屋台がずっとあったようで、夜に限らず倉庫内に無断で立ち入るのは難しいようです。向かう途中で話を聞けたのですぐこちらへ向かいました」
市場を歩いていたら、ちょうど目の前を歩く紳士たちがその屋台の話をしておりました。
盗み聞きとはマナー違反ですが、これ幸いと波止場へ向かいました。
私のマナーよりも、爆弾をどうにかする方が先でしょう。
「中身は確認しましたか?」
「案内します!」
私は案内されるまま、小さな木箱が四つ程重なった場所に来ました。
木箱の一つの蓋が外れていたため、開けて中を確認しました。
多くの瓶が入っていて、瓶の中身は赤褐色の粉末のようです。
一見コーヒーの粉末のようですが……蓋を開けてみたら、薬品を扱う人にはすぐ分かります。
一応の確認で中身を少しだけ術で浮かせて取り出し、手の上に乗せます。
そして小さく指を鳴らし、粉末を手から少し浮かせ、一気に温度を上げました。
一瞬強い淡青の炎が発生し消えました。
おそらくマッチに使われる薬品ですね。
扱い方次第で大事故に繋がりますが……
一旦取り出した瓶を木箱に戻しておきます。
私は波止場の入口でお酒を飲んでいる方と話していたメル様の元へ向かいます。
メル様が何か申し訳無さそうな様子でこちらを見ていますが……何かあったのでしょうか?
「お疲れ様です! こちらの少年からあなたがあの荷物を引き取って下さると聞きましたが、間違いありませんか?」
なるほど、成人に見られなかったのですね……。
薪缶前の彼は港の管理の仕事をなさっている方のようですね。
さて、この場を切り抜けるために。
カーラ様には後日説明をさせて頂くとして、この場を収めるのに一役買っていただきましょう。
「こんばんは。カロージェロ様から連絡を受けこちらへ急ぎ参りましたので、身分証などはないのですが……」
「身分証などがないと、荷物の受け渡しは難しいですね」
「もし私がカロージェロ様と接点があると証明出来たら問題ありませんか?」
「……えぇ、それが出来ればの話をですが」
思ったより柔軟な方の様ですね。これは交渉が楽かもしれません。
「今朝の新聞はご覧になりましたか? ディーボに関しての記事があったかと思いますが」
「あー見ましたね。なんでも打ち上げの余興でプロ並の奴らが演奏したとか」
「……その記事の楽士が私だったら、証明になりますか?」
私はあの時の髪型、前髪含めた全ての髪の毛を後頭部でまとめて見せます。
この気味の悪い顔が全面に出ます。
……運良く逃げ出して貰えたら、それはそれで火薬を排除する時間が稼げます。
「あっ! いや、写真がないと……」
「それなら僕が持ってます!」
メル様は懐を探り、新聞の切り抜きを取り出します。
「店長の記事だったので取っといたんです。これで証明になりますか?」
「お借りします」
メル様から切り抜きを受け取り、私と見比べてから大きく頷きました。
「確かにあなたのようですし、ディーボがカロージェロさんとも書いてあります! 身元は分かりましたし、あちらの荷物をお預けします」
「本当に良いんですか?」
「大丈夫でしょう。ずっと放置されたる物だし、近いうちに処分する予定でした」
私達が駆け回らずとも、ユメノ様の陰謀は防げたようですね。
港の管理をしているであろう彼は私に告げました。
「身分証はないとの事ですが、簡単なサインをお願いできますか?」
「えぇ、もちろんです」
「ありがとうございます。用紙を持ってきますので、そちらにお願いします」
薪缶前から彼は去っていきました。
メル様と少しだけ会話を交わしたようですが、すぐに管理室に入り用紙を持ってこちらへ来ました。
「後日カロージェロさんにも正式なサインを貰う必要がありますが、一旦これで問題ありません!」
簡単なサインをした私に彼が告げ、彼はその用紙を持ってまた管理室へ入っていきました。
さて、次はこれの処分です。
メル様は「隠す」「良いアイデア」と言ってましたが、どうなさるおつもりでしょうか?
───────
私はタバコに火をつけながら、夜空の花を見つめます。
サチ様から聞いたハナビは、上空へ火薬を打ち上げ、爆発して放射状に広がった火が花に見えるものだそうです。
メル様から聞いたそれは、上空で輝く炎の花だそうです。
今空に咲いている花は、バラとモウカハナの花です。
海上の上空で、任意の配置させた薬品を燃焼させています。
「あれモウカハナですよね!」
「そうですよ、覚えて頂けましたか?」
「はい! もう一つはバラですか?」
「えぇ。今年リモワにいた術士を苦しめたものですから、少しでも良い思い出に変わればと思いまして」
「あははっ! 確かにちょっとだけ好きになれそうです!」
メル様は火薬と聞いた時、私が過去に見せた氷のモウカハナを思い出したそうです。
「キーノスさんなら火薬を凍らせる事ができるんじゃないですか?」
彼はどうやら私が氷を扱う術士だと考えていたようです。
爆弾? を見つけたから通報するべきなのでしょうが……メル様だけが分かる犯行予告を元に、波止場に持ち主不明のマッチの材料が見つけたという、よく分からない内容です。
下手をすればメル様の妄想癖を疑われるだけでしょうし、さっさと薬品を処分してしまうのが良いと考えました。
いっその事薬品を全て海に沈めよう……と悩んでいた時、街の賑わう声でふと過去に聞いた言葉を思い出しました。
"この海の上で花火大会をやってみたいの!"
今回入手した瓶の一本を証拠のために残すと考えて、咲かせる事が出来る花はあと少しです。
せっかくですし、皆様へ挨拶を最後のハナビといたしましょう。
「良いお年を」
こんな物でも、サチ様への餞になれば良いのですが。
港の周りには沢山の店が並び、一番大きな通りには市場が出来ます。
今は一年の終わりで日付の変わる時刻。
空には淡青の花が咲いてます。
「キレイですね! これがハナビなんですよね!」
「私も見た事はないのですが、おそらく」
「きっとみんな見てますよね!」
「そうですね、王都にいたら鑑賞できるでしょう」
海上に咲いた花は薬品を上空で燃焼させているものです。
情報は伝聞だけでしたが、ご満足頂けたようです。
───────
メル様から事情を聞いてからすぐ、私達はリモワの市場入口に来ました。
店の看板はCHIUSOの表示にし、途中だったオセチに保冷させておきました。
「キーノスさん、ここが遭遇した場所です!」
「承知いたしました、少し集中するのでお願いしますよ」
「任せて下さい! ばっちり見張ります!」
感動的な言葉です。
メル様が得た情報によると、市場のどこかに大量の爆弾があるようです。
ユメノ様がいつ火をつけるか分からない状態で放置されているようです。
こういうのはビャンコ様が得意なんですけどね……さすがにすぐに局長様へ協力を得るのは難しいです。
ハーブ多めに作ったタバコに火をつけ、意識を広げます。
かなり疲れますが、これで市場内の空気の変化を察知することができます。
動機が脅迫なら、本人が安全な位置を確保できない場所にはないでしょう。
また、すぐに爆発させないためにも……この時間でも人の頻繁に出入りがある場所、火気の強い場所には無いと考えられます。
全て推測ですが、賭ける価値はあります。
空気の変化から見て、条件に該当するのは二箇所です。
港の共用倉庫内か、波止場周辺です。
私は目を開け、メル様に告げます。
「メル様、波止場に放置されている荷を調べてください。近くに居る人に聞けば誰の荷かは分かりますし、不明の場合は私に知らせてください」
私はメル様に小さなブローチをお渡しします。
「それを握って術を使って下さい。そうすれば私の持つブローチに伝わります」
「分かりました! 全力でこめます!」
「いえ、軽めで問題ありませんよ。私も見つけたらメル様にお知らせします」
「わかりました、受け取ります!」
相手がメル様だから使える伝達手段です。
私達は解散し、それぞれの場所に急ぎました。
───────
キーノスさんと分かれてからすぐに波止場に行くため、市場の中へ入りました。
屋台が沢山並んでいて、年越しを祝う人達が飲み会を開いてます。
夜も遅いのでかなり寒く、ところどころに暖を取れる薪缶が置かれています。
薪缶……嫌な想像をして、僕は波止場に走りました。
波止場に着いて荷物をすぐに探し始めましたが、放置してある荷物は一箇所しか見当たりません!
多分アレです! というか、アレしかないです。そもそも他に物が何もないのからすごく目立ちます!
波止場入口にある薪缶の前でお酒を飲んでいる方がいますが、見張りの人はいないみたいです。
僕は荷物の所まで行き中身を見たら、焦げ茶色の粉が沢山詰まった瓶が並んでいました。
僕は荷物から離れ、波止場入口でお酒を飲んでいる人に話を聞きました。
「こんばんは、あそこの荷物って誰のですか?」
「あぁ、それオレ達も分からないんだよ。ずっと置きっぱなしで」
「確かに名前とかないですね」
「そうなんだよ、一応港の掲示板で聞いてるけど名乗り出ないし。近いうちに処分する事になるだろうね」
持ち主不明!
あんな目立つ所にずっと放置するなんて、隠す気あるのかな?
怪しい荷物が見つかったので、キーノスさんのブローチを……と思っていたら
「メル様、良いタイミングでしたね」
ブローチに祈る前に、キーノスさんが現れました。
───────
メル様がブローチを握りしめているところで声をかけました。
もう少し探すのに時間がかかるかと思いましたが、波止場に一箇所しか見当たりません。
これは隠すにしてもあまりにお粗末ですね……隠してないのでしょうか?
「キーノスさん! 凄いタイミングです!」
「倉庫は月の初めから夜は屋台がずっとあったようで、夜に限らず倉庫内に無断で立ち入るのは難しいようです。向かう途中で話を聞けたのですぐこちらへ向かいました」
市場を歩いていたら、ちょうど目の前を歩く紳士たちがその屋台の話をしておりました。
盗み聞きとはマナー違反ですが、これ幸いと波止場へ向かいました。
私のマナーよりも、爆弾をどうにかする方が先でしょう。
「中身は確認しましたか?」
「案内します!」
私は案内されるまま、小さな木箱が四つ程重なった場所に来ました。
木箱の一つの蓋が外れていたため、開けて中を確認しました。
多くの瓶が入っていて、瓶の中身は赤褐色の粉末のようです。
一見コーヒーの粉末のようですが……蓋を開けてみたら、薬品を扱う人にはすぐ分かります。
一応の確認で中身を少しだけ術で浮かせて取り出し、手の上に乗せます。
そして小さく指を鳴らし、粉末を手から少し浮かせ、一気に温度を上げました。
一瞬強い淡青の炎が発生し消えました。
おそらくマッチに使われる薬品ですね。
扱い方次第で大事故に繋がりますが……
一旦取り出した瓶を木箱に戻しておきます。
私は波止場の入口でお酒を飲んでいる方と話していたメル様の元へ向かいます。
メル様が何か申し訳無さそうな様子でこちらを見ていますが……何かあったのでしょうか?
「お疲れ様です! こちらの少年からあなたがあの荷物を引き取って下さると聞きましたが、間違いありませんか?」
なるほど、成人に見られなかったのですね……。
薪缶前の彼は港の管理の仕事をなさっている方のようですね。
さて、この場を切り抜けるために。
カーラ様には後日説明をさせて頂くとして、この場を収めるのに一役買っていただきましょう。
「こんばんは。カロージェロ様から連絡を受けこちらへ急ぎ参りましたので、身分証などはないのですが……」
「身分証などがないと、荷物の受け渡しは難しいですね」
「もし私がカロージェロ様と接点があると証明出来たら問題ありませんか?」
「……えぇ、それが出来ればの話をですが」
思ったより柔軟な方の様ですね。これは交渉が楽かもしれません。
「今朝の新聞はご覧になりましたか? ディーボに関しての記事があったかと思いますが」
「あー見ましたね。なんでも打ち上げの余興でプロ並の奴らが演奏したとか」
「……その記事の楽士が私だったら、証明になりますか?」
私はあの時の髪型、前髪含めた全ての髪の毛を後頭部でまとめて見せます。
この気味の悪い顔が全面に出ます。
……運良く逃げ出して貰えたら、それはそれで火薬を排除する時間が稼げます。
「あっ! いや、写真がないと……」
「それなら僕が持ってます!」
メル様は懐を探り、新聞の切り抜きを取り出します。
「店長の記事だったので取っといたんです。これで証明になりますか?」
「お借りします」
メル様から切り抜きを受け取り、私と見比べてから大きく頷きました。
「確かにあなたのようですし、ディーボがカロージェロさんとも書いてあります! 身元は分かりましたし、あちらの荷物をお預けします」
「本当に良いんですか?」
「大丈夫でしょう。ずっと放置されたる物だし、近いうちに処分する予定でした」
私達が駆け回らずとも、ユメノ様の陰謀は防げたようですね。
港の管理をしているであろう彼は私に告げました。
「身分証はないとの事ですが、簡単なサインをお願いできますか?」
「えぇ、もちろんです」
「ありがとうございます。用紙を持ってきますので、そちらにお願いします」
薪缶前から彼は去っていきました。
メル様と少しだけ会話を交わしたようですが、すぐに管理室に入り用紙を持ってこちらへ来ました。
「後日カロージェロさんにも正式なサインを貰う必要がありますが、一旦これで問題ありません!」
簡単なサインをした私に彼が告げ、彼はその用紙を持ってまた管理室へ入っていきました。
さて、次はこれの処分です。
メル様は「隠す」「良いアイデア」と言ってましたが、どうなさるおつもりでしょうか?
───────
私はタバコに火をつけながら、夜空の花を見つめます。
サチ様から聞いたハナビは、上空へ火薬を打ち上げ、爆発して放射状に広がった火が花に見えるものだそうです。
メル様から聞いたそれは、上空で輝く炎の花だそうです。
今空に咲いている花は、バラとモウカハナの花です。
海上の上空で、任意の配置させた薬品を燃焼させています。
「あれモウカハナですよね!」
「そうですよ、覚えて頂けましたか?」
「はい! もう一つはバラですか?」
「えぇ。今年リモワにいた術士を苦しめたものですから、少しでも良い思い出に変わればと思いまして」
「あははっ! 確かにちょっとだけ好きになれそうです!」
メル様は火薬と聞いた時、私が過去に見せた氷のモウカハナを思い出したそうです。
「キーノスさんなら火薬を凍らせる事ができるんじゃないですか?」
彼はどうやら私が氷を扱う術士だと考えていたようです。
爆弾? を見つけたから通報するべきなのでしょうが……メル様だけが分かる犯行予告を元に、波止場に持ち主不明のマッチの材料が見つけたという、よく分からない内容です。
下手をすればメル様の妄想癖を疑われるだけでしょうし、さっさと薬品を処分してしまうのが良いと考えました。
いっその事薬品を全て海に沈めよう……と悩んでいた時、街の賑わう声でふと過去に聞いた言葉を思い出しました。
"この海の上で花火大会をやってみたいの!"
今回入手した瓶の一本を証拠のために残すと考えて、咲かせる事が出来る花はあと少しです。
せっかくですし、皆様へ挨拶を最後のハナビといたしましょう。
「良いお年を」
こんな物でも、サチ様への餞になれば良いのですが。
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