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少女入学編3
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~1か月前~
開かれたトランクには生活する上で必要最低限のものが敷き詰められていた。
これだけぎゅうぎゅう詰めにしたものの、これらのモノがちゃんと収まってくれるかが心配だが、これでも選別したつもりだ。
トランクに入っているモノは、すべて私が物心ついた頃から愛用している品々ばかりだ。
私の世話をしてくれた内の一人は「モノは大切にしなさい」そう言っていた。時には話しかけるくらいの気持ちで人生を共に歩むつもりで接するようにと。
何故なら、我々人間はモノと共に歴史を歩んできた、モノが無ければ人間は今日まで生き残れたかもわからなかったのだと。
だから、私はできる限り物は大切に扱うことを心がけている。そして、その結果がこれだ。新しく便利なものも良いが、不便な位が人間にはちょうど良いような気がしてならない。
そんな事を思っているうちに部屋にかけられた時計に目を向けると、すでに刻限が迫っていた。
そして、私はトランクを持ち上げて自室の扉を開けた。ふと、振り返るとそこにはベッドとデスクが置かれているだけのなんとも寂しい空間があった。
今日という日までお世話になったとても思い出深い部屋だ。
この部屋だけが私の唯一の癒しの空間であり、私が私でいられた空間。それが今となっては生活感のない寂しい場所となり果てた。
「長い間お世話になりました、本当にありがとうございました」
深々と頭を下げた後、扉をゆっくりとしめた。
ガチャンという音がどこか切なく、金属製のドアノブがいつもより冷たく感じられた。もう行かなくてはならない、そう心に言い聞かせてドアノブを離した。
私は今日この家を出る、自分が思い描く夢を叶えるために。
自室があった別館を出て、整備された石畳を道なりに歩くことしばらく、この広大な土地の主である「大角家」の邸宅が見えてきた。
ここを所有するのは稀代の魔術師であり、魔法界にその名を知らぬ者はいないといわれる大角 雄才様だ。
両親がいない捨て子の私を拾ってくださり、最低限の生活と役割を与えてくださった恩人、この方がいなければ私は今頃どこでどうなっていたかもわからなかっただろう。
しかし、だからと言って私が雄才様とお会いする事などほとんどなく、会話も両手で数えられるほどしかない。
それでも私の一番の恩人であることには変わりなく、この大きな邸宅は大切な場所であることに間違いはない。
そんな事を思いながら、改めて邸宅を眺めてみるとそれはそれは立派で大きなものだった。
あの邸宅で働くだけではなく、優雅に紅茶やお菓子をたしなんでみたかったものだ。
けれど、私のようなものにそんな巡り合わせがあるはずがなく、ただ心を押し殺しながらあそこに住む方々の言われた事をこなした。
しかし、おそらくこの場所もこれで見納めになるのだろう。そう思いながら再び道なり進み大角家の入り口を象徴する大門へとたどり着いたところで、そこに二人の人が立っていることに気付いた。
その姿を見て私は急ぎ足でその二人の元へと向かった。
門のそばにいたのは幼い頃からお世話になった二人だった。一人は義母である大角 鹿乃瑚おばさまと、その夫で義父の肇おじさまだ。
深々と頭を下げると、「フンッ」という音が聞こえてきた。この鼻から抜け出る鹿乃瑚おばさんの鳴き声も今日が聞き納めだと思うと多少はすっきりする様な気がする。
「一体、何を思ってこの家を出るつもりなのかはわかりませんが、覚悟はできているのでしょうね?」
「はい、できています」
私は頭を深く下げながらそう答えた。
「魔女になるだなんてバカげたことを、お前のような出来損ないがそんなものになれると本気で思っているのですか?」
「・・・・・・思っておりません」
「では、なぜその様な世迷言を、そもそもあなたの様な素性の知れぬ子どもがっ」
「幸せについて知りたいのです」
鹿乃瑚おばさんの嫌味が続く前に勇気を振り絞ってそう答えた。すると、その場の空気が一気に変わったような気がした。私はすぐに顔をあげてみると、そこには鹿乃湖おばさまが顔を引きつらせていた。
「なんてことをっ、まるでここにいた事が不幸だったかのような口ぶりをっ」
「い、いえ、そういうわけではありません」
「ふざけるなっ、誰が今日までお前の面倒を見てきていたと思っているのですっ、お前はその恩をあだで返すつもりですかっ」
「・・・・・・いえ、そういうつもりで言ったわけではなくて」
鹿乃瑚おばさまは息を荒げ、今にも私につかみかかってきそうな勢いで私を睨みつけていた。あぁ、何度この目を見てきただろう。私を憎み、呪い殺そうとしてくるかのようなあの目を。
「お前という奴は、お前みたいな奴をどうして私がっ」
その言葉も何度も聞いてきた。幾度となく私の目の前で、はたまた私がおばさまの前にいない時にでもだ。すると、そんな荒ぶるおばさまの隣にいた肇おじさまが彼女の肩に手を置いた。
「もう、いいだろう鹿乃瑚」
その一言に、いまだ興奮冷めやらぬ様子のおばさまは肩の手を振り払った。
「この子はまるで今日までが不幸せだったかのようなことを言っているのですよっ。私たちがどれほどの思いで・・・・・・うぅっ」
鹿乃瑚おばさまは涙ぐみながら体を震わせていた。
「鹿乃瑚、この子もまた決して望まぬ運命を辿らざるを得なかったんだ。もちろん君もその運命という気まぐれに翻弄されてきた。彼女の気持ちだって多少は分かってあげられないかい?」
「・・・・・・そんなもの、わかるわけありませんっ」
悔しそうな様子の鹿乃瑚おばさんは肇おじさんに寄り添い、肩に顔をうずめた。すると、肇おじさまは鹿乃湖おばさまの頭を軽く撫でた。
「ここに来て約13年だ。ようやく彼女は自分から一つの選択をしたのだ。それは彼女の人生でとても重要な決断である事に違いない。
いや、そうあるべきでありそうしなければならない、だから我々は彼女の快く見送ってあげなければならないんだよ」
鹿乃瑚おばさまはおじさまに抱き着き泣きわめき始めた。その様子もまた、私は何度も見てきた。
鹿乃瑚おばさまから受けた辛い思い出も多い、でもその分どんな理由かはわからないが、鹿乃瑚おばさまが悲しんでいる姿もたくさん見てきた。
だからこそ、互いにどんな理由があったとしても、私が13歳を迎える年になるまでお世話になったことを真摯に伝えなければならない。
「本当に、お世話になりました」
そういうと、肇おじさまが小さく何度かうなづいたが、鹿乃瑚おばさまは何も反応することなくおじさまに泣きついていた。それを見届けた私はお世話になった家を後にした。
人生のほとんどを捧げてきたこの場所に別れを告げる。確かにいい思い出などはなく、辛い思い出ばかりが詰まった場所だ。
しかし、いざ出ていくとなると私の心には少しばかりの寂しさがあふれてきた。うん、旅立つその日にホームシックとは私はダメな奴だ。
しかし、それほどまでにこの家での生活は私に多大なる影響を与えてくれたのは間違いない。それ故に私の足取りは重く、そして決意したはずの離郷が本当に正しい選択だったのかと私を苛んできた。
頭の中で走馬灯のようによみがえるこれまでの日々、それらは決してお世辞にも素晴らしい日々とは言えないものばかりだった。
けれど、だからと言って消したい過去という事にはならない、それらすべてが私を形成するものであり私自身であることは間違いない。
だから、その数ある中で私が思う幸せの記憶。その輝かしいものを大きく育てさらに輝かせるための選択をする事にしたのだ。
迷わなくてもいい、もう幸せになるための一歩を踏み出したのだ。それがどれほど長い道のりになるのかはわからない、けれど私は決めた、あまりに無謀な行為だが私はそれを望んだ。
そう、すべては幸せを知るために。
開かれたトランクには生活する上で必要最低限のものが敷き詰められていた。
これだけぎゅうぎゅう詰めにしたものの、これらのモノがちゃんと収まってくれるかが心配だが、これでも選別したつもりだ。
トランクに入っているモノは、すべて私が物心ついた頃から愛用している品々ばかりだ。
私の世話をしてくれた内の一人は「モノは大切にしなさい」そう言っていた。時には話しかけるくらいの気持ちで人生を共に歩むつもりで接するようにと。
何故なら、我々人間はモノと共に歴史を歩んできた、モノが無ければ人間は今日まで生き残れたかもわからなかったのだと。
だから、私はできる限り物は大切に扱うことを心がけている。そして、その結果がこれだ。新しく便利なものも良いが、不便な位が人間にはちょうど良いような気がしてならない。
そんな事を思っているうちに部屋にかけられた時計に目を向けると、すでに刻限が迫っていた。
そして、私はトランクを持ち上げて自室の扉を開けた。ふと、振り返るとそこにはベッドとデスクが置かれているだけのなんとも寂しい空間があった。
今日という日までお世話になったとても思い出深い部屋だ。
この部屋だけが私の唯一の癒しの空間であり、私が私でいられた空間。それが今となっては生活感のない寂しい場所となり果てた。
「長い間お世話になりました、本当にありがとうございました」
深々と頭を下げた後、扉をゆっくりとしめた。
ガチャンという音がどこか切なく、金属製のドアノブがいつもより冷たく感じられた。もう行かなくてはならない、そう心に言い聞かせてドアノブを離した。
私は今日この家を出る、自分が思い描く夢を叶えるために。
自室があった別館を出て、整備された石畳を道なりに歩くことしばらく、この広大な土地の主である「大角家」の邸宅が見えてきた。
ここを所有するのは稀代の魔術師であり、魔法界にその名を知らぬ者はいないといわれる大角 雄才様だ。
両親がいない捨て子の私を拾ってくださり、最低限の生活と役割を与えてくださった恩人、この方がいなければ私は今頃どこでどうなっていたかもわからなかっただろう。
しかし、だからと言って私が雄才様とお会いする事などほとんどなく、会話も両手で数えられるほどしかない。
それでも私の一番の恩人であることには変わりなく、この大きな邸宅は大切な場所であることに間違いはない。
そんな事を思いながら、改めて邸宅を眺めてみるとそれはそれは立派で大きなものだった。
あの邸宅で働くだけではなく、優雅に紅茶やお菓子をたしなんでみたかったものだ。
けれど、私のようなものにそんな巡り合わせがあるはずがなく、ただ心を押し殺しながらあそこに住む方々の言われた事をこなした。
しかし、おそらくこの場所もこれで見納めになるのだろう。そう思いながら再び道なり進み大角家の入り口を象徴する大門へとたどり着いたところで、そこに二人の人が立っていることに気付いた。
その姿を見て私は急ぎ足でその二人の元へと向かった。
門のそばにいたのは幼い頃からお世話になった二人だった。一人は義母である大角 鹿乃瑚おばさまと、その夫で義父の肇おじさまだ。
深々と頭を下げると、「フンッ」という音が聞こえてきた。この鼻から抜け出る鹿乃瑚おばさんの鳴き声も今日が聞き納めだと思うと多少はすっきりする様な気がする。
「一体、何を思ってこの家を出るつもりなのかはわかりませんが、覚悟はできているのでしょうね?」
「はい、できています」
私は頭を深く下げながらそう答えた。
「魔女になるだなんてバカげたことを、お前のような出来損ないがそんなものになれると本気で思っているのですか?」
「・・・・・・思っておりません」
「では、なぜその様な世迷言を、そもそもあなたの様な素性の知れぬ子どもがっ」
「幸せについて知りたいのです」
鹿乃瑚おばさんの嫌味が続く前に勇気を振り絞ってそう答えた。すると、その場の空気が一気に変わったような気がした。私はすぐに顔をあげてみると、そこには鹿乃湖おばさまが顔を引きつらせていた。
「なんてことをっ、まるでここにいた事が不幸だったかのような口ぶりをっ」
「い、いえ、そういうわけではありません」
「ふざけるなっ、誰が今日までお前の面倒を見てきていたと思っているのですっ、お前はその恩をあだで返すつもりですかっ」
「・・・・・・いえ、そういうつもりで言ったわけではなくて」
鹿乃瑚おばさまは息を荒げ、今にも私につかみかかってきそうな勢いで私を睨みつけていた。あぁ、何度この目を見てきただろう。私を憎み、呪い殺そうとしてくるかのようなあの目を。
「お前という奴は、お前みたいな奴をどうして私がっ」
その言葉も何度も聞いてきた。幾度となく私の目の前で、はたまた私がおばさまの前にいない時にでもだ。すると、そんな荒ぶるおばさまの隣にいた肇おじさまが彼女の肩に手を置いた。
「もう、いいだろう鹿乃瑚」
その一言に、いまだ興奮冷めやらぬ様子のおばさまは肩の手を振り払った。
「この子はまるで今日までが不幸せだったかのようなことを言っているのですよっ。私たちがどれほどの思いで・・・・・・うぅっ」
鹿乃瑚おばさまは涙ぐみながら体を震わせていた。
「鹿乃瑚、この子もまた決して望まぬ運命を辿らざるを得なかったんだ。もちろん君もその運命という気まぐれに翻弄されてきた。彼女の気持ちだって多少は分かってあげられないかい?」
「・・・・・・そんなもの、わかるわけありませんっ」
悔しそうな様子の鹿乃瑚おばさんは肇おじさんに寄り添い、肩に顔をうずめた。すると、肇おじさまは鹿乃湖おばさまの頭を軽く撫でた。
「ここに来て約13年だ。ようやく彼女は自分から一つの選択をしたのだ。それは彼女の人生でとても重要な決断である事に違いない。
いや、そうあるべきでありそうしなければならない、だから我々は彼女の快く見送ってあげなければならないんだよ」
鹿乃瑚おばさまはおじさまに抱き着き泣きわめき始めた。その様子もまた、私は何度も見てきた。
鹿乃瑚おばさまから受けた辛い思い出も多い、でもその分どんな理由かはわからないが、鹿乃瑚おばさまが悲しんでいる姿もたくさん見てきた。
だからこそ、互いにどんな理由があったとしても、私が13歳を迎える年になるまでお世話になったことを真摯に伝えなければならない。
「本当に、お世話になりました」
そういうと、肇おじさまが小さく何度かうなづいたが、鹿乃瑚おばさまは何も反応することなくおじさまに泣きついていた。それを見届けた私はお世話になった家を後にした。
人生のほとんどを捧げてきたこの場所に別れを告げる。確かにいい思い出などはなく、辛い思い出ばかりが詰まった場所だ。
しかし、いざ出ていくとなると私の心には少しばかりの寂しさがあふれてきた。うん、旅立つその日にホームシックとは私はダメな奴だ。
しかし、それほどまでにこの家での生活は私に多大なる影響を与えてくれたのは間違いない。それ故に私の足取りは重く、そして決意したはずの離郷が本当に正しい選択だったのかと私を苛んできた。
頭の中で走馬灯のようによみがえるこれまでの日々、それらは決してお世辞にも素晴らしい日々とは言えないものばかりだった。
けれど、だからと言って消したい過去という事にはならない、それらすべてが私を形成するものであり私自身であることは間違いない。
だから、その数ある中で私が思う幸せの記憶。その輝かしいものを大きく育てさらに輝かせるための選択をする事にしたのだ。
迷わなくてもいい、もう幸せになるための一歩を踏み出したのだ。それがどれほど長い道のりになるのかはわからない、けれど私は決めた、あまりに無謀な行為だが私はそれを望んだ。
そう、すべては幸せを知るために。
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