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少女入学編5
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石門駅を後にして、舗装された道を歩くことしばらく。
ほぼ山道といっても過言ではない道を歩いていると、やたらと大きな石が二つあるのが見えてきた。それは大きなおおきな石であり、まるで大仏が並んで立っているかのように見えた。
二つの巨石はまるで門のようにそびえたっており、なんとなく石門駅という名前の由来が分かったようなきぶんになった。
並び立つ大きな巨石を前にすると自然とため息が出た。
それほど衝撃的で神秘的な存在を前に、たまらずその巨石を眺めていると、それまで静かだった周囲が急にざわめき始めた。
ザワザワと、あたりの木々や草花が揺れ始めると次第に私のもとに心地よい風が吹いてきた。体に感じるその風はとても心地よく、ずっと風にあたっていたいと思えるような感覚であり、しばらくその風に身を任せた。
もしかすると、私はこの場所に来ることを歓迎されているのかもしれない。そんな自惚れすら感じるほどの心地よさに酔いしれていると、突然人の声が聞こえてきた。
「おーい」
それは女の子の様なかわいらしい声で、まるで誰かに呼びかけるかのような言葉だった。私はすぐさま我に返り周囲を見渡すと、巨石のそばに人が立っているのに気づいた。
それは、巨石の隣にいるせいなのか、それとも本当に小さいのか。とにかくかわいらしい少女が立っていた。彼女は笑顔で私に手を振っているように見えた。
一応、背後を確認したところ私の後ろに誰もおらず、少女が私に向かって呼びかけていることを理解した。どうして私に手を降ってくるのだろう、外界に私の知り合いなんているはずがない。
そう思いながら恐るおそる少女に近づくと彼女の全貌が見えてきた。少女の様な体つきで、白銀の髪の毛をキラキラとたなびかせる少女は、赤い着物を身にまとっていた。
屈託のない笑顔は、どんな人間であろうと篭絡させてしまうであろう魅力的なものであり、私も思わず口元が緩んだ。
「新入生だろ?」
新入生という言葉を聞いて私はハッとした。どうしてこんな少女が私の事を知っているのだろう。
「どうしてそれを?」
「まぁまぁ気にしなくていいからついてきて、お前で最後だ」
「最後?」
赤い着物の少女は今度は私に手招きしてきた。私は招かれるまま、不思議な気持ちで少女の元へと歩み寄ると、彼女は右手を差し出してきた。
「さぁ、一緒に行こうか」
「あの、どこに?」
「学校さ」
赤い着物を着た少女は私の手をぎゅっと掴んできた。そして、そびえたつ巨石の間へと誘導してきた。まるで私の内情を知るかのような少女の行動に、頭の中が混乱していた。
狐に化かされたかのような気分、そんな言葉がお似合いな状況だと思いながら巨石の間を通り抜けた、手を引かれながら歩いていると、徐々にあたりの景色が一変していくのに気づいた。
地形はそのままだが生えている草花や木々、歩いている道といった、それらすべてが変化したとでもいうのだろうか、とにかくきれいに整備された芝生と石畳の道、色とりどりの花々や立ち並ぶ木々はどれもきれいに剪定されていた。
「景色が変わった・・・・・・」
驚きのあまり声に出すと、赤い着物の少女がケラケラと笑った。
「こんなことで驚いていたら入学式を前に驚きすぎで心臓麻痺で死んじゃうぞ?」
赤い着物の少女はニヤニヤと私をからかうように微笑みかけてきた。その様子は最初の無垢な子どもという印象を覆し、イタズラを覚えたやんちゃ子どもという印象に変わった。
「ここは普通の人間には入れない場所なんだ」
「え?」
「もちろん、お前はその手紙を持っているから許可されてるってわけだけど」
「もしかして私のことは何でもお見通しなのですか?」
「あぁ、ようこそ魔女見習い、お前が今年最後の入学者だ」
最後の入学者、その言葉が気になったが、それよりも眼前に広がる広大な敷地とかすかに見える魔法学校らしき建物の存在を前に、私はただただ見とれた。
「お前の事は聞いている、何でもあの大角雄才が推薦してきたってんだからな」
聞こえてきたのはなじみのある方の名前、それは私が長年お世話になった大角家の当主である大角雄才様の名前だった。
「雄才様をご存じなんですか?」
「もちろん知ってるさ、頑固な爺だが色々世話になったな」
「そうなんですね」
「だがその分迷惑もかけられてる」
「そうなんですか」
少女は何か気に食わないことでもあったのか、急に振り返るとむすっとした表情で私を睨みつけてきた。
「な、なんでしょう?」
「何だそのつまらない返答は、もう少し興味を持て興味をっ」
「いえ、しかし」
再びつまらないであろう返事を返してしまうと、赤い着物の少女はふてくされた様子を見せたが、すぐにあきれた様子を見せながらため息を吐いた。
「・・・・・・まぁいーや、雄才からお前の話は聞いてるからなぁ」
その言葉を聞いて少し不安になった。一体どんな話を聞かされているのだろう?
「ところで新入生、お前はこの魔法学校で何がしたい?」
「え?」
唐突な質問は、とても単純明快なものであると共にかなり核心をついた言葉に思えた。
「え、えっと」
一瞬戸惑うと少女は首をかしげながら私を見つめていた。
「ほら、とっとと答えろ」
「し、幸せっ」
言われるがままに口を動かした私はそんな言葉を吐き出した。
「幸せ?」
「幸せの魔法を学びに来ました」
「ほぉ、幸せの魔法とな」
「はい」
「で、幸せとはなんだ?」
少女はニヤニヤと私をあざ笑うかのような笑顔で見つめてきた。しっかりと私の目を見つめてくる少女の様子に、思わず目を背けた。
「幸せは幸せです」
「いやいや、だから幸せとは何ぞやってこっちは聞いてるんだが?」
「それは・・・・・・」
「おいおい、そんなこともわからずにここに来たっていうのかお前は?」
ただ漠然と「幸せ」言葉だけを鵜呑みして、私はそれが何なのかを一切考えたことがなかったのかもしれない。
本で読みかじっただけの「幸せ」という絵空事に理想を見出しただけ。けれど、だからこそ私はその幸せをつかむためにここに来たことは嘘ではないはずだ。
「だ、だからこそ、ここに来ました」
「は?」
「幸せになるためにここに来ましたっ」
「・・・・・・」
結局不透明だが、心の底からの言葉を吐き出すと、先ほどまでニヤニヤとしていた少女はいつの間にか真剣な表情をしていた。
そして、薄く開かれた目はまるで私の心を見透かしてこようとしているようだった。少女との間に沈黙が流れる、そして、それを断ち切るかのように少女は笑った。
「ヒッヒッヒッハッハ、フフフフフッ、アッハッハッ」
少女はお腹を抱えながらゲラゲラと笑い始めた。その様子に、私はただただ呆然とすることしかできなかった。
「あ、あの」
声を掛けても、まるで聞こえていない様子の少女はひとしきり笑い転げた後、息も絶えだえに私のもとに歩み寄ってきた。
「そうかそうか、まぁせいぜい頑張りな、私は応援してるぜカイア」
そういうと少女は私のお尻をパシンと叩いてきた。
「ひゃあっ」
突然の行為にびっくりしていると少女は私に背を向けた。すると、彼女はまるで何もなかったかのように再び私の前を歩き始めた。よく笑うし急に真剣な顔するし、かと思えば今度は何事もなかったかのように歩き出す。
その様子からしてただ者ではないだろうけど、これだけ心をかき乱されたらどうにも落ち着かない。けれど応援してくれるって言ってくれたのはなんだか嬉しかった様な気がした。
しかし、それにしても不思議なのは少女が私の名前を知っているという事だ。
「あ、あの」
「なぁんだい?」
少女は振り返ることなく返事をした。
「どうして私の名前を知っておられたのですか?」
「だから雄才から聞いてるといっただろう、面倒くさいのは嫌いだぜカイア」
また名前を呼ばれた。生まれてこの方ろくに名前で呼ばれたことのない私にとって、これはとても貴重で新鮮な状況だった。
「そ、そうでした失礼しました」
「気にするな、そら、もうすぐたどり着くぞ」
「え、あ、はい」
ほぼ山道といっても過言ではない道を歩いていると、やたらと大きな石が二つあるのが見えてきた。それは大きなおおきな石であり、まるで大仏が並んで立っているかのように見えた。
二つの巨石はまるで門のようにそびえたっており、なんとなく石門駅という名前の由来が分かったようなきぶんになった。
並び立つ大きな巨石を前にすると自然とため息が出た。
それほど衝撃的で神秘的な存在を前に、たまらずその巨石を眺めていると、それまで静かだった周囲が急にざわめき始めた。
ザワザワと、あたりの木々や草花が揺れ始めると次第に私のもとに心地よい風が吹いてきた。体に感じるその風はとても心地よく、ずっと風にあたっていたいと思えるような感覚であり、しばらくその風に身を任せた。
もしかすると、私はこの場所に来ることを歓迎されているのかもしれない。そんな自惚れすら感じるほどの心地よさに酔いしれていると、突然人の声が聞こえてきた。
「おーい」
それは女の子の様なかわいらしい声で、まるで誰かに呼びかけるかのような言葉だった。私はすぐさま我に返り周囲を見渡すと、巨石のそばに人が立っているのに気づいた。
それは、巨石の隣にいるせいなのか、それとも本当に小さいのか。とにかくかわいらしい少女が立っていた。彼女は笑顔で私に手を振っているように見えた。
一応、背後を確認したところ私の後ろに誰もおらず、少女が私に向かって呼びかけていることを理解した。どうして私に手を降ってくるのだろう、外界に私の知り合いなんているはずがない。
そう思いながら恐るおそる少女に近づくと彼女の全貌が見えてきた。少女の様な体つきで、白銀の髪の毛をキラキラとたなびかせる少女は、赤い着物を身にまとっていた。
屈託のない笑顔は、どんな人間であろうと篭絡させてしまうであろう魅力的なものであり、私も思わず口元が緩んだ。
「新入生だろ?」
新入生という言葉を聞いて私はハッとした。どうしてこんな少女が私の事を知っているのだろう。
「どうしてそれを?」
「まぁまぁ気にしなくていいからついてきて、お前で最後だ」
「最後?」
赤い着物の少女は今度は私に手招きしてきた。私は招かれるまま、不思議な気持ちで少女の元へと歩み寄ると、彼女は右手を差し出してきた。
「さぁ、一緒に行こうか」
「あの、どこに?」
「学校さ」
赤い着物を着た少女は私の手をぎゅっと掴んできた。そして、そびえたつ巨石の間へと誘導してきた。まるで私の内情を知るかのような少女の行動に、頭の中が混乱していた。
狐に化かされたかのような気分、そんな言葉がお似合いな状況だと思いながら巨石の間を通り抜けた、手を引かれながら歩いていると、徐々にあたりの景色が一変していくのに気づいた。
地形はそのままだが生えている草花や木々、歩いている道といった、それらすべてが変化したとでもいうのだろうか、とにかくきれいに整備された芝生と石畳の道、色とりどりの花々や立ち並ぶ木々はどれもきれいに剪定されていた。
「景色が変わった・・・・・・」
驚きのあまり声に出すと、赤い着物の少女がケラケラと笑った。
「こんなことで驚いていたら入学式を前に驚きすぎで心臓麻痺で死んじゃうぞ?」
赤い着物の少女はニヤニヤと私をからかうように微笑みかけてきた。その様子は最初の無垢な子どもという印象を覆し、イタズラを覚えたやんちゃ子どもという印象に変わった。
「ここは普通の人間には入れない場所なんだ」
「え?」
「もちろん、お前はその手紙を持っているから許可されてるってわけだけど」
「もしかして私のことは何でもお見通しなのですか?」
「あぁ、ようこそ魔女見習い、お前が今年最後の入学者だ」
最後の入学者、その言葉が気になったが、それよりも眼前に広がる広大な敷地とかすかに見える魔法学校らしき建物の存在を前に、私はただただ見とれた。
「お前の事は聞いている、何でもあの大角雄才が推薦してきたってんだからな」
聞こえてきたのはなじみのある方の名前、それは私が長年お世話になった大角家の当主である大角雄才様の名前だった。
「雄才様をご存じなんですか?」
「もちろん知ってるさ、頑固な爺だが色々世話になったな」
「そうなんですね」
「だがその分迷惑もかけられてる」
「そうなんですか」
少女は何か気に食わないことでもあったのか、急に振り返るとむすっとした表情で私を睨みつけてきた。
「な、なんでしょう?」
「何だそのつまらない返答は、もう少し興味を持て興味をっ」
「いえ、しかし」
再びつまらないであろう返事を返してしまうと、赤い着物の少女はふてくされた様子を見せたが、すぐにあきれた様子を見せながらため息を吐いた。
「・・・・・・まぁいーや、雄才からお前の話は聞いてるからなぁ」
その言葉を聞いて少し不安になった。一体どんな話を聞かされているのだろう?
「ところで新入生、お前はこの魔法学校で何がしたい?」
「え?」
唐突な質問は、とても単純明快なものであると共にかなり核心をついた言葉に思えた。
「え、えっと」
一瞬戸惑うと少女は首をかしげながら私を見つめていた。
「ほら、とっとと答えろ」
「し、幸せっ」
言われるがままに口を動かした私はそんな言葉を吐き出した。
「幸せ?」
「幸せの魔法を学びに来ました」
「ほぉ、幸せの魔法とな」
「はい」
「で、幸せとはなんだ?」
少女はニヤニヤと私をあざ笑うかのような笑顔で見つめてきた。しっかりと私の目を見つめてくる少女の様子に、思わず目を背けた。
「幸せは幸せです」
「いやいや、だから幸せとは何ぞやってこっちは聞いてるんだが?」
「それは・・・・・・」
「おいおい、そんなこともわからずにここに来たっていうのかお前は?」
ただ漠然と「幸せ」言葉だけを鵜呑みして、私はそれが何なのかを一切考えたことがなかったのかもしれない。
本で読みかじっただけの「幸せ」という絵空事に理想を見出しただけ。けれど、だからこそ私はその幸せをつかむためにここに来たことは嘘ではないはずだ。
「だ、だからこそ、ここに来ました」
「は?」
「幸せになるためにここに来ましたっ」
「・・・・・・」
結局不透明だが、心の底からの言葉を吐き出すと、先ほどまでニヤニヤとしていた少女はいつの間にか真剣な表情をしていた。
そして、薄く開かれた目はまるで私の心を見透かしてこようとしているようだった。少女との間に沈黙が流れる、そして、それを断ち切るかのように少女は笑った。
「ヒッヒッヒッハッハ、フフフフフッ、アッハッハッ」
少女はお腹を抱えながらゲラゲラと笑い始めた。その様子に、私はただただ呆然とすることしかできなかった。
「あ、あの」
声を掛けても、まるで聞こえていない様子の少女はひとしきり笑い転げた後、息も絶えだえに私のもとに歩み寄ってきた。
「そうかそうか、まぁせいぜい頑張りな、私は応援してるぜカイア」
そういうと少女は私のお尻をパシンと叩いてきた。
「ひゃあっ」
突然の行為にびっくりしていると少女は私に背を向けた。すると、彼女はまるで何もなかったかのように再び私の前を歩き始めた。よく笑うし急に真剣な顔するし、かと思えば今度は何事もなかったかのように歩き出す。
その様子からしてただ者ではないだろうけど、これだけ心をかき乱されたらどうにも落ち着かない。けれど応援してくれるって言ってくれたのはなんだか嬉しかった様な気がした。
しかし、それにしても不思議なのは少女が私の名前を知っているという事だ。
「あ、あの」
「なぁんだい?」
少女は振り返ることなく返事をした。
「どうして私の名前を知っておられたのですか?」
「だから雄才から聞いてるといっただろう、面倒くさいのは嫌いだぜカイア」
また名前を呼ばれた。生まれてこの方ろくに名前で呼ばれたことのない私にとって、これはとても貴重で新鮮な状況だった。
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