小さな詩集

サクラ

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聞こえる?

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私一人の世界。

素敵な薄水色の空が目の前にある、屋上。


いつも私はそこで歌った。
誰かに聞いてほしくて、でも聞いてもらう勇気なんてなくて。
私は屋上へいた。
端っこに腰かけて、足をぶらぶらと揺らしながら。
どうでも良いくらいの悲しい笑顔を思い出しながら。


そんな私の世界に初めての来訪者。

君は、私を探してやってきた。
私が歌っている歌が聞きたくて来たんだって言った。
じゃあ、今日からは君のために歌うよ。

私には、そんなことしか出来ないから。
だから聞いていてくれるなら、とても嬉しいな。



聞こえる?私の歌。
月を詠み、太陽を呟き、世界を知った。

歌うよ、歌うから。
君だけに、小さな私の歌を。
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