44 / 44
それから二年後のお話し
☆43 手放せないもの
しおりを挟む
ーーーいつもいつもそうやって、楽しい!?
悪かったって、ごめん。
ーーー謝らないでよ!そんな謝罪なんか要らないんだからっ!
あの時、彼女は一人の友達を前に泣いていた。
冷たい雨に打ち付けられながら立ち尽くした彼女の前には、もう既に息を引き取って動かなくなった子猫がいた。
悲しみが雨に溶け出して、もはや泣いているのかすらも検討がつかない。
ーーーなんで?なんでこんな事したの!?
怒鳴るようにも、叫ぶようにも、悔しがるようにも見えた。
その姿を見た少女が、ただ取り返しのつかない事を後悔するような泣きそうな顔をしている。
そのうち少女はぺたりと地面にへたり込み、心の底からの謝罪を口にした。
………ごめん、なさい。
ごめんなさい、猫可愛くて。
でもお世話の仕方とか分からなくて、私が…私が、その猫ちゃん…殺しちゃった…。
ーーーもう、いいよ。
本当に、ごめんなさい……!
ーーーいいってば、いつもの意地悪だったなら怒ったけど…猫ちゃん助けようとしてくれたんでしょ?だったら、私、怒らないし、責めないよ。
彼女は少女の手を取ると、無惨な亡骸に触れさせた。
ひんやりと冷たくて、それにもう命は宿っていないのだと、無意識にそう思い知らされる様な冷たさだ。
ーーーこの子はね、きっと喜んでるよ……あなたが助けようとしてくれた事。
ありがとう、ありがとう…ごめんなさい………!
その向き合う強さは、逆に自分の限界を認めてしまう諸刃の剣な訳で。
ここが限界だと察した時、それを何の抵抗もせずに受け入れる。
それ以上前に進むのを止めてしまう。
今度は、絶対手放しちゃいけない。
大切なその手を。
悪かったって、ごめん。
ーーー謝らないでよ!そんな謝罪なんか要らないんだからっ!
あの時、彼女は一人の友達を前に泣いていた。
冷たい雨に打ち付けられながら立ち尽くした彼女の前には、もう既に息を引き取って動かなくなった子猫がいた。
悲しみが雨に溶け出して、もはや泣いているのかすらも検討がつかない。
ーーーなんで?なんでこんな事したの!?
怒鳴るようにも、叫ぶようにも、悔しがるようにも見えた。
その姿を見た少女が、ただ取り返しのつかない事を後悔するような泣きそうな顔をしている。
そのうち少女はぺたりと地面にへたり込み、心の底からの謝罪を口にした。
………ごめん、なさい。
ごめんなさい、猫可愛くて。
でもお世話の仕方とか分からなくて、私が…私が、その猫ちゃん…殺しちゃった…。
ーーーもう、いいよ。
本当に、ごめんなさい……!
ーーーいいってば、いつもの意地悪だったなら怒ったけど…猫ちゃん助けようとしてくれたんでしょ?だったら、私、怒らないし、責めないよ。
彼女は少女の手を取ると、無惨な亡骸に触れさせた。
ひんやりと冷たくて、それにもう命は宿っていないのだと、無意識にそう思い知らされる様な冷たさだ。
ーーーこの子はね、きっと喜んでるよ……あなたが助けようとしてくれた事。
ありがとう、ありがとう…ごめんなさい………!
その向き合う強さは、逆に自分の限界を認めてしまう諸刃の剣な訳で。
ここが限界だと察した時、それを何の抵抗もせずに受け入れる。
それ以上前に進むのを止めてしまう。
今度は、絶対手放しちゃいけない。
大切なその手を。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる