家に帰りたい狩りゲー転移

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4章

(40)忍恋

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 ──次に瞬きをすると、また場面が変わった。

 高冠樹海の幹を伝って、ニヴィは疾走している。その様子を俺は守護霊のような立ち位置で眺めていた。これからニヴィは母の仇を討ちに行くのだろう。ニヴィの内側で込み上げてくる後悔や怒りが、魂を伝って俺の感情を上書きしていくのが分かる。

 予言書に従い、ヨルドの里を滅ぼしたのはミカルラだった。ミカルラの暴走を止めるためには殺す以外に方法がなく、決断したときには既に取り返しがつかないほどの悲劇が生まれてしまった。再び同じ悲劇を生み出さないために、ニヴィは一人で黒幕との決着をつけようとしている。

 ニヴィの視界には『支配』の菌糸能力で実体化した敵の菌糸の足跡が映っている。それを頼りに三日三晩休みなく走り続け、辿り着いたのはリデルゴア中央都市だった。ニヴィは夜に紛れながらスラム街へと移動すると、とある酒場の前にあるマンホールを開けて内部に入り込んだ。敵の足跡は下水道の壁の奥へと続いており、ニヴィがあちこちを触って弄ってみれば、ガコンと音を立てて壁がへこみ、隠し扉が現れた。

 人が一人ぎりぎり通れる程度の狭苦しい通路を抜けると、今度はヨルドの里で見たものと同じ巨大なハッチが立ちはだかった。分厚い鉄の塊にニヴィは一瞬たじろいだものの、マリーナがしていたようにハンドルに向けて手をかざす。すると、ニヴィの菌糸模様と呼応したのかハンドルが薄ぼんやりとした光を纏い、自動的に回転を始めた。

 やがて鉄の内側で重々しく閂が引き抜かれ、軋む音を立てながらハッチが開かれる。

 その先には光があった。地下と思えぬほど燦燦と日の光が照り付けて、銀色のビル群が天井に触れそうなほど高く立ち並んでいる。巨大な地下空間の天辺には眩く発光する球体が吊り下げられており、遥か下に広がる地面に影を作っていた。高層ビルばかりの都市の広さは東京の一区画と同じぐらいだが、ドラゴンが闊歩するこの世界にしては信じられないほど大規模である。

 俺はニヴィと共に目の前の景色に絶句する。旧人類と呼ばれている現代人は、何百年も昔に機械仕掛けの世界へと避難して誰も残っていないはず。肉体を失った彼らが、かつてと同じ技術と文明を構築するのは不可能なはずだ。

 一体誰が、と混乱している俺を差し置いて、ニヴィは生唾を飲み込みながら大都市へと足を踏み出した。

 滅びたはずの現代文明が残るとすれば、都市を丸ごと核シェルターで保護する方法が真っ先に浮かぶ。それならばこの都市に住む人間がいてもおかしくないのだが、どこまで歩いてもニヴィと俺以外の人間の姿は見当たらなかった。ビル内に電気が通っているようにも見えず、稼働しているのは地下空間を照らす人工太陽らしき物体のみ。

「……あ」

 かつて俺が友人と待ち合わせ場所に使っていた駅があった。巨大な跨道橋や駅内に続くエスカレータの配置も記憶の通りである。そうと気づいたら、駅周辺のコンビニやマンションの配置も俺が住んでいた町そのままである。たったそれだけの事なのに俺は言い知れぬ恐怖を感じた。

 敵の足跡は駅の中へと続いている。ニヴィは慎重な足取りで駅内に入ると、改札を通り過ぎ停止したエスカレータを一段一段登り始めた。壁で隔てられた狭いエスカレータを上り切れば、一気に開けたホームに出る。

 ホームの中心に誰かが立っていた。白い毛髪をだらりと垂らし、祭司じみた煌びやかな服を纏った女性だ。現代に不釣り合いな服装や浮世離れした女性の雰囲気に、俺とニヴィはぞわりと鳥肌を立てる。俺は今すぐにでも逃げ出したくなったが、ニヴィは殺意を滾らせながらその女性に近づいていった。

 一歩ずつ距離が縮まるにつれ、女性の容姿も明瞭になる。大きく丸みを帯びた赤い瞳、妖精じみた美しくも幼さのある顔立ちは、数分前に見た記憶にも登場していたアンジュそのものだった。

「久しぶり。ニヴィ」

 声も全く同じアンジュのもの。だというのに、俺の全身の産毛は逆立ったままで、生理的嫌悪がとめどなく溢れてくる。この女は──。

「──貴方は、アンジュ様ではない」

 俺の言葉を引き継ぐようにニヴィが吐き捨てる。アンジュの顔をしたその女は糸で縫い付けたように笑顔のまま口を開こうとしない。ニヴィは彼女の顎の下へレイピアの先端を食い込ませながら、鋭利な目つきで睨みつけた。

「ノンカの里が滅んだと聞いてから、ずっと違和感がありました。アンジュ様は鍵者の記憶を守り続ける使命をお持ちで、私たちNoDの中でも一番浦敷博士に近い存在でもあった。そのような人が自らの使命を忘れるほどに記憶を失い、あげく博士の意志に反するような行いをするとはどうしても思えなかった」

 我慢しきれなかった感情がニヴィの手を震わせ、レイピアの先端で抉られた皮膚から血が滲む。ぽたぽたと鮮血が滴っても、アンジュの皮を被った女はそれでも笑みを絶やさず黙り込んだままだ。

「私たちの身体には、NoDが問題を起こした場合に備え、機械仕掛けの世界からプロジェクトメンバーの魂を送るための受容体が刻まれています。しかしそれはいつからか、NoDが暴走する原因に成り果ててしまった。それは奇しくも、予言書が終末の日を謳い始めてからです」

 ぐっとニヴィがレイピアに力を込め、さらに肉を引き裂く。喉仏が凹み、気道がふさがれていると言うのに女はのけ反ることすらしない。

「NoDの身体に魂から干渉できるのはシンビオプロジェクトの関係者だけ。あの中で真っ先にNoDに受容体を設計するように進言したのは、たった一人」

 ぶち、と女のうなじから鈍い音がする。レイピアがついに女の首を貫通した。

「貴方は、浦敷博士を裏切ったベート・ハーヴァーなのでしょう?」

 真っ赤な血が女の白い衣服を濡らし、鉄に混じって饐えた匂いがホームに満ちる。女は赤く濡れそぼったレイピアをぎょろりと見下ろした後、にっこりと子供のように目を細めた。

「作られた人間がそこまで高い知能を持っているとは思わなかったなぁ」

 女は大股で一歩下がり、レイピアから首を引っこ抜いた。それからけらけらと笑い声をあげ、ダンスでも踊るようにくるくる回りながらスカートの裾を広げる。

「そう。大正解。あたしはベート・ハーヴァー。浦敷博士と一緒に貴方達NoDを生み出した、貴方のお母さんだよ」

 最後に魔法少女のような決めポーズを取って、女──ベートはぺろりと唇の端から舌を出した。年齢にそぐわぬ幼稚な行動でようやく実感が湧いた俺は、得体の知れない恐怖から一転して頭が沸騰するほどの怒りに駆られた。予言書を乗っ取り、NoDを暴走させ、ヨルドの里が滅ぼされてしまったのは全てこの女のせいだ。

 ベートの行動原理は至極単純だ。自分が大好きな博士のため、そして大事な人に尽くす健気な自分に酔い知れるためだけに、他人を踏み台にし、命をモノとして扱い、飽きたらあっさり捨てる。しかも自分が気持ちよくなるためならば残酷な手段を取れる悪逆無道の権化だ。

 俺は歯を食いしばりながらせり上がる怒りのままに言葉を絞り出した。

「お前が、エトロの故郷も……ハウラの母親を殺させた。お前がシャルの人生を、家族を離れ離れにさせた! そんな自分勝手な女が母親面なんて──」
「──反吐が出る!」

 ニヴィも俺に負けぬほどの憤怒の表情を浮かべ、肩を震わせながら空気が吹き飛ぶほどの大声で怒鳴りつけた。

「ミカルラ様の身体も、アンジュ様の身体も奪って、どれだけ多くの人生を踏みにじれば気が済むの!? 生きているだけで害悪よ!」
「だぁって、きみ達がぜんぜん仕事してくれないんだもの。あたしが直々に手を貸してあげなきゃ、あたしたちが一生この世界に戻れないじゃん。ほら良く言うでしょ? 子供の面倒は最後まで見ないとって!」

 ふざけた態度のベートについに我慢ならず、ニヴィは絶叫しながらレイピアで切りかかった。ベートはわざと皮膚を掠めるようにレイピアを避け切り、攻撃の合間を縫ってニヴィに蹴りを入れた。ニヴィは片手の甲で蹴りを受け止めたが、衝撃を殺しきれずに吹き飛ばされる。

 空中に浮いたニヴィはくるりと一回転して体勢を立て直すと、エスカレータの手すりの上に着地して皮肉気に笑った。

「くっ……ふふ、老いては子に従えとも言うでしょう。その歳になって博士の気持ちも汲んであげられないのね、夢見がちなおばあちゃん?」

 ぴくり、とベートの眉が痙攣し、ぐるりと眼球を上向かせながらすっとぼけた態度を取る。

「あーあ、可愛くない。それじゃあ博士の子供失格ね。でも大丈夫! ちゃんとあたしが教育して博士に相応しい子供にしてあげるからね!」
「御託はいい。アンジュお姉様の身体から出て行って!」

 ニヴィが手すりを蹴り上げ、再びベートへ攻撃を仕掛ける。目にもとまらぬ速さで繰り出されるレイピアはマシンガンのようで、着実にベートの肉を抉り『支配』の力で菌糸を壊死させていった。ベートは自分の血で汚れながら甲高い笑い声をあげると、アンジュが愛用していたカトラスを腰から引き抜き、掬うようにしてレイピアをはじき出した。

「リデルゴア国はもはやあたしたちの手中にある。鍵者さえ手に入れてしまえば、いつでもこの世界を滅ぼせるように手筈は整えてあるの。どちらに付いた方が勝ち馬に乗れるか、賢いあなたなら理解できるでしょ?」
「私は貴方のためだけの都合の良い世界に興味はない。ミカルラ様とマリーナ様が守ろうとした世界さえあればいい!」

 フラッシュのような鋭い光がレイピアに濃縮され、轟音を立てて直線状を抉り飛ばす。軌道上にいたベートは脇腹を光に食い破られ、きりもみしながら地面に倒れ込んだ。ニヴィはすかさずその上に飛び乗り、正確に心臓を狙って突きを放つ。しかし寸でのところでカトラスが間に入り、レイピアの先端は火花を散らしたきり停止した。

「きみも博士のために生み出されたのなら、博士のために天命を全うするべきだよ」
「浦敷博士がこんなことを望んでいるとは思えない。すべて貴方の独りよがりだと、いい加減気づいたらどう?」

 嘲るようにニヴィが見下ろせば、ベートの笑みから色が消えた。同時にニヴィの力が強くなり、カトラスが一気にベート側へと押し込まれる。

「若い女の子の身体を手に入れても、現実の貴方は年老いた女よ。それで最低限の品性さえあれば、博士だって貴方を見限りはしなかったでしょうけど、残念ね。貴方は生まれた時から性根が腐った化け物よ! どんなに貴方が努力しようと、浦敷博士は絶対に貴方を許したりはしない!」
「この……造られなければ生まれることすらできなかった劣等人種が、よくも生みの親を化け物と罵れるわね!」

 ギャリッ! と耳障りな音を立ててレイピアが弾かれ、ニヴィの上体が崩れる。ベートはその間に素早く足を胸に引き付け、両足でニヴィの膝頭を蹴り飛ばした。

「っ!」

 ニヴィは悲鳴を堪えながらがくりと膝をつく。蹴りが直撃した膝は一瞬で紫色に変色し、明らかに骨の位置が歪んでいるように見えた。その間にベートはニヴィの下から抜け出すと、ニヴィの腕を切り落とそうとカトラスを振りかぶる。

 ニヴィは舌打ちをしながら膝に手を添えると『支配』の能力で強制的に修復しつつ、大きく横に転がった。瞬間、ニヴィのすぐ横で轟音を立てながら斬撃が通り過ぎ、ホームのコンクリートを深々と打ち砕き、駅の向かいにあった建物に罅をいれた。

 凶悪な威力に俺は肝を冷やし、ニヴィの無事を確認する。だが、俺が視線を向けた時、すでにニヴィはベートの真横に移動していた。あの一瞬で膝の傷を感知させ、しかも瓦礫に紛れて接近していたのだ。

 真横から突き上げられたレイピアがベートの脇を貫通し、肩と鎖骨の隙間から剣先が生える。その際脇下の太い血管を損傷したのか、ニヴィがレイピアを引き抜くと夥しく血があふれ出した。

 一気に血を失い、ベートは足をふらつかせる。その胸に向け、ニヴィはレイピアを霞に構え、弩の如く打ち出した。

 ズガン、とショットガンじみた音がホームに響き渡り、ベートの胸部に大穴が開く。反対側の景色が見えるほどの穴は不規則に血のカーテンで仕切られ、美しかったベートの衣服を容赦なく汚していった。致命傷を与えられたベートは口の端から血を零すと、糸が切れた人形のように仰向けに倒れ込んだ。そこへレイピアの追撃が加わり、ベートの四肢の腱が切り飛ばされ、最後に腹部を地面に縫い付けられた。

「がふぅ!」
「貴方だけが、私たちの生みの親だと思っているのかしら? だとしたらお笑い種ね。貴方が博士の隣に立っていられるのは、他の科学者から実験の成果を奪い取って地位を獲得したからでしょう? NoDを実用化できたのも、たった一人でこの世界に残ってくれたもう一人の博士のお陰! 貴方はそれを勝手に利用しているだけの凡人よ!」

 唾が飛び散りそうなほど我を忘れた罵詈雑言を吐き、ニヴィはレイピアをより深く腹部にめり込ませた。ベートは血の塊を吐き出しながらガラスを引っ掻く様に息を吸い込むと、コンクリートに爪を立てながら虫のように自由の利かない四肢を蠢かせた。

「違う、違う! 私は浦敷博士と並ぶ天才なの! この世界を生み出したのも新人類が生きているのも全て私の功績だよ! 私が、私こそがこの世界の救済者なの!」

 いやいやと首を振りながら駄々を捏ねるベートに、ニヴィの瞳が急速に冷めていった。それからゆっくりとレイピアが引き抜かれ、もはや仇を討つためではなく、目の前のゴミを処理するために刺突が繰り出される。全身のバネを使った完璧な突きは、銀色の残光を引きながらベートの頭部に直撃し、スイカのように破裂させた。

 ニヴィは頬に飛び散った返り血を拭い去ると、残った死体に向けて吐き捨てた。

「次は貴方の本体を殺しに行く。地獄の果てまで追いかけて、二度と生まれたくないと思うまで殺し尽くしてやるから」

 しゃっとレイピアが左右に振られ、粘り気のある血液が三日月状にコンクリートの上に散らばる。ニヴィはレイピアを腰の鞘に仕舞いながら出口の方へと踵を返した。だが、俺は猛烈な違和感に縫い付けられてその場から動けなかった。

 確かアンジュの菌糸能力は『星詠』。未来を見通すだけでなく、自分に都合の良い事象を上書きすることもできる。

「ニヴィ、まだ終わってない!」

 俺の声が聞こえたわけではないだろうが、ニヴィがふと何かに気づいたように足を止め背後を振り返る。そしてレイピアを素早く引き抜いた時には、すべてが終わっていた。

 ホームを汚していた醜い死体が、血の一滴も残さずに消滅している。代わりに、ニヴィの胸に深々とカトラスが突き刺さっていた。

「そ、んな……どうやって……」
「残念。惜しかったね」

 湿っぽい音を立ててカトラスが引き抜かれ、ニヴィががくりと膝をつく。

「やはりNoDには自我を与えるべきではなかったのよ。最初からこうしておけばよかった」

 ニヴィの正面に立ったベートが、アンジュの顔で妖艶に微笑む。そして真っ新な白い手がニヴィの首に触れた瞬間、ニヴィの皮膚に浮かんでいた菌糸模様が一瞬でどす黒く染まった。

「ぐ、ああああああああ!」
「貴方も『私』になるの。何度もこの世界で生まれ変わる浦敷博士を、一緒に見守る同志となるの。そうすればその歪んだ思考もきれいさっぱり消えてなくなるわ」

 ニヴィの魂が侵食されていくにつれ、俺の元にも邪悪な感覚が押し寄せてくる。電流を流されたように身体の端から激痛が駆け上り、あらゆる臓器を素手でかき回されているような気持ち悪さに襲われる。遅れて自分の後頭部に冷たいものが走り、五感が損なわれ、記憶が欠落していく。自分が立っているのか倒れているのか、そもそもどこにいて何をしていたのかまで、という痕跡だけを残して消えていく。

 もうすぐで意識を乗っ取られてしまう。そんな感覚が頭の片隅に浮かんだ時には、ようやく手に入れたと唇を吊り上げる女が俺の顔に張り付いていた。そして記憶の世界を抜け出そうと『私』が身体を動かし始めた時、

「痛っ!?」

 ベートから耳障りな悲鳴がして、俺は窒息寸前だったかのように激しく咳き込みながら膝をついた。掌を握りしめて何度も胸を叩き、床に額をこすり付けて痛みを甘受する。そうしなければ全身に根を張ったベートの魂を追い出せないという強迫観念があったのだ。

 ひゅーひゅーと狭窄した喉から音を出しながら、冷や汗まみれの顔を持ち上げる。すると、倒れ込むニヴィと、その向かいで心臓を押さえながら蹲るベートの姿があった。

「何を、したの……!?」

 ベートが涙目になりながら苦し気にあえぐと、ニヴィは赤い瞳をチェシャ猫のように歪めた。

「目印よ。その身体が死んだとき、貴方がどんな末路を辿るかすぐ傍で見守っていてあげる……」

 ベートの手から解放されたにも関わらず、ニヴィの侵食は止まっていない。むしろ白かった皮膚がすべて黒く染まってしまうほどにニヴィはほとんど魂を塗り替えられていた。ただ、完全に俺との繋がりが切れたわけではないらしく、辛うじて自我を保っているニヴィの感情が水滴のようにか細く届いてきた。

「ミカルラ様……ハウラ……シャル……ロッシュ様……」

 家族の温もり、尊敬する人たちの笑顔が白い意識の中に浮かんでは消えていく。触れ合った時の幸せな気持ちや、成果を上げれば嬉しそうに褒めてくれた人たちとの時間が、砂のように零れ落ちて形を失っていく。

 そうして最後に残ったのは、掌では収まり切らないほどの大きな思慕。その思いはあまりにも大きく、俺とニヴィを繋ぐ細い線を渡り切れなかった。あるいは、ニヴィが意図的にそれを選んだのかもしれない。

「……ベアルドルフ様」

 唯一赤を残していたニヴィの瞳が黒く閉じられる。数秒後、俺とニヴィを繋ぐ線が半ばで途切れ、消滅した。
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