48 / 185
第二章 ギルド要請冒険者
#46 魔法使いって
しおりを挟む
「話は聞かせて貰った」
低い声に、驚いたフェーリエは振り返る。
「け、剣士さん!?なんで……」
アウラに足止めを頼んでいたのに……とフェーリエは青ざめる。
「君の契約者に問い詰めた」
ばかな……名前を呼ぶ事すら恐れ多いと、わざわざ回りくどい言い方でアウラを呼んでいるようなこの人が、アウラに問い詰めた!?とフェーリエは心の底から驚いた。
実際にアウラはユースの隣に浮かび、ごめんなさいと申し訳なさそうに謝っている。嘘ではない様だ。
バッ、とウルティムを庇うように立ちふさがったフェーリエに、ユースは小さく溜息をついた。
「どうにも信用がないな……俺は。安心しろ、斬ったりしない。悪意がないことは分かっている」
「ほんとですか?」
疑うようなフェーリエの声に、本当だ、と繰り返すユース。その声に偽りは感じない。フェーリエは大人しく身を引いた。
「さて、分からない事ばかりだ。説明してもらおうか」
腕を組んだユースは、フェーリエとウルティムを見下ろす。
「まず、先程言っていた幽霊の定義はなんだ?」
「どこから説明しましょう。........そうですねぇ、まず、ヒトは肉体と魂、そしてそれらを繋ぐ精神から成り立っています。死ねば肉体は土に、魂は次へと巡ります。その際に、精神はその場に取り残されてしまいます。稀に魂について行くことがあるみたいですけど、本当にごく稀なんで、置いておきますね。残った精神は依代があればこの世に残り続けます。それが、幽霊です」
『ちなみに依代っていうのは、墓石とか本人の名前とか縁が記されたモノの事だよ。幽霊になった精神はこことは別の次元に存在することになる。干渉できるのは僕みたいな存在ぐらいだね。幽霊は基本的に自我はないけど、邪気とかに触れると記憶が揺さぶられて凶暴になるんだよねぇ』
二人からの怒涛の説明に、ユースはたじろぐ。理解は出来たようだが、その顔には新たな疑問が浮かぶ。
「........なぜそんなに詳しいんだ?」
「なぜってそりゃあ、魔法使いですから」
『なぜって........魔法使いだからねぇ』
顔を見合わせた二人は、揃ってユースに告げる。
「いいですか?魔法とは、自然の力を、自らの魔力で制御するものです。つまり魔法使いは、自然をよく知って置かなければならない。魔法使いはその実、研究者でもあるのです」
『自然の理を理解していないと上手くイメージが働かないんだよ。風なんて目に見えないもの、操るのは難しいでしょ?知らないものは使えない。そういうものだよ』
言い聞かせるように言われたユースは、魔力だけが魔法使いの全てではないのか、と呟く。
「ええ、もちろん。魔力も大切ですけど、やっぱりイメージが大事ですよ!」
『そうそう。この子の計画を聞いた時、そんな魔法があるのかと驚いたもの』
「その計画とはなんだ?」
前回、泣き出すフェーリエに変わり、アウラがウルティムに告げた計画。幽霊の定義を知っているからこそのフェーリエの計画だ。サプライズのつもりなのだから、まだ話したくはない。
「まだもう少し、待ってくださいね?」
フェーリエはニッコリと微笑んだ。
低い声に、驚いたフェーリエは振り返る。
「け、剣士さん!?なんで……」
アウラに足止めを頼んでいたのに……とフェーリエは青ざめる。
「君の契約者に問い詰めた」
ばかな……名前を呼ぶ事すら恐れ多いと、わざわざ回りくどい言い方でアウラを呼んでいるようなこの人が、アウラに問い詰めた!?とフェーリエは心の底から驚いた。
実際にアウラはユースの隣に浮かび、ごめんなさいと申し訳なさそうに謝っている。嘘ではない様だ。
バッ、とウルティムを庇うように立ちふさがったフェーリエに、ユースは小さく溜息をついた。
「どうにも信用がないな……俺は。安心しろ、斬ったりしない。悪意がないことは分かっている」
「ほんとですか?」
疑うようなフェーリエの声に、本当だ、と繰り返すユース。その声に偽りは感じない。フェーリエは大人しく身を引いた。
「さて、分からない事ばかりだ。説明してもらおうか」
腕を組んだユースは、フェーリエとウルティムを見下ろす。
「まず、先程言っていた幽霊の定義はなんだ?」
「どこから説明しましょう。........そうですねぇ、まず、ヒトは肉体と魂、そしてそれらを繋ぐ精神から成り立っています。死ねば肉体は土に、魂は次へと巡ります。その際に、精神はその場に取り残されてしまいます。稀に魂について行くことがあるみたいですけど、本当にごく稀なんで、置いておきますね。残った精神は依代があればこの世に残り続けます。それが、幽霊です」
『ちなみに依代っていうのは、墓石とか本人の名前とか縁が記されたモノの事だよ。幽霊になった精神はこことは別の次元に存在することになる。干渉できるのは僕みたいな存在ぐらいだね。幽霊は基本的に自我はないけど、邪気とかに触れると記憶が揺さぶられて凶暴になるんだよねぇ』
二人からの怒涛の説明に、ユースはたじろぐ。理解は出来たようだが、その顔には新たな疑問が浮かぶ。
「........なぜそんなに詳しいんだ?」
「なぜってそりゃあ、魔法使いですから」
『なぜって........魔法使いだからねぇ』
顔を見合わせた二人は、揃ってユースに告げる。
「いいですか?魔法とは、自然の力を、自らの魔力で制御するものです。つまり魔法使いは、自然をよく知って置かなければならない。魔法使いはその実、研究者でもあるのです」
『自然の理を理解していないと上手くイメージが働かないんだよ。風なんて目に見えないもの、操るのは難しいでしょ?知らないものは使えない。そういうものだよ』
言い聞かせるように言われたユースは、魔力だけが魔法使いの全てではないのか、と呟く。
「ええ、もちろん。魔力も大切ですけど、やっぱりイメージが大事ですよ!」
『そうそう。この子の計画を聞いた時、そんな魔法があるのかと驚いたもの』
「その計画とはなんだ?」
前回、泣き出すフェーリエに変わり、アウラがウルティムに告げた計画。幽霊の定義を知っているからこそのフェーリエの計画だ。サプライズのつもりなのだから、まだ話したくはない。
「まだもう少し、待ってくださいね?」
フェーリエはニッコリと微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下
akechi
ファンタジー
ルル8歳
赤子の時にはもう孤児院にいた。
孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。
それに貴方…国王陛下ですよね?
*コメディ寄りです。
不定期更新です!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【完結済】悪役令嬢の妹様
紫
ファンタジー
星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。
そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。
ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。
やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。
―――アイシアお姉様は私が守る!
最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する!
※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>
既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる