転生令嬢は覆面ズをゆく

唄宮 和泉

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第二章 ギルド要請冒険者

#46 魔法使いって

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「話は聞かせて貰った」
 低い声に、驚いたフェーリエは振り返る。
「け、剣士さん!?なんで……」
 アウラに足止めを頼んでいたのに……とフェーリエは青ざめる。
「君の契約者に問い詰めた」
 ばかな……名前を呼ぶ事すら恐れ多いと、わざわざ回りくどい言い方でアウラを呼んでいるようなこの人が、アウラに問い詰めた!?とフェーリエは心の底から驚いた。
 実際にアウラはユースの隣に浮かび、ごめんなさいと申し訳なさそうに謝っている。嘘ではない様だ。
 バッ、とウルティムを庇うように立ちふさがったフェーリエに、ユースは小さく溜息をついた。
「どうにも信用がないな……俺は。安心しろ、斬ったりしない。悪意がないことは分かっている」
「ほんとですか?」
 疑うようなフェーリエの声に、本当だ、と繰り返すユース。その声に偽りは感じない。フェーリエは大人しく身を引いた。
「さて、分からない事ばかりだ。説明してもらおうか」
 腕を組んだユースは、フェーリエとウルティムを見下ろす。
「まず、先程言っていた幽霊の定義はなんだ?」
「どこから説明しましょう。........そうですねぇ、まず、ヒトは肉体と魂、そしてそれらを繋ぐ精神から成り立っています。死ねば肉体は土に、魂は次へと巡ります。その際に、精神はその場に取り残されてしまいます。稀に魂について行くことがあるみたいですけど、本当にごく稀なんで、置いておきますね。残った精神は依代があればこの世に残り続けます。それが、幽霊です」
『ちなみに依代っていうのは、墓石とか本人の名前とか縁が記されたモノの事だよ。幽霊になった精神はこことは別の次元に存在することになる。干渉できるのは僕みたいな存在ぐらいだね。幽霊は基本的に自我はないけど、邪気とかに触れると記憶が揺さぶられて凶暴になるんだよねぇ』
 二人からの怒涛の説明に、ユースはたじろぐ。理解は出来たようだが、その顔には新たな疑問が浮かぶ。
「........なぜそんなに詳しいんだ?」
「なぜってそりゃあ、魔法使いですから」
『なぜって........魔法使いだからねぇ』
 顔を見合わせた二人は、揃ってユースに告げる。
「いいですか?魔法とは、自然の力を、自らの魔力で制御するものです。つまり魔法使いは、自然をよく知って置かなければならない。魔法使いはその実、研究者でもあるのです」
『自然の理を理解していないと上手くイメージが働かないんだよ。風なんて目に見えないもの、操るのは難しいでしょ?知らないものは使えない。そういうものだよ』
 言い聞かせるように言われたユースは、魔力だけが魔法使いの全てではないのか、と呟く。
「ええ、もちろん。魔力も大切ですけど、やっぱりイメージが大事ですよ!」
『そうそう。この子の計画を聞いた時、そんな魔法があるのかと驚いたもの』
「その計画とはなんだ?」
 前回、泣き出すフェーリエに変わり、アウラがウルティムに告げた計画。幽霊の定義を知っているからこそのフェーリエの計画だ。サプライズのつもりなのだから、まだ話したくはない。
「まだもう少し、待ってくださいね?」
 フェーリエはニッコリと微笑んだ。
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