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第七章 火竜討伐
#172 一方その頃
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「ルナ!」
突然崩れ落ちたルナの身体を抱き留める。彼女は祈るように手を組んだまま、堅く目を閉じていた。
「あら、どうしたんですか?」
「分からない」
「まさか火竜が何か!?」
見えない火竜を警戒して、メディオは剣を抜いた。その構えには隙がない。苛立ちやすく身分にへつらうが、騎士としての実力はかなり高い事は十分に分かる。
「……気絶、というよりかは眠っている様です。魔力とはなにか違うような……」
『心配しなくても大丈夫だよ』
頭上から聞こえてきた声に、顔を上げずに言葉を返す。突然現れたことや、独特な揺らぎを持った声が当てはまるのはルナが契約しているリッチ……ウルティムしか居ない。
「どういうことだ?」
『流石に慣れたみたいだね。えっと……ご主人は今火竜に招待されて精神空間に飛ばされてるだけだから、もう暫くしたら戻ってくるよ』
メディオは浮いているウルティムを警戒して剣を向けているが、ルナとの付き合いも長くなってくるとウルティムの現れ方には耐性が出来てくるものだ。
「それでしたら安心ですね。お兄様」
「ああ」
ウルティムの言っている精神空間とやらはよく分からないが、シャーロットが大丈夫だと言うのであればそうなのだろう。妹は驚くほどに知識を蓄えている。一体どんな学者から話を聞いているのだろうか。
『でもあのご主人の様子だと、また仲間が増えるんだろうなぁ。本当に、ご主人は浮気性なんだから……』
「……浮気?」
「お兄様?彼は比喩的表現でその言葉を選んでいるだけですよ?あの子は浮気できるほどの甲斐性は無いと思います。お兄様?聞いていらっしゃいます?」
ウルティムの言葉に身を固くしたユスティアは、シャーロットの言っていることが耳に入ってこなかった。
『つまり、契約をして我をこの火山から連れ出したいと言うのだな?』
火竜はフェーリエの意図を正しく汲み取った上で、そう返してきた。
フェーリエは火竜に対して抱いた感情に覚えがあった。フェーリをあの村から連れ出した時の感情だ。フェーリの時は円満?に事が進んだが、事今回に至っては完全な自己満足でしか無い。それ故に、相手の同意無くして行動には移せない。
「契約、とまでは行かなくてもせめて世界を見せてあげたいと言うか……」
『構わんぞ?』
「本当に自己満足でしか無いので断るのはわか……ええええええ!?いいの!?ほんとに!?あ、本当ですか!?」
断られると思っていたフェーリエは大袈裟なくらい声を出して反応してしまう。途中で口調が砕けてしまっている事に気付いて直したが、それぐらい驚いたのだ。
『……そこまで驚くことは無いだろう。それと、口調は戻さ無くて良い。その方が気が楽だ』
「あ、じゃあお言葉に甘えて。ほんとに契約してくれるの?」
火竜を見上げながら問い返す。きっと目は漫画の表現ようにキラキラと輝いている事だろう。
『ああ。ただし、条件がある』
「条件?」
首を傾げて尋ねるフェーリエに、火竜は挑発するように(恐らく)笑った。
『我の真名を当ててみよ。そうすれば契約してやろう』
火竜の言葉を一瞬理解できなかったフェーリエは、三秒ほど経って悲痛な叫び声を上げた。
「……む、むりむりむり!!!そんなの分かるわけ……」
『なら、この話は無しだな』
「ああああ、挑戦させていただきますぅぅぅぅ」
こうして、フェーリエは皆目見当も付かない火竜の真名当てという難解な挑戦を受けることとなった。
突然崩れ落ちたルナの身体を抱き留める。彼女は祈るように手を組んだまま、堅く目を閉じていた。
「あら、どうしたんですか?」
「分からない」
「まさか火竜が何か!?」
見えない火竜を警戒して、メディオは剣を抜いた。その構えには隙がない。苛立ちやすく身分にへつらうが、騎士としての実力はかなり高い事は十分に分かる。
「……気絶、というよりかは眠っている様です。魔力とはなにか違うような……」
『心配しなくても大丈夫だよ』
頭上から聞こえてきた声に、顔を上げずに言葉を返す。突然現れたことや、独特な揺らぎを持った声が当てはまるのはルナが契約しているリッチ……ウルティムしか居ない。
「どういうことだ?」
『流石に慣れたみたいだね。えっと……ご主人は今火竜に招待されて精神空間に飛ばされてるだけだから、もう暫くしたら戻ってくるよ』
メディオは浮いているウルティムを警戒して剣を向けているが、ルナとの付き合いも長くなってくるとウルティムの現れ方には耐性が出来てくるものだ。
「それでしたら安心ですね。お兄様」
「ああ」
ウルティムの言っている精神空間とやらはよく分からないが、シャーロットが大丈夫だと言うのであればそうなのだろう。妹は驚くほどに知識を蓄えている。一体どんな学者から話を聞いているのだろうか。
『でもあのご主人の様子だと、また仲間が増えるんだろうなぁ。本当に、ご主人は浮気性なんだから……』
「……浮気?」
「お兄様?彼は比喩的表現でその言葉を選んでいるだけですよ?あの子は浮気できるほどの甲斐性は無いと思います。お兄様?聞いていらっしゃいます?」
ウルティムの言葉に身を固くしたユスティアは、シャーロットの言っていることが耳に入ってこなかった。
『つまり、契約をして我をこの火山から連れ出したいと言うのだな?』
火竜はフェーリエの意図を正しく汲み取った上で、そう返してきた。
フェーリエは火竜に対して抱いた感情に覚えがあった。フェーリをあの村から連れ出した時の感情だ。フェーリの時は円満?に事が進んだが、事今回に至っては完全な自己満足でしか無い。それ故に、相手の同意無くして行動には移せない。
「契約、とまでは行かなくてもせめて世界を見せてあげたいと言うか……」
『構わんぞ?』
「本当に自己満足でしか無いので断るのはわか……ええええええ!?いいの!?ほんとに!?あ、本当ですか!?」
断られると思っていたフェーリエは大袈裟なくらい声を出して反応してしまう。途中で口調が砕けてしまっている事に気付いて直したが、それぐらい驚いたのだ。
『……そこまで驚くことは無いだろう。それと、口調は戻さ無くて良い。その方が気が楽だ』
「あ、じゃあお言葉に甘えて。ほんとに契約してくれるの?」
火竜を見上げながら問い返す。きっと目は漫画の表現ようにキラキラと輝いている事だろう。
『ああ。ただし、条件がある』
「条件?」
首を傾げて尋ねるフェーリエに、火竜は挑発するように(恐らく)笑った。
『我の真名を当ててみよ。そうすれば契約してやろう』
火竜の言葉を一瞬理解できなかったフェーリエは、三秒ほど経って悲痛な叫び声を上げた。
「……む、むりむりむり!!!そんなの分かるわけ……」
『なら、この話は無しだな』
「ああああ、挑戦させていただきますぅぅぅぅ」
こうして、フェーリエは皆目見当も付かない火竜の真名当てという難解な挑戦を受けることとなった。
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