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40 男友達
しおりを挟む男性へのプレゼントって、何を贈ればいいの!?
ご飯中もジッと考え続け(家族に訊くわけには絶対いかない!)、電車の中で『クリスマスプレゼント 男性』で検索するも、却下却下却下だ。
『友人』も検索ワードに加えてみたけれど、ほとんど参考にならなくて泣ける。
まず身に着けるものは気まずいから全部却下。小物類も同類だ。
趣味なんか知らないから選択肢に上げられないし。
消えもの? 消耗品? いつもならよく選ぶお菓子類も却下だなぁ、甘いもの好きかどうか知らないし、お酒はハードルが高い。消耗品って靴下とかボールペン? ハンカチ? 普段使いも恥ずかしいから却下却下。
なんだこれ。あげられるものがなくなったぞ?
検索結果先のアドバイスが、んまあ酷いんです。
『男友達へのプレゼントは、気を使いすぎず、センスも悪くないというラインを狙わなくてはならない』
なんだそのハフトゥー! ハードル高すぎですよ!?
……ひっひっふー、おちつけおちつけ、消耗品だ、やっぱり消えものを狙っていくしかない。
女子ならバスボムとか喜ばれるんだけど、男性に――バスボムやバスフラワーは可愛すぎるだろうからやめといて、例えばバスソルトならいけるかな。
……体臭ヤヴァイとかの暗喩にとられないかな。もしそう思われちゃったらサイアクゥー! 却下却下ぁ!
だいたいさぁっ、たぶん相当なお金持ちなんだよ、あの人。
自分が医者なだけだったならまだしも、実家も開業医でしょ? 絶対ボンボンじゃん。
高そうな時計にスーツと車で、セレブ婚活に主催からサクラ頼まれちゃうような人なんでしょう?
そんな人になにあげればいいのさ。あーはいはい八つ当たり。
心臓ばくばくしてきた。もーやだ。だから嫌なんだ。でも、こういう考え方はやめるって決めたんだ。
よし! いくら考えたって相手が喜ぶものがわからないんだから、私があげたいものをあげよう。
『20時に椎木駅か出得谷駅、どちらがいいですか?』
あげるものが決まったので、電車に乗ってるうちにメッセージを送っておこうとして指が止まる。
椎木駅がバイト先の最寄駅で、出得谷駅にはプレゼントを買うつもりのお店がある。
四ッ橋さんの希望する駅を訊いた方がいいのかな? って言うか、四ッ橋さん今どこにいるの? 家?
でもうっかり訊いちゃっていいのかな。家を聞いちゃうのはなんとなくやだな。
だって、あのスカート事件のとき、あんな偶然ある!?
うちからバイト先は直線距離は近いけど、徒歩を減らして最寄駅を使うと、乗り換えしなくちゃで時間をとられる。
あの日は遅刻しそうだったし、乗り換えいらずの遠いめ駅までダッシュしたわけだけど、つまり、四ッ橋さんちとうちは割とご近所さんじゃないだろうか?
そういえばあのとき、うちそこ送るとか言ってたよーな?
うちから近い婦人科選んだわけだし、予感はあったけどさ。とにかく家の話題は避けよう。
さっきのメッセージを消して打ち直す。
『20時にどこかの駅で待ち合わせがいいんですけど、どこがいいですか』
『どこでも大丈夫です』
友達だったら今どこって訊くところだけど、しょうがないや、言い切っちゃえ。
『では出得谷駅でもいいですか?』
ここならカフェも満喫もすぐ近くにあるから楽ちんだ。20時だったらマッサージでもいーなー。
『了解しました。出得谷駅なら中央西口が一番人が少ないと思うのでそこで。ではまたあとで』
あーそっか。私鉄のちっちゃい駅を選べばよかったかな。出得谷との二択なら椎木駅にしとくべきだったか。でも人出は出得谷駅より少なくても、使用者層がね、どうしてもパリピがちになるからね。そう考えるとどっちもどっちかも。
で、決まったのが、某有名ブランドの超絶ビターチョコである。
春希に「……泥?」と言わしめた代物である。
お店にあやまれぇ!
コーヒーはブラックのくせに、なんでチョコだとダメなんだ。不思議。こんなに美味しいのにねー。
しっかり自分の分も買って、出得谷駅中央西口に向かう。
すぐに四ッ橋さんは見つかった。今日もマスクをしていて、格好だってありふれたロングコートとマフラーにスラックスなのに、スタイルが飛び抜けててすぐわかった。
まだ待ち合わせ10分前だし、メッセも来てないからいないと思ってたのに早い。
壁に寄りかかって、スマホを操作している。それだけでドラマのワンシーンみたいだ。
近づく私に気づかず、四ッ橋さんはスマホをいじり続けている。今着いたところで、メッセを送ってくれようとしてるのかな?
「四ッ橋さん」
声を掛けると、パッと顔が上がって、ふにゃっと精悍な眸がたれた。たたっと、数メートルの距離を数歩の距離まで詰められる。
……大型犬になつかれた気分。でもごめんなさい、私飼うなら猫派なんで。
「お待たせしました」
四ッ橋さんは首を振る。そしてスマホを二本指でなぞった。
『突然呼び出してすみません。
これをどうしても渡したかったんです』
おおお~、入力済みなんですね。
四ッ橋さんはシャンパンゴールド色の、手のひらサイズの箱を差し出してくる。それにはシルバーのリボンがかかっていた。
こ、これを受け取れと?
これってどう見てもアレよね? ゆびぅわーあーあ~っ、アクセサリーだよね?
こんなのもらえないって!!
うろたえていると、目の前でリボンと包みが開かれる。中からは淡いブロンズ色の箱が出てきて、その下には深いブロンズ色のケースが入っていた。その形はやっぱりぃぃぃ!!
パカッと開けられたビロード張りのそこには、縦に3つの、おそらくダイヤモンドが連なった――ネックレスと、ダイヤモンドの石しか見えないからたぶんピアス、が鎮座していた。
あれ? ネックレス? ピアス?
あぁそっかー、四ッ橋さんの手がおっきいから気が付かなかったけど、リングのケースより一回り大きいケースだこれ。
うわぁ、なんちゅう勘違いを! 恥ずかしいっ!
って、そんなことはどうでもいいの。リングじゃなくったって、一昨日の今日でこんなアクセサリーもらえないっつーの!
私たちは、おともだち!
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