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第1話 断罪の紅
しおりを挟む白粉の甘い匂いが、音楽に混ざって肺の奥まで降りてくる。五十もの燭台が天蓋のように連なり、宝石の雨を落とすみたいに光を揺らして、床は鏡のように滑らかだ。靴音は波紋になって、笑い声とグラスの触れ合う音に飲み込まれていく。
私は笑う。完璧に、教科書どおりの微笑。口角はほんの二度だけ上げ、眼差しは真っ直ぐ、けれど相手の肩口へ落とす。敵意も媚びも含めない、均整のとれた社交の面。これを貼り付けるのに、三年かかった。貼り付け続けるのに、もっと長い時間が必要だと知っている。
「セリーヌ、見事なステップだ」
手を取っているのは、王太子レオナールではない。今、彼は主役の舞台袖で天使のような微笑を練習している最中だ。私の相手は音楽隊の楽長で、背筋の伸びた老紳士。足さばきは正確で、息は香り高い葡萄酒の温度。彼は耳元に囁いた。
「この夜会は、あなたのものだ」
「そう見えるなら、演出が成功したのね」
私の視線は、舞踏会の中央に立つ“聖女”リリアーヌをかすめる。彼女はミルクのようなドレスに、星屑を溶かしたみたいな刺繍を散らして、光の中心にいる。周囲の女たちが彼女の仕草ひとつに息を合わせ、男たちは口の中で「奇跡」という単語を転がす。レオナールはその隣で、彼女を花台に乗せる庭師の顔をしている。
ヴァイオリンが高く鳴き、私はスカートの裾をわずかに翻す。楽長は私のリードに従ってくれる。私は“理想的な婚約者”のふるまいを、いつも通りに、ひとしずくもこぼさず実行する。笑って、頷いて、質問に三拍子で答える。政治の話題には明るく、宗教には敬意を、慈善には関心を。無難の中に、ほんの少しだけ退屈を混ぜるのがコツだ。退屈は人の攻撃性を眠らせる。
曲が落ち、礼を交わした瞬間、会場の空気が一枚、薄氷のように凍った。
リリアーヌが、グラスを落としたのだ。透き通った音が鳴り、砕けたガラスが花びらのように床に散る。彼女は両手で口元を覆い、大きな瞳を震わせた。絵画だ。完璧に構図が出来上がっている。私は思わず、その美意識の高さに感心しかける。
「……毒が——」
誰かが叫んだ。誰か、ではない。用意された“誰か”が。声に含まれる緊張の震えまで含めて、稽古を積んだ俳優のそれ。
視線が、一斉にこちらへ向いた。矢の雨。私は一歩も動かない。扇を開いたまま、肩の高さで止め、呼吸を小さく吐く。白粉と香水の匂いの奥、鋭い金属の匂いがした。希望と恐怖は、たいてい似た匂いをしている。
「セリーヌ殿下、よろしいですか」
殿下、ではない。私はまだ王太子妃ではないし、今夜から永遠にそうならないのだろう。そう思うと、喉の奥が少しだけ軽くなる。この重たい冠から解放される安堵と、世界の半分が雪崩れる予感の奇妙な同居。私は扇を畳み、笑う。いつもの笑みより、ほんの少しだけ牙をのぞかせて。
「その拙い茶番、幕引きはお望みどおりで?」
小さなどよめき。最初に笑ったのは、匂いを嗅ぎ分ける嗅覚の鋭い連中だ。彼らは今夜の脚本の作者が自分たちでないことに焦り、同時に新しい物語に参加する準備を始める。群衆の反応はいつだって、火花の広がり方に似ている。布地に落ちれば一気に燃えるが、濡れた石にはじかれて消える。
「何を言うの、セリーヌ」
レオナールが、ようやく私の前に歩み出た。彼の靴音は正確に数えられた拍子で、侍従の役目がよく訓練されていることがわかる。彼は私の名前を呼ぶと、視線をほんの一瞬だけリリアーヌへ滑らせた。確認。誰の視線を見るかで、その人の主がわかる。
「グラスに混ぜ物があった。リリアーヌの侍女が確かめた」
「あなたの言葉は、いつから侍女経由になったのかしら」
騒ぎは輪を広げる。医官が呼ばれ、香料師が駆け寄り、伯爵夫人がそれは怖いわねと胸に手を当てる。何人もの“冷静な”男たちが、同時に進言を始める。「まずは落ち着いて」「空気を入れ替えましょう」「ただちに検分を」。彼らの声はどれも正しいが、どれも遅い。速いのは、物語だ。
リリアーヌが、震える指で床のガラスを指差した。彼女の瞳はうるみ、頬の紅は完璧だ。私は彼女が、鏡で自分の震え具合を何度もリハーサルしたのだろうと推測する。努力家は嫌いじゃない。だからこそ、嫌悪が増す。
「セリーヌさま……どうして、こんなことを」
どうして、は刃だ。理由を問うふりをして、犯人像の輪郭を描く魔法の言葉。私は扇を横にして、グラスから落ちた滴をすくうように見つめた。透明だ。無臭ではない。柑橘に似た鋭い香り。けれどそれは、今夜の会場全体に漂うルームフレグランスにも含まれている。証拠の海に証拠を溶かすやり方。粗いが派手で、貴族は派手に弱い。
「誰かが、劇場型の夜を企んだのは確かね」
私の声は静かで、よく通る。ざわめきの上を滑って、遠くの柱の陰に立つ人まで届く。社交の場とは、音響だ。
「侍女を責めるつもりはないの。彼女は台詞を覚えただけ。演出家は、別にいる」
「無礼だぞ」
レオナールの声が少しだけ上ずった。彼は怒りたいのに、怒る役が台本にないことを恐れている。人は、台本がない場所で本当の顔を見せる。私は彼の藍色の瞳に、幼い頃に庭園で走り回っていた少年の影を見つけて、胸の奥が一瞬だけ疼いた。昔話は、毒より危険だ。油断を呼ぶから。
「無礼で構わないわ、殿下。私、今日に限っては“礼儀”という仮面を外す許可をいただきたいの」
会場の空気が、ふっと乾く音がした。乾いた空気はよく燃える。私は一歩踏み出し、リリアーヌの前に立つ。至近距離で見る彼女は、なめらかで、甘く、どこか焦げた砂糖の匂いがした。恐怖の匂いではない。勝利の匂いだ。
「あなたの侍女は優秀ね。糸を引くのも、涙を落とすタイミングも」
「……なにを」
「ただ、ひとつ致命的なミスをした」
私は床に散ったガラスの欠片を扇の先で寄せ集め、靴先でそっと裏返す。そこには、極小の金の粉が付着していた。見なれた、宮廷御用達の装飾粉。王宮の宴用の食器にしか使われない。
「あなたが落としたのは、“あなたのグラス”よ。被害者は、落ちているほうではなく、掲げられているほうのグラスを持つもの」
リリアーヌの視線が、私のグラスへ跳ねる。その反射は早すぎない。つまり、稽古を積んだ反射。準備は綿密だ。ならば、次の段取りもある。
「セリーヌ!」
レオナールが私の腕を掴んだ。熱い。掌に汗がにじんでいる。彼は近くで囁くように言った。
「これ以上は許さない。きみは今、礼節を踏み越えた」
「あなたは、ずっと踏み越えているわ。私の時間を、心を、未来を」
掴まれた腕が少し痛む。痛みは、思考を鮮明にする。私は扇で彼の手を軽く叩き、解放させた。侍従が二歩前に出る。衛兵の甲冑がこすれる音が、音楽の休符の場所に入ってくる。会場のどこかで、誰かが息を呑んだ。
その刹那、私の脳裏に母の横顔が浮かんだ。真珠の耳飾りがうっすら揺れ、いつもの、困ったような微笑みをしている。
——セリーヌ、微笑みは剣よ。抜く時だけ光らせなさい。
了解。私は微笑む。今夜は抜く。
「お望みどおり、幕を引きましょう」
私はグラスを持ち上げる。中身は一滴も減っていない。会場中の視線が、液面の揺れに吸い寄せられる。私は光にかざし、ゆっくり傾け——床へ、静かに、置いた。
「あらやだ、落とせばよかったかしら。悪役らしく」
笑いがもれる。緊張がひび割れ、嘲笑が顔を出す。私は嘲笑が嫌いではない。人の本音が露出するから。私はその笑いの波の上を歩くように、中央へ進む。裾が床に擦れる音すら綺麗に聞こえる。誰もが見ている。誰もが私を「悪」として見たい。ならば、見せるのが礼儀だ。
「ここで私が泣き叫べば、あなたたちは満足する。私は嫉妬に狂い、聖女の杯に毒を盛りました、と。いいえ、言わないけれど。演出家に敬意を欠くもの」
私は指先で、空を切る。見えない幕を下ろすように。
「本日の要点は三つ」
指を一本。
「一、毒は舞台装置。香と光を操作すれば、誰でも酔う。検分は長引くでしょうね。結果は“微量の異物”が検出、でも特定できない」
二本。
「二、証人は準備されている。侍女、薬師、そして『見た』と言う賓客。どれも整いすぎて美しい。美しいものは疑うべき」
三本目の指は立てず、扇を開いた。羽根の先で、リリアーヌの涙の軌跡を指す。
「三、あなたは泣きすぎ。名演。私は拍手すべきかしら」
ざわめきが大きくなる。リリアーヌは震え、レオナールは顔を赤くし、伯爵夫人は扇で口元を隠して肩を震わせている。侍従長が衛兵に目配せをし、彼らが左右から近づいてくる。私は片足を引き、振り返らずに言った。
「殿下。あなたの求める幕引きはこうでしょう——私の退場。よろしいわ。退場しましょう」
「勝手なことを!」
「勝手が嫌いなら、私を選ばないべきだった」
私たちは同じ教室で学んだ。国史、外交、礼儀、化学。庭で木登りをし、図書館で古い地図を挟み込むように笑った。少年の彼は、自由で、風で、無邪気だった。王冠は彼から多くを奪い、私からも奪ったのだ。私の怒りは、彼だけに向いていない。だからこそ、強い。
「衛兵。セリーヌ・ド・ベルローズを、控えの間へ」
言わせた。私は内心で拍手を送る。台詞は、役者の口から出たときに意味を持つ。衛兵の手が私の周囲に円を描き、出口への道を塞ぐ。私は扇を胸の前に置き、わずかに会釈して、歩き出す。人々は道を開ける。視線で刺し、香水で飾り、低い声で噂を結びながら。
「可哀想に」「いや、怖ろしい女だ」「聖女に嫉妬したのだ」「王太子はお気の毒」
私はそのどれにも頷かない。頷かないと決めることが、最初の抵抗だ。控えの間へ続く廊下は、外の喧噪から切り離されて、別の国みたいに静かだった。壁の金箔には髪の毛ほどの亀裂があり、王国の肌が乾いているのがわかる。私は扇を開閉して呼吸の速度を整え、脈拍を数える。
「セリーヌ様」
小さな声が背中に追いついた。振り向けば、わたしの侍女——だった少女がいた。今夜の彼女は別の主人に仕えていて、それでも目だけは昔のまま、薄い青色を震わせている。
「……ごめんなさい」
彼女の手が震えていた。指先に、金の粉が残っている。私はその指を取って、そっと握りしめた。
「あなたは、よくやったわ。怖かったでしょう」
「どうして……どうして笑っていられるの」
「笑わないと、あなたがもっと怖い顔を見ることになるでしょう?」
彼女は涙を零し、首を振った。私はポケットから小さな瓶を取り出して、彼女の手に押し込む。透明な液体。香りは薄い、柑橘の皮と麝香の混合。落ち着きのための、簡単な配合。
「これを少し。息をゆっくり。今夜のことを忘れる必要はない。でも、あなたの心に残すかたちを、あなた自身で選びなさい」
「……はい」
彼女は走り去った。私は残り香が消えるのを待ってから、控えの間へ進む。扉の前には二人の衛兵が控え、内側には侍従と医官、それから香料師が待ち構えていた。香料師は私を見るなり、嬉々として近づいてくる。彼の瞳は知識の光を宿し、しかし倫理の色が薄い。
「ベルローズ嬢、あなたの香りはいつも通り、それでいて少し違う。叶うなら調合を——」
「遠慮するわ。あなたの鼻先に置くには、もったいないの」
侍従が咳払いをする。医官がグローブを直す。儀式は続く。言葉と手順で人を真空パックにする作業だ。私の呼吸は安定している。恐怖はない。あるのは、冷たい怒りと、やや高揚した好奇心。どこまで彼らは準備しているのか。どこに穴を開ければ、最小の力で最大の崩壊を生むのか。
扉が閉まる直前、私は振り返った。廊下の奥、薄闇の中に立つ影が一つ。黒い礼服に、肩にかけたマント、姿勢の美しい男。顔は見えない。でも、視線だけがこちらへ届いた。もし彼が誰か、今は知らなくていい。今は物語の、導入部だから。
控えの間には、音楽がない。代わりに時計の秒針が、やけに大きく鳴る。私は椅子に座り、扇を膝に置いた。侍従が礼をし、医官がグラスを持ち込む。リリアーヌが落としたものと同じ形、同じ装飾、同じ金の粉。
「検分のため、同じ条件で試料を——」
「どうぞ、あなたが」
香料師が肩をすくめ、医官が目を細める。侍従が口を開いた。
「セリーヌ・ド・ベルローズ。殿下のご命令により、あなたを本日付けで——」
私は手を挙げ、言葉を止める。時間の流れを指先で一秒だけ止めたみたいに、空気が硬くなる。
「ねえ、あなたたち」
私は微笑んだ。社交の笑みじゃない。刃を研いだ笑み。
「あなたたちは、私を悪役にしたい。それは構わないわ。観客は、物語に悪役を求めるものだから。でも、悪役の役作りは、こちらにやらせてちょうだい」
侍従の喉仏が上下する。香料師が興奮で頬を赤くする。医官がペン先を震わせる。私はひとつ、深呼吸をして、言葉を置く。
「私は今、あなたたちの望むとおり、退場する。泣かず、騒がず、上品に。ええ、喜んで。だけど覚えていて」
扇が膝の上で、かすかな音を立てた。蝶の羽音みたいな、短い音。
「幕は下りたほうが、次の幕は鮮やかに上がるの。地獄の底からね」
侍従が宣言を再開する。声が、儀式のリズムを取り戻す。
「本日付けで、あなたは控えの間に待機ののち、審問へ。その他のことは、追って」
私は頷く。音楽のない部屋で、私は初めて、私自身の心臓の鼓動を聞いた。静かで、強く、まっすぐだった。恐れはない。喪失も、まだ来ていない。今夜はただ、幕が落ちただけ。舞台が暗転するその瞬間に、私ははっきりと確信した。
——許さない。
誰を? 世界を。私を笑った全員を。私を救わなかった物語を。私が演じ続けなければ得られない幸福の形式を。
扉が再び開き、衛兵が並ぶ。私は立ち上がり、姿勢を整える。裾を持ち上げ、光のない廊下へ一歩踏み出す。外ではまだ、音楽が鳴っているだろう。笑い声が天井を転がって、涙が輝いて、香りが夜を満たしているだろう。
結構。楽しんでいて。私が戻るころには、別の曲が必要になる。今夜の旋律では踊れない踊りを、あなたたちに覚えさせてあげる。
私は微笑み、歩く。甘い香と悪意の夜を背に、より冷たい夜へ。そこが、私の“はじまり”だという確信とともに。
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