追放即死と思ったら転生して最強薬師、元家族に天罰を

タマ マコト

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第6話:五歳、匂いが“言葉”になる


 五歳という時間は、信じられないくらい遅い。
 季節が変わるたびに身体が少しだけ伸びて、指が少しだけ器用になって、言葉が少しだけ増える。
 でも心の中だけは、ずっと“十七歳のまま”で置き去りだった。

 だから余計に、世界がもどかしい。
 泣きたいときに泣ける赤子ではなく、泣きたくないのに涙が出る大人でもなく。
 ただ、子どもの身体に押し込められたまま、冷たい鈴の音を胸に抱えて生きている。

 この五年間、エリシアは“学んで”いた。
 大きな声で復讐を叫ぶこともできない。
 王都へ戻って、家に乗り込むこともできない。
 だからこそ、静かに積み上げるしかなかった。

 ミラの台所で、火の扱いを覚える。
 ライルの治療小屋で、布の巻き方を覚える。
 村の土の硬さ、風の冷たさ、薪の重さ。
 生きるための当たり前を、ひとつずつ。

 ――それでも、足りなかった。

 前世の自分は、匂いが薄かった。
 味が薄かった。
 世界そのものが、ガラス越しみたいに遠かった。
 だから今も、いつか突然、それが戻るんじゃないかと怖かった。

 怖かったのに――。

 その朝は、いつもと同じように始まった。

 雨上がりの空。
 湿った土の匂い。
 家の裏の小さな畑に、ミラが干し棚を立てていて、薬草の束がずらっと並んでいる。
 薄い朝日が、濡れた葉の縁を銀色に光らせていた。

「エリシア、そこ踏むとぬかるむよ」

 ミラが声をかける。
 手には籠。籠の中には摘みたての薬草。
 ミラは貧しいのに、手元だけはいつも丁寧だ。
 丁寧さが生活の矜持みたいに見える。

「はーい」

 エリシアは子どもの声を出すのが、まだ少し下手だ。
 心の中の自分はずっと大人だから、わざと語尾を丸めるのが面倒になる。
 でもここで“変な子”になったら、守ってくれるこの場所を壊してしまう。
 だから演じる。五歳の自分を。

 干し棚の前に立つ。
 細い縄に括られた薬草が揺れる。
 ミント、セージ、カモミール、乾かしかけの根、樹皮――。
 どれも、ここでは貴重なものだ。
 王都みたいに倉庫に山ほどあるわけじゃない。
 採って、干して、少しずつ使う。

 エリシアは、ただ見つめた。
 いつもなら、ただの匂い。
 少し強いものもあれば、弱いものもある。
 それだけ。

 なのに。

 ふっと風が吹いた。

 薬草の匂いが、鼻腔に滑り込んだ瞬間――世界が“言葉”になった。

 薄荷の匂いが、冷たい水みたいに頭の中を駆け抜けて、はっきり聞こえる。

『冷やせ』

 え?

 エリシアは息を止めた。
 止めたのに、匂いは止まらない。

 次に、セージ。
 乾いた草の奥に、深い森の影みたいな落ち着きがあって。

『落ち着け』

 落ち着けって、誰が? 私が?
 混乱しながら、視線を移す。
 棚の端にぶら下がっている、少し黒ずんだ根。

 腐りかけの匂いがした。
 湿った甘さ。
 その匂いは、喉の奥に嫌な感覚を残す。

『毒だ』

 声じゃない。
 音じゃない。
 でも確かに“意味”として脳に刺さってくる。

 エリシアは、ぐらりと揺れた。
 足元の泥が沈んだわけじゃない。
 自分の中の世界が、ひっくり返った。

(……なに、これ)

 前世でずっと求めていたもの。
 薬室で、ガラス瓶越しに掴みかけては失っていたもの。
 “意味”。
 匂いが言葉になる感覚。

 今は、鮮やかすぎるほどにある。

 エリシアは両手で口を押さえた。
 叫びそうになった。
 嬉しさと恐怖が同じ重さで襲ってきたから。

(戻った……? いや、戻ったんじゃない。これ、最初から私のだったのか)

 胸の奥の鈴が、小さく鳴った。
 コトン。
 冷たい音。

 復讐心が鳴ったのか、興奮が鳴ったのか分からない。
 でも確かに言える。
 この音は、終わりじゃない。始まりの音だ。

「エリシア?」

 背後から、ライルの声。
 エリシアはびくっと肩を跳ねさせた。

 ライルは今、畑から戻ってきたところらしく、腕まくりした前腕に土がついている。
 右腕の火傷跡は、薄い布で隠されているけれど、動くたびに布の端がずれて赤黒い皮膚が覗く。
 それでも彼は気にしていないふりをして、エリシアの隣にしゃがみ込んだ。

「なにしてんの。そんな真剣な顔」

 彼の声は、からかいじゃない。
 ただの疑問。
 ただの興味。

 エリシアは言葉を探す。
 “匂いが喋った”なんて言ったら、頭がおかしい子だと思われる。
 でも隠したくない。
 隠してしまったら、また前世みたいに“ガラス越し”になる気がして。

「……におい、みてた」

「匂い見てたって、なんだよそれ」

 ライルは笑った。
 笑い方が、くしゃっとしている。
 爽やかじゃない。洗練されてもいない。
 でもその笑いは、エリシアの胸を刺さない。

 エリシアは少しだけ安心して、指を一本立てた。

「これ」

 薄荷の束を指さす。

「つめたい」

「お、分かる?」

 ライルが目を丸くした。
 その反応に、エリシアの心臓が跳ねる。
 驚かれてる。
 でも否定されてない。

「薄荷は冷却に使える。熱がある時とか、腫れとか」

 ライルはさらっと説明しながら、薄荷の束を軽く揺らした。
 匂いがまた流れてくる。

『冷やせ』

 エリシアは震えた。
 言葉が一致する。
 自分の感覚が、現実に繋がっている。

「じゃあ、これ」

 エリシアは次にセージを指さした。

「おちつく」

「……お前、なんで知ってんの?」

 ライルが笑うのを止めた。
 笑いが消えたわけじゃない。
 真剣になった。

「セージは精神を鎮めるのに使う。胃がムカムカする時とか、落ち着かない時とか」

 エリシアは頷いた。
 胸の奥が、熱い。
 自分が“当たっている”という感覚が、こんなに温かいものだとは知らなかった。

 ラウフェン家では、当たっても評価されない。
 むしろ怖がられる。
 でもここでは、当たると驚かれる。
 驚かれて、説明されて、繋がる。

 エリシアは棚の端の黒ずんだ根を指さした。
 声が少し低くなる。

「……これ、だめ」

「それはダメだな」

 ライルが即答した。
 彼は根を取って匂いを嗅ぎ、顔をしかめる。

「腐ってる。毒になる。絶対使うな」

 エリシアの背筋に、ぞわっと鳥肌が立った。
 また一致した。
 “意味”が、正しい。

 息が、うまく吐けない。
 嬉しさが胸に詰まって、酸素が足りない。
 でも泣きたくない。泣くと崩れる。
 崩れたら、また壊される。

 ライルはエリシアの顔を覗き込んだ。

「なあ」

 少しだけ柔らかい声。
 それが“子どもに向ける声”じゃないところが、妙に嬉しい。

「お前、薬が好きなのか?」

 好き。
 その言葉が、胸の奥に落ちた瞬間、熱が広がった。
 好き――そう言っていいの?
 今まで“向いてない”しか言われてこなかったのに。

 エリシアは喉がきゅっとなるのを感じながら、頷いた。

「……すき」

 声が小さくなった。
 好きだと言うのが、怖かったから。
 好きだと言ったら、また奪われる気がしたから。

 でもライルは、笑った。
 今度は嘲笑じゃない。
 “いいじゃん”って言う笑い。

「そっか」

 その一言が、エリシアの胸を痛いほど温めた。
 肯定。
 初めての肯定。

 “好きでいていい”って言われるだけで、こんなに呼吸が楽になるなんて。
 前世では知らなかった。

 ミラが籠を抱えたまま近づいてきた。

「何してるの? 二人でこそこそ」

「エリシアがさ、薬草の匂い当ててる」

「え、ほんと?」

 ミラが目を輝かせる。
 その目の輝きは、期待でも圧でもなく、純粋な喜びだ。
 子どもができたことを喜ぶみたいな。

「じゃあ、これ分かる?」

 ミラは籠からカモミールを出して、エリシアの鼻先に近づけた。

 匂いが流れ込む。
 柔らかい甘さ。
 日向の布団みたいな匂い。

『眠れ』

 エリシアは目を瞬かせて、言った。

「……ねむくなる」

「当たり!」

 ミラが声を上げた。
 両手を叩きそうになるのを堪えて、笑いながらエリシアの頭を撫でる。
 その手の温度が、また優しい。

「すごいじゃない。ねえライル、この子――」

「うん」

 ライルは短く頷いた。
 でもその“うん”の裏に、何か複雑な色が見えた。
 喜びだけじゃない。警戒。
 ……守ろうとする色。

 エリシアはそれを見て、胸の奥の鈴が鳴った。
 チリン。
 冷たい音。

(そうだ。私は、力を持ったら危ないんだ)

 前世で怖がられた。
 だから殺された。
 だから捨てられた。

 この場所が優しいからこそ、失いたくない。
 失いたくないからこそ、隠したくなる。
 でも隠したら、また自分が死ぬ。

 エリシアは、小さな拳をぎゅっと握った。
 爪が掌に食い込む。
 その痛みが、今ここにいる証拠になる。

「エリシア」

 ライルが呼ぶ。

「ん?」

「無理すんな。分かることが増えると、疲れる」

 その言葉に、エリシアははっとした。
 無理するな。
 そんな言葉、前世で一度も聞いたことがない。
 無理しないと価値がない。
 無理しても価値がない。
 そんな世界だった。

「……だいじょぶ」

 子どもの声で言う。
 本当は大丈夫じゃない。
 胸が熱くて、怖くて、嬉しくて、全部が混ざってぐちゃぐちゃだ。

 ミラが笑う。

「じゃあ、今日から干し棚担当ね。匂いで変なのが混じってたら、教えて」

「うん」

 エリシアは頷く。
 役割が与えられる。
 “必要”だと言われる。
 それが、こんなに嬉しいなんて。

 風がまた吹いた。
 薬草の匂いが流れる。

『冷やせ』
『落ち着け』
『眠れ』
『毒だ』

 匂いが言葉になる。
 世界が鮮やかに輪郭を持つ。
 前世で奪われていた感覚が、今は溢れるほどある。

 エリシアは息を吸った。
 深く吸って、吐いた。

 胸の奥の鈴が、また鳴る。
 冷たい小さな音。
 復讐の音。
 でも今日は、その音のすぐ隣に、温かいものが灯っていた。

 肯定された温度。
 守られる予感。
 それを抱いたまま、エリシアは干し棚の前で立ち尽くした。

 この匂いを、もう二度と奪わせない。
 そう決めた。
 五歳の小さな拳で、静かに。
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