泣き虫王女、異世界で推し騎士に拾われて人生チート化しました

タマ マコト

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第2話:目を覚ませば、剣と魔法の世界

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最初に聞こえたのは、風の音だった。
乾いた葉の表と裏を撫で分けるようにして吹き抜ける、薄い刃物の気配を持った風。鼻先をくすぐるのは湿った土と、砕けた若草の匂い。喉の奥まで入り込む冷たさに、肺が新しい世界の重さで膨らむ。

目を開けると、眩しいほどに緑が深かった。
見上げた木々の幹はねじれ、梢は星の鋲で留められたみたいに高く高く絡み合っている。葉の形は知っているものと似ていて、よく見ると少し違う。縁が細かく波打ち、光を反射すると銀色にきらめく。空は薄い藍で、昼なのに星が一つ、針で紙を貫いたように残っている。

私は仰向けに倒れていた。頬に土のひんやりが吸い付いて、耳殻の裏に露が入り込んでむず痒い。指を動かすと、細かい砂粒が爪の下に滑り込む。
からだが重い。まるで、何かと引き換えにここへ落ちてきたみたいに。

「……どこ、ここ」

声が自分のものじゃないみたいに掠れて、地面のすぐ上で震えた。
起き上がろうとして、頭の内側がぐらりと傾く。吐き気。世界がまだ定まっていない。目に映るものの輪郭が、薄い膜で包まれているみたいに曖昧だ。

だけど、匂いも風も、土の重みも、あまりに確かで――
私はそこで、理解した。ここは、王都の外れの森ではない。木の語彙が違う。風の方言が違う。見上げた空の構文が、知らない言葉で組まれている。

異世界。
あの一言が、胸の内側のどこか一番柔らかいところに、静かに沈んだ。

「……っ」

茂みが揺れた。
最初は鹿かと思った。けれど、葉を割って現れたのは、狼に似て、狼じゃない。背中の毛が針のように立ち、額にはひとつ、黒曜石の角が生えている。舌から垂れた涎は糸を引き、土に落ちると白い煙を上げた。鼻先はひくつき、私の汗の匂いを確かめている。

逃げなきゃ――そう思った瞬間、膝が笑った。力が入らない。立てない。喉の奥は砂で満たされて、息が尖った針の目を通るみたいに苦しい。

「来ないで」
かすれた声が、獣に通じるはずもない。
角狼(そんな名前が浮かんだ。たぶん間違いじゃない)が低く唸って、地を蹴った。土が跳ねる。牙が開く。時間がのびる。

――助けて。

脳裏をよぎったのは、祈りじゃない。条件反射。
次の瞬間、空気が裂けた。

金属が空を切り、火花の温度が肌を刺す。
黒い影が、私と角狼のあいだにするりと差し込まれた。まるで夜を薄く剥いで形にしたみたいな黒。光を飲み込む曲面。肩を覆うマントの内側で、空気が低く鳴る。

「下がれ」

低く、落ち着いた声。
剣が、動いたのではない。すでにそこにあった。角狼の飛びかかりは空を切り、次の瞬間、首筋に薄い白線が走る。遅れて血が吹き、土がそれを受け止める。
鋼のエッジを沿って流れた赤は、一滴も跳ねない。彼の剣筋は、血すら礼儀作法を学ばせる。

角狼は二歩、三歩、よろめいて、倒れた。
土埃が薄く舞う。その薄膜の向こうで、黒い騎士がゆっくりと剣を払う仕草は、異様に静かだった。戦いの後始末に無駄がない。鞘に戻る刃の音が、遠い寺院の鐘みたいに胸腔に響く。

私は、呼吸を取り戻すのに数拍かかった。
手のひらは汗で湿り、冷たくなった指先が震える。涙が勝手に出てくる。泣き虫は、危機回避の本能に組み込まれているらしい。

黒い騎士は振り返った。
その顔を、私は知っていた。知っているという言葉で片付けられないほど、知っていた。
銀の髪が、夜空の針を一本拝借したみたいにまっすぐで、瞳は灰色、焼け残りの炭の底に小さな火種を宿す色。額に落ちた一筋を、無造作に指で払う仕草まで、記憶と同じ。

――ノア=ヴァレンティア。

呼びそうになった名を、喉の奥で飲み込む。
ばかみたい。いや、ばかだ。だけど、どうしても、その名以外で彼を認識できない。現実の輪郭よりも先に、物語の骨格が目の前の人影にぴたりと重なる。
私が、王都の片隅で秘密の時間に没頭していた“機巧盤(オルゴール)”――異国から密かに流れ込んだ、光晶盤と呼ばれる遊戯装置。そこに映る影の世界『アウローラ戦記』。
王家の末娘がそんな庶民の娯楽に触れること自体、ちょっとした犯罪だった。
けれど、私は毎晩、薄布を被ってランプを小さく灯し、そこへ潜った。
彼に会うために。
画面の向こうの、黒い騎士に。
無駄がなく、冷たく、そして本当のところ誰よりも優しいと知っている男に。

「……大丈夫か」
彼は、近づきすぎない距離で膝を折った。鎧の関節が、低く短く鳴る。
私の頬に残る涙の道を、指の背でそっとなぞる。硬い手袋越しでも、その動きは驚くほどやさしい。

「生きてる」私は、やっとそれだけ言えた。
「よく言えた。生きてると言える奴は、ちゃんと生きられる」

彼の言葉は、ゲームの台詞と違った。けれど、芯の部分は同じだ。
私は笑いそうになって、代わりにしゃっくりみたいな呼吸をした。涙と呼吸のリズムが噛み合わない。情けない。

「立てるか」
「……試してみる」
私は両手を地面につき、膝に力を込める。からだは言うことを聞いてくれない。重い砂袋を何枚も纏っているみたい。膝が土に沈む。
彼は私が虚勢を張るのを少しだけ見守って、それから、迷いのない手つきで私の背に手を回した。

「力を抜け」
「抜いてる、つもり」
「抜くというのは、落ちることを許すことだ」
「名言……っ、今はそういうの、困ります」
「そうか」

彼はほんのわずか、口の端を上げたように見えた。見間違いかもしれない。
肩甲の曲面に、私の体重が預けられる。鎧越しの体温は、想像よりずっと静かで寡黙だ。
私は、彼にもたれた。泣き虫のくせに、甘え下手な自分が、ひどく無防備な角度で世界に晒される。

「名は」
彼が問う。
「リシェル……」
「リシェル」
一度、短く繰り返す。声に乗った私の名が、別の生き物になって空気に放たれる。
私は胸のペンダント――琥珀に触れる。母の温度がまだ微かに残っている気がした。それを握りしめて、息を整える。

「あなたは……」
言いかけて、喉が詰まる。
“ノア”。それを口に出した瞬間、夢が壊れるかもしれない。目の前の人が、別の名前で笑うかもしれない。
でも、言わずにいられるほど、私は強くない。

「あなたは、ノアでしょう」
森の音が一瞬、薄くなる。遠くで鳥が一羽、羽音を止めた気がした。

灰色の瞳が、わずかに細くなる。警戒ではない。確認のための静けさ。
彼はゆっくりと頷いた。

「ノア。ノア=ヴァレンティア」
やっぱり。
胸の奥で、何かがほどける音がした。それは礼儀正しく涙腺へ向かって歩いていき、きっちりとドアを叩いた。
――開けます。
はい、どうぞ。
私の瞳から、また新しい涙が世界へこぼれていった。

「ごめんなさい、変なこと言って……」
「名を当てられただけで、変とは思わない」
「でも、わたし……知ってる。あなたの戦い方も、口癖も、弱点も、好きなものも。知ってるの。……知らないはずなのに」

彼は、少しだけ視線を遠くに向けた。
葉の隙間から漏れる光が、黒い鎧のエッジでほどける。
「この森で、俺の名を正しく呼ぶ者は稀だ。――お前は、ここでの人間ではないのだろう」

私は頷いた。うまく頷けなくて、顎が震える。
「気づいたら、ここにいて。王都も、家族も、全部、遠くなって……」
「家族」
「父は国のために正しい人で、姉たちは冷静で、わたしは、泣き虫で。――そして、追放された」

短い沈黙。
ノアはそれ以上、理由を聞かなかった。
かわりに、森の匂いを確かめるようにわずかに顔を上げ、風の向きを読む。甲冑の細い接合部が、息をした。

「ここは《エルディア》」
彼は言った。「街道から外れた外縁域だ。瘴霧が薄く、獣が寄る。長居は良くない。拠点まで運ぶ」

「拠点……?」
「廃城だ。雨は凌げる。食料は少し。寝床は、俺のよりましなものを用意しよう」

「あなたのより?」
「俺は眠りが浅い。どんな寝床でも、同じだ」
淡々。冗談でも自虐でもない、ただの事実として。

「無理しないで。自分で歩く」
「さっき、歩こうとして土に説得された顔をした」
「どんな顔」
「いい顔だった」
「それ、褒めてない」

彼は、今度ははっきりと口角を上げた。笑ったのだ、と理解するのに、私の脳は一拍遅れた。
『アウローラ戦記』のノアも、滅多に笑わなかった。笑うときは、大切な人間を守ったあとだけ。
――守られたのは、私だ。

「おんぶする」
「騎士に背負ってもらう王女って、なんか、絵面がすごい」
「ここに王女はいない」
「うん……そうだね」

私は彼の背に腕を回す。鎧に傷が多い。浅いもの、深いもの。削れた金属の肌理が、私の手のひらに岩のように固い現実を伝える。
ノアは立ち上がった。私は浮き、世界の視点が少し高くなる。樹々の葉の間を通る光が動き、胸の前の琥珀がかすかに鳴いた。

「重くない?」
「重さは命の証だ」
「また名言……」
「名言ではない。事実だ」

彼の歩幅は一定だった。土の柔らかさに合わせて、踵と爪先の角度を微細に変える。足音は驚くほど静かで、獣道の草は彼の通過を許す。
背中で、私は呼吸を合わせる練習をした。彼の肺が膨らむとき、肩甲骨の下で空気が広がる。その拍に合わせて、私も息を吸う。吐く。
少しずつ、鼓動のリズムが寄り添っていく。
私は目を閉じた。怖いのに、安心する。泣きたいのに、笑える。矛盾だらけの感情が、体内で小さな焚き火みたいにまとまり始める。

「ノア」
「なんだ」
「どうして……わたしなんか、助けたの」
「助ける理由が必要か」
「あなたは、誰でも助けるわけじゃない」
「そうかもしれない」
少し考えるように、呼吸が浅くなる。「だが、今は助けるべきだと思った」

「理由は」
「泣いていたからだ」
私はきょとんとする。
「泣くことは、この森では珍しい。獣は吠え、木は軋み、風は歌う。だが、人は泣かない。生き残る者は、泣く余裕を忘れる」
「それ、皮肉?」
「違う。――ここでは、涙は弱さではない。生きている証拠だ」

第1話で聞いた言葉と、同じ響き。けれど、世界が違えば、重さも違う。
私は胸の前で、琥珀を握りしめる。母の残した温度と、今の私の体温が混ざって、ペンダントの中で新しい色になる。
涙が頬を滑り、顎で丸くなって落ちた。背中の上で、ノアの肩が微かに揺れる。歩幅は崩れない。支えは強く、揺り籠みたいに安定している。

「さっき、あなたのことを知ってるって言ったけど」
「言った」
「本当に、知ってるんだ。……わたし、光晶盤で、あなたの物語を見ていた。王都に内緒で持ち込まれた異国の遊戯。ランプの火を小さくして、布被って、毎晩、こっそり」
「犯罪的だ」
「ね。王女としては、最悪」
「だが、人間としては普通だ」
「そう言ってくれるの、ずるい」

私は笑う。泣き笑い。鼻がつまる。みっともない。でも、それが、私。
「画面の中のあなたは、いつも冷たくて、でも、最後には優しかった。端折られた台詞の隙間に、本当のあなたがいるって、勝手に思ってた。……推してた。命を懸けるみたいに」
「命を懸けて推す、とは」
「全部をそこに向けるってこと。時間も、気持ちも、祈りも。うまくいったら、世界がちょっとだけ明るくなる。うまくいかなかったら、世界ごと泣く」
「なるほど」
ノアは短く言い、それ以上、笑わなかった。けれど、背中の温度がほんの少しだけ柔らいだ気がした。
彼の中で、私の言葉が、彼自身の言語に翻訳されていく音がする。鋼鉄の内側で、目に見えない歯車がひとつ噛み合った小さな音。

森を抜ける気配がした。匂いが変わる。湿りが乾いた石の匂いに混ざる。小川の音。鳥の声が遠のき、風が広場の空気に広がるように軽くなる。
目を開ける。木々の切れ目から、灰色の石が顔を出した。蔦に半分飲み込まれた古い城壁。崩れた塔。窓は目のように空洞で、そこから覗く空は淡い青。

「……廃城」
「俺の好きな種類の家だ」
「渋い趣味」
「騒ぐ者がいない」
「孤独の達人」
「達人、というほどのものではない」

城門、と言うには頼りないアーチをくぐると、ひんやりとした影が肌に貼り付いた。
中庭には、泉の名残のようなくぼみがあり、そこに集まった水が鏡のように空を映している。草の間に、小さな白い花がいくつも顔を出して、風に揺れた。
戦いの匂いもしない。血の名残もない。ただ、時間が降り積もった静けさ。

ノアは私を石の縁におろし、そっと支えた。
足を地面につけると、膝が少し笑ったけれど、立てる。彼はすぐ離れず、私の肩に手を残したまま、呼吸の乱れを見ている。
近すぎる距離。遠すぎる現実。私は息を整えながら、彼を見上げた。

「ありがとう、ノア」
「礼は、落ち着いてからでいい」
「落ち着けると思う?」
「食べて、寝れば、大抵のことは落ち着く」
「現実的」
「生き残る術は、派手ではない」

彼は短い口笛を吹いた。影から、黒い毛並みの小さな獣が顔を出す。尻尾が二つに割れ、先がふにふにと動いている。猫に似て、猫ではない。目だけがやけに賢い。
「ティグ。客だ」
ティグと呼ばれた生き物は、私を見ると、くん、と鼻を鳴らして、足元に身体を擦り付けた。柔らかい。温かい。
「かわいい……」
「人を見る目は確かだ。噛まない。腹が減ると俺を噛む」
「飼い主、厳しめ」
「公平だ」

ノアは崩れた柱の影へ行き、隠してあった麻袋から乾いた黒パンと干し肉、それから金属の筒――水筒を取り出した。
「硬い。よく噛め」
「歯、折れない?」
「折れない程度に噛め」

パンは本当に硬かった。石化手前という感じ。けれど、口に入れて唾液と混ぜると、じんわり甘みが出る。干し肉は塩辛く、咀嚼のたびに顎が軋む。
水は冷たくて、喉を押し洗いする。飲み込むごとに、体内の砂が少しずつ流れ出ていく気がする。
食べる、という最小限の行為が、世界との和解の儀式みたいに思えた。

「ねえ、ノア」
「ん」
「ここは本当に《エルディア》?」
「そう聞かれたら、そうだと答える」
「わたしのいた世界とは、違うの?」
「お前の目が見ているものは、同じだ。だが、名前と意味が違う」
「名前と意味」
「木は木だが、木の理由が違う。空は空だが、空の約束が違う」
「……難しい」
「難しいことは、寝る前に考えるな」

彼は荷の中から古びた毛布を引き出し、私の肩にかけた。
陽はまだ高いのに、眠気が、波のようにやってくる。体は戦いの後片付けを始めている。筋肉は勝手に重くなり、思考はふわふわと言葉を抱きしめたまま漂う。

「寝ていい」
「でも、あなたは」
「見張る。耳は二つ、目は二つ、気配を読む癖は、年季が入っている」
「頼りになる」
「頼っていい」

目蓋を下ろす。闇ではなく、柔らかい布の色が広がる。
『アウローラ戦記』の画面越しに何度も見た背中が、すぐそこにある。光の粒子で出来ていた人影が、金属と血と息の重さを持って現実に存在している。
夢みたいだ。夢であってほしい。夢でないでほしい。
矛盾の二重奏が、胸の中で静かに鳴る。

「ノア」
「何だ」
「あなたに会えたこと、たぶん、わたしの人生でいちばん……」
言い切る前に、眠気が言葉をさらっていく。
彼の返事は、少し間をおいてから落ちてきた。

「――迷子を拾うのは、昔からの役目だ」

昔から。
その言葉が、毛布の内側でゆっくり溶ける。
背中に感じる彼の気配は、遠い炉の火みたいに一定で、安心を焼きすぎない温度で燃えている。
世界は静まり、泉の水面が小さく呼吸する音だけが、眠りの入口へと私を誘った。

眠りに滑り込む直前、私は薄く笑った。
推しが現実にいて、推しが背中を貸してくれて、推しが見張ってくれている。
神様へ、私は無宗教だけど、今日だけはお礼を言う。
ありがとう。
――泣き虫王女の目覚めは、剣と魔法の世界で、推し騎士の影の下にあった。

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