泣き虫王女、異世界で推し騎士に拾われて人生チート化しました

タマ マコト

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第4話:泣き虫王女、城に拾われる

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朝と昼のあいだを行き来するような光が、崩れた城壁の隙間から斜めに差し込んでいた。
冷えた石と、焚き火の名残の温もりがぶつかり合って、空気はほのかに甘く、ほのかに金属の匂いがする。
私は毛布の端を握りしめたまま、起き上がった。昨日の恐怖は、夜のうちに薄紙で包まれたみたいに角が丸くなっている。代わりに現れたのは、現実の重さ――お腹が鳴る音、喉の渇き、髪の絡まり、着替えのない事実。

「起きたな」

声の主は、もちろんノア。
黒い鎧はすでに朝の光を吸い込み、輪郭をくっきりさせている。彼は火のそばにしゃがみ込み、灰の熱を指先で読み取りながら、細い薪を徐々に足していく。
火は反抗も甘えもせず、言葉のいらない合意だけで、静かに起き上がった。

「おはよう」
寝起きの声がひどく幼くて、私は自分で笑ってしまう。
ノアは首だけでこちらを見た。灰色の瞳はいつもどおり深くて、でもどこか、夜の見張りを終えたばかりの獣の目に似た疲れの色が差している。

「腹は」
「鳴ってる」
「正直でよろしい」

黒パンを薄く削り、昨夜と同じように湯に浸す。干し肉を小さく裂き、摘んできたばかりの野草を一つまみ。
器から立つ湯気が顔に触れ、目が自然と細くなる。
食べる。生きる。考えるのは、そのあと――ノアの世界のルールは、身体の順序を優先するらしい。

「ねえ、ノア」
「ん」
「わたし、たぶん、ここでは何もできない」
言ってみて、胸がざらっとした。口に出すことで現実は硬度を増す。
王宮では“王女”という肩書が、何もできない事実をふわりと隠してくれていた。食事も、洗濯も、火の起こし方も、私は知らない。知っていたのは礼儀作法と、テーブルマナーと、外交の笑顔の角度と――秘密の夜に見た画面の向こうの世界の手触りだけ。

ノアは器を渡しながら、淡々と言う。
「好きにしていい」
「……好きに」
「ここで泣いてもいい。寝てもいい。歩いてもいい。何か壊すな。火を粗末にするな。怪我をするな。――あとは、好きにしていい」

条件が少しだけあって、少しだけ厳しい。けれど、やさしい。
“好きにしていい”という言葉が、こんなに胸に沁みるのは、たぶん私はずっと、誰かの“正しさ”に添うために息をしていたからだ。
私は器を受け取り、膝の上で温度をなじませる。
蒸気の向こうで、ノアの輪郭がわずかに揺れて見えた。

「じゃあ、好きに――役に立つこと、探してもいい?」
「探せ」



探す、と言っても、手は空回りした。

焚き火の面倒を見ようとして灰を巻き上げ、盛大にむせた。
水汲みを申し出て桶を持てば、重さの見積もりを誤って半分こぼした。
床の掃き掃除に挑戦すれば、石の目地に溜まった灰と砂埃が暴動を起こして、ティグがくしゃみを連発した。尻尾が二股揺れて、くしゃみのたびに私の足にヘッドバットしてくる。かわいい。反省する。

「落ち込むな」
ノアは咎めず、結果だけを淡々と片付けていく。手際が良すぎて、私の失敗が最初からなかったみたいに世界が整う。
それが余計に堪える。役に立てていない、という事実が、腕の中で暴れる小動物みたいに暴れて、息を乱す。

「大丈夫。わたし、できること、絶対に――」
「焦るな」
ノアの声は低いが、重くはない。
「焦ると、火は煤を出す。煤は肺を汚す。汚れた肺では走れない」

「それ、剣の話?」
「生活の話だ」

私は笑う。笑いながら、ぐっと首を伸ばして城の奥の暗がりを眺めた。
再生を待つ器官のように、廃墟のあちこちに眠った機構のかけらがある。崩れた回廊の脇、割れた壁面に埋まった古い盤、地下へ続く階段の踊り場の鉄の格子。
――この城は、眠っている。
昨日、地下で目覚めさせた“心核”の手触りを思い出す。石の内側で応えた微かな震え。刻印が歌うように起動していくあの感触。
ゲームの夜、私は画面の向こうの遺跡を百回も千回も“起動”してきた。設計図を読み、配置の理由を想像し、欠けた部品の代替手段を考えて、光を戻した。
――できるかもしれない。ここでも。
“好きにしていい”なら、私はこの城の心臓を、もう少しだけ起こしてみたい。

「ノア」
「ん」
「地下の魔導炉、昨日は起動の入口だけ触ったよね。本炉は別にある?」
灰色の瞳が、こちらを真っ直ぐとらえる。
「ある」
「見てもいい?」
「危険かもしれない」
「危険なら、やめる」
「本当にやめるか」
「やめる」
即答した私を、ノアは数秒だけ観察した。
「……分かった。行け」



地下は涼しく、湿った石の匂いと、古い油の匂いが層になっていた。
灯せる範囲の灯りはすでに昨夜のうちに点いていて、壁の刻印が淡く呼吸している。
ノアが先に立ち、私はその背中の少し後ろを歩く。ティグはついて来ない。暗いところは苦手らしい。賢い。

「ここが魔導炉の“喉”だ」
ノアが立ち止まった先に、丸い縦坑があった。覗き込むと、深い闇の底で、水とも火ともつかない光がうっすら揺れる。
側面には複数の管が生え、心臓に向かう動脈のように曲がりくねって伸びている。いくつかは錆び、いくつかは壊れ、いくつかは不明な理由で封鎖されている。
縁には、制御盤。石と金属でできた古いインターフェース。
ルーン。回転輪。スライダー。
見慣れた、けれど知らない。知らない、けれど見慣れた。

私はそっと手をかざす。
「さわる前に、考える」
自分に言い聞かせる。
ゲームなら、まずは“安全な動作確認”。次に“現在の配線と流量の把握”。そして“欠損の洗い出しと仮接続”。
現実でも、順番は変わらない。違うのは、失敗したときに“リトライ”がないこと。

「ノア、ここ、かつて誰が運用してたの?」
「古い時代の技士。名前は残っていない」
「記録は?」
ノアは短く顎を振って、奥の棚を示した。崩れかけた板の上に、革表紙の冊子が積まれている。めくると、図と数字が踊っていた。古文字の注釈。緩んだ箇所の目印。
――ありがとう。
私は作業前の儀式みたいに、冊子にほんの少し頭を下げてから、ページを追った。

「この符号、昨日の心核の刻印と対応してる。外輪の流体、内輪の火素。そして中央は――」
「心」
ノアが言う。
「うん。心。わたしの世界にも“心核”に似た概念があってね。ゲームの中だけど」
「ゲーム」
「箱庭の世界。本当のように見える嘘。でも、あの嘘に救われる夜があった」

言葉に、ノアは頷くでも否定するでもなく、ただ聞く。
その“聞く技術”が、彼の孤独の長さを物語っている。自分の音より相手の音に耳を使う時間の長さ。

「まず、流体の循環を確認するね」
私はルーンの輪に触れ、抵抗の具合を確かめる。重い。けれど、動く。
耳を近づければ、遠くの方で水音のような、砂が流れるような、微かな音がした。
「生きてる。詰まってない」
次に火素。スライダーを少し上げると、喉の底の光がわずかに強くなる。熱が、顔に触れた。
「こっちは……弱ってる。過去に過熱事故があったっぽい。ここ、ほら、焦げた痕」
私はノアに示す。彼は身をかがめ、指先で黒い痕をなぞった。
「見えるのか。暗いのに」
「目より手で見るの。凸凹と温度で読む」

最後に“心”。
中央の小円盤は、触れる前から、私の胸の琥珀と呼応するようにかすかに震えていた。
「あなたは、まだ眠い?」
思わず問いかける。
ノアが目だけで、こちらを見る。突飛な言動だと思っているはず――でも、止めない。

「大きく起こさない。呼吸だけ、深くしてもらう」
私は琥珀を握り直し、呼吸を整える。吸って。止めて。吐く。
円盤に指を置き、ほんの少しだけ、回した。
――カチ。
控えめな音。喉の底の光が、すこしだけ、濃くなる。
壁の刻印が、応答するように弱い光で点き、流体の管に青い脈が走った。

「やった……けど、ここからが本番」
私は制御盤の右側、壊れて封鎖された管に視線を移す。
「これ、代替ルートが作れる。ここからここに、仮接続。圧を逃がすバイパスをつくれば、過熱しない」
「材料は」
「城の上に、折れた旗竿と、銅の飾りがあったよね。銅は柔らかいから、管にするには心もとないけど――巻けばいける。布で巻いて、樹脂で固める。昨日の薬壺、樹脂成分があった」
「ある」
「ね。あれ、樹皮から採るんだよね。粘るやつ」

ノアはすでに立ち上がり、短い返事と共に材料を取りに向かった。
行動が早い。理解したら、次の瞬間には動いている。
私は制御盤の前で、即席の設計図を頭に描きながら、深呼吸をする。
――失敗は許されない。けれど、怖がりすぎても手が震える。
指先を自分で掴み、落ち着いて、と言い聞かせる。

「戻った」
ノアが持ち帰ったのは、期待通りのもの――折れた旗竿、銅の飾り、布、樹脂、麻紐。それから、なぜか乾いた苔の束。
「苔?」
「湿り気を調整する。圧が上がりすぎたとき、ここに逃がす」
「――なるほど。そんなやり方、ゲームで見たことない」
「ゲームは、苔を知らない」
「かもね」

二人で作業を始める。
銅を薄く延ばし、筒に巻く。つなぎ目は布で巻いて樹脂を塗り、麻紐で縛る。
ノアの手は器用だ。力の出し方が正確で、必要なところにだけ重さを落とす。私は形を見て、彼は力をくれる。
新しい管を仮設して、壊れた管の代わりに咽喉へとつなぐ。苔のポケットをつくり、圧が偏る場所に逃がし道を用意する。
作業中、言葉は少ない。けれど、沈黙は固くない。必要な時に必要な音だけが交わされ、互いの呼吸が、知らぬ間に揃っていく。

「――よし」
最後の結び目を締め、私は額の汗を拭った。
ノアが頷く。
「試すか」
「試す」

私は制御盤の前に立ち、深く息を吸い込んだ。
吸って。止めて。吐く。
指がルーンに触れ、輪を、ほんの少しだけ――回す。
火素のスライダーを、先ほどよりも気持ち上へ。
“心”に、微細な合図を送る。
――目覚めなさい。
大丈夫。わたしたちは見ている。逃げ道も、呼吸も、用意した。

喉の底で、音が変わった。
低く長い、遠雷のような響きが、ゆっくりと広がる。
足元の石が震え、壁の刻印が一斉に点いた。
青。金。温かい白。
地下の冷気が、春の初日の朝みたいな匂いを帯びる。
私は思わず笑った。笑いながら、涙がしっかり目尻に溜まる。忙しい顔だ。

「ついた……!」
「ついたな」

ノアの声に、わずかな色が乗っていた。
私は振り返る。
彼はいつものように無表情――に見えたのは最初の一瞬だけ。
目の端が、ほんの刹那、ほどけた。
唇の角度が、見逃せないくらい、上に。
鎧の内側の温度が、少しだけ柔らかくなった気がする。

――笑った。
推しが、笑った。
世界の隠しステータスに、+1が灯る音が聞こえた気がした。
胸の中にある見えない灯りに、火が移る。小さな、でも消えにくい火。

私はバン、と自分の胸を軽く叩いた。
「ここに、今、灯がともった」
「見える」
即答。
私は一瞬、きょとんとする。
ノアは続ける。
「いや、見えはしない。だが、分かる」

ずるい。そういうことを、自然に言う。
私は笑って、泣いた。泣き笑い。忙しい顔、第二弾。

「上に行こう」
私は言う。「城に、光を見せたい」
ノアが頷き、先に立つ。足音が軽い。
階段を上るごとに、空気の湿度が変わり、温度が変わり、匂いが変わる。
地上に出た瞬間、廃墟の影が、少し後ろへ下がっていた。
壁の隙間に、光が細く入り込み、床の埃が金色に踊る。
割れた窓枠に、古いルーンが反応し、薄く、薄く、青が走る。
中庭の泉に水脈の音が戻り、鏡の面が微かに震える。
風鈴をどこかで隠していたみたいに、城じゅうが小さく鳴った。

「きれい」
私の声が、子どもみたいに軽く跳ねる。
ティグが驚いたように尻尾を二つ広げ、ぴょんと跳ねた。
ノアは中庭の中心に立ち、ぐるりと視線を巡らせた。
その灰色の瞳に映る景色が、昨日より少しだけ“家”に近づいたのなら――それだけで、今日の失敗も埃まみれも、水こぼしも、ぜんぶ意味になる。

「ありがとう、ノア」
「礼は、こちらの台詞だ」
「え」
「城の灯りは、俺一人では戻せなかった」
「そう?」
「苔の発想は俺のものだが」
「そこ誇るの、かわいい」

彼は少しだけ肩をすくめた。
私の胸の火が、また小さく燃える。
この火は、きっと簡単には消えない。私自身が泣き虫で、泣くたびに空気が湿るから、火には不利かもしれない――でもね、火は湿った薪でも気長に燃える。ちゃんと見ていれば。ちゃんと風を通せば。

「ねえ、ノア」
「何だ」
「あなた、さっき“好きにしていい”って言ったよね」
「ああ」
「じゃあ、好きに、ここを“家”にしてもいい?」
言って、少しだけ怖くなる。重い言葉を投げた。受け止める準備は、私にも彼にもいる。
ノアは空を一度見て、戻ってきた視線で、私をまっすぐ射抜いた。

「家は、灯りと、息と、約束でできる」
「うん」
「灯りは戻った。息はある。約束は――」
彼は短く息を吐く。
「帰りが遅れても、必ず“ただいま”と言う。お前は必ず“おかえり”と言う。それができるなら、ここは家だ」

「……そんな約束で、いいの」
「家の約束は、簡単で、折れにくい」

胸の中の火が、ぱち、と明るく弾けた。
私は掌を差し出す。
「約束」
ノアは一瞬躊躇し、でもすぐに手甲ごしに私の指先に触れた。硬い。冷たい。ちゃんと、温かい。

「約束だ」



午後は、家のための小さな仕事をした。
私は石床の溝に詰まった砂を細い棒で掻き出し、水を撒いて固め直す。
ノアは崩れかけの梁に支えを入れ、落石の危険がある場所に印をつける。
ティグは日向と日陰を交互に巡回して、時々私の膝に顎を乗せる。合間に、苔を増やすための湿り気の具合を一緒に見た。
失敗は相変わらずあった。桶をまた半分こぼし、雑巾を絞りすぎて裂き、ハンマーで釘を打とうとして音だけ派手に鳴らした。
でも、ノアは怒らず、私も泣かなかった。泣き虫は、泣く場所を覚え始めた。泣く時刻と、泣く理由と、泣いたあとの呼吸の節を。

夕方、城の灯りはさらに落ち着き、壁のルーンは日暮れの色に寄り添うように色温度を下げた。
私は手を洗い、髪を梳かし、焚き火の前に座る。
鍋の中では、今朝よりほんの少しだけましな味のスープが湯気を立てている。野草の切り方を学び、塩をひとつまみ多く、火から下ろすタイミングを半拍早めた。
ノアは無言で一口飲み、わずかに目を細めた。
「……いい」
最高評価をもらった気がして、私は両拳を胸の前で小さく握った。

「ねえ、ノア」
「ん」
「もし、わたしがまた、何か壊したり、失敗したりしても」
「するだろう」
「即答……」
「だが、直せばいい」
「直せば、いい」
「壊れることと、生きていることは、よく似ている」

焚き火がぱち、と鳴る。
私は炎を見ながら、胸の火と話し合う。
――小さくていい。すぐに大きくならなくていい。
ただ、ここで燃え続ける。ノアの“ただいま”と、私の“おかえり”の間で。
私の“好きにしていい”の中で。

「今日は、ありがとう」
「礼は、明日も働いたあとにしろ」
「明日も、働く」
「働け」
「働く」

言い合いみたいな会話が、妙に心地いい。
ノアは立ち上がり、見回りに出る準備をした。
「戻る」
「おかえり、を準備して待ってる」
「……ああ」

彼の背が夕闇に溶ける。
私は膝を抱えて、灯りのともった城を見回した。
古びた石が、やっと呼吸を思い出したみたいに、静かに膨らんではしぼんでいる。
壁の紋が、私の脈と同じ速度で淡く明滅する。
風が蔦を撫で、どこかで小さな鈴が鳴った。
涙が、少しだけ滲んだ。
それは悲しい涙ではなく、“ここが好きだ”という気持ちが溢れた結果の、塩の粒。

「ただいま」
思わず口にして、すぐに笑う。
まだ早い。
でも、言葉の練習は大事だ。
この城の、灯りと言葉の回路を、少しずつ強くしていくために。

――泣き虫王女は城に拾われ、“好きにしていい”の中で、灯りと約束を覚え始めた。
推しは微かに笑い、私の胸に小さな火が灯った。
その火は、きっとこれから、何度でも燃え直す。
泣いて、笑って、また泣いて。
そうやって、家になっていく。

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