愛されない令嬢が時間を巻き戻して復讐したら、今度は全員が彼女に跪く世界に

タマ マコト

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第8話 小さな勝利の夜

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 昼のうちから、空気に砂糖が混じっている。夜会の前の王都はいつもそうだ。甘い匂いで神経を麻痺させ、笑い声で理性を薄める。――だから私は、味覚を切る。軽いスープ、塩だけのパン、水。体内の“弁”を一つずつ触って、怒りは糸、悲しみは霧、恐れは点。混ぜない。並べるだけ。

「髪飾りはこれでいかがですか」 「うん、軽いほう。動きが鈍ると光の角度がずれるから」 「本日の会場は王妃殿下の別邸。中央に演奏台、左右に短い回廊、出入口は三つ」 「出口は二つに“見せる”。案内役に頼んで“閉めているふり”の扉を作って」

 侍女が頷き、走る。私は鏡に“仮面”を合わせる。笑いの角度、目線の高さ、沈黙の秒数。よし。指先で“器”の蓋に触れる。冷たさは安定の証拠。大丈夫、今日は“長い結界”は使わない。短い音と微光だけ。

 標的は決めている。ミリア・カーレンの“友人”。あの夜、うっかり「裏手」を口にした女――エレノア・フェルテン嬢。伯爵家の次女。私を断罪の夜に笑い飛ばした声の一人。彼女はいつも自分の“真贋眼”を誇る。宝石、絵画、噂。見分ける目を持つ女。彼女の一番の武器が、彼女の落とし穴になる。

 会場は、ほどよい明るさ。王妃の別邸の白壁は音の跳ね返りが柔らかく、微光が乗りやすい。私は入ってすぐ、照明の位置と鏡面の角度をチェックする。柱、花器、銀皿。反射面が四つ。使える。

「セレナ」

 アレンが静かに寄ってくる。今日はいつもより“王太子の顔”が弱い。眠れていないのかもしれない。ルークの穴はまだ埋まっていない。

「殿下、笑うなら今のうちに」 「どういう意味だ」 「あとで笑う余裕は、多分ない」

 彼は困ったように笑って、すぐ真顔に戻す。「頼りにしている」。私は頷く。「演奏が始まる前の十五分、借りる」。王妃の合図も事前に取った。観客の視線の流れはカイルが組んでくれている。出口に近い席は、落ち着きのない商人で埋めてある。波は中央へ戻る。良い流れ。

 ミリアが現れる。桃色のドレス、香水は――二滴多い。勝つ気の日。中心で回る準備は完璧。彼女の隣にエレノア。扇の骨がよく鳴る、笑いの仕方が少し大きい。自信で音が膨らむと、人は足をすくわれる。私は彼女の歩幅を見て、踵の減り方を読み、視線の癖をメモに載せる。視線は常に“光るもの”へ。なら、光ればいい。

 開幕の合図。私は紙の図を広げない。今日は数字ではなく“もの”でいく。王妃への贈り物――古い家の宝石についての小さな展示が用意されている。そこに一本の“偽物”を紛れ込ませたのは、私ではない。エレノアの自慢が勝手にやってくれる。彼女はいつも、真作に“自分の眼”で印を押したくなる性格だ。そこに微光を落とす。スポットライト。台詞は彼女の口から。

 私は楽団の影を通って、展示卓の側に立つ。微光の狙いを一度合わせる。心拍、一定。音の結界を十秒、リハーサルのために張る。周囲の笑い声が一段落ち、私の足音だけがわずかに響く。解除。大丈夫。指は震えていない。

 王妃が軽く手を挙げる。「本日は、王都の古い工房の品を少し」。拍手。エレノアが待っていたみたいに前へ。「まあ、懐かしい意匠。フェルテン家の旧蔵にも似た石がありましたの」。来た。私は卓の縁に指を置き、微光を彼女の頬のラインに沿わせる。視線が彼女に集まる。

「鑑定なら、お手を貸して。エレノア嬢、あなたの“眼”で」

 彼女は嬉しそうに笑い、白い手袋を外して石を取る。周囲が息を呑む。宝石は王都の社交界では礼儀も同然。触るなら責任を持つ、という無言の合意。彼女は正しい手順で、石の角と裏面を見た。私はたった一秒、音を落とす。微かな静寂のあと、彼女の声が軽く跳ねる。

「――本物ですわ。古い工房の、十八番のカッティング。光の返りが柔らかい」

 王妃が扇を伏せる。アレンが眉をひそめる。私は微光を触れるか触れないかの薄さで、石の“裏”に落とす。誰も気づかない角度。石の裏、極小の“刻印”。私とフロレンスとジェイルで仕込んだ、無害で、けれど本物にだけ“絶対にない”目印。花びらの陰に小さく“R”。(研究用の仮印、ということになっている)

「裏もご覧になる?」 「もちろん」

 エレノアが裏返す。扇の骨が一拍遅れて鳴る。小さな“R”。彼女は一瞬だけ固まって、すぐ笑顔に戻した。戻しきれていない。観客の視線が“そこ”へ行く。微光の誘導。私はなにも言わない。黙る。代わりに、商会の若主が口を挟む。「その刻印、初めて見るが?」

「……工房の、ええ、昔の記号かと」

 エレノアの声が上擦る。私は音を落とさない。落とさない沈黙。彼女が自分で自分を追い込む時間。横からミリアの笑い声。「エレノア、見間違いかも。あなたの眼でも、たまには」

「見間違えることなんて、ないわ」

 言い切った瞬間、私は右手をわずかに回して微光を切り替える。展示卓の端――別の宝石――に短く一瞬。視線が流れ、その石の“裏”にも、同じ“R”があるのが見える。さっきの“本物”にも、これにも。二つの宝石に同じ仮印。つまり、両方“研究対象の偽物”。本物には、ない。王妃の扇が一度、静かに打つ。合図。

「エレノア嬢。偽物でも良いのです。学ぶために置いたのですから。……ただ、あなたの“眼”が、時に“耳”より大声で嘘を言うことは、覚えておいてね」

 王妃の声は柔らかいが、逃げ道は作らない。会場の空気が一段、冷える。エレノアは笑顔を保とうとするけれど、口角の筋肉が疲れている。扇の骨が高く鳴る。ミリアの指先がわずかに引きつる。彼女の“中心”にも、微かなひびが走る。彼女はエレノアの盾であり、同時に観客でもある。盾は今、重すぎる。

「セレナ、これは……」

 アレンの低い声。私は笑う。「王妃の“学び”の一環だよ。私たちが“見るもの”は、たいてい私たちが“見たいもの”。光を少しずらすと、別の形が見える」

 王妃が私に目だけで礼を送る。五分。役目は終わり。私は下がる。心臓は速くない。指先は少し冷たい。音も光も、予定通りに動いた。エレノアは小さく礼をして、列の後ろへ下がろうとして――つまづいた。踵の減り。床の段差。扇が落ち、周りの手が伸びる。助けるふりが重なり、彼女の足元に視線が集まる。白い靴。右の踵だけ擦り減っている。工房街の伝令と同じ癖。彼女が“裏手”に出入りしていた証し。笑い声が、一瞬、止まった。今夜、二度目の静寂。私は音を落としていない。落ちたのは、彼女の自信。自滅。私は手を伸ばさない。誰かが助ける。それでいい。

 演奏が始まる。空気が入れ替わる。私は柱の影に身を置き、呼吸の弁を一つずつ戻す。怒りをほどき、悲しみを薄め、恐れを指先で弾く。楽師の弓が滑り、笑い声が元の温度に戻る。社交界は忙しい。誰かの崩れは、すぐ誰かの話題で上書きされる。けれど、記録は残る。王妃の監察は動く。エレノアは“静養”に入るだろう。ミリアは今日、初めて“中心から半歩ずれた”。小さな勝利。そう、まさに“小さな”。

「やったな」

 背後からカイル。声を潜めて、いつもの直線の顔。

「うん。――“近い成功”」 「お前は、ほんとにそう言う」 「“完璧”って言葉は事故を呼ぶから」

 カイルはわずかに笑った。「怪我は」 「ない。焼けてもない。指が少し冷たいくらい」

 彼は私の手を見る。金線はもう外してある。痕はない。視線が浮いた。言葉を探している。見つけたのは、短いひとこと。

「……偉い」

 胸の奥に、重さのない石が落ちたみたいになる。褒められるためにやったわけじゃない。けれど、褒められると、どうしようもなく“空っぽ”が響く。私は笑って、首を横に振る。

「偉くなんかないよ。エレノアの自慢が勝手に崩れただけ。私がしたのは光をずらしただけ」

「その“だけ”が、できる者は少ない」

「……ありがと」

 言葉は返したけれど、心の中の空洞は埋まらない。拍手、音楽、香水、笑い。全部が薄くて、向こう側の壁が透ける。断頭台の朝、私は“誇り”と“静けさ”を神に返してもらった。今日、その“静けさ”が、私の感情を遠ざけている。

 演奏の合間、アレンが廊下へ出た。私は距離を計って、後を追う。夜風が背中に触れる。薄い冷たさ。

「殿下」 「セレナ。……さっきの件、ありがとう。助かった。社交は“数字”より厄介だ」 「数字は冷たい。でも正直。人は温かい。でも嘘をつく。その間に線を引くのが、私の仕事」

「こんなことを、いつまでさせるのかな」

 アレンは夜空を見上げ、笑った。「君がいないと、俺は半分も進めない」

「それは困る。私がいなくても進む道を作って」

「努力する」

 彼はそう言って、真面目に頷いた。真面目さは好きだ。好きだけど、私はもう、そこに寄りかからない。寄りかかると、また落ちる。私は自分の足で立つ。彼のためではなく、私のために。

 夜会は終盤に向かい、客たちは小さな輪を作って別れの言葉を交換する。ミリアはまだ中心に近い。けれど、その輪は先ほどより緩い。エレノアの影が薄くなった分、支えが減った。私は彼女に近づかない。夜は長い。焦って刃を振るうと、柄が滑る。今日の目標は“つまずかせる”まで。倒すのは、別の舞台で。

 屋敷へ戻る馬車で、私は窓の外を見ていた。石畳が逆さに流れ、灯りが継ぎ目でゆれる。侍女が小声で「お疲れさまでした」と言い、暖かい毛布を膝にかける。体は疲れている。頭は冷たい。心は――空っぽだ。

 書斎。扉を閉めて、灯りを落とす前に“器”の蓋を開ける。今日の残りを空に戻す。怒りも悲しみも恐れも、無色にしてから。掌の震えが消える。静けさだけが残る。机に腰を下ろし、手帳に三行。

一、微光誘導・音落下、実戦投入。副作用なし。
二、エレノア失脚の端緒。監察へ引き渡し。
三、感情は動かず。勝利は軽い。

 最後の行だけ、書いたあとで線を引いた。残すと形になる。形になると、次の夜に響く。響き続けると、私が“空っぽ”の形に固定される。そうはしない。私は動く。空洞は、次の仕事で埋める。埋まらなくても、動く。

 ノック。父だ。「起きているか」

「うん」

 扉を開けると、彼は短い。「王妃から言伝。『よくやった。次は“光ではなく影”を扱ってみよ』」

「影?」

「お前なら、線が引ける」

 父はそれだけ言って、戻る。影。光をずらすのではなく、影を置く。視線を奪う代わりに、視線を“封じる”。できるかもしれない。やってみる価値はある。

 ベッドに倒れ、天井を見ながら、私はひとりごとを落とす。

「――復讐って、空っぽだね」

 口にして、確かめる。空っぽだから、軽いから、遠くまで投げられる。誰かにぶつけるためじゃない。私があの日、断頭台の月の下で誓った“構造の改修”へ届くように。小さな勝利は、石畳の一枚。一枚ずつ、傾きを直す。歓声はいらない。拍手もいらない。足音がまっすぐになるだけでいい。

 目を閉じる。眠りが来る前に、心の“弁”を元の位置に戻し切る。怒りは工具箱へ。悲しみは湿度計へ。恐れは圧力計へ。道具。私の兵。ありがとう。また明日。

 暗闇の中で、遠く、小さな鈴が鳴った。開演の合図じゃない。終幕のベルでもない。場面転換。私は薄く笑って、深く息を吐いた。続ける。続けて、終わらせる。そのために、私は今日、初めて“自分の力で”ひとりを倒した。――空っぽでいい。空っぽの器は、次の仕事を乗せられるから。

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