仙人様、小間使いいりませんか?

タウタ

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十二

 璃央は外套にくるまって部屋の外に出た。今年はじめての満月は西へ向かって傾いている。祖廟の提灯も消え、団子汁で温まった胃も冷たくなっていた。璃央が歩み寄ると、老馬は顔を上げた。
「起こしてごめん」
 老馬は構わないとでも言うように鼻面で寝藁をまさぐった。璃央の場所を整えてくれたらしい。やさしい子だ。璃央は厩の横木をくぐり、寝藁に腰を下ろした。老馬が顔を寄せてくる。
「ひとりが怖いんじゃないんだ。あ、いや、怖いのがなくなったわけじゃないんだけど、今日は少し考え事をしてた」
 帰りたくないと思った自分にとても驚いた。皇帝の命に背くなんて考えたこともなかった。父に頼み込んで旅費を借りたのだから、金丹を持って帰らなければ認めてもらえない。何より、母が命を賭して残してくれた機会を無駄にはできない。父の帯飾りを売れば薬が買えた。母はもっと生きられた。
帰らないという選択肢は、璃央にはない。
 金丹を手に入れ、父に認められて董家の一員となるか。
 金丹を手に入れられずに都へ帰り、兄たちや沈圭の嘲笑に耐えながら細々と倉庫係を続けるか。
 どちらかだ。
「金丹を手に入れたら」
 老馬が耳をぴくりと動かした。
「まず、家に帰る。旅装のまま宮廷には行けないからな」
 不安になったら、うれしいことや楽しいことを想像しなさい、というのは母の教えだ。言葉に出すとなおいいとも教わった。老馬は濁りかけた目でじっと璃央を見ている。
「金丹を見せたら、父上はきっと驚く。義母上ははうえにも話して、一番いい着物を着て、陛下に会いに行くんだ」
 老馬は相槌を打つようにうなずいた。すばらしい聴衆だ。
「陛下はよろこんでくれる。その場でご褒美がもらえるといいなぁ」
 父に借りた旅費を返せるだけでいいから、金銭的な褒賞がすぐに欲しい。あとからで構わないが、位や官職も欲しい。息子が出世すれば父はきっとよろこんでくれる。ついでに記念の品――身に着けるものだとうれしい――があれば文句なしだ。
 父は笑ってくれるだろうか。義母は褒めてくれるだろうか。兄たちは嫌味を言うかもしれないが、実績があれば怖くない。祝いの宴が開かれるだろう。ごちそうが並んで、璃央はどうやって金丹を手に入れたかを話すのだ。母と兄たちはほとんど都から出ないので、璃央の冒険譚を楽しんでくれるだろう。父は地方での下積み時代があるから、自身の旅の話を聞かせてくれるかもしれない。
「家族みんなで仲良く暮らすんだ。もしかしたら、俺も結婚できるかもしれない。子どもができて、新しい家族が増えて」
 何度も何度も想像した。想像するたびにしあわせな光景は洗いざらしの麻布のように色褪せ、擦り切れていく。老馬は相槌を打ってくれなかった。つまらないのだろう。璃央だってつまらない。その光景には士鵠がいない。
「たまには、士鵠様に会いに来てもいいかなぁ」
 帰りたくないのは、士鵠と離れたくないからだ。離れたくないのは――かたん、と戸が鳴り璃央は口をつぐんだ。士鵠が部屋から出てきた。髪を下ろし、白い単衣を着ている。
「なんだ、また眠れなくなったのか」
「あ、えっと、ちょっと」
 妄想を聞かれたかもしれないと思うと、どぎまぎしてしまう。返事が上擦ったが、士鵠はそうかと言っただけで金丹の部屋に入っていった。聞かれていなかったようで、璃央はほっと胸を撫でおろす。
「もちろん、会いに来てもよいぞ」
 泛蕩は厩の横木に腰かけていた。いつの間に。璃央は驚きのあまり息を飲み、飲んだ息を吐き出せなかった。泛蕩はにこにこ笑っている。
「き」
「聞いていたのかと言うなら、聞いていた」
「ど」
「どこからかといえば、全部だな」
 真冬なのに嫌な汗が出る。妄言だと思われただろう。愚かだと思われただろう。相手の当てもないのに結婚の話までして、恥ずかしい。
「士鵠様には言わないでください」
 きっと鼻で笑われる。さもなければ、呆れたため息だ。簡単に想像がつくし、金丹を手に入れるより現実的だ。
「言うものか。それ以前にちと顔を合わせづらい」
「また怒らせたんですか」
「うん」
 泛蕩はこっくりとうなずいた。今度は何をしたのだろう。それにしても無邪気な人だ。士鵠を怒らせ続けているのに悪気がなさすぎる。仙人は身体能力ばかりでなく、精神的にも浮世離れするのかもしれない。
「ちゃんと謝った方がいいっすよ。あっ!」
 唐突に思い出した。
「すいませんっした!」
「おおっ! おれの代わりに謝ってくれるのか」
「いや、俺、おじいさんが士鵠様のお師匠って知らなくて、弟子だって言うから馴れ馴れしくしちゃって」
 狭い厩の中では土下座もできず、璃央はなんとか座だけ正して頭を下げた。
「なぁんだ、そっちか。よいよい。おれが騙したのだ。気持ちよく騙されてくれて、実に楽しかった」
 泛蕩は大きな口を開けて笑った。
「士鵠様から、おじいさんが俺を気に入ってくれたって聞きました。おかげで、士鵠様に追い出されずにすんでます。ほんとにありがとうございます」
「おまえはおれに水をくれたからな」
 確かに、はじめて山を登った日、泛蕩に乞われて水筒を渡した。
「え、それだけ?」
「おう。山の中に麻布一枚、素足の怪しい老人に大事な水を差し出すなんて、よほどの阿呆だ」
「なんでそんな阿呆気に入ったんスか」
「士鵠にぶつけてみたら面白いだろうと思ったのよ」
 泛蕩が士鵠を怒らせる仕組みがわかった気がした。
「おれの思うたとおり面白くなった。しかも、よい風が吹いている」
「よい風ってなんですか。俺、金丹もらえるんですか」
「それはおまえ次第、士鵠次第。金丹以外にも得るものがあるだろう」
 薬や原料の知識を得た。書物への苦手意識も少し和らいだ。遊明の母親の死は悲しかったが、一人の男の子が立派に旅立つ場に立ち会えたのはいい経験だった。村の人々が慕ってくれる。士鵠は話をしてくれるし、料理をおいしいと言ってくれる。
「うん、なんか、いろんな人からいろんなものをいっぱいもらってます」
 泛蕩は目を細めた。
「それを素直に認められるのが、おまえの一番いいところさ。おまえみたいに素直で阿呆でかわいげのある奴はそういない」
 褒められているはずが、どこまでいっても阿呆扱いされている。士鵠も丹薬を丸めるのだけうまいと言っていたし、この師弟はそろって褒め方がおかしい。
「ところで璃央、おれと来ないか。ちょっと南の国で遊んでこようと思っている」
 泛蕩はちょっとと言ったが、聞いてみれば璃央は名前しか知らないはるか遠くの国だった。たどり着くだけで数か月はかかるだろう。
「俺、行けないです。小間使いの仕事しなきゃいけないんで」
 水を汲んで、老馬の世話をして、料理に、掃除に、干した薬草がたまっているからすり潰して粉にしなければならない。
「放っておけ。士鵠が自分でやればいい」
「駄目っすよ。働かないと金丹もらえないじゃないですか」
「不要だ不要だ。おれと来い。楽しいぞ。象は知っているか。あかがね色の猿もいるぞ。青と緑の羽の鳥もな」
 色とりどりの花が咲き、庶民も絹の衣を着ているそうだ。風変わりで美しい踊りがあり、高価な香辛料を使った料理が毎日食べられるらしい。初めて会った日に泛蕩が話してくれた仙人の国のようだった。そんな楽園が地上にあるのだろうか。
「なあ、璃央。おれの弟子になれ」
 泛蕩はつぶらな目をきらきらさせて璃央を誘った。思いも寄らない申し出に、璃央は是とも否とも言えず、口を半開きにして泛蕩を見つめるばかりだ。
「おれの弟子になれば、金丹の作り方を教えてやる。材料もそろえてやろう。時間はかかるだろうが、できあがったらお前のものにすればいい。皇帝にやってもいいし、お前が飲んでもいい。どうだ」
「でも、金丹の部屋は士鵠様が使ってます」
「ちょうど他の家がひとつ空いているから、そこで作ればいいさ。金丹ができたら都で家族と暮らせ。おれは弟子がどこに住もうが気にしないぞ」
 泛蕩の口ぶりは軽かった。通りの角で売っている饅頭がうまいから買ってきてくれとでも言うような調子だ。都合がよすぎて嘘みたいだが、泛蕩は本気だろう。
 泛蕩は信じていい人だと思う。たまに自分を士鵠と言ったり士鵠の弟子と言ったりするが、泛蕩の嘘は他愛ない。誰も傷つけない。士鵠も嘘とは言わず、冗談と言っていた。今さら、璃央を傷つけるために嘘をつくとは思えない。だからこそ慎重にならなければいけなかった。たぶん、うなずくだけで弟子入りが終わってしまう。
「俺が勝手に金丹を作ったら、士鵠様が怒りますよ」
「ずっと怒らせているから今さらだな。いや、おまえの話か。そうか。そうだな。だが、二度と会わなければいいだけの話だ」
「二度と、会わない?」
「金丹が手に入ればおまえは都に帰るだろう。士鵠とは二度と会わないはずだ。早いか遅いかの違いしかない。おれの弟子になれば、金丹が早く手に入るぞ」
 金丹が早く手に入る。しかも、仙人の弟子になれる。金丹以外にも皇帝が望む技や薬を献上できるだろう。皇帝は璃央を重く取り立てるに違いない。そうなれば、両親と兄たちだけではなく、親戚一同が璃央を董家の一員と認めるだろう。
 士鵠はどう思うだろう。小間使いにしてくれと頼みこんでおきながら、ないしょで泛蕩の弟子になって金丹を作ったら、不快に思うのではないか。泛蕩の意向とはいえ追い出さずにいてくれるし、最近は薬についても教えてくれる。
「なんか、士鵠様を裏切るみたいで嫌です」
「裏切りなどではない。おまえ、おれの弟子にはならぬと士鵠と約束でもしたのか」
「してないですけど、でも」
「おまえが金丹を手に入れるという結果は同じだ。金丹を作ったのが士鵠かおまえかの違いしかない」
「その違いは大きいですって。士鵠様は嫌な気分になるだろうし」
「些末些末。お前の大きいは小さすぎる。士鵠が何を思おうと放っておけばよいのだ。怒られるのが怖いか。ならばなおのこと会わねばいい。おれのようにな」
 泛蕩の提案は不義理で身勝手だが、正しい。璃央は金丹を手に入れなければならない。出世して、父に認められなければならない。董家の一員にならなければならない。家族の団欒に混ざらなければならない。そうでなければ、この先もずっとひとりぼっちだ。母が機会をくれた。自分の薬を諦めて璃央のために父の帯飾りと手紙を残した。母の思いを裏切れない。
 首を絞められたように喉の奥が痛くて、璃央はうつむいた。冷たくなった指先を握りこむ。やはり、自分は馬鹿なのだろう。正解が目の前にあるのに選べない。
「璃央」
 顔を上げると、泛蕩は穏やかに微笑んでいた。
「言ってごらん。ここには、おれとおまえしかおらん。士鵠には聞こえない」
 泛蕩の誘いにうなずけない理由はわかっている。
「士鵠様に嫌われたくないんです」
 馬鹿でもいい。泛蕩の弟子にはなれない。
「もう二度と会えなくても、嫌われたくない」
 まだ母が生きていた頃、働いていた宿の看板娘をそっと目で追っていた。璃央より年が十ばかり上の、両方の頬にえくぼがある娘だった。花嫁行列を遠くから見送った。
 董家の召使に歌のうまい娘がいた。厨の外で、芋の皮をむきながら小声で歌うのを素知らぬふりで聴いていた。姿を見なくなってしばらくしてから、故郷に帰って結婚したと聞いた。
 遊郭では得られない淡い感情は、いつも名がつく前に消える。
「俺、士鵠様が好きです」
 金丹には足らないと言いながら、璃央の働きを認めてくれた。董家の悪口は言うけれど、家族になりたいという璃央の願いを笑わなかった。璃央の言葉に真剣に返事をしてくれた。
「ふたりで飯食って、薬作って、真面目な話もくだらない話もして、そういうの、俺、全部うれしくて」
 ひとりぼっちは嫌だ。誰かと共に生きたい。その誰かが士鵠だったらいいな、と思う。
「金丹をもらうまで、士鵠様といっしょにいたいんです」
 泛蕩は横木から厩の中へ下りた。寝藁はかさりとも音を立てない。細い手が璃央の頭を撫でる。
「そうか、士鵠が好きか」
「はい」
「乳も尻もないが、いいのか」
 考えもしなかった。
「いや、そりゃあった方がいいけど、士鵠様は男だからそこはしょうがないっていうか、なくても士鵠様が好きっていうか」
「うん、乳も尻もあった方がよい。だが、なくていいならなくてもよいのだ」
 意味があるような、ないようなことを言い、泛蕩は深くうなずいた。
「心変わりしたらいつでも言え。おれは待つのは得意だ。何せ、時間はたんとある。南へはひとりでゆこう」
「せっかく誘ってもらったのにすいません」
「よいよい、謝るな。土産を楽しみにしておれ」
 璃央が返事をするのと泛蕩が消えるのは同時だった。泛蕩がいなくなると、夜が一段深まったようだった。忘れていた静けさと寒さを思い出し、璃央は老馬にもたれて膝を抱えた。
「今の話、士鵠様に言うなよ」
 囁くと、老馬はうなずいた。
 言ってしまった、と思った。言ってしまったら、もやのようにただよっていた気持ちにはっきりと輪郭ができた気がした。名前がついた感情を持て余す。右にも左にも置いておけない。泛蕩には話してしまったが、士鵠には絶対聞かせられない。勅書のように大事にしまっておくしかない。
 老馬が顔を寄せてきた。
「もちろん、お前のことも好きだよ」
 撫でてやると、老馬は満足げに鼻を鳴らした。
 金丹の部屋が開く。士鵠は単衣の裾を翻して素早く扉を閉めた。泛蕩の質問のせいで胸と尻を見てしまい、璃央は慌てて目をそらした。
「まだ起きているのか」
「は、はい。ちょっと寒くて」
 苦しい言い訳をする。着られるものはすべて着ているし、馬の体温は高い。
「士鵠様は寒くないですか。こっちでいっしょに寝ませんか。あったかいですよ」
 何を言っているのだろう。さっきの告白でよほど動揺しているらしい。老馬が抗議するように璃央の頭を小突いた。士鵠は眉一つ動かさずに部屋へ戻っていく。呆れさせてしまったようだ。璃央はため息をついた。
 口に出したら気持ちに妙な重みと質感が加わった。もう見て見ぬ振りができない。素直で阿呆なので、うっかり口にするかもしれない。泛蕩はかわいげで片づけてくれるが、士鵠はそうはいかないだろう。気を付けようと決意していると、士鵠が戻ってきた。綿入れに着替え、毛織の布を持っている。
「もう少し寄れ。俺はこいつの隣は嫌だ」
 老馬が鼻息を荒くする。璃央は老馬を押したがそう簡単に動かせるはずはなく、結局自分の身をできるだけ縮込めた。士鵠が横木をくぐって入ってくる。璃央の隣に座り、布を広げて二人にかけた。
「士鵠様、なんで」
「温かいんだろう。俺だって温かいところで寝たい」
「いや、馬があったかいって話で」
「そいつの隣は絶対に嫌だ」
 老馬が首を激しく振ったので、璃央は背を撫でてなだめた。その間に士鵠は体勢を崩し、璃央にもたれた。目を閉じている。本当にここで眠るつもりなのか。誘った手前、追い出せない。どうしよう。老馬に目で助けを求めたが、ふいと顔を背けられてしまった。
 無暗に鼓動が速くなる。うれしいけれど困ってしまう。これもよい風なのだろうか。どこに向かって吹いているのだろう。ひとりじゃないのに、眠れそうにない。
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