『俺にだけ美しく見える彼女達』勇者パーティを追い出された俺は速攻で奴隷商に走って行きました!

石のやっさん

文字の大きさ
33 / 42

第33話 ライトSIDE 最早手遅れか.......

しおりを挟む

思った以上に大きな話になってしまった。

リヒトは……本当に壊れていた。

化け物みたいな女をつれて喜んでいやがった。

恐ろしくデカい目の女を気に入っていて、片方はまだ、体は真面だが、片方はバランスも悪く体すらおかしく歩行困難のようだった。

俺はあれより醜い女を見た事が無い。

あれなら、スラムに転がっている女の方がまだましだ。

それより問題は……ハーレムパーティ申請だ。

リヒトの奴余計な事しやがって……

取り敢えず、俺だけで判断がつかないのでリメル達を呼ぶ事にした。

そして、リメル達が来る前に自分達の状況を確かめる事にした。

◆◆◆

俺は近くのギルドに相談にきた。

『パーティ申請』である以上は冒険者ギルドを通している、その可能性が高いからだ。

受付に話をすると応接室に通される。

S級ランク、勇者の特典だ。

「これは、これはライト様、今日はどう言ったご用件で」

このギルドのギルマスらしい男が来た。

「ハーレムパーティ申請について教えて貰いたい」

「ハーレムパーティですか? 本当のハーレムパーティはですね。勇者パーティのみに許された特典でして……勇者パーティは王族や上級貴族のみに許されている一夫多妻、一妻多夫の権利を持っています。 その制度を利用して組んだパーティです。 まぁライト様の場合は、聖女マリアンヌ様や剣聖リメル様、賢者リリア様と『肉体的にも婚約関係に近い関係があり、恋人同士でパーティを組んでいる』そんな報告からの申請のようです」

「本当のとは?」

「ああっ、只単に複数の恋人同士で組んだパーティは正式なハーレムパーティではありません。 ハーレムパーティはギルドだけでなく各国単位で認められた公的な物になります」

「公的な物ですか」

「はい、冒険者ギルドだけでなく教会、各国までへの申告になります」

そんな大きな話だったのか。

「何故、そこ迄の話になるんですか?」

「それは四職の今後を左右する話だからです。 勇者であるライト様は魔王討伐後は、王族との婚約もあり得ました。過去には帝国と王国両方か姫を貰い親善を計った事もあります……聖女様も、剣聖様も賢者様にも国単位で動き婚姻相手を募る場合もあります。 ですが、苦難を乗り越える仲間と恋仲になる事もあります。 一緒に苦難を共にし絆を深めていくのですから仕方が無い事です。 その場合は国や貴族の方が婚姻を諦める必要があります。 魔族と戦い魔王と戦う運命の4人を引き裂くなんて事はしたく無いですから、その為に生まれたのが『ハーレムパーティ申請』なのです」

「それで、ハーレムパーティ申請してハーレムパーティに認定されたパーティは、取り消しとかできるのか?」

「それは可能ですが……意味はありません」

「何故ですか!」

「言い方は悪いかも知れませんが、もう既にそれなりに深い関係になっていると解っている訳ですから、今更取り下げても、良縁が来ることは無いでしょう……それなら今後も問題視されない為にハーレムパーティを続けた方が良いと思いますよ」

やはり、これはもう俺だけじゃどうする事も出来ないな。

それに、三人が俺のハーレム要員になっているなら、リヒトに渡して戻って来て貰う事は出来ない。

どうするんだよ……これ。

◆◆◆

それから3日後、リメル達と合流した。

「色々と話があってな……」

俺は現状について順を追って話す事にした。

「あの似顔絵みたいに本当に醜かったんだ」

「それ本当なの? あの似顔絵や映像があっているなら化け物だよ」

「うん……冗談だよね?」

そう言うと思って貴重な記録水晶を使って俺も隠し撮りしたんだ。

撮影した動画を見せた。

「あの通りじゃない……本物の化け物だぁ~」

「本当にリヒトがこれと暮らしているの?」

「しかも……二人……二人目は体もおかしいよ……私吐き気がしてきた」

これは凄く衝撃的だよな。

見た瞬間俺も、目が可笑しくなったのかと思った。

稀に記録水晶はブレる事もある……そういう現象で只のブスだと思っていたら……あれは間違い無かった。

女の好みは自由だ。

だが、幼馴染のリヒトがあれと恋仲だと思うとなんとも言えないやるせない気持ちになる。

「これで、あのデーターが本当だったのは解って貰えたと思う……それより問題は『ハーレムパーティ』として俺達が登録済みだと言う事だ」

「「「ハーレムパーティ!?」」」

「これについては、俺から説明をするより、ギルドで聞いた方が良いだろう……冒険者ギルドへ行こう」

再び冒険者ギルドを訪れて同じように説明をして貰った。

ギルマスは留守だったがしっかりと受付嬢が応接室で対応してくれた。

S級はこういう時にアポイント無しで対応して貰えるから便利だよな。

「えっ……そんな話があったの? ちなみに……コホン私の場合はどんな婚約者が見込めたのかな?」

「リメル様の場合は『赤髪の貴公子ダルク様』や『獅子公レオ様』あたりの婚約が来た可能性が高いですよ」

「嘘……」

「えーーっ私の場合は……」

「マリアンヌ様の場合は聖女様ですから『聖騎士』だったら選び放題ですね……『聖教国の白百合アーサー様』『光の聖者ランスロ様』あたりでしょうか?」

「そんな、私の憧れの存在からの縁談があったの……」

「え~それじゃ私は……」

「リリア様の場合は学者の家柄からが多いかと思いますが『博識のギルム様』とか『黒き天才スタフォード様』あたりの可能性が高いかも知れません」

「だけど、もう無理なんだよね……」

「ええっ、だって勇者ライト様のハーレムメンバーですから、今から解散しても遅いですね……」

「では間違いで済ませばどうだ!」

「あの……リメル様、見られてないと思っていたかも知れませんが、人前でキスしたり、ライト様が、その服に手を入れてメンバーの胸を揉んでいる様子は沢山の方が見ておりますよ……リヒト様が『ハーレムパーティ申請』をしたから問題にならなかったですが……してなければ、大変な事になっていましたよ」

もっと早く知っていれば自重したのに……今更もう遅い。

もう、俺も此奴らも良い縁談は来ない。

そして、俺のハーレムの一員だから、リヒトに追いそれと渡せない。

どうした物か……

この際、恥を忍んで何か良いアイデアが無いか、この受付嬢に聞いてみるか……

「もしも、仮にもしもの話だが、この三人のメンバーの誰かをリヒトとくっつけたい、そうする方法はあるのか?」

「それは可能ですね……リヒト様が手柄を立ててライト様が下賜するような形をとれば恐らく大丈夫です……ですが……」

「何かあるのか?」

「あの怪物王子と呼ばれるリヒト様が、普通の容姿の女性を望むとは思えません……しかも、最近はやたらと家事に目覚め、生地を購入して裁縫が趣味みたいですよ? 狩るのはゴブリンか精々で偶にオークまで……あれはもう戦う気が無いと思います」

「「「「怪物王子」」」」

「はい、ブス専王子という字もあります……貴方達が追放したから『壊れちゃったんだ』そう言われてます……あの凛々しかったリヒト様が、子供が受ける様なドブ掃除や教会の掃除を受けて『うりやぁぁぁぁぁーー』と奇声をあげて掃除したり、女性ようの下着を見ていたり、コホン……あの変な奴隷に変な服を着せてニヤついていたり……奇行に走っています。 放っておいてあげれませんか? もし、無理やりパーティに入れてもあの変な行動をとられたら勇者パーティの醜聞になるかも知れません」

「そこ迄おかしいのか? リヒトは……」

「リメル様……女性もんの下着を手に取り、ブツブツと言っている殿方どう思います? 私はこれでも元はリヒト推しでしたが……もう……諦めましょう」

「そうか……」

「これで現状が解っただろう……行くぞ」

「「「うん」」」

もう、どうする事も出来ないのか……




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 日曜日以外、1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします! 2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております! こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!! 2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?! なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!! こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。 どうしよう、欲が出て来た? …ショートショートとか書いてみようかな? 2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?! 欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい… 2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?! どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

処理中です...