悪徳貴族になろうとしたが

石のやっさん

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【魔族SIDE】 進軍と蹂躙

「人間が無抵抗な魔族を殺しているというのは誠か?」

余は耳を疑った。

確かに魔族と人族は争ってはいる。

だが、そこには長い年月の間に《暗黙の了解》という物がある。

例えば、魔族領の近くに人間の村があるが、基本的に関わらない。

襲う気になれば1時間で皆殺しに出来るが、何か問題が起きない限り襲わない。

その代わり、人族も静かに暮らしている魔族の村や魔物の村を襲う事は無かった。

襲いさえすれば沢山の素材が手に入るのは解っている、それでも冒険者は襲わない。

この辺りは戦う者どうし、数百年解りあえている者だと思っていた。

種族が違い、お互いに争う仲だが、最低限の思いやりがあった。

だからこそ我々は例え殺す相手でも《敬意を持って》戦ったのだ。

殺した勇者に敬意を持って弔い、その世代の魔王が殺されても魔族が全軍で進軍はしなかった。

だが今の人族は違う様だ...

今迄の暗黙のルールを破ったのだ。

どちらかが、死ぬまでの戦いに足を踏み入れたのだ。

「所詮は余の考えが甘かった、そう言う事だ」

「魔王様?」

余は争いが嫌いだ、だからこそ戦いを小規模に留めたかったのだ。

勇者達と余が戦って、他には余り飛び火させたくは無かったのだ。

だがこうなっては仕方ない。

「スカルよ1万の軍を授ける、その軍を率いてルミナの村の人間を皆殺しにしろ、そしてまずは帝国を滅ぼし帝王の首を余に届けるのだ」

「魔王様、それはこのスカルに、自分の戦いを許して頂ける、そう思って宜しいのですかな?」

「赦す」

余は此処までの事はしたくなかった。

スカルを出すと言う事は《人類は本当の地獄を味わう》此処まで余に決断させた、お前らが悪いのだ。



【ルミナ村】

「何が起きたんだぁああああーーーっこんな事が起きるなんて...夢だ、夢に違いない」

たかが300人が住んでいる村を無数の魔族が取り囲んできた。

「何で、何でこんな事になるのよ...今迄、この村を魔族が襲った事など無かったのに」

「そうだ、魔物だって魔族だって村に逃げ込めば襲ってなど来なかった」



「村人よ聞け、これよりこの村を蹂躙する、これはお前達から仕掛けた事だ、恨むなら無抵抗な魔族を蹂躙した王や勇者を恨むが良い」


「そんな...我々は」

「知らぬな、男は全員皆殺しだ、女は使う者がいるなら苗床にするが良い、全員が要らぬのなら殺すが良い」

スカルの号令で全ての魔族、魔物が襲い掛かった。

「止めろ、止めてくれぇーーーーーっ」

「助けて、助けて、助けて」

「嫌あああああああっ、娘、娘だけは...娘だけは助けてくださいいいいいっーーーー」

「パパ、パパ、パパを殺さないで、助けて」

「お母さん、お母さん」



「ブモオオオオッ...わはは、皆殺しだ、我が仲間を殺した人間いたぶって殺してやるぞーーーっ」

「女だ、この村には手を出さない約束だったが、襲い放題だな」

「殺せ、殺せ、殺せ」


殺戮衝動に狩られた魔物と魔族の性的衝動は影を潜めたようだ...

殆どの女性は犯されずに殺された、但しいたぶり方は半端じゃ無かった。

汚されずに殺されたのは幸せなのだろうか?

頭が潰されている女。

体が真っ二つに折られている女。

子供を抱えて首が無い死体...しかもその子供の頭も潰されている。

楽に殺された分、男の方が幸せだったかも知れない。

あっと言う間に村は蹂躙された。

そして...殺された人間は破損はあるものの、体が繋がり、グールやゾンビになり死霊の仲間入りをした。

そしてこの軍団の後に連なった。

スカルの別名は...死霊王、此奴の前で死んだ人間はスカルの物になる。

この戦い方を歴代魔王は今迄使わなかった。

例え自分が死ぬ事になっても、この戦い方を選ばなかった。

この戦い方を選んだ時点で...魔王の怒りは頂点に達していた。



【帝国にて】

帝国の正門前には無数の魔物や魔族が押しかけてきた。

その数は数万にも及び数えきれない。

スカルは殺した人間を全て死霊系の魔物に変えてきた。

蹂躙するたびに敵味方関係なく死体は全てスカルの部下になる。

これこそが、スカルが四天王である理由。

死霊王と飛ばれる由縁だ。



「馬鹿な、これ程の魔族が帝国に押し入るなんて...そんな、帝王様に報告しなければ」

「これ...どうにかなるのか...」



「帝国に告ぐ、我が名は魔王四天王のスカル、これより帝国に対して蹂躙を行う、降伏は許さない、どちらかが死ぬまでこの戦いは終わらない」
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