勇者パーティを追放されかけた魔法剣士は、昭和バブルの夢を見るか?

石のやっさん

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第13話 すなおな気持ちで

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「やっぱり皆、凄く可愛くて美人だよな…」

「なにを言っているの? 此処の所様子が変よ」

「本当にどうしたの? 今までそんな事言って来たことないよね?」

「どうしたんだ? リヒト可笑しいぞ!」

勿論、外見という意味なら幾らでも上がいる。

例えばガイアが夢中になっているティア達エルフが、モデルやアイドルクラスに美人だとしたら、3人の外見はせいぜいが中学や高校のクラスメイトでそこそこ可愛いレベル。
クラスでは決して1番にはなれない5番~6番くらいの容姿だ。

だが、俺は前世で馬鹿をやったせいか『美女』にはそんな関心が無くなってしまったようだ。

化粧をしてお洒落をして綺麗な女性より、化粧も碌にしないけど、可愛くてハツラツとした女の子が好みだ。

これは前世で美人と付き合った結果、飽きて…その結果俺は…今のマリア達みたいな子が好きになってしまった…のかも知れない。

恐ろしい事に外見もな…

これは、前世の記憶とこの世界で生きた記憶が混じった結果なのかも知れない。

俺のこの世界の両親は、子供の頃に亡くなってしまった。

そんな俺の面倒を見てくれたのが幼馴染の親たちだった。

だから、良く一緒に過ごしたし、いつも一緒に居た。

その記憶が『幸せだった』『楽しかっただろう』そう俺に言ってくる。

虫取り、川遊びに大人の手伝い…前世の俺が手に入れられなかった楽しい記憶だ。

一緒に楽しく過ごした思い出…それが彼女達を俺の中で最高の美少女にしてしまう。

今の俺は本当に3人が好きなんだと思い知らされる。

「本当にそう思うんだよ…幼馴染にかまけて俺は本当に見て無かったんだってね!マリアって聖女だけあって癒し系だよね。髪も綺麗なロングで水色で凄く綺麗だし、肌は透き通る様に白くて、目も澄んでいて凄く綺麗だなって」

「ななななっリヒトどうしたの…よ」

「成程ね、リヒトはマリアが好みだった…そう言う事なんだ」

「へぇ~そうなんだ…マリアが好みだったんだ」

「違う、違う…俺の好みは3人全員だよ、本当にな」

「「「なっなっどう言う事」」」

「いや、本当にそう思ったから口から出ただけだよ。エルザは短い赤髪に金色の目、目先は鋭くて。肌は褐色で健康的な美人だよ! そうだな例えるなら狼や豹みたいで綺麗で可愛いい。リタは艶やかな黒髪で背が低いせいかつい油断をすると綺麗な髪に触りたくなる。大きな目は透き通るように綺麗でつ見惚れてしまう…本当にそう思うんだ」

「リヒトは何を言っているの…今迄そんな事言って来なかったじゃない」

「うんうん、そうだよ?一体どうしたの?」

「この間から可笑しいぞ」

可笑しいのは自分でも解っている。

だが、もう嘘は言わない。

「大丈夫…皆がガイアを好きなのは充分知っているし、嫌って程思い知らされたよ。相手はガイアだから仕方が無い。彼奴は勇者だし良い奴だから…でもな、もし俺達が『勇者パーティ』じゃ無ければ複数婚は出来ない。ただの村民だったらガイアと結婚しなかった2人のうちどちらかはきっと俺のお嫁さんになってくれたかも知れない…そう思うんだ…村には近い歳の男の子は居ないし、少なくとも2番目に好きなのは俺だった、その位の自信はある…違うかな?」

いつも5人で過ごしてきた。

ガイアに100の気持ちがあるなら俺にだって50やそこらの気持ちはある筈だ。

「そうね、2番目に好きな相手、そう言うなら間違いなくリヒトね」

「私にはそう言う未来があったのかも知れない」

「そうだな、だがそれは…」

「解っているって!全員がガイアと結ばれる未来が出来た以上、そこに俺は居ない! 別に困らせる気はないんだ…充分解っているから…ただ…そう言う状態で人生の大半を過ごしていたせいか、俺は凄く3人が好きだって事は本当だよ…誰がって聞かれたら困るけど…皆が好きだ…俺の初恋だし、俺には3人が世界一の美少女に見える…これは本当だよ」

「「「リヒト…その」」」

「そんな顔しなくて良いよ? 結果はもう出てしまった後だもんな…それに魔王討伐の旅に俺はきっと最後まではついていけない。だけどせめて、別れが来るまでは…その仲良くしてくれたら嬉しい。あはっ、返事に困るよね…気にしなくていいからね! 勿論見返りなんて求めて無いから気にしないで良いから…あ~あっ顔が赤くなっちゃった…食べ終わったら食器はそのままで良いから…ゴメンちょっと散歩してくる…」

「「「リヒト…」」」

まずは、今の素直な気持ちを伝えた。

此処からだな…



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