勇者パーティを追放されかけた魔法剣士は、昭和バブルの夢を見るか?

石のやっさん

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第25話 勇者の要望 完了篇

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「ガイア、話はついた…だが、ちょっと人払いを頼めるか?」

「仕方ねーな!親友の頼みだ、お前等悪いけど、後でな」

「「解ったわ」」

しかし、ガイアは何時もパン一で女を侍らせているな。

前世のPCゲームで見た、鬼畜勇者みたいだ。

「それでどう言う事なんだ?ティア達に聞かせたくないという事なんだろう? まさか駄目だったとか言うんじゃねーよな」

なんだか最近荒れていて、性格も随分変わった気がする。

「結論から言うと『身請け』は問題ない。ただ扱いは側室どころか愛人でも駄目だった」

「それはどう言う事だ?」

「いや、身請けはOKだが教会的にはエルフは亜人だから『物』扱いとなるんだ」

「それは俺に何か不都合はあるのか?」

「ないな…彼女達の立場が低い。それだけだ」

「なら、問題は無いな。それじゃお願いして良いか?」

「あと、このお金は流石に教会にお願いできないから『俺の金』だ!これからは少しは控えてくれ」

裏の口座の事はガイアに黙って置いた方が良い。

それに貸しを作って置いた方が良いだろう。

「随分と貯め込んでいたんだな!」

「俺は支援金が貰えないから、暇みて狩りをしていたんだよ!おかげで全財産がパァだ!」

「わはははっ、済まないな、それじゃ頼むわ!まぁ、お前にしても大金を払ったとはいえ本当に欲しい物が手に入ったんだからWINWINじゃないのか? それとな、お前の事だから絶対に約束は果たすと思ってよ! 俺ももう動いておいたからよ! 頼んだぞ!」

動いた?

良く見るとガイアの頬っぺたにビンタされたような跡があった。

もしかして、二人と別れてきた。

そういう事か?

「悪いな」

「良いって事よ! お前と俺の仲だろう? もう方はつけてあるぜ! それでようこの状態じゃ帰れねーから良い宿をとってくれねーかな?」

「ああっ、ガイアが嫌われ役を買ってくれたんだ、3日間位はそうだな、最高級のホテルをとってやるよ」

「悪いな」

「任せておけ」

俺はその足で娼館の主に会いにいった。

◆◆◆

「身請けのお金が用意できたから、頼みます」

「宜しいのですか? 言っておいてなんですが、勇者様が身請けをする代金をリヒト様が払うという事ですよね?」

「まぁ、そういう事ですが気にしなくて結構です…これがその代金です」

俺はあらかじめおろしてきた金貨を娼館の主に渡した。

「確かに頂きました。あとで奴隷商に連絡して正式な書類を作り、奴隷紋の所有者の上書きもして頂きます」

大金が絡んでいるが『勇者パーティ』を騙すような奴はこの世界に居ないから大丈夫だろう。

「それじゃ頼んだ」

「畏まりました」

俺は此処で一つ気になった事があったので聞いてみた。

「所で、この娼館の売れっ子嬢を手放して、この娼館大丈夫なのか?」

「これでようやく廃業できます。貰ったお金で田舎に帰ってのんびりできる商売でもしますよ」

「そうですか」

話を聞くと親からエルフとダークエルフの娼婦を娼館ごと遺産として受け取ってしまった為に、やりたい事が何も出来ずにずうっと娼館勤めをしていたとの事だ。

これを機に他の娼婦も引き取って貰い此処を畳むのだとか。

「はい」

娼館の主の顔は憑き物が落ちたみたいに晴れやかだった。

◆◆◆

「ガイア話はついたよ、金は払い終わったぞ」

「悪いな」

「奴隷商があとで来て奴隷紋を刻んだり正式な手続きをするらしいから、後は大丈夫だよな! あと、これは当座のホテル代だ金貨10枚あるから大丈夫だよな」

「ああっ、問題無いな」

「それじゃ、俺は行くから一応泊まっている場所を後で教えてくれ」

「解った、解った…それじゃあんがとな!」

ガイアが手をヒラヒラさせていたので、そのまま帰る事にした。

しかし…思った以上に…まぁ言うまい。






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