3度目の人生は未来世界で! 仲間に裏切られ、記憶を失った元勇者の男女比1対50の未来学園甘々生活。

石のやっさん

文字の大きさ
35 / 58

第35話 僕は知っている。この世に女神が居る事を

しおりを挟む

フレイヤはまだ授業があるからと帰っていった。

僕はというとLRでシャワーを浴びベッドで寛いでいた。

ルームサービスも無料だからLRは男にとって至れり尽くせりの施設だな。

尤も、元が小市民のせいか……最近は牛丼やハンバーガーばかり食べている。

少し休むかな……ベッドで横たわりウトウトしているとスマホの音がけたたましく鳴り響いた。

女性から男性へ連絡するのはマナー違反。

そんな決まりがあるから僕のスマホはなかなか鳴らない。

それが鳴ると言う事はきっと何かあったんだろう…….

そう思いスマホに出る事にした。

「レイラの事で話があるから……ちょっと研究所の方まできて頂戴、すぐに車を回すから」

「レイラさんになにかあったのですか?」

「詳しい事は後で……」

そう言うと電話は切れてしまった。

仕方なく、僕は車を待って研究所に向かった。

一体なにが起きたと言うんだろう。

◆◆◆

研究所につくとすぐに病室の様な部屋に通された。

そこのベッドに横たわっていたのは……老婆だった。

しかも、痩せほとり見方によってはミイラに見える。

幾つもの細いパイプが繋いであり、辛うじて生きている。

そう見えた。

ただの老婆じゃない。

山姥、奪衣婆ばあ……そう見える程醜悪な姿だ。

「……」

老婆は虚ろな目で天井を見ていて、意識すらないみたいだ。

「セ……レ……ス」

僕の名前を小さな声で呼んでいる。

この服は……まさか……

「まさか、彼女は……」

僕の傍に立っている研究員の女性が口を開く……

「そう、これがレイラです」

これがレイラさん!? 何処にも面影が無い。

「どうして、こんな事になっているんですか? 何かの病気ですか?」

「それは、そうとこのレイラ、要りますか? もうこんなの要らないですよね?」

人を物みたいに……

「要るとはどういう事ですか? 彼女はパートナーだし、それ以前に人間です『要る』とは……」

「ああっ、レイラは確かに『人間みたいな物』確かに人権もあるし、人間です……但し、その前に人造がつきます。 簡単に言うなら美女や美少女の遺伝子を沢山加えて作ったキマイラ……ある意味人とは似て異なる物です」

人工的に造られた……そう言う事か?

だから、なんだ……

「それで?」

「これ、もう気持ち悪いでしょう? 破棄しようと思うのですが、貴方の『パートナー』になっていますから無碍に出来ないのです。こんなガラクタ女要らないでしょう? 気持ち悪い化け物みたいな老婆ですよ。 パートナー解除の書類を用意しますからサインを……」

「ううっ……セ……レ……ス」

「煩い! 化け物」

そう言って研究員の人はレイラさんのベッドを蹴った。

確かに今のレイラさんは老婆の姿をしている。

そして、ここ迄言うのだから、もう治らないのかも知れない。

だけど……それでも僕は見棄てたくない。

「いえ、パートナーは解消しません」

「えっ、これまだ必要なんですか? どう見ても醜悪な老婆ですよ? 他にも幾らでも良い女がいるんですから要らないでしょう?」

要らない……人をなんだと思っているんだ。

「それを決めるのは僕ですよね」

「そうですか……ですが、もう生命維持装置をつけても数日の寿命です……数日命が延びるだけですよ。 それじゃ、精々その化け物のガラクタを大切にする事ですね……それじゃあね、廃棄予定の醜いレイラ」

そう言うと研究員は面白くなさそうに部屋から出ていった。

「……」

レイラさんは目に涙を溜めて、もう話さない。

あの美しい黒髪が、綺麗な肌が全て失われ……白髪の老婆にしか見えない……それでも僕は彼女を見棄てる……別れるという選択はしたくはない。

だが……僕はどうすればいいんだ?

この状態のレイラさんを治す方法……僕は知っている。

頭の中に浮かぶ呪文のような言葉……

『光よ……その輝ける生命力の元に死に贖い傷を治せ……パーフェクトヒール』

何も起きない。

そう、これは僕の妄想の中の呪文。

しかも、僕はこの呪文が妄想の中でも使えなかった。

これを使えたのは……僕じゃない。

僕を殺した片割れ聖女メリルだ。

妄想の中でも使えない物を現実社会で使えるわけが無い。

こんな未来の最新鋭の医学でさえ、さじを投げる状態。

もう、僕にはきっと何もしてあげられない。

誰か助けて下さい……

「女神様、どうか……どうか……レイラさんを助けて下さい」

「ハァハァ……ゼ……レェス……神様なんていないよ」

レイラさんが声を絞るように言った。

科学が進んだ世界……なら信仰なんて無いのかも知れない。

だが、僕には……信じられる物がある。

妄想の中のこの世の中物とは思えない美女。

『私の世界を救ってくれませんか?』

『勇者セレス』

そうはにかむ様に微笑んでくれた女神様。。

まるで太陽のように暖かい女神様。

妄想の中の気高く美しい女神様。

魔法は使えない……だけど、勇者としての力が一部ある。

ならきっと、あの女神様......イシュタス様はいる。

「レイラ……君が知っている神はいないのかもしれない。仏陀、キリスト、ゼウスは居ないのかも知れない。だけどね、僕は神がいるのを知っているんだ……」

「そ……う……」

レイラは今にも死にそうだ。

「この世で尤も気高く美しい女神イシュタス様! お願いです……お願いですから、レイラを助けてーーー」

叫んだ。

イシュタス様なら、きっとどうにかしてくれる。

カメラがついているから研究員が見ているのだろう。

だが、そんなのに構う時間が無い。

スピーカーから声が聞こえる。

『セレス……あなたは何を叫んでいるのですか、神など妄想の存在、いない事は誰もが知っている』

「僕は過去の人間です……僕が生きていた時代には信仰があった。 そして、僕には心から信仰する女神様がいる。どうか構わないで下さい!」

『そう、それなら好きなだけ祈りなさい……それで気がすむなら』

そう言ってスピーカーからは声が聞こえなくなった。

「……ご、めん……なさい」

レイラは僕に何故か謝っている。

「イシュタス様、イシュタス様……お願いですから……助けて、助けて下さい!」

「私は異世界の女神……世界を救った勇者の、願いを聞きにここに来たのさぁ~」

幻聴なのかイシュタス様の歌が聞こえた気がする。

「えっ……イシュタス様!?」

「久しいですね! 勇者セレス、魔王を倒し世界を救って頂いたのに最後はあんな事になりすみませんでした。あなたをこの世界に送った。それが貴方に対する償い……ですが、魔王を倒し世界を救ってくれた。その褒賞を貴方は受け取っていない。私の世界の王族が与えなかった分、私が与えましょう」

「女神イシュタス様、なら、この子、レイラを助けて下さい!」

イシュタス様は何処からともなく杖を取り出した。

「勇者、セレス。それは貴方が行いなさい! 女神イシュタスが理を捻じ曲げる……この世界の『聖』『光』『闇』『風』『火』『水』『土』全ての力が使えるようにパスを繋ぎます。そして『聖女』のジョブを『聖人』に書き換え『賢者』のジョブと併せて与えます……さぁ、勇者セレス……受け取りなさいっ! 手を挙げるのです!」

「はい…….あっああっ体が、体が熱い……」

体が熱くなり、力が宿っていくのが分かる。

その、あの時『勇者』になった時のように…….

「はぁはぁ、以上をもって、私の世界を、魔王を倒し救って頂いた褒賞とさせて頂きます! さぁ、セレス今の貴方なら出来る筈です! 死んでさえいなければ全てを治す、究極の呪文……」

「はい!『光よ……その輝ける生命力の元に死に贖い傷を治せ……パーフェクトヒール』」

老婆のように変わり果てたレイラがみるみる若返っていく。

そして、欠損していた目が、足をも再生されていく。

「セレス、私、私……」

「元通り、ううん、元よりずうっと綺麗だよ……レイラ……」

「ああっ、ああっ本当……本当に元通りだ! セレス様、女神様、ありがとう……ううっ、本当にありがとう!」

「イシュタス様、本当に、本当にありがとうございます!」

「気にする事はありません! これは私の世界を救ってくれた、貴方への褒美……『うわぁ、ちょっと待って、待って……あっスイマセン、本当に……もうしませんから』」

「「イシュタス様!?」」

「こほん! 私はもうこの世界に干渉できません『ひぃ、許して……スイマセン』来ることも出来ませんっ! 『ああっ』兎も角……良かったねセレス! 私の勇者、これからも……『ああっ償いますから、今は』強く生きるのですよ!」

「はい」

「それじゃ……セレス『お別れくらい言わせて下さい』さようなら」

何故かイシュタス様は笑顔を引き攣らして消えていった。







しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。 ↓ PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。

貞操逆転世界に転生してイチャイチャする話

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が自分の欲望のままに生きる話。

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

この世界、貞操が逆で男女比1対100!?〜文哉の転生学園性活〜

妄想屋さん
SF
気がつけば、そこは“男女の常識”がひっくり返った世界だった。 男は極端に希少で守られる存在、女は戦い、競い、恋を挑む時代。 現代日本で命を落とした青年・文哉は、最先端の学園都市《ノア・クロス》に転生する。 そこでは「バイオギア」と呼ばれる強化装甲を纏う少女たちが、日々鍛錬に明け暮れていた。 しかし、ただの転生では終わらなかった―― 彼は“男でありながらバイオギアに適合する”という奇跡的な特性を持っていたのだ。 無自覚に女子の心をかき乱し、甘さと葛藤の狭間で揺れる日々。 護衛科トップの快活系ヒロイン・桜葉梨羽、内向的で絵を描く少女・柊真帆、 毒気を纏った闇の装甲をまとう守護者・海里しずく…… 個性的な少女たちとのイチャイチャ・バトル・三角関係は、次第に“恋と戦い”の渦へと深まっていく。 ――これは、“守られるはずだった少年”が、“守る覚悟”を知るまでの物語。 そして、少女たちは彼の隣で、“本当の強さ”と“愛し方”を知ってゆく。 「誰かのために戦うって、こういうことなんだな……」 恋も戦場も、手加減なんてしてられない。 逆転世界ラブコメ×ハーレム×SFバトル群像劇、開幕。

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

処理中です...