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第10話 徳永美香

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移動の車はレクススのリムジンだった。

運転は琴美さんがしている。

僕の前に右側にエルミナさん、左側に千鶴さんが座っている。

偶に足を組み替えるとパンツがチラチラ見えるのが悩ましい。

「琴美さん、凄い車だね」

「記憶がないからそう思うだけですよ、この車は正平さんに支給された物です…これからの移動で使う事が多いと思います」

「そうですわ、男性なのですからこの位は当たり前なのですわ、男性と言うのは世界の宝なのです、まして正平様はCランク、本物の男です、当たり前ですわ」

「私もそう思います。まさかCランクなんて夢にも思いませんでした。もう少し自信をもたれた方が良いと思います」

「Cランクってそんなに凄いの?」

「凄いなんて物ではないですわ! Aランクも形上ありますが、今この世界での最高ランクはBランクなのですわ、そのBランクの片もかなりの時間を掛けてようやく勃つのですわ、その為B-ランクと言われていますわね、正平様はCランク、その価値は世界の宝なのですわ」

「そんなに大した者かな」

「大した物だよ! 精通した途端にCランク、だけど可笑しいよね?本当のCランクは女性にたいして無関心嫌悪感もないけど関心もない筈、それなのに正平様は、話てくれて私達に興味が有る様に見えるよ!」

「千鶴、正平様の詮索は止めて下さい」

「琴美、これだけで良い、今答えて欲しい『わけあり』か」

「私も薄々は感づいていますわ、こんなに話をしてくれる男性がCランクな訳ありませんわよね?」

「『わけあり』ですよ!貴方達は運命共同体です。だからマンションに付いたら説明します」

「解った、正平様、どんな理由があろうと、この千鶴の忠誠は変わりません、絶対にお守りしますから、ご安心下さい」

「エルミナも同じですわ。私の世界は正平様を中心に回ってますのでご安心くださいませですわ」


「感謝します! 詳しくは後でお話しますね」

僕の事に関しては琴美さんに任せた方が良いだろう。

「記憶が無いから…僕は常識に欠けているんだ、それで聞きたいんだけど、何で女性はミニスカートが多いのでしょうか?」

「ああっ!だから正平さんは良くスカートを見ていたのですね」

「それはですね、男性が『犯りたい』そう思った時に直ぐに出来る様にですわ」

「だけど正平様、それは昔の話だよ! 今じゃもう女性に興奮する男は居ないし、寧ろ嫌われる可能性も高いんだ、だから最早ただのファッションだよ」

「そうなんだ…凄いね」

昔は犯りたくなったら、直ぐに脱がして…そういう事だろう。

だったら今はそれ以上。

そういう事だろうな。

「正平様、なんでしたら捲ってもらっても構いませんわ」

「興味あるなら私も良いよ」

スカートでも下着でもなく、その下に興味があると話したら、驚くだろうな。

◆◆◆

「着きましたよ、私は車を駐車場にまわしてきますから、護衛お願いしますね」

「「はっ心得た(ましたわ)」」

二人の表情が変わった。

エルミナさんが外に周りドアを開いた、千鶴さんが僕の前に立つ。

素晴らしい。

僕はこの体になる前はホストだった。

古くからの風習があるお店で立ち方からエスコートの仕方まで事細かに習った。

綺麗な立ち振舞だ。

エルミナさんは銃のホルスターに千鶴さんは腰にさしている刀に手を掛けている。

「護衛の皆さん、そんなに緊張する事はありませんよ」

「貴方は誰ですの?」

「申し遅れました、男性専用宿泊施設統合管理者、徳永美香と申します、この施設は男性およびその関係者のみしか入れません、ですからこの中では如何に貴重な男性でも普通に過ごせますから、ご安心を」

「他の男性付き方に襲われる可能性はゼロでは有りませんわ」

「もしそうなったら、困るので警護します」

「この施設の中には400名を超える男機の警備員が待機、常に死角が無いようにカメラで監視、この命に掛けて安全を保証いたします、警護の方も一緒に寛いで構いませんよ」

「ここまで言ってくれるんだから寛ごうよ」

「正平様がそう言うんなら仕方ありませんわね」

「そうだね」

「随分と打ち解けていらっしゃいますね」

「二人は特別だからね」

「「!」」

「流石はCランク、普通に女性と話せるのですね」

「全員ではありませんが、話しやすそうな方なら、美香さんとも話せそうですね」

「そうですか…」

「はい、この建物、凄く高いですが何階位あるんですか?」

「…80階建てになります、中にはレストランにスパにプール遊園地も入っています、ショッピングも出来ますよ」

「凄いね」

「…凄いでしょう! 此処の施設の中であれば、男性も安心して生活が出来ますよ」

「ありがとうございます」

「ああああっ…ありがとう…生まれて初めて男性に感謝されました…素晴らしい言葉ありがとうございます…」

えっ…なに?

「正平様、不味いよ」

「ええっ不味いですわ」

「どういう事?」

「美香さん、此処だけの話です、他言したら何処にいても殺しますわ」

「そうだ、必ず殺す」

「何を物騒な事を…警備員を」

「正平様C+ランクなのですわ、限りなくBランクに近いCランク
なのですわ」

「この重要性は解りますよね?」

「確かに凄い情報ですね、解りましたこの徳永美香、この命にかえても他言しません、その代り偶にで良いのでお声掛け下さい」

「別に良いよ」

「ありがとうございます! 私も正平様が毎日楽しんで生活出来るように及ばずながら頑張らせて頂きます」

「ありがとうございます」

多分かなり偉い人の筈なのに美香さんは部屋まで案内してくれた。

部屋は7LDK しかもリビングダイニングは40畳もあり個室は一番小さい物で12畳 お風呂にはジャグジーがある。

ホストだからお客様のタワマンに招待された事もあったが、そのどの部屋より見晴らしが良く広い。

確かあの部屋で6億円と聞いていたが、これは一体幾らなんだろうか?

想像もつかないな。

「美香さん、ありがとうこれからお世話になるね」

「そんな、優しい言葉生まれて初めてです…何でも言って下さいね、欲しい物は何でも調達させて頂きますから」

「ありがとう」

「あああー――っ人生で最高の日です」

「さぁ正平様、入りますわ…流石に部屋は困りますわ」

「正平様、入ろう、疲れたよね? 休もうか?」

二人と一緒に入りドアが閉まる迄美香さんはずうっと見送ってくれた。




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