親友に恋人を奪われた俺は、姉の様に思っていた親友の父親の後妻を貰う事にしました。傷ついた二人の恋愛物語

石のやっさん

文字の大きさ
19 / 65

第19話 これは謝罪......じゃない。

しおりを挟む

折角、美沙姉と結婚できたのだから、結婚指輪を用意したいし、新婚旅行にも行きたい。

この村には貴金属店みたいな洒落た店なんてない。

だから、東京に行って買い物をして、その足で新婚旅行に行くのが良いかも知れない。

国内なら熱海か箱根。

いっそうの事海外でハワイやグァムも良いかも知れないな。

だが、それは全部終わってからの話だ。

まだまだ、なにかありそうな気がする。

幸い、スーパーは優秀な店長がいるから任せて安心だ。

俺は社長だがマネージメントがメインだから、暫く放っておいても問題は無い。

◆◆◆

また、インターホンが鳴った。

やっぱり伊佐治さんか。

今回正一がやったことは三股だ。

これは掟じゃ問題は無いが、よりによって全員が財力、権力がある令嬢。

家と家の結びつきを重んじる村社会じゃ大きな問題だ。

簡単に言うなら公爵家の令息が未婚の伯爵家や男爵家の令嬢三人に手を付けた。

それに近いかも知れない。

しかも、相手は違う村の人間。

流石に不味いだろう。

「伊佐治さん、今日はどう言ったご用件ですか? もう俺との話は終わった筈です」

「その通りでございます! ですが、今日は『どうしてもお坊ちゃまや旦那様がお詫びをしたい』そう言うのです。だから来て欲しいのです」

『お坊ちゃま?』という事は正一は古馬本家に残るのか。

「伊佐治さんが『お坊ちゃま』と呼ぶと言う事は古馬本家になにか動きがある。そういう事ですか?」

「ええっ! 旦那様にも困ったものです。あのような愚か者をまだ庇うんですから」

「それは聞かなかった事にします。 ですが、一人息子なのですから溺愛するのも仕方ないんじゃないでしょうか?」

「そうですね……これ以上は仕える者として言ってはいけませんね。 それで、本来は謝罪する側が出向くのが当たり前なのですが、お坊ちゃまが外出できない為、こうしてお迎えに参りました」

美沙姉には良くない話の可能性が高い。

「解ったよ……美沙姉ちょっと行ってくる」

「行ってらっしゃい」

美沙姉に見送られ俺はまた古馬本家に出向く事になった。

◆◆◆

しかし、自転車でも行ける距離をベンツで移動。

面子って本当に大変だな。

自分が行けないから、客人として招いた。

そういう事実が必要なのか。

もう、俺との間で話は終わっている。

ここから、なんの詫びが必要だっていうんだ。

考えながら車に乗っていると、すぐについた。

そのまま伊佐治さんについて家のなかに入る。

本来なら此処で使用人やら主の挨拶があるのだけど、今日は無いな。

「驚きですかな? 今日はちょっと特殊ですので、直接此方へ」

「この先にあるのは……まさか座敷牢。あそこに正一が入っているのか?」

「左様でございます」

まさか、座敷牢に正一が入っているのか……

「よう、和也久しぶりだな!」

「正一、お前何やっているの?」

元気そうだな。

「お話の途中、すみません私は席を外させて頂きます。お坊ちゃまのお詫びがすみましたらお声かけ下さい。権蔵さまからもお詫びがございます」

「解ったよ。終わったら声を掛ける。 それで正一は何をしているんだ? 聞いた話では、三人の中の誰かと結婚して婿になる。そういう話じゃないのか? それで話は終わったのでは?」

「いや、それな。 だが、俺はどうしても古馬本家から追い出されたくない。 そこで芽瑠を口説いて、責任を取る形で村の重鎮に納得して貰おうと思ったのだが、失敗したよ」

「いや、お前ハーレム作ろうとしていたんだろう? 三人を完璧に口説いていたんじゃないのか? 普通に考えたら本妻1人にお妾さん2人、3人は納得していたんじゃないのかよ」

「その筈だったんだよな。その状態だったから三人じゃなく芽瑠1人に絞れば絶対に受け入れてくれる。そう思っていたんだ」

「そうか……まぁ正一は御曹司でイケメンだからな……」

「まぁ、結果は失敗だ」

「それで、なんで座敷牢に入っているんだ?」

「村の重鎮に対して『反省している』ように見せる為だ。 こうしていれば、周りからは反省している様に見えるだろう」

「それは解ったが、俺はなんで呼ばれたんだ」

「金銭や取引でなく、ちゃんと直接詫びを入れた。その事実が必要なんだよ」

「それ、俺に言って良いのか?」

「まぁな、それで許してくれるんだろう?」

「俺の方は、もう話が終わっているんだから、許すも何もないだろう」

「そうだな、確かに、あの陰気な女美沙と三千万で手打ちだから終わっているな」

「おい、美沙姉は今は俺の嫁だ。その言い方はやめろよ」

「お前、親父のお古と結婚したの? マジで? 」

「ああっ……だが、お古って言うのは間違いだ。 美沙姉の初めては俺が貰ったんだ」

「そうだろうな……親父インポだし」

「あのさぁ、聞きたいんだが権蔵さん、なんでインポなんだ。お前が居るんだから、生まれながらって訳じゃないだろう?」


「それな、特別に教えてやるが、親父が余りにも女遊びするもんだから母さんが俺が生まれた後にパイプカットさせたんだ」

パイプカットは避妊手術だ。

だからって勃たなくなることは無いよな。

「パイプカットしたからってEDにはならないだろう?」

「それな、親父はパイプカットした後、妊娠しない事を良い事に遊びに遊びまくった。その結果性病にかかったんだ」

「その性病でEDになったのか......」

「表向きはな、だが本当は違う、親父は気がついてないんだが、性病の治療の時に、親父に気がつかれない様に医者に母さんが金を積んでEDになる薬を混ぜさせたんだ。さんざん浮気に泣かされた母さんなりの復讐だったんだと思う」

「そうか、それでED、インポになったのか……」

「まぁな、だが、恐ろしいことにそれでも親父の女癖は治らなかったんだ」

「勃たなきゃ流石に出来ないだろう?」

「それが勃たないからこそ性欲が増して可笑しくなったんだよ。男って出せば落ち着くだろう。だが、勃たないと言う事はいつまでたっても出せないから終わらないんだぜ。それで長い時間、ねちっこくするんだ、女は溜まったもんじゃない、何時終わるか解らない責めが続く、あれはまるで狂人だね。結構な額を払っていた愛人も嫌がって逃げた位だ」

そんな……

「そんな親父が逃げた愛人の代わりに目をつけ、おもちゃにしていたのが、お前が貰った美沙だ。やれないんだから、まぁ処女だろうが、ただそれだけだ。それ以外でやられてない事もやってない事もないんだぜ。親父の尻まで舐めたような汚い女、俺なら金貰っても欲しくねーよ」

「黙れよ……美沙姉は俺にとってそれでも大切な人だ」

「お前は昔からそうだな、なんでも大切にするもんな……まぁ良い、それじゃ……今回の件は俺が悪かった。この通りだ……これで終わり。本当にそれでいんだな!」

話しを聞けば聞くほど胸糞悪い。

覚悟はしていたから、話しを聞いても美沙姉を嫌いになんてならないし、汚いなんて思わない。

寧ろ余計に幸せにしてあげたい。

そう思った。

「約束だから、今更反故になんてしない」

あたりまえだようやく美沙姉を取り返せたんだから。










しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください

ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。 義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。 外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。 彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。 「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」 ――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。 ⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。

112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。  ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。  ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。 ※完結しました。ありがとうございました。

精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。 聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。 暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!? 一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

襲ってきた王太子と、私を売った婚約者を殴ったら、不敬罪で国外追放されました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

処理中です...