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第24話 村の闇
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美沙姉と森を散歩していた。
この村、しみな村は良くいえばのどか。
逆に言えば何もない。
映画館はおろかカラオケ、パチンコすらない。
だから、デートと言っても、ただ自然を甘受するような事しか出来ない。
その代り綺麗な川や湖もあり、空気も綺麗だ。
田んぼや畑もありTHE田舎って感じだ。
だから、散歩位しかする事が無い。
◆◆◆
散歩の後、余り、寄りたくないが自分のスーパーの2号店に寄った。
美沙姉に少し外で待って貰い、統括部長の高橋さんと話した。
俺が社長なのもあって我がスーパー泉屋グループの本社はこのしみな村の2号店にある。
と言ってもスーパーの奥にある小さな事務所だけどな。
「悪いけど、暫く顔を出せないけど大丈夫かな?」
「守る分には問題はありませんからご安心下さい。ただ新しい商品開発や新商品の仕入れに不安があるだけですね。まぁそれも増収を考えればの事ですから現状維持で良いなら半年や1年社長が居なくても大丈夫です」
「そうか、それじゃお言葉に甘えて長期の休みを貰う事にするよ」
「ええっ、是非そうして下さい。結婚なさったんでしょう?」
「まぁな」
「色々と大変でしたね。まぁ仕事は任せて貰って下さって構いませんからゆっくりなさって下さい」
村の中の事だから大体の話はもう知られていそうだ。
「それじゃ後は頼んだよ」
「お任せ下さい」
我ながら部下に恵まれたもんだ。
◆◆◆
「いや、やめて下さい!」
冷たいラムネを手に美沙姉の所に向かうと美沙姉が絡まれていた。
「お姉さんいいじゃないか? ちょっと付き合ってくれよ」
「やめて下さい。私は結婚しているんです……いい加減にしてください」
「人妻か……良いね。それじゃあっちの経験も豊富なんだろう? ちょっと相手してくれよ」
「旦那より良い思いさせてやるからさぁ」
黒塗りのワゴン車に男3人。
車のナンバーは『練馬』
完全によそ者だ。
「すみません、私の妻なんで離してくれませんか!」
「なんだ、あんたがこの女の旦那か! 旅行がてら遊びに来たんだけど、何も無くて退屈していたんだ。悪いけど奥さん貸してくれないか?」
「そうそう、痛い目見たくないだろう? 半日貸してくれたら返すからな」
「良いだろう? 痛い目見たく無かったら……」
「和也くん……助けて……」
美沙姉が怖がっている。
こういう時は足止めが必要だ。
まずはワゴン車だ。
もし、美沙姉を乗せて連れ去られたら大変だ。
俺は近くにあった大きな石を持ち上げ、ワゴン車のフロントガラスに放り投げた。
ガッシャ――ン
ワゴン車のフロントガラスは大きな音を立て割れて崩れ落ちた。
「お前、何してくれるんだーー」
「許さねーからな」
「もう、女だけじゃ許さねー、この女とは別に300万な……此奴もボロボロにしてやるから覚悟しておけ」
「こんな田舎じゃ監視カメラもねーからな、やりたい放題だ」
俺は、思いっきり走り、美沙姉との間に割り込み、美沙姉の手をとった。
そして走りだしたが……
ガツン。
頭に強い痛みを感じた。
なにやら頭から液体が流れてきた。
ドロッ。
「和也くん! 嫌ぁぁぁぁーー! 和也くん、和也くんがーーっ」
「逃げて、美沙姉……はやく……」
「これ、不味くないか、此奴」
「此奴が悪いんだ、逆らったうえで車まで壊すからだ……」
「やっちまったもんはしょうがない……此奴を山に捨て、女攫って逃げようぜ」
「そうだな……だが、車が」
「この野郎、これじゃ車が出せねーじゃねぇか」
「ちっ、どうしてくれるんだよ」
ドガッ 痛い蹴られたようだ。
「ううっ……美沙姉……逃げて」
「嫌、嫌ぁぁぁぁ和也くんに酷い事しないでーー」
「こっちは車を壊されているんだ……どうしてくれるんだ」
「わ、私が……責任を、とります」
「そうか、それなら黙って......」
駄目だよ……駄目だよ 美沙姉……
「お前ら、何しているんだ……そこに倒れているのは今泉さんじゃねーか」
「煩いじじいが、お前も痛い目に遭いたいのか」
「止めんか……痛えっ、お前、こんな年寄りに手をだすんか」
「美沙姉……島田の爺さん……逃げて」
俺は最後の力を振り絞り男の一人にしがみ付いた。
ガツ
また頭を殴られたが、絶対に離すもんか。
「「「お前等なにしておるんじゃ」」」
沢山の村人が駆けつけてくるのが解った。
これで、もう大丈夫だ…….
俺は朦朧とし意識を失った。
◆◆◆
「和也くん良かった、気がついたんだ。本当に本当に心配したんだからーー」
瞼を無き腫らした美沙姉に抱きつかれた。
ここは、村の診療所だ。
美沙姉も無事だったんだ良かった......本当に良かった。
「美沙姉が無事でよかった」
本当に良かった。
「馬鹿ぁぁぁーー私なんて私の為に、和也くんが和也くんが」
「気にしなくて良いよ! 俺にとって美沙姉が無事ならそれが一番だよ」
「私の体なんて……」
「それは言わないで、美沙姉は俺の宝物なんだから。それよりこういう時は謝るんじゃなくて……」
「うん……お礼を言うんだよね。 ありがとう。 これで良い」
「泣いている美沙姉も可愛いけど、笑っている美沙姉の方がうんもっと綺麗だ」
「まったくもう和也くんは」
気がつくと、近くに先生が立っていた。
「あの、イチャついている所、すまんがちょっと良いかね?」
「「すみません」」
慌てて取り繕った。
「6針ほど縫ったけど、それ以外で異常はなさそうだ。とはいえ頭だから、何か異常があったらすぐに診療所に来るように。 今日の所は痛み止めを処方したから、もう帰っても良いよ」
思ったより軽傷だったようだ。
「「ありがとうございます」」
二人して先生にお礼を伝え診療所をあとにした。
◆◆◆
美沙姉は凄く心配してくれて、大した怪我じゃないのに、泣きそうな顔でずうっと俺の傍に居た。
今は疲れたのか寝息を立てて寝ている。
電話が鳴った。
『可哀そうだが仕方が無い』
呼び出された先の村の広場には、昼間絡んできた三人の厳つい男が縛られて転がされていた。
月明かりでよく見ると体中痣だらけで顔の形も腫れて変わっている。
「たっ助けて下さい……」
「おねがいだ……嫌だ、しにたく……ない」
「ごめんさい、ごめんさい……謝りますから」
相当ひどい目にあったのか昼間の厳つい態度は全くない。
それ処か震えている。
「この村じゃ姦淫は死罪、そう決まっているのじゃ。その上で暴行を働いただな、もう終わりじゃ」
「そうじゃな、今泉家の当主を殴り、島田のじい様まで怪我させたんじゃ、諦めぇ」
同じ村人ですら姦淫は重罪。
正一ですら大事になるんだ……よそ者がしたら『もう終わりだ』
「なぁ、助けてくれよ……あんたからも何かいってくれ」
「此処は日本だ、そんな掟なんて通じない、警察を呼べ、警察を」
「そうだ、そうだ」
「ほう、警察の判断なら納得するんか……だったら呼んでやろう」
可哀そうだが無駄なんだよ。
「警察が来たら、逆に暴行で訴えてやるからな」
「覚えておけよ、慰謝料位じゃ済まさないからな」
「訴えてやるからな」
警察が来ると解ると今迄と違って急に強気になった。
馬鹿だな……本当に馬鹿だ。
暫くして、駐在さんが来たが……
「姦淫は死刑だよ。この村じゃね。馬鹿な事したねー 婦女暴行未遂に暴行。そんなクズ殺されても文句は言えないね。それじゃ本官は忙しいのでこれで、後で『事故』の調書を取るから、誰か説明しに来てくれよ」
「あんた警官だろう……何を言っているんだ可笑しいだろう?」
「警官がそんな事でいいのかよ」
「助けてくれよ、このままじゃ殺されちゃう……」
「はははっ、本官もこの村の人間なんだ。すまないね助けられない。それに本官はお前等みたいなよそ者のクズが嫌いなんだよ。ゴミは捨てるし、横暴だからね。それじゃ後は頼むよ」
それだけ言うと駐在さんは去っていった。
駐在さんも村人だから、来ても意味がないんだよ。
「それじゃ、警察も呼んでやった……もう思い残すことは無いな」
「「「いやだ、いやだいやだぁぁぁぁーー」」」
幾ら喚いても駄目だ。
この村では姦淫は重罪だ。
未遂だが、此奴らは村人じゃないよそ者だ。
もう終わりだ。
多分、これからあと持ち回りの『村の執行人』が手を下すんだろう。
楽に死ねると良いな......
◆◆◆
次の日スピードを出したワゴン車が崖から落ちて3人の若者が死んだというニュースを聞いた。
この村に『監視カメラ』が無いのは村人に有利にするためだ。
この村、しみな村は良くいえばのどか。
逆に言えば何もない。
映画館はおろかカラオケ、パチンコすらない。
だから、デートと言っても、ただ自然を甘受するような事しか出来ない。
その代り綺麗な川や湖もあり、空気も綺麗だ。
田んぼや畑もありTHE田舎って感じだ。
だから、散歩位しかする事が無い。
◆◆◆
散歩の後、余り、寄りたくないが自分のスーパーの2号店に寄った。
美沙姉に少し外で待って貰い、統括部長の高橋さんと話した。
俺が社長なのもあって我がスーパー泉屋グループの本社はこのしみな村の2号店にある。
と言ってもスーパーの奥にある小さな事務所だけどな。
「悪いけど、暫く顔を出せないけど大丈夫かな?」
「守る分には問題はありませんからご安心下さい。ただ新しい商品開発や新商品の仕入れに不安があるだけですね。まぁそれも増収を考えればの事ですから現状維持で良いなら半年や1年社長が居なくても大丈夫です」
「そうか、それじゃお言葉に甘えて長期の休みを貰う事にするよ」
「ええっ、是非そうして下さい。結婚なさったんでしょう?」
「まぁな」
「色々と大変でしたね。まぁ仕事は任せて貰って下さって構いませんからゆっくりなさって下さい」
村の中の事だから大体の話はもう知られていそうだ。
「それじゃ後は頼んだよ」
「お任せ下さい」
我ながら部下に恵まれたもんだ。
◆◆◆
「いや、やめて下さい!」
冷たいラムネを手に美沙姉の所に向かうと美沙姉が絡まれていた。
「お姉さんいいじゃないか? ちょっと付き合ってくれよ」
「やめて下さい。私は結婚しているんです……いい加減にしてください」
「人妻か……良いね。それじゃあっちの経験も豊富なんだろう? ちょっと相手してくれよ」
「旦那より良い思いさせてやるからさぁ」
黒塗りのワゴン車に男3人。
車のナンバーは『練馬』
完全によそ者だ。
「すみません、私の妻なんで離してくれませんか!」
「なんだ、あんたがこの女の旦那か! 旅行がてら遊びに来たんだけど、何も無くて退屈していたんだ。悪いけど奥さん貸してくれないか?」
「そうそう、痛い目見たくないだろう? 半日貸してくれたら返すからな」
「良いだろう? 痛い目見たく無かったら……」
「和也くん……助けて……」
美沙姉が怖がっている。
こういう時は足止めが必要だ。
まずはワゴン車だ。
もし、美沙姉を乗せて連れ去られたら大変だ。
俺は近くにあった大きな石を持ち上げ、ワゴン車のフロントガラスに放り投げた。
ガッシャ――ン
ワゴン車のフロントガラスは大きな音を立て割れて崩れ落ちた。
「お前、何してくれるんだーー」
「許さねーからな」
「もう、女だけじゃ許さねー、この女とは別に300万な……此奴もボロボロにしてやるから覚悟しておけ」
「こんな田舎じゃ監視カメラもねーからな、やりたい放題だ」
俺は、思いっきり走り、美沙姉との間に割り込み、美沙姉の手をとった。
そして走りだしたが……
ガツン。
頭に強い痛みを感じた。
なにやら頭から液体が流れてきた。
ドロッ。
「和也くん! 嫌ぁぁぁぁーー! 和也くん、和也くんがーーっ」
「逃げて、美沙姉……はやく……」
「これ、不味くないか、此奴」
「此奴が悪いんだ、逆らったうえで車まで壊すからだ……」
「やっちまったもんはしょうがない……此奴を山に捨て、女攫って逃げようぜ」
「そうだな……だが、車が」
「この野郎、これじゃ車が出せねーじゃねぇか」
「ちっ、どうしてくれるんだよ」
ドガッ 痛い蹴られたようだ。
「ううっ……美沙姉……逃げて」
「嫌、嫌ぁぁぁぁ和也くんに酷い事しないでーー」
「こっちは車を壊されているんだ……どうしてくれるんだ」
「わ、私が……責任を、とります」
「そうか、それなら黙って......」
駄目だよ……駄目だよ 美沙姉……
「お前ら、何しているんだ……そこに倒れているのは今泉さんじゃねーか」
「煩いじじいが、お前も痛い目に遭いたいのか」
「止めんか……痛えっ、お前、こんな年寄りに手をだすんか」
「美沙姉……島田の爺さん……逃げて」
俺は最後の力を振り絞り男の一人にしがみ付いた。
ガツ
また頭を殴られたが、絶対に離すもんか。
「「「お前等なにしておるんじゃ」」」
沢山の村人が駆けつけてくるのが解った。
これで、もう大丈夫だ…….
俺は朦朧とし意識を失った。
◆◆◆
「和也くん良かった、気がついたんだ。本当に本当に心配したんだからーー」
瞼を無き腫らした美沙姉に抱きつかれた。
ここは、村の診療所だ。
美沙姉も無事だったんだ良かった......本当に良かった。
「美沙姉が無事でよかった」
本当に良かった。
「馬鹿ぁぁぁーー私なんて私の為に、和也くんが和也くんが」
「気にしなくて良いよ! 俺にとって美沙姉が無事ならそれが一番だよ」
「私の体なんて……」
「それは言わないで、美沙姉は俺の宝物なんだから。それよりこういう時は謝るんじゃなくて……」
「うん……お礼を言うんだよね。 ありがとう。 これで良い」
「泣いている美沙姉も可愛いけど、笑っている美沙姉の方がうんもっと綺麗だ」
「まったくもう和也くんは」
気がつくと、近くに先生が立っていた。
「あの、イチャついている所、すまんがちょっと良いかね?」
「「すみません」」
慌てて取り繕った。
「6針ほど縫ったけど、それ以外で異常はなさそうだ。とはいえ頭だから、何か異常があったらすぐに診療所に来るように。 今日の所は痛み止めを処方したから、もう帰っても良いよ」
思ったより軽傷だったようだ。
「「ありがとうございます」」
二人して先生にお礼を伝え診療所をあとにした。
◆◆◆
美沙姉は凄く心配してくれて、大した怪我じゃないのに、泣きそうな顔でずうっと俺の傍に居た。
今は疲れたのか寝息を立てて寝ている。
電話が鳴った。
『可哀そうだが仕方が無い』
呼び出された先の村の広場には、昼間絡んできた三人の厳つい男が縛られて転がされていた。
月明かりでよく見ると体中痣だらけで顔の形も腫れて変わっている。
「たっ助けて下さい……」
「おねがいだ……嫌だ、しにたく……ない」
「ごめんさい、ごめんさい……謝りますから」
相当ひどい目にあったのか昼間の厳つい態度は全くない。
それ処か震えている。
「この村じゃ姦淫は死罪、そう決まっているのじゃ。その上で暴行を働いただな、もう終わりじゃ」
「そうじゃな、今泉家の当主を殴り、島田のじい様まで怪我させたんじゃ、諦めぇ」
同じ村人ですら姦淫は重罪。
正一ですら大事になるんだ……よそ者がしたら『もう終わりだ』
「なぁ、助けてくれよ……あんたからも何かいってくれ」
「此処は日本だ、そんな掟なんて通じない、警察を呼べ、警察を」
「そうだ、そうだ」
「ほう、警察の判断なら納得するんか……だったら呼んでやろう」
可哀そうだが無駄なんだよ。
「警察が来たら、逆に暴行で訴えてやるからな」
「覚えておけよ、慰謝料位じゃ済まさないからな」
「訴えてやるからな」
警察が来ると解ると今迄と違って急に強気になった。
馬鹿だな……本当に馬鹿だ。
暫くして、駐在さんが来たが……
「姦淫は死刑だよ。この村じゃね。馬鹿な事したねー 婦女暴行未遂に暴行。そんなクズ殺されても文句は言えないね。それじゃ本官は忙しいのでこれで、後で『事故』の調書を取るから、誰か説明しに来てくれよ」
「あんた警官だろう……何を言っているんだ可笑しいだろう?」
「警官がそんな事でいいのかよ」
「助けてくれよ、このままじゃ殺されちゃう……」
「はははっ、本官もこの村の人間なんだ。すまないね助けられない。それに本官はお前等みたいなよそ者のクズが嫌いなんだよ。ゴミは捨てるし、横暴だからね。それじゃ後は頼むよ」
それだけ言うと駐在さんは去っていった。
駐在さんも村人だから、来ても意味がないんだよ。
「それじゃ、警察も呼んでやった……もう思い残すことは無いな」
「「「いやだ、いやだいやだぁぁぁぁーー」」」
幾ら喚いても駄目だ。
この村では姦淫は重罪だ。
未遂だが、此奴らは村人じゃないよそ者だ。
もう終わりだ。
多分、これからあと持ち回りの『村の執行人』が手を下すんだろう。
楽に死ねると良いな......
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次の日スピードを出したワゴン車が崖から落ちて3人の若者が死んだというニュースを聞いた。
この村に『監視カメラ』が無いのは村人に有利にするためだ。
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