親友に恋人を奪われた俺は、姉の様に思っていた親友の父親の後妻を貰う事にしました。傷ついた二人の恋愛物語

石のやっさん

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第56話 二人だけの結婚式

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表参道の結婚式場までタクシーで来た。

本来は打ち合わせが数回必要だが、なにせしみな村は田舎。

此処まで来るのは大変なので、事情を話し全ての打ち合わせは電話や郵送でお願いした。

だから、今回の結婚式はぶっつけ本番。

スタッフの人も大変だと思う。

こんな無茶ぶりを引き受けてくれたリトルウエディングさんに感謝だ。


約3時間前に式場に到着。

「「本日は宜しくお願い致します」」

「今泉様でございますね。お待ちしておりました。これから新婦様と新郎様のご支度をさせていただきます! 新婦様は此方へ、新郎様はあちらのスタッフの方へお願い致します」

「はい、それじゃ美沙姉、あとでね」

「うん、和也くんも」

此処で一旦お別れ。

結構、時間が掛かるんだな。

てっきり着替えて終わりかと思ったけど、化粧してタキシードに着替えるまで実に30分かかった。

美沙姉は此処から更に30分掛かるそうだ。

どう考えても女性の方が化粧も大変だし、着付けに時間が掛かるのは当たり前だよな。

待ちどおしく待っているとようやく声が掛かった。

「新婦様のご準備が整いました。こちらの方へ」

「はい」

ヤバい。

ちゃんと式場に来てリハーサルや打ち合わせをしなかったから、此処にきて緊張して来た。

スタッフの人の後ろに着いて行くと、そこにはウエディングドレスに身を包んだ美沙姉が居た。

「和也くん。どうかな?」

思わず見惚れてしまった。

凄く綺麗だ。

美沙姉はノーメイクでも綺麗で可愛い。

お化粧をすると此処迄綺麗になるなんて……

『新郎様、お声を』

スタッフの人に小声で言われて我に返った。

「美沙姉……凄く綺麗だ……」

胸に想いがこみ上げてくる。

なんとか、それだけ声に出した。

「和也くんも凄くカッコ良いよ」

「「ありがとう」」

お互いに被る様にしてお礼を言い顔が少し赤くなった。

「それでは、これから記念写真を撮影させて頂きます。こちらへどうぞ」

写真が先なのか……

場所を移して写真撮影。

まさか、式の前に撮影があるとは思わなかった。

美沙姉もちょっと驚いている。

「リラックスして下さいね! それじゃ行きますはいチーズ」

写真は20枚程撮影してくれて、あとでアルバムにしてくれるそうだ。

今回は2人だけの挙式プランなのでこのまま、併設された小さな教会に移り挙式となる。

移動中も花嫁姿の美沙姉につい見惚れてしまう。

もう、籍は入れてるからこれは只の式。

それでも、感慨深い物がある。

教会につくと神父さんが既に待っていて挙式に移った。

「新郎和也、あなたは新婦美沙を妻とし嬉しいときはともに喜び 悲しいときは寄り添い生涯、美沙を愛することを誓いますか?」

「誓います」

「新婦美沙 あなたは和也を夫とし病めるときも健やかなるときも 和也を支え愛することを誓いますか」

「誓います」

「本日おふたりは 神に見守られて 晴れて夫婦となる事ができました。この喜びを忘れることなく力をあわせて明るく幸せな家族を築く事を誓いますか?」

「「誓います」」

「それでは、お互いに指輪をはめあい、誓のキスを……」

手を震わせながらなんとかお互いに指輪をはめ……キスをした。

「「「「おめでとうございます」」」」

4人のスタッフさんが紙吹雪を撒いてくれて、どうやらこれで式は終わりのようだ。

「和也くん……末永くお願いします!」

「俺の方こそ宜しく」

俺達の結婚式はこうして無事終わった。

◆◆◆

う~ん。

俺も美沙姉も家族が居ないから微妙な気がする。

本来ならケーキ入刀や食事会や親類からの祝辞があったりするが……それが無い。

それでも式を挙げて良かった。

「和也くん、結婚式本当にありがとう! お姉ちゃんウエディングドレスを着られるなんて思わなかったから、凄く嬉しい! 和也くんの花嫁になれたって、ううっ今実感したの……本当にありがとう」

だって、美沙姉の花嫁姿が見られたし、何より美沙姉が喜んでくれている。

「嬉しいのは俺も同じだよ! 今になって美沙姉が、本当に俺の花嫁になってくれたんだって実感して来た! 俺の方こそありがとう」

笑顔なのに泣きながら俺に抱き着いてくる美沙姉を見て、『本当に美沙姉がお嫁さんになってくれたんだ』

そういう実感が沸いてきて、気がつくと俺も美沙姉を抱きしめ涙が流れだした。


俺は今、最高に幸せだ。











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