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第1話 僕にはもう神様が居る
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僕は周りの人間と余り関わりたくないから、休み時間や昼休みはほぼ寝たふりをしている。
こうして、休み時間が終わるのを待つか、トイレに駆け込み個室で過ごすか、または余り人の来ない、屋上の階段で過ごす事が多い。
今日も何時ものように、机でうつ伏せになり、休み時間が過ぎ去るのを待っていた。
『ただ今日は何時もと違っていた』
可笑しい。
机にうつ伏せになっているのに、凄く眩しく感じる。
この状態で眩しく感じるわけが無い。
まるで太陽を直視している様な程眩しく、目を瞑っているのに太陽を直視したみたいだ。
「うわぁぁぁーーこの光はなんだ」
「なにも見えないわぁぁぁーー」
「これはなんだ、何処かに落ちていくのかぁぁーーっ」
周りはパニックになっている。
流石に見ない訳にはいかない。
周りを見ると大きな光に包まれ、眩しく何も見えない。
近くに同級生が居る筈なのに声は聞こえるが、まるで光の霧に包まれたように見えない。
そして気のせいか、どんどん下に落ちている? いや上に上がっているのか?
何とも言えない感覚に襲われた。
そして急に頭痛がし、俺は意識を手放した。
一体、何が起きて…いるんだ。
◆◆◆
頭が少し痛い。
此処は何処だ?
周りは見えない。
ただ何処までも、白い空間が広がっている。
此処はどこなのだろうか?
目を凝らしてもなにも見えない。
「誰か~誰かいませんかぁ~」
「おーい」
どうやら同級生は近くに居るようだが、僕から姿は見えなく、声は小さく聞こえるが姿は見えない。
『天国』
そのイメージに近いかも知れない。
しかし、本当に何も見えないな。
どうすれば良いんだろう?
そう考えていると頭の中に声が聞こえてきた。
『我が名はティオス…別世界に置いて創造神と呼ばれる存在である。お前達は、異世界ブリエールの者の召喚呪文によって呼ばれた者である』
声には威圧が含まれているような感じで、誰もが声をあげる事が出来ないようだ。
暖かく優しく、それでいて逆らえない、そんな声に聞こえる。
『お前らはそのままでは、異世界ブリエールでは生きられない。よって神々の慈悲で、お前らに『祝福』を与える。この白き霧が晴れた時、ブリエールの神々の姿を見ることになるだろう。その中より自分が素晴らしいと思う神の元に行き、祝福を貰うのだ。さすれば、異世界ブリエールに於いて、生きていく能力を得る事が出来るであろう』
まだ、話は続く。
『ブルエールへの召喚は神々のものではない。よってこれを破棄する事は出来ない。何も『祝福』を受けずに行く事は可能だが、その場合はすぐに死ぬ事になる。これはあくまで異世界へ召喚された者を救おうという神々の慈悲なのだ。その事を忘れてはいけない。 そして、どの神から祝福を受けたかは当人とその祝福を与えた神以外は知る者は居ない。では祝福をくれる神々を選ぶが良い』
話しが終わると、白い霧の様な物が晴れた。
その先に見えた者は…
今迄に見た事無い程、気高く美しい人々だった。
まるでオリンポスの神々、そのイメージが頭に浮かぶ。
神々しくも美しく気高い、そういう存在に見える。
同級生たちはうっとりとした表情で彼等に見惚れていて、どの神に行くか悩んでいる様に思えた。
だが、それは僕には関係ない。
僕にはもう自分を守護する女神様がいるから。
「ティオス様、僕にはもう神様が居ます。その場合はどうすれば良いのでしょうか?」
『既に信仰する神が居る以上は信仰の強制はしない。だが、異世界で君に、その神が祝福をくれるかどうかは私は関知出来ない。その場合は生きるのに必要な、翻訳と収納魔法、僅かなお金のみを私が与え、異世界に行く事になる。これはなにも与えない神が居る事への私からの救済である』
「それでお願い致します!」
『ならばそこにある扉から旅立つが良い』
「ありがとうございます」
僕はお礼を述べて扉の中に飛び込んだ。
こうして、休み時間が終わるのを待つか、トイレに駆け込み個室で過ごすか、または余り人の来ない、屋上の階段で過ごす事が多い。
今日も何時ものように、机でうつ伏せになり、休み時間が過ぎ去るのを待っていた。
『ただ今日は何時もと違っていた』
可笑しい。
机にうつ伏せになっているのに、凄く眩しく感じる。
この状態で眩しく感じるわけが無い。
まるで太陽を直視している様な程眩しく、目を瞑っているのに太陽を直視したみたいだ。
「うわぁぁぁーーこの光はなんだ」
「なにも見えないわぁぁぁーー」
「これはなんだ、何処かに落ちていくのかぁぁーーっ」
周りはパニックになっている。
流石に見ない訳にはいかない。
周りを見ると大きな光に包まれ、眩しく何も見えない。
近くに同級生が居る筈なのに声は聞こえるが、まるで光の霧に包まれたように見えない。
そして気のせいか、どんどん下に落ちている? いや上に上がっているのか?
何とも言えない感覚に襲われた。
そして急に頭痛がし、俺は意識を手放した。
一体、何が起きて…いるんだ。
◆◆◆
頭が少し痛い。
此処は何処だ?
周りは見えない。
ただ何処までも、白い空間が広がっている。
此処はどこなのだろうか?
目を凝らしてもなにも見えない。
「誰か~誰かいませんかぁ~」
「おーい」
どうやら同級生は近くに居るようだが、僕から姿は見えなく、声は小さく聞こえるが姿は見えない。
『天国』
そのイメージに近いかも知れない。
しかし、本当に何も見えないな。
どうすれば良いんだろう?
そう考えていると頭の中に声が聞こえてきた。
『我が名はティオス…別世界に置いて創造神と呼ばれる存在である。お前達は、異世界ブリエールの者の召喚呪文によって呼ばれた者である』
声には威圧が含まれているような感じで、誰もが声をあげる事が出来ないようだ。
暖かく優しく、それでいて逆らえない、そんな声に聞こえる。
『お前らはそのままでは、異世界ブリエールでは生きられない。よって神々の慈悲で、お前らに『祝福』を与える。この白き霧が晴れた時、ブリエールの神々の姿を見ることになるだろう。その中より自分が素晴らしいと思う神の元に行き、祝福を貰うのだ。さすれば、異世界ブリエールに於いて、生きていく能力を得る事が出来るであろう』
まだ、話は続く。
『ブルエールへの召喚は神々のものではない。よってこれを破棄する事は出来ない。何も『祝福』を受けずに行く事は可能だが、その場合はすぐに死ぬ事になる。これはあくまで異世界へ召喚された者を救おうという神々の慈悲なのだ。その事を忘れてはいけない。 そして、どの神から祝福を受けたかは当人とその祝福を与えた神以外は知る者は居ない。では祝福をくれる神々を選ぶが良い』
話しが終わると、白い霧の様な物が晴れた。
その先に見えた者は…
今迄に見た事無い程、気高く美しい人々だった。
まるでオリンポスの神々、そのイメージが頭に浮かぶ。
神々しくも美しく気高い、そういう存在に見える。
同級生たちはうっとりとした表情で彼等に見惚れていて、どの神に行くか悩んでいる様に思えた。
だが、それは僕には関係ない。
僕にはもう自分を守護する女神様がいるから。
「ティオス様、僕にはもう神様が居ます。その場合はどうすれば良いのでしょうか?」
『既に信仰する神が居る以上は信仰の強制はしない。だが、異世界で君に、その神が祝福をくれるかどうかは私は関知出来ない。その場合は生きるのに必要な、翻訳と収納魔法、僅かなお金のみを私が与え、異世界に行く事になる。これはなにも与えない神が居る事への私からの救済である』
「それでお願い致します!」
『ならばそこにある扉から旅立つが良い』
「ありがとうございます」
僕はお礼を述べて扉の中に飛び込んだ。
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