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第17話 異世界人に会わないわけ

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「マヤさん、凄く綺麗です」

緑銀色の綺麗な髪に、背は低いがスレンダーなスタイル。

それなのに、胸はしっかりと出ている。

剥がれてないからこそよく解かるがシミ一つ無い綺麗な体。

現実世界に此処迄の美少女は居ない。

そう思えるほど綺麗だ。

「ご主人様ありがとうございます! そう言ってくれるのはご主人様だけです!」

半分の皮膚が無くても美少女に見えたが、完全になると更に魅力が増した気がする。
性格だって良いのに。

マヤが嫌われているのは凄く理不尽な気がする。

「そんな事無いよ!マヤさんは」

「ふふふっありがとうございます! ご主人様の装備も出来ていますよ、見て下さい、これです!」

まるで陶磁器のように真っ白な軽装鎧と短剣だ。

「見た事無い素材で作ったのかな、珍しいね」

「これはですね、セラミックという金属の数倍固い陶器で作っています!ジークの技術で鋼鉄の3倍の硬度を誇ります…残念ながらミスリルには全然届きませんが…」

いや充分すぎると思う。

これが金貨3枚(約30万円)なんて手頃過ぎるだろう。

「充分、凄いよ…だけどこの短剣に刻まれている文字はなに?」

「これはですね、ジークの文字です私の名が製作者として刻んであります…本来はもっと色々出来たのですが、この世界の神々に封じられてしまっています」

「これで充分というか、凄く鎧も短剣も軽い、驚いたよ! それに白くて見栄えも凄くカッコ良い! マヤさんありがとう…」

「あっ…」

どうしたんだろう?

急に顔を覆って…

「どうかしたの? 僕なんか酷い事言っちゃった?」

「ううん、違うんです! 私嫌われてばかりで誰かにお礼なんて言われた事無くて…凄く嬉しくて…ごめんなさい」

「そんな泣く事なんて無いよ、助かっているのは寧ろ僕だから、本当にありがとう」

「いえ、どう致しまして」

そう言いながら笑顔になったマヤさんは凄く可愛く見えた。

◆◆◆

「そう言えば、一緒に召喚された同級生も全く見ないしそれ以前に日本人じたい全く見ないんだけどなんでだろう? マヤさん何か解るかな?」

「一般論であれば解ります」

「解るんだ! もしよければ教えて貰って良い?」

「この世界ブリエールがご主人様が思っているよりかなり大きいからです」

大きい?

どの位なんだろう?

「そんなに大きいの?」

「はい、あくまで情報で本当に正しいかどうかはまだ立証されていませんが、ご主人様の世界で言う地球と同じサイズです。ですから同じ目的があったり、同じ神の元に行かなかったら、そうそう会う事はないと思います。異世界人自体は数は少ないですが、そのうち会うかも知れませんね、このギルメドにも数人は居ますから」

「居るんだ! それで異世界人って言うからには活躍していたりするのかな」

「さぁ? 他の国の異世界人の噂は良く聞きます!ですがこの辺りに転移してきた異世界人が活躍した話しは余り聞かないですね!高ランクの冒険者が数名居る、その位ですかね!魔族との戦争や人族同志の戦争とか余り縁の無い場所なので名前を轟かすような活躍の場が無いですから、ダンジョンで頑張ってSランクにでもなれば有名になるかも知れませんがその位ですね」

簡単に言えば戦争が無い地域。

だから活躍や有名になるチャンスは少ない。

そういう事か。

「その方が無難で良いな」

「そうですね、そういう場所の神様のクラウンを選んだら戦いが義務づけられますし、軍神とかの神様を守護神に選んだら戦うだけの人生です、私も無難が一番だと思います」

「本当にそう思います」

「ええっ、ジークの民は、この世界相手に戦争している様な状態でしたから…平和が一番、本当にそう思いますよ!」

僕は、別に活躍したい訳じゃない。

日々無難な生活を送れる。

その幸せは良く解っている。

「僕もそう思うよ!」

だけど、何か引っかかるし、他の同級生の事も気になる。

あとで雪乃様に聞いてみようかな?
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