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第二章
いつか来る日まで
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「この間さ、俺の部下が何かドジしたんだよね。しかも、他の部下は変に嫌がらせするしさ、全くどうにかしてほしいよな。」
「それは災難だったね。」
光が持ってきたお菓子を食べながら、レイは光の愚痴を聞いていた。
「前は変に霊魔に色目使って、仲間が危険に合いそうになったんだよ?!その割に反省しないんだ。」
「何それ?バカじゃん。君の部下。」
光は紅茶を注いだカップを啜った後、ハアとため息を吐く。そしてまたカップに紅茶を注いだ後、砂糖を数杯入れる。レイはこれでもかというくらい砂糖を入れている光にうわあとげんなりしていた。
「そういえば、君さ。三日前はどっか行ってたの?」
光が砂糖をたくさん入れた紅茶を飲みながらレイに尋ねると、レイはまあねと明後日を見る。
「ちょっと、口うるさい部下にバレてさ。長いお説教食らってたんだよね。」
三日前、レイは散歩に行こうとしたら、クレハに捕まり、長い説教と大量の仕事を任されてしまったのだ。もはや缶詰状態にされた後、レイはまるで二度目の死を感じたようだったらしい。せっかく転生したのに、こんな拷問は二度とごめんだとレイは思った。でも、光には話さないけど。
光とレイは互いが死神と悪魔だということは知っていたが、それ以上に互いが高い地位にいることも知っていたが、口には出さないし、隠そうともしなかった。そして、互いに名前を知っていたが、二人は名乗ったこともない。風の噂で互いの名前などを知ったのだ。そして互いの名前も呼び合ったことも無いのだ。なぜならそんな親密な関係でもないからだ。互いを呼ぶ時は「死神さん」「悪魔さん」か「君」「お前」とかで成立していた。
「君も悪魔なのに、大変なんだね。」
光が言うと、レイはまあねと素っ気なく返す。そしてレイは口を開いた。
「でも、別に約束なんてしてないよね?ここに来れば、君と僕のどちらかが先にいて、一緒にお茶会するくらいだし。」
レイの言葉に光はそれもそうかとお菓子を食べる。お菓子を食べながら、本を開いた光を見て、レイは紅茶にミルクを入れながらまた口を開いた。
「君ってさ、甘党な割に紅茶にミルクは入れないよね?何で?」
「ミルクティー嫌いなんだ、俺。一回ミルクティーのキャンディー食べたら吐いちまって、それ以来ダメになった。ミルクはミルク。紅茶は紅茶なんだ俺。」
今度は砂糖も入れずにストレートで飲む光に、レイは変なのと見つめる。ミルクティー美味しいのになと啜るレイは、お菓子に手をのばす。
「そういえばさ、何で僕は君の長い愚痴を聞かされたの?」
「お前ぐらいだよ。俺の長い話に付き合ってくれんの。」
「それって僕はストレスのはけ口ってこと?君ってどうかしてるよ。」
「お菓子好きなだけ食っていいし、リクエストがあるなら今度作ってあげるから、それで許して。」
ページをめくりながら言う光にレイはやれやれとお菓子のリクエストを頭に思い浮かべる。
「そういえばさ、最近厄介な死神がいるらしいけど…」
「ふーん。」
「僕たちってこのままで大丈夫かな?」
長くもないさして短くもない日々を二人は過ごしていたのだ。
光はレイの言葉にしばらく黙っていたが、口を開いた。
「さあ。俺にもわかんないや。」
「一体、いつまで続くんだろうね、この関係。」
レイの言葉に光はさあと答えた。
「それは災難だったね。」
光が持ってきたお菓子を食べながら、レイは光の愚痴を聞いていた。
「前は変に霊魔に色目使って、仲間が危険に合いそうになったんだよ?!その割に反省しないんだ。」
「何それ?バカじゃん。君の部下。」
光は紅茶を注いだカップを啜った後、ハアとため息を吐く。そしてまたカップに紅茶を注いだ後、砂糖を数杯入れる。レイはこれでもかというくらい砂糖を入れている光にうわあとげんなりしていた。
「そういえば、君さ。三日前はどっか行ってたの?」
光が砂糖をたくさん入れた紅茶を飲みながらレイに尋ねると、レイはまあねと明後日を見る。
「ちょっと、口うるさい部下にバレてさ。長いお説教食らってたんだよね。」
三日前、レイは散歩に行こうとしたら、クレハに捕まり、長い説教と大量の仕事を任されてしまったのだ。もはや缶詰状態にされた後、レイはまるで二度目の死を感じたようだったらしい。せっかく転生したのに、こんな拷問は二度とごめんだとレイは思った。でも、光には話さないけど。
光とレイは互いが死神と悪魔だということは知っていたが、それ以上に互いが高い地位にいることも知っていたが、口には出さないし、隠そうともしなかった。そして、互いに名前を知っていたが、二人は名乗ったこともない。風の噂で互いの名前などを知ったのだ。そして互いの名前も呼び合ったことも無いのだ。なぜならそんな親密な関係でもないからだ。互いを呼ぶ時は「死神さん」「悪魔さん」か「君」「お前」とかで成立していた。
「君も悪魔なのに、大変なんだね。」
光が言うと、レイはまあねと素っ気なく返す。そしてレイは口を開いた。
「でも、別に約束なんてしてないよね?ここに来れば、君と僕のどちらかが先にいて、一緒にお茶会するくらいだし。」
レイの言葉に光はそれもそうかとお菓子を食べる。お菓子を食べながら、本を開いた光を見て、レイは紅茶にミルクを入れながらまた口を開いた。
「君ってさ、甘党な割に紅茶にミルクは入れないよね?何で?」
「ミルクティー嫌いなんだ、俺。一回ミルクティーのキャンディー食べたら吐いちまって、それ以来ダメになった。ミルクはミルク。紅茶は紅茶なんだ俺。」
今度は砂糖も入れずにストレートで飲む光に、レイは変なのと見つめる。ミルクティー美味しいのになと啜るレイは、お菓子に手をのばす。
「そういえばさ、何で僕は君の長い愚痴を聞かされたの?」
「お前ぐらいだよ。俺の長い話に付き合ってくれんの。」
「それって僕はストレスのはけ口ってこと?君ってどうかしてるよ。」
「お菓子好きなだけ食っていいし、リクエストがあるなら今度作ってあげるから、それで許して。」
ページをめくりながら言う光にレイはやれやれとお菓子のリクエストを頭に思い浮かべる。
「そういえばさ、最近厄介な死神がいるらしいけど…」
「ふーん。」
「僕たちってこのままで大丈夫かな?」
長くもないさして短くもない日々を二人は過ごしていたのだ。
光はレイの言葉にしばらく黙っていたが、口を開いた。
「さあ。俺にもわかんないや。」
「一体、いつまで続くんだろうね、この関係。」
レイの言葉に光はさあと答えた。
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