人類戦線

さむほーん

文字の大きさ
7 / 220
胎動編

第七話 議題

しおりを挟む
会議らしい

城崎は普通、僕らになんの承諾も取らずに勝手に任務を決めているので、今回のように会議をするのは初めてだ

ましてや、そこに僕が参加するなど

一体、どういう風の吹きまわしだ?

「そして今回の本題なんだが」

やっぱり何かまずいことが有るのか?

「1-1の動向について必ず目を離さないでくれ」

なるほど

「何だ、何があるんだ、城崎」

「どうした。やけに不安そうじゃないか。神柱」

そりゃそうだ、普段のこいつなら「離さないでくれ」なんて頼むような言葉ではなく「離すな」と命令しているはずだ

「城崎、あなたの秘密主義と人を奴隷のように扱う人間性は他のクラスでもまれに知る人がいる。」

弘岡実優、か

正直言ってこいつも何を考えているのか分からない

そもそもこの子とほとんど喋らないし

……僕も喋るけど中身が無いから大概か

もしかしたら向こうもこっちに対して不信感を持ってるかも

まあ、念の為警戒くらいはしておこう

「そんなあなたが【お願い】をしているんだから以上と思うのは自然」

というか、須斎は知らなかった感じだけど城崎の性格は他クラスにも知られてたんだな

まあ、なんだかんだうちのクラスの裏の支配者だったしな(今は表になったけど)

「まあ、簡単に言うと1-1に相当やばい奴がいる。そいつの動向が読みにくいんだ」

「ならなぜ今まで言わなかった」

「まあ落ち着け須斎」

いや、こいつにとっての「やばい奴」と聞いたら不安に思うよな

少なくとも僕は今までこいつが不安そうになったところを見たことがない

もしかしたらそれも「クラスの支配者」として弱味を見せるとまずかったのからなのかもしれないが

「一組の副学級委員長がいるだろ」

「そいつが危険なのか、城崎」

「結論が早いな。まあ、合ってるんだが」

「お前のことだから『他の人間がいると邪魔だから』教えなかったんじゃないだろうな」

僕はあの時の事、忘れてないからな

「流石に俺も成長くらいする。今回のことを隠していたのは確証が持てなかったからだ」

「そのうちに私達にが下手に動くと相手に何が勘付かれる、ということか」

「ああ」

まあ、こいつらしいといえばこいつらしいな

「それはそれとして教えたということは協力しろ、ということ。誰なのかくらい教えてほしい」

「そうだな、実優。城崎、誰なんだ?」

「葉狩 匡広(はがり まさひろ)。そもそも副学級委員長って言った時点で誰かわかってるだろ」

「全クラスの学級委員を覚えてるのはお前くらいだぞ、城崎」

しかし、葉狩か
話したことないな

まあ、そもそもこの学校で僕が話したことがある人間なんて十数人なんだが

「葉狩とは意外だな。あいつはテニス部のレギュラーでかなり人当たりがいいように見えたが」

「蒼井、そういうやつほど危険」

「そもそも危険なことがわかっていたら危険ではないよね」

少なくとも、こうなる前の世界では

だが、危険なことがわかっている人がこの世界で危険になったとしても、その危険度は「安全に見える人」よりは低い

警戒できるのだから

「だから、次の任務では須斎を連れて行くのは禁止だ」

「なんで?」

「ああ、神柱、お前の能力と須斎の能力の相性がいいのは知ってる。特に奇襲する際は」

「なら何故私が行ったらだめなんだ?」

「それ以上に重要なことがあるからだ」

今の流れから来て奇襲の効果以上に重要なことがあるとすればそれはもう一つしかないだろう

「お前にはこの教室から死角になる一組の出入り口を見張ってほしい」

「なら、今まではどうしてた」

「今までは俺の装備を使って監視していたが流石に負担が大きい。今回の任務で須斎の隠密性が確認できた。だからそろそろ監視を任せたいと思った」

「まあ、隠密ってモロ諜報向きだしね」

となると、僕がこれから襲撃する時は誰と行けばいいんだろう

一人とか言うなよ

「だから、次の任務は神柱と弘岡で行ってこい」

「分かった」「了解」

こっちも初の共同任務か

これで会議は終わりかな?

「よし、じゃぁこれで今回の会議は終了する」

「あ、聞き忘れてたんだけど」

これも聞いておかなければ

「何だ」

「校庭の『アレ』って全部城崎がやったの?」

今の話から少しだけ誰がやったのか予想できなくもないんだが

「いや、俺はほとんどやってない」

はぁ……

ある程度は葉狩がやっているとは思っていたけどまさかほとんど全部とは

流石に警戒するのもわかる

こいつと感覚が同じというのが倫理観的にまずい気がするが、今回だけは同感だ

「あ、神柱、隣の化学準備室から硝酸取ってこい」

またこき使われるようです

――――――――――――――――――――

僕たちの1-3の隣には化学準備室というものがある

名前の通り化学に関する用具や薬品を置いており、その隣の化学実験室で使うものだ

そして僕はなぜかそこから硝酸を持ってくるように言われた

結構強力な酸だ

これを何に使うのか、すごく気になる

Rが15にならなければいいが

これまで僕も皆も健全にやってきたんだ

ここでRを付けて台無しにしないでくれよ

「これ、か」

そういえばどれくらい持ってくるのかは言われてなかったな

まあ、足りなくて困ることはあっても余って困ることはないだろ

最悪の場合、戻しに来ればいいし

そういえば塩基系のものは痛みなく体を溶かすが酸系のものは痛みがあると聞いたことがある

まさか、新たな拷問器具とか……

これ以上考えると怖いのでここらでやめにしよう

僕のところに火の粉がかかるようなら逃げればいいし

この装備は逃げることに関しては他を圧倒的だし

最初のときは人影に集中した一瞬をつかれたが、もう同じ轍は踏まない

だが、とりあえず今はこれを持って帰って次の任務に備えよう
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...