人類戦線

さむほーん

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東京事編

第三十三話 プラン

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「ただいまー!」

ん?この声……誰だっけ?

どこかで聞いたことがあるんだけど……

思い出せないな

「あれ?君は確か……」

向こうも僕になんとなくの見覚えはあるみたいだ

「そうそう!あの時寮に来てたよね?それと、昔どっかで会ったような気が……」

え?あの時?

……あっ!寮に殴り込みに行った時のことか!

「あー……そういえばそうでしたかね?」

なんか誰かいたような気はするけど、誰だったのかっていうのが全く思い出せない

人を覚えるのが苦手な癖、早く直さないとね……

「えー、覚えてないの……ま、いいや。それよりも、君のこの後の予定って何?」

この後の予定……?

どういうこと?

僕は全くやることが無いからそれを言えばいいのかな?

「特に無いですけど……」

「あ、なら良かった。城崎様の居るところまで案内してよ。」

様……?

この人、城崎とどういう関係なんだ?

よくわからない相手を案内するのはちょっと嫌だな……

「すみません。一旦寮にある僕の部屋で待ってもらってて良いですか?その間に城崎のところに連れて行っても良いか聞きますんで」

「あ、別にそれでも大丈夫だよ~。僕的には今日中に伝えらればそれで良いから」

じゃあちょっと待ってもらうことにしようかな……

「でしたら、あっちの寮に僕の部屋が有るんで、そこで待っていてください」

あ!でも、僕の部屋が何処にあるのか分からないのかな?

「……やっぱり連れていきます」

コロコロ意見を変えるのはあまり良くないような気がするけど、流石に他人に『勝手に部屋に入ってろ』は突き放し過ぎな気がした

「よし!じゃあそうしよう」

ということで、相手の人を僕の部屋に連れて行ってから城崎に連絡を入れることにした

というか、結構時間が掛かりそうだけど大丈夫かな?

――――――――――――――――――――

「ああ、そいつは俺が向かわせておいた奴だ。出来るだけ早く連れてこい」

神柱から篠原が来ているという連絡が入ってきた

あいつ、何で直接来なかったんだ?

もともと居た独房の方に戻れば大丈夫だろうに……

まさか、校内の構造を把握したかったのか?

だとしたら、警戒しておかないとな

逃走ルートを探していた可能性もある

他の生徒には迷惑になるが、教室の配置や廊下の形を変更した方が良いだろうか?

今は、あいつには逃げられても対処可能な範囲にしか関わらせていないが、今後はもっと深いところまで関わらせる予定だ

だからこそ、余り信用のおけない行動を続けるなら早めに【処分】するのも有りではないかと思ってしまう

……まあ、神柱のところに近付いただけでここまで考えるのも少しやりすぎなような気はするが

さて、それにしても一体何の情報を持ち帰って来たのか、だな

須斎から事前に来ていた連絡では途中で切り上げたそうだが、何かあったのか?

そう思案していると、誰かが俺の部屋をノックする

「どうぞ」

ドアを開けて、長崎所長が入ってきた

「少し、提案をしていいかな?」

提案?

「何でしょうか?」

どういった提案だ?

勢力の運営には部外者を入れるつもりは無い

つまり、勢力の方向性に口を出す提案なら聞いてから即、断ることもある

「君の腕の話だ。君の場合、腕が完全に失われているだろう?」

何だ。治療の話か

「確かにそうですね」

俺の腕は爆破されたことによって完全に失われている

治療は難しいかもしれないが、再生医療を駆使すれば時間をかけることでどうにかなるだろう

「なら、単純に全て多能性幹細胞で補うよりは機械を利用した義手の方が良いと思うぞ」

機械を利用した義手……か

ブレイン・マシン・インターフェース、というものだろうか?

「その技術、もう完成しているのか?」

「まだ完成はしていないが、少なくとも、失敗するリスクは再生医療による拒絶反応よりは低いと思うぞ」

なるほど……

「そうだとしたら、少し確認しておきたいことがある」

義手のようなタイプならばも使えるかもしれない

――――――――――――――――――――

「早よ連れて来い、だってさ」

城崎ちょっと急いでる感じがしたな……

「うん!分かった!じゃあ僕言って来るね!」

そう言い残してすぐに去っていった

急にやってきたと思ったら急に去っていくな……

というか、本当にあの人は誰だったんだ?

それと、あの人は今までどこに行っていたんだ?

諜報担当とかであんまり人に見せたくないような人材だったりするのかな?

だとしたら城崎があれだけ急いでる、というよりは焦っている理由にも説明はつく

なんとなくそれでは無いような気もするけど……

ま、良いか

別に城崎が僕に何を隠していても構わない

多分それがあいつ自身にとって一番良いことなんだろうから大丈夫でしょ

城崎を信じる

今の僕に出来るのはこれと、後は少しだけあいつの行動の手伝いをするくらいだ

――――――――――――――――――――

「うん!これで僕の集めてきた情報は全部かな?結構頑張って集めたんだよー」

そう話して城崎様の部屋から出ようとする

いや、城崎様って言うとうウザられたから城崎クンっていう呼び方にした方が良いかな?

「分かった。また連絡するから下がっておけ。もちろん、独房の方にな」

ありゃありゃ

あんまり信用はされなかったのか

独房から出られるのはいつになるんだろうね
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