人類戦線

さむほーん

文字の大きさ
79 / 220
東京事編

第四十九話 様子見

しおりを挟む
何だあれ?

足に変なものが刺さって急にピンチになったと思ったら、床がめくれ上がって守ってくれた

床を使うとなると、僕の知り合いでは城崎くらいかな?

いや~何をしていたか分からなかったから後で問い詰めようと思ってたけど、助けてくれたみたいだし、そこは許しちゃおうか

あれ?僕ってチョロいのかな?

ま、今はそれよりもスナイパーを見つけなきゃね

僕に向かって撃ってきた奴を探し出さないと

でも、その前に足の止血をしておかないと

さっき刺さったもののせいでかなり血が出ている

「うわ……まだ刺さったままじゃん……何なんだろうこれ?」

足の裏を見てみると、さっきのものがまだ刺さっていた

見た目は……撒菱まきびし?あの、忍者が撒いてたとか言われるアレ?

物騒なもの使うなぁ……

あんまり傷口が広がらないように気を付けつつ、この撒菱を取って……っと

そうだ!城崎にも連絡を入れておこう

あいつが協力してくれたお陰で窮地を逃れることが出来たんだから

加速状態を切り、スマホを取り出して城先に向かって電話をかける

「……繫がらないな……」

何か仕事でもしていて忙しいんだろうか……

――――――――――――――――――――

くそ……流石にこの距離から操作するのは疲れるな

俺の装備であるこの手袋は、物体を『支配』して操ることが出来る

一度支配したものはどれだけ離れていても操れるんだが、知覚の部分が問題だ

俺は、支配したものを通して遠くの景色を知覚することが出来るが、決して負担がないという訳ではない

まあ、距離はあまり関係なくて、自分の知覚のうちどれくらいの割合を支配したものから得ているか、というのが重要だ

俺たち人間の脳は自分の目から取り入れた情報を処理することには慣れているが、その他の情報の処理能力はどうしても足りていない

だから、無意識で処理しきれなかった分はいちいち意識下で情報を処理する必要が有る

そんな訳で自力で画像処理をやっているからかなり疲れる

相手はこちらを警戒しているのか、今は動きを止めてくれているが、今度大きな動きを見せたらこちらもまた対応しなくてはならない

神柱が今撤退しているところだが、それが終われば俺も出た方が良いかもしれない

片手では出来ることは限られるだろうが、近く、少なくとも、相手を直接視認できるところからならやれることも増えるだろう

まずは移動を始めるか

地面を動かして高速で移動を開始する

今までずっと見てきたから建物内部の人や物の配置はだいたい分かる

そこで、入りやすい場所や、人気の少ない場所を予め確認しておいた

そのおかけで、今はかなり楽に侵入できる

「よし……取り敢えずここまで来たか」

数秒後には俺は官邸の前にまで来ていた

ここから問題となっていくのは伏兵だ

官邸の中に入るとまだまだ俺の知らない場所も増えていく

一旦ここで様子を見ながら内部をじっくり探った方が良いな

地面に手をつき、『支配』していく

もう少し時間がかかるとは思うが、それが終われば建物内を完全に操作できる

「……これは……誰か来たな」

俺の行動を知ってなのか、相手も誰か送ってきたようだ

本当は支配に集中したいんだが、早めに対処しておかないとな

「……それで、お前は誰なんだ?」

もうかなり近くに来ていた誰かに向かってそう尋ねる

「……」

相手は何も答えていない

相手が動き出す直前までは支配を進めるつもりだが、すぐにでも対応できるように心積もりだけはしておく

「そちらが何も答えないなら、こちらも好きにさせてもらうが、良いのか?」

相手は答えない

俺は、警戒のレベルを一段階引き上げた

すると、相手もそれを感じたのか、ゆっくりと、しかし確実にこちらに向かって近付いて来た

なるほど、ここで止めておくのか

だとしたらこちらも対抗策を取らないとな

相手が動くより先に、相手の両側の地面を持ち上げて相手を挟む

すぐさま後ろに跳んだようだが、その間も支配を進める

着地した相手がこちらに向かって走ってくる

それに対応しようと、地面を動かすが、相手の移動速度が予想以上に速く、対応しきれない

(まずいな……ここに来たのは失敗だったか?)

相手の対応が予想以上に早かったから少し焦ってしまったかもしれない

悪手かもしれないが、一旦後ろに下がる

それと同時に、相手が距離を詰めてくる

俺はあまり近接戦闘が得意では無いから、出来れば離れたいんだが、許してはくれなさそうだな

なら、仕方ない

自分のスマホを『操作』し、待機中の二人に俺のサポートに来るように命じる

今からは、耐えることに集中したほうが良いな

後は、こいつの装備がどういうものかを調べるのも今のうちにしておこう

幾つか探りたいことが有ったので、周囲の物を相手に飛ばしながら揺さぶりをかけていく

今はただ避けているだけだが、少しずつ飛ばす物の量を増やしながら様子を見ていく

すると、あるところで敵の動きが変わり始めた

少しずつだが、ジャンプの高さが低くなり始めている

何か制限があるのか、それとも、単に体力が尽きてきただけなのか

体力が尽きかけているのなら、これからも更に動かして相手の体力を削り切るべきか?

戦略を練りながらゆっくりと相手の様子を観察していく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...