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怪奇編
第五話 冒涜
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「よし。昨日は二人で裏に行ったせいで『おおいさん』に会うことが出来なかった。今日からはしっかり、『どっちもいない時間』を作らないようにするぞ」
「おー」
二人でやる気を出そうと掛け声を入れる
でも、今の『おおいさん』が都市伝説通りだとすると目の前に姿を表すのは一番危険なんだよね
しかも、普通の客と区別をつける方法は言葉だけだときた
ま、そうなると仕方無い。ある程度の危険は受け入れよう
それよりも問題なのは、昨日現れたばかりの場所に『おおいさん』が現れるのかどうか、ということだ
現れないようなら、殆ど最初から調査をやり直すことになる
あと、気になるのはこの針金人形を壊すとどうなるのか、ということだ
まぁ、これは僕の個人的な興味なんだけどね
でも、呪いを解くのには呪物を壊すのが良いって聞いたことがあるし、一定の効果はあるかもしれない
ただ、呪いをかけられた人が近くに居ないから効果の確かめようが無いから結局意味は無さそうだ
じゃあどうやって確かめるか……だけど
相手がこちらに呪いをかけるように仕向けるのが良いだろう
そのためには相手を怒らせる必要があるんだけど……
面倒臭い。城崎に聞いてしまおう
電話を掛けると、城崎はすぐに出た
「何だ?」
「いや……なんか、僕の常識で計れない人を怒らせる方法が分からなくてさ……」
そう言うと、ため息を吐いてこう答えた
「要件は簡潔に話せ」
はいはい……
「つまり、『おおいさん』をおびき寄せる為に怒らせたいんだけど、何かいい方法、無い?」
すると、城崎に面白そうな提案をされた
「なら、針金人形を何個か重ねて吊るしておいたらどうだ?呪いをかけるというのは強い意志の現れだ」
それは、人間のときだけかもしれないが
「そいつにとって呪いの象徴となる物を壊せば多少は怒るかもしれないが、どうする?」
そう言って、僕の返事を待つ
方法が有るなら試してみよう
「分かった。ちょっと準備してくるね!」
電話を切って、針金人形の置いてある場所に向かう
でも、その前に一応確認を取っとかないと
「すみませ~ん。あの人形、貰っていいですか~?」
「え……ま、まあ、良いですけど……そちらこそ大丈夫なんですか?」
お、心配はしてくれるんだな
「大丈夫ですよ。手があるから貰うんですから」
そう言って、僕は店の裏に向かって歩き出した
――――――――――――――――――――
裏に来て、針金人形を持ち上げて少し見つめる
「どこかに紐を通せそうな隙間、無いかな~?」
針金だから結構隙間はあるでしょと思ってたんだけど、かなりギチキチに詰まってるな……
無理やり隙間を開けるか?
でも、そんなことして僕に呪いがかかっても嫌だなぁ……
針を使って通せる所が無いか調べてみよう
えっと……ここ、かな?
人形のおへそにならなんとか通せそうだ
……よし、針は通った
裁縫は苦手だけど、何とかなったみたいだ
じゃあこれから何個か繋げて……っと
よし、これで三個分は着けることができた
後はこれをコンビニの前にでも吊るしておこう
餌になってくれることを願って、自動ドアのセンサーの範囲外に針金人形の串を吊るす
「よし。これでOK」
そう言って、自動ドアを通ってコンビニの中に帰っていく
後は待つだけ、釣りと一緒だ
それまでは漫画の立ち読みでもして時間を潰しておこう
「……何してたの?」
帰ると、丁度弘岡に出会った
この言葉からすると、僕のさっきの行動を見ていたようだ
「まあ……撒き餌をちょっと仕掛けてた、かな?」
正直、ヒットするかどうかは賭けだけど
「まあ、勝手にすればいい」
……あれ?ちょっと不機嫌なのかな?
何でだ……?
「ねぇ……なんか怒らせること、したっけ?」
「いや。全然」
う~ん……全然思いつかないんだよな……
ま、別に良いか
ちょっと不穏ではあるけど、休憩時間を裂きたいほど心配なわけじゃないし
今は放っておいて、何か問題が起こったらその時に、どうにかしよう
「じゃあ、僕は戻っとくね。もしかしたらこの辺に『おおいさん』が来るかもしれないから、弘岡も早めに戻っといた方が良いと思うよ」
一応、忠告はしてから僕は雑誌のコーナーに向かって歩き始めた
弘岡の不機嫌そうな表情は中々治らなかった
(えっと……最新号は……これか)
ちなみに、この騒動が起こってすぐの頃は出版社も上手く行動できていなかったみたいだけど、最近はちゃんと復活してきてる
そのため、月刊誌はちゃんと月に一度発行されている
まあ、スキャンダルとかは今は誰も見てる暇がないからニュースしか載ってないんだけどね
だから大抵のものは見ててもつまらないんだけど、偶に現実に起こったとは思えないものもある
例えば、喧嘩が起こって公衆トイレの便器の投げ合いが行われ、便座が頭にぶつかって死亡した人の話とか
正直、一回くらいそういうのを見てみたいような気もする
今の時代に見逃したら、世間が落ち着いた後はもうそんなの見れないだろうし
……ちょっと探しに行ってみようかな?
いや……流石にそれもやめとこう
そもそも、こういう怪談の話だって普段じゃ絶対に体験できないことだし
今はそっちを楽しむとするか
そうやって少し興味を抑えて、僕は雑誌を読み漁った
「おー」
二人でやる気を出そうと掛け声を入れる
でも、今の『おおいさん』が都市伝説通りだとすると目の前に姿を表すのは一番危険なんだよね
しかも、普通の客と区別をつける方法は言葉だけだときた
ま、そうなると仕方無い。ある程度の危険は受け入れよう
それよりも問題なのは、昨日現れたばかりの場所に『おおいさん』が現れるのかどうか、ということだ
現れないようなら、殆ど最初から調査をやり直すことになる
あと、気になるのはこの針金人形を壊すとどうなるのか、ということだ
まぁ、これは僕の個人的な興味なんだけどね
でも、呪いを解くのには呪物を壊すのが良いって聞いたことがあるし、一定の効果はあるかもしれない
ただ、呪いをかけられた人が近くに居ないから効果の確かめようが無いから結局意味は無さそうだ
じゃあどうやって確かめるか……だけど
相手がこちらに呪いをかけるように仕向けるのが良いだろう
そのためには相手を怒らせる必要があるんだけど……
面倒臭い。城崎に聞いてしまおう
電話を掛けると、城崎はすぐに出た
「何だ?」
「いや……なんか、僕の常識で計れない人を怒らせる方法が分からなくてさ……」
そう言うと、ため息を吐いてこう答えた
「要件は簡潔に話せ」
はいはい……
「つまり、『おおいさん』をおびき寄せる為に怒らせたいんだけど、何かいい方法、無い?」
すると、城崎に面白そうな提案をされた
「なら、針金人形を何個か重ねて吊るしておいたらどうだ?呪いをかけるというのは強い意志の現れだ」
それは、人間のときだけかもしれないが
「そいつにとって呪いの象徴となる物を壊せば多少は怒るかもしれないが、どうする?」
そう言って、僕の返事を待つ
方法が有るなら試してみよう
「分かった。ちょっと準備してくるね!」
電話を切って、針金人形の置いてある場所に向かう
でも、その前に一応確認を取っとかないと
「すみませ~ん。あの人形、貰っていいですか~?」
「え……ま、まあ、良いですけど……そちらこそ大丈夫なんですか?」
お、心配はしてくれるんだな
「大丈夫ですよ。手があるから貰うんですから」
そう言って、僕は店の裏に向かって歩き出した
――――――――――――――――――――
裏に来て、針金人形を持ち上げて少し見つめる
「どこかに紐を通せそうな隙間、無いかな~?」
針金だから結構隙間はあるでしょと思ってたんだけど、かなりギチキチに詰まってるな……
無理やり隙間を開けるか?
でも、そんなことして僕に呪いがかかっても嫌だなぁ……
針を使って通せる所が無いか調べてみよう
えっと……ここ、かな?
人形のおへそにならなんとか通せそうだ
……よし、針は通った
裁縫は苦手だけど、何とかなったみたいだ
じゃあこれから何個か繋げて……っと
よし、これで三個分は着けることができた
後はこれをコンビニの前にでも吊るしておこう
餌になってくれることを願って、自動ドアのセンサーの範囲外に針金人形の串を吊るす
「よし。これでOK」
そう言って、自動ドアを通ってコンビニの中に帰っていく
後は待つだけ、釣りと一緒だ
それまでは漫画の立ち読みでもして時間を潰しておこう
「……何してたの?」
帰ると、丁度弘岡に出会った
この言葉からすると、僕のさっきの行動を見ていたようだ
「まあ……撒き餌をちょっと仕掛けてた、かな?」
正直、ヒットするかどうかは賭けだけど
「まあ、勝手にすればいい」
……あれ?ちょっと不機嫌なのかな?
何でだ……?
「ねぇ……なんか怒らせること、したっけ?」
「いや。全然」
う~ん……全然思いつかないんだよな……
ま、別に良いか
ちょっと不穏ではあるけど、休憩時間を裂きたいほど心配なわけじゃないし
今は放っておいて、何か問題が起こったらその時に、どうにかしよう
「じゃあ、僕は戻っとくね。もしかしたらこの辺に『おおいさん』が来るかもしれないから、弘岡も早めに戻っといた方が良いと思うよ」
一応、忠告はしてから僕は雑誌のコーナーに向かって歩き始めた
弘岡の不機嫌そうな表情は中々治らなかった
(えっと……最新号は……これか)
ちなみに、この騒動が起こってすぐの頃は出版社も上手く行動できていなかったみたいだけど、最近はちゃんと復活してきてる
そのため、月刊誌はちゃんと月に一度発行されている
まあ、スキャンダルとかは今は誰も見てる暇がないからニュースしか載ってないんだけどね
だから大抵のものは見ててもつまらないんだけど、偶に現実に起こったとは思えないものもある
例えば、喧嘩が起こって公衆トイレの便器の投げ合いが行われ、便座が頭にぶつかって死亡した人の話とか
正直、一回くらいそういうのを見てみたいような気もする
今の時代に見逃したら、世間が落ち着いた後はもうそんなの見れないだろうし
……ちょっと探しに行ってみようかな?
いや……流石にそれもやめとこう
そもそも、こういう怪談の話だって普段じゃ絶対に体験できないことだし
今はそっちを楽しむとするか
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