人類戦線

さむほーん

文字の大きさ
114 / 220
怪奇編

第二十一話 共有

しおりを挟む
「あ、ああ……芳枝ちゃんね」

普通に歩いていると、芳枝ちゃんに出くわした

さっき暗号を入力して手に入れたを咄嗟に隠す

何となくだけど、このことを今のうちに他人にバラすのは良くないと思う

まあ、僕もまだ中身を解読出来ていないから何とも言えないんだけどさぁ……

「神やんもここに来てたんだね~。まあ、用事とかが有ったのかな?」

「うん、僕もやっておきたいことが有ったからね」

今のところ、芳枝ちゃんは僕のことを『よくわからない人』と思っている……筈だ

だから、こんな風によくわからない感を出しておけば多分気にしないで居てくれると思う

「ふ~ん……そうだ!ちょっとお願いが有るんだけどさぁ……」

「お断りします」

即答させてもらった

ただでさえ今は重要な時で、あんまり他のことに時間を割きたく無いのに、何を仕出かすか分からない芳枝ちゃんの望みを聞くわけにはいかない

「ええ~ちょっと話は聞いてよ~。一晩泊めてくれるだけで良いんだって~」

泊める?

「何で?自分の部屋、無かったっけ?」

確か、重要な人材だからだったか、割としっかりした個室が与えられていたはずだ

ちなみに、僕は基本的に『施設』に有る自分の部屋で過ごしている

何だかんだ言ってもあの場所が一番落ち着くんだよな……

「いや~……私の部屋って研究所の中にあるじゃ~ん?だから、たょっと今は使えなくって……」

あ、そっか

そういえば、芳枝ちゃんの部屋は研究室の中に有ったんだっけ?

確か、研究所って今侵攻の詳細を調べるために閉められてたような……

そういうことか

「自分で探してよ……」

そこ、僕に頼らないでくれないかな……

「ええ~でも、もう夕方だし、今から宿を探しに行くとか、無理だよ~」

う~ん……それもそうだけど……

かといって、急に来られても受け入れる準備とか、出来てないんだよなぁ……

僕はまあ、部屋とかにはあんまり物を置かないタイプだから散らかっては無いと思うけど、見られて困るものとかも有ったら大変だし……

「ちょっと考えさせて……」

僕の部屋、そんなにスペース有るかなぁ……

「良いけど~出来るだけ早く決めてね~」

「ああ、僕が了承しなかったら自分で探さないといけないんだね」

すると、芳枝ちゃんが不思議そうな顔をして答える

「いや……もう時間も遅いから、早く寝る準備とかしたいから……」

……あれ?もしかして、芳枝ちゃんの中では僕の部屋に泊まることは前提になってるの?

……まあ、別に良いか

特に困るわけでも無いし

「分かったよ。好きにすれば良いんじゃない?」

「ありがと~」

じゃあ、早速帰って部屋に変なものが無いかを確認しておかないとね

――――――――――――――――――――

「……よし、これで大丈夫かな?」

流石に僕の部屋に招くのは不味い気がしたから、孤児院の空いている部屋を一つ片付けて使ってもらうことにした

院長に聞くと、結構簡単に許してくれた

何でも、僕たちが数少ない高校生以上の入居者らしい

だから、場所を提供するだけなら簡単だそうだ

それに、こうやって人が来てくれるのは嬉しいみたいだ

まあ、最近は城崎も施設に帰って無いからね……

普段は『孤児院に人が居ないのは、子供たちがちゃんと親に世話されてる証拠』なんて言ってるけど、やっぱり寂しく思っているのかも知れない

表に行って、芳枝ちゃんを呼びに行こう

「準備出来たよ~」

「じゃあ~入るね~」

中に入って来て良いことを伝えると、すぐに返事が聞こえた

中に入って来るや否や、部屋の設備を褒め始める

「褒めても急に泊まったことによる評価の低下は戻らないからね」

ちょっとマシなことをすればその分評価が戻るとか、そんな美味しい話は無い

普通にダメなことはダメなんだ

「ゴメンって~。この分は後でいつか埋め合わせするから。ね?あ、何なら、明日にでも私の特性のお野菜、あげよっか?」

野菜かぁ……

「野菜って……あの変なやつでしょ?」

新種でも作っているのか、芳枝ちゃんが勧めてくる野菜は基本的に変なのしか無い

自律移動するものや、数秒で死んでは増殖するものなど、奇妙なほどバリエーションが豊富なんだよ

「変なって……みんな普通に可愛いじゃんそんなに酷いこと言う程変なの、いないでしょ?」

あ、感性が違うのか

世間一般では僕の感性の方が普通だ……と、信じたいね

多分、それで大丈夫な筈だ

「まあ、謝礼については後々考えるってことで……取り敢えず今は寝る準備とかしたほうが良いんじゃない?」

「そうだね~。じゃあ~一旦部屋から離れててね~」

――――――――――――――――――――

自分の部屋に戻って、手に入れたデータを印刷した物を見てみる

「信仰人数に応じて変化し……発生には相当厳しい条件が見られると考えられる……これ、城崎に報告したほうが良いのかな?」

一応、今回は僕が勝手に動いただけだから、報告する必要は無いと言えば無いんだけど……

見た感じ、かなり重要な情報が書かれているからな……

やっぱり報告しよう

ここで言わなかったことが原因となって後々面倒な事態になっても大変だしね

そう思って城崎に電話をかける

すると、すぐに答えてくれた

「何だ?何か異常でも有ったのか?」

「うん。自分で調べてて分かったこと何だけど……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...