116 / 220
怪奇編
第二十三話 疑念
しおりを挟む
「思っていたより遅かったな」
「仕方無いでしょ?バスが全然無いんだからさ」
そもそも話してからそんなにすぐに着く訳が無いでしょ
やっぱり、今日の城崎はどこか変な感じがする
「まあ、構わない。それよりも、今すぐ話を始めるぞ。資料を出せ」
歩いて、生徒会室に着くや否や、城崎はそう話し始めた
「そんなに焦らないでって……ちゃんと有るんだから」
そう言って、僕はリュックから紙束を取り出す
ここにさっき官邸で手に入れた文書が入っている
「……今ここで開けた方が良いかな?」
今開けるとどこかで見られるかもしれないから、一応城崎の意志を確認する
「いや、その文書だけ渡してくれ。……原本なんだよな?」
「うん。これ以外に文書が無ければね」
さらに、僕が手に入れたこれが原本であることも前提になっているけど……
こういう機密文書は変なところから外にバレたりしないよう、コピーはそこまで沢山作らないと思う
「……なるほど、分かった」
そう言って、城崎は紙束を受け取った
「他に何か、連絡すべきことは有るか?」
暫く考えるが、特に思いつかない
「いや、大丈夫」
「分かった。じゃあな」
そう言って、城崎は学校の中に帰っていった
「……あ、久しぶりに院の方に行こうって言うの、忘れてた……」
最近、城崎もあんまり孤児院の方に来てくれなくなったからね……
院長がちょっと寂しそうにしていたのは、その辺も関わっていると思う
城崎のこと、僕の目から見ても明らかに可愛がってたからね
孤児院の院長としてはあんまり一人にばっかり目をかけるのもどうかとは思うけど
ま、どちらにしろ誘えなかったから関係無いんだけどね
「けど、この機会を逃したら次が何時になるか分からないんだよね……」
ただでさえ城崎はやることが多いのに、最近はそれに輪をかけて忙しそうだ
だから、あんまり気軽に誘ったり出来ない
まあ、良っか
今はやることが多いだけで、いつかまた三人で……
「……ああ、三人は無理なのか」
すっかり忘れてた
――――――――――――――――――――
「なるほど……つまり、政府……というよりは官邸の調査期間は事前にこのことを知っていた訳だ」
だが、だとしたら気になることがある
ここには、人の信じたものが具現化する現象について書かれている
恐らく、怪異が発生しているのも噂という形で人に信じられているからなのだろう
しかし、一つ説明のつかないことがある
あまりにも急激過ぎる
少なくとも俺の知る範囲では、装備が降ってくる前はそのようなことは起こっていなかった
何か他にも原因があると考えられるんだが……
「装備が降ってきたことによる変化……何か有るのか?」
もう一度詳しく調べてみるか
「確か、この辺りに……」
見つけた
必要になるかもしれないと思って用意させておいた個々人の人格分析と装備の関係性を纏めたものだ
他にも、持ち主の社会的な地位と装備にも何か関係があるのではないかと思い、調べさせてある
それは別の場所にあるから、今は人格分析の方だけ見ておく
これによると……なるほど
――――――――――――――――――――
帰り道、バスに乗っているけど、やっぱり乗客は僕以外居ない
……ちょっと寂しいな
せめて、もう一人くらい居ないものなのかな……?
まあ、人が居ても別に話す訳じゃあ無いけど
「はぁ……」
運転手しか居ないから、盛大にため息をつくことが出来るね
でもまぁ、取り敢えず本来の目的は達成できたんだし、良しとしよう
「それにしても、あの文書の中身、かなり強烈なことが書いてあったな……」
政治においては、決算の偽装とかよりも大事になりそうなんだけど……
いや、でもこんな状況になる前だったら、あれは只の厨二病患者の落書きと一緒か
こんな世の中になって、怪異の存在が有り得るっていうことが分かってから初めて意味のあるものになるんだし
それはそうと、これからどうしよう?
今日はもうやることが無くなっちゃったから、暇になった
一旦院に戻るか?
でも、戻っても特にやることが無いから暇なまんまだし……
あ、そうだ
「これについて話すのも忘れてた……」
ポケットから破片を取り出す
これがなんの破片かは分からないから、今のうちに調べておきたいなぁ……
よし、じゃあ次は研究所の方に行こう
研究所とは言っても、前まで芳枝ちゃんが居たところとは別だ
千尋さんがいる方だ
あっちなら、確か色々と装備に関する研究もしていた筈だ
元々は再生医療とかの研究をする場所だったけど、混乱期に装備について調べる設備を作ってそれで研究していたらしいから、今は両方の研究をやっているんだって
だから、僕の知る限りでは唯一の装備研究所だ
そこに持っていくというのが今のところは一番の解決策に思える
じゃあ、研究所は……こっちか
今のところはこのバスで大丈夫そうかな?
途中で乗り換えないといけないみたいだけど
研究所に着くまでには言いたいことを纒めておかないと……
まずは、この破片が装備なのかどうかを調べてもらおう
それから、他のところから落とし物として似たようなものが届けられていないかを聞いてみよう
後者の用事は研究所じゃなくて公的機関に行った方が良いのかな?
「よし、方針は決まったかな?」
「仕方無いでしょ?バスが全然無いんだからさ」
そもそも話してからそんなにすぐに着く訳が無いでしょ
やっぱり、今日の城崎はどこか変な感じがする
「まあ、構わない。それよりも、今すぐ話を始めるぞ。資料を出せ」
歩いて、生徒会室に着くや否や、城崎はそう話し始めた
「そんなに焦らないでって……ちゃんと有るんだから」
そう言って、僕はリュックから紙束を取り出す
ここにさっき官邸で手に入れた文書が入っている
「……今ここで開けた方が良いかな?」
今開けるとどこかで見られるかもしれないから、一応城崎の意志を確認する
「いや、その文書だけ渡してくれ。……原本なんだよな?」
「うん。これ以外に文書が無ければね」
さらに、僕が手に入れたこれが原本であることも前提になっているけど……
こういう機密文書は変なところから外にバレたりしないよう、コピーはそこまで沢山作らないと思う
「……なるほど、分かった」
そう言って、城崎は紙束を受け取った
「他に何か、連絡すべきことは有るか?」
暫く考えるが、特に思いつかない
「いや、大丈夫」
「分かった。じゃあな」
そう言って、城崎は学校の中に帰っていった
「……あ、久しぶりに院の方に行こうって言うの、忘れてた……」
最近、城崎もあんまり孤児院の方に来てくれなくなったからね……
院長がちょっと寂しそうにしていたのは、その辺も関わっていると思う
城崎のこと、僕の目から見ても明らかに可愛がってたからね
孤児院の院長としてはあんまり一人にばっかり目をかけるのもどうかとは思うけど
ま、どちらにしろ誘えなかったから関係無いんだけどね
「けど、この機会を逃したら次が何時になるか分からないんだよね……」
ただでさえ城崎はやることが多いのに、最近はそれに輪をかけて忙しそうだ
だから、あんまり気軽に誘ったり出来ない
まあ、良っか
今はやることが多いだけで、いつかまた三人で……
「……ああ、三人は無理なのか」
すっかり忘れてた
――――――――――――――――――――
「なるほど……つまり、政府……というよりは官邸の調査期間は事前にこのことを知っていた訳だ」
だが、だとしたら気になることがある
ここには、人の信じたものが具現化する現象について書かれている
恐らく、怪異が発生しているのも噂という形で人に信じられているからなのだろう
しかし、一つ説明のつかないことがある
あまりにも急激過ぎる
少なくとも俺の知る範囲では、装備が降ってくる前はそのようなことは起こっていなかった
何か他にも原因があると考えられるんだが……
「装備が降ってきたことによる変化……何か有るのか?」
もう一度詳しく調べてみるか
「確か、この辺りに……」
見つけた
必要になるかもしれないと思って用意させておいた個々人の人格分析と装備の関係性を纏めたものだ
他にも、持ち主の社会的な地位と装備にも何か関係があるのではないかと思い、調べさせてある
それは別の場所にあるから、今は人格分析の方だけ見ておく
これによると……なるほど
――――――――――――――――――――
帰り道、バスに乗っているけど、やっぱり乗客は僕以外居ない
……ちょっと寂しいな
せめて、もう一人くらい居ないものなのかな……?
まあ、人が居ても別に話す訳じゃあ無いけど
「はぁ……」
運転手しか居ないから、盛大にため息をつくことが出来るね
でもまぁ、取り敢えず本来の目的は達成できたんだし、良しとしよう
「それにしても、あの文書の中身、かなり強烈なことが書いてあったな……」
政治においては、決算の偽装とかよりも大事になりそうなんだけど……
いや、でもこんな状況になる前だったら、あれは只の厨二病患者の落書きと一緒か
こんな世の中になって、怪異の存在が有り得るっていうことが分かってから初めて意味のあるものになるんだし
それはそうと、これからどうしよう?
今日はもうやることが無くなっちゃったから、暇になった
一旦院に戻るか?
でも、戻っても特にやることが無いから暇なまんまだし……
あ、そうだ
「これについて話すのも忘れてた……」
ポケットから破片を取り出す
これがなんの破片かは分からないから、今のうちに調べておきたいなぁ……
よし、じゃあ次は研究所の方に行こう
研究所とは言っても、前まで芳枝ちゃんが居たところとは別だ
千尋さんがいる方だ
あっちなら、確か色々と装備に関する研究もしていた筈だ
元々は再生医療とかの研究をする場所だったけど、混乱期に装備について調べる設備を作ってそれで研究していたらしいから、今は両方の研究をやっているんだって
だから、僕の知る限りでは唯一の装備研究所だ
そこに持っていくというのが今のところは一番の解決策に思える
じゃあ、研究所は……こっちか
今のところはこのバスで大丈夫そうかな?
途中で乗り換えないといけないみたいだけど
研究所に着くまでには言いたいことを纒めておかないと……
まずは、この破片が装備なのかどうかを調べてもらおう
それから、他のところから落とし物として似たようなものが届けられていないかを聞いてみよう
後者の用事は研究所じゃなくて公的機関に行った方が良いのかな?
「よし、方針は決まったかな?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる