人類戦線

さむほーん

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怪奇編

第二十九話 出生

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「ただいまー」

ドアを開けると、目の前には……えっと、その……篠原さん!が居た

「どうも~お邪魔してま~す」

何で居るんだろう……?

「あの……どうしてここに?」

この人、別に孤児院に入っていたわけじゃあ無いよね?

というか、そもそも幽閉されていたような……

「何かねぇ……僕のことはここで監視することに決まったらしい。前の戦いの時の活躍が効いたね」

監視するのかぁ……

でも、孤児院とはまた変な場所を選んだな……

もしかしたら、それだけこの院を信用しているっていうことなのかもしれない

「それって、城崎の指示なんですか?」

というか、孤児でも無い人を引き取ったんだ……

あんまり院長ってそういうことするイメージ無かったんだけどな……

「うん。何かよく分からないけど、そうみたい。あ、その院長が来たみたいだよ」

え?……そうか……

「……賢。お前、どういう検査を受けた?」

「ただいま……えっと、無断で外に泊まってごめんなさい。それで、受けた検査は……血液と、後は何か代謝?に関するやつと、免疫に関するもので全部のはず」

「そうか……」

院長は黙り込んだ

「あのさ……院長。僕、どうやら肉体がらしいんだけど、何か知らない?」

直球で聞くことは出来なかった

だって、何年も育ててもらった相手だ

いきなり『僕の身体に改造処置とかした?』なんて聞けない

「まあ、話すと長くなるからな……ここには部外者も居ることだし、場所を変えよう」

――――――――――――――――――――

院長室のソファに座る

「今から話すことは、多分だが聖はもう勘付いている。まあ、後であいつにも話すがな……」

お茶を入れながら院長はそう言った

「どこから言うべきか……まあ、まずはお前を拾ってすぐの頃だな」

「それってたしか、赤ちゃんポストに入れられた時のこと?」

「ああ、そうだ」

僕が今まで聞いていた話では、僕は赤ちゃんポストに元親不明で入れられていたらしい

城崎や、石上梁も同じらしい

「お前がポストに入れられていたのは事実だ。だが、少し言っていなかった事がある」

言っていなかったこと……

それが僕の秘密に関わること……なのかな?

「お前の親だが……実は判明している。俺がお前を受け取ってから数日後に返してもらいに来ていた」

その時のことを語り始めた

――――――――――――――――――――

「不味いな……もうしちまったじゃねぇか……今更取りに来んなよ……」

俺は突如発生した事態に対して対応策を捻り出している

せっかく手に入れた後継候補を手放す訳にはいかない

「白を切ったところでDNA鑑定でもされればすぐにバレる……なら」

もうを先に始めてDNA鑑定を誤魔化すしか……

よし、それをやるか

「じゃあ、まずは組み換えを行える技術者と作業後に保護が可能な病院に金を握らせないとな……」

そう考えて、俺は早速買収できそうな医師が居る病院を探し始めた

――――――――――――――――――――

そこまで聞いて、僕は一旦止まる

「ちょっと待って……僕の肉体を変えた理由はちょっと分かるとして……後継って何?何の後継なの?そして、誰の?」

疑問を思わず一気にぶつけてしまったけど、気になることは早めに聞いておきたい

「ああ、それも言っておかねぇとな。そもそも、俺がどういう資金でこの院を運営していたか、知ってるか?」

資金……

そういえば、院長は僕たちからお金を取っていない

そもそも孤児院だから親から支援を受けるとかでは無いだろうし……

あれ?資金の出所が分からない……

院長のポケットマネーにしては多すぎる気もするし

「実はな……俺、ちょっとした財閥の分家……の更に末端なんだよ」

財閥?

初めて聞いた……

「でも、分家の更に末端とかなら、財閥の後継者なんて特に関係無いんじゃないの?」

本家筋なら次の当主とかあるんだろうけど

「ああ、俺もそのつもりで、一族の一員としての自分の役割を果たした後は、ちょっとした会社の経営で小銭を稼ぎながらその金で孤児院を運営しながら余生を過ごすつもりだったんだ」

つもりだった……

「何が有ったの?」

「本家筋の後継者候補が揃って行方をくらました。完全に想定外だったぞ。そのせいで俺達分家の奴らが後継を探さなけりゃいけない事態になっちまった」

え?失踪?

そんなことも有るんだ……

「それで、後継の候補として僕を改造したっていうのは何となく分かったけど、結局後継は誰にしたの?それとも、院長のところからは選ばれなかったの?」

あと、僕を改造した経緯もまだはっきり聞けていない

そのあたりも詳しく話してもらわないと

そのことを伝えると院長はまた語り始めた

「後継に関しては、今最有力候補が居る。お前も知っている筈だぞ」

僕も知っている相手……

「それって、もしかして……」

答えた

「ああ、お前を拾ってからすぐに拾った子、城崎聖だ」

――――――――――――――――――――

……誰かに噂されたような感覚が有るな

まあ、単に気にしすぎているだけだろうが

「それより、についての報告書を纏めるか」

まあ、誰かに提出するという訳でもなく、自分で読みやすいように纒めるだけだがな

俺は、かなり判明してきている失踪の真実の最有力候補をまとめ始めた
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