人類戦線

さむほーん

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怪奇編

第三十ー話 身の振り

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「……って訳だ。もう賢明に言ったことも混じってはいるがな。何か聞きたいことは有るか?」

院長から聞いたことは俺が薄々勘付いていたことと一致していた

しかし、一つだけまだはっきりさせていない事が有る

「でしたら、一つ聞かせて貰います。あの日のの出来事はその妨害工作が原因ですか?」

そこをはっきりさせておかないと、俺は次に進めないと思う

「……少なくとも、俺の確認した範囲の工作じゃあ無い。もちろん、俺の知らないところでそういう工作を受けていたのなら話は別だがな」

……現状では確認できない……か

ため息をつく

(結局まだはっきりしない……のか)

まだ俺はあの日から進めないという訳か

まあ、仕方無い

こうなれは、真実が分からなくとも進んでいくしか無いな

そうやっていく内に、もしかしたら真実も見つかるかもしれない

「じゃあ、聞きたいことは聞けましたので、これで失礼させて頂きます」

「……なんというか、距離、遠くなったよなぁ……」

ん?

ああ、敬語の話か

「いえ、このくらいなら当然でしょう」

少し雰囲気の変わった院長を後にして俺は部屋から去った

――――――――――――――――――

「もしもし、城崎?ちょっと話したいことが有るんだけど」

城崎に電話をかけると出てくれた

「何だ?俺達の過去についてか?」

お、やっぱり何となく何を話すのかはわかってたみたいだね

「うん。直接会って話したいんだけど、良いかな?」

そう言うと、了承を取れたので、予定の場所に向かった

――――――――――――――――――――

「あ。城崎、こっち」

俺が神柱を見つけるのとほぼ同時にあいつも俺のことを見つけた

「よし、場所を変えるぞ」

そうして、僕たちは個室制のネットカフェに入った

「……ネカフェで良いの?」

「ああ。設備の整ったところだと、監視カメラの性能が良いからな。そういうところでは却って密談などの中身がバレる可能性が高まるからな」

ん?でも、それって……

「けど、流石にもうちょっとプライバシーとかがちゃんとしているお店の方が良いんじゃ無い?」

そう聞いてみると、城崎はこう答える

「いや、ある程度プライバシーを保護する店であっても情報が記録されていれば結局そこからバレる。というのが最優先だ」

う~ん……いまいち納得出来ないけど……

まあ、そう言えば……そう、なのかな?

そうして、ネカフェの個室に入る

すると、城崎は早速話し始めた

「取り敢えず、お互いに聞いている話については飛ばしても構わないか?」

お互いに聞いている話が何なのかは分からないけど、不明な所があればその都度聞いていけば良いか

「うん。大丈夫」

早速、話し始めた

「まずは、院長の言っていた他の後継者について、だ」

僕たち……というよりは、城崎以外の後継者候補の話だね

「その人たちについて情報を集めよう、つて話?」

だとしたら、わざわざこんな所で話す必要は無いんじゃ……

「いや、情報は少しではあるが集めてある」

え?もう集めてるの?!

いや……確かに城崎はこのことにある程度勘付いていたらしいから、元から情報を集めてあったのかな?

だとしても、随分と行動が早いような気がするんだけど……

「それで、どういう情報が集まったの?」

「ああ、候補が二十四人確認できたんだが……そのうち十六人が死亡、四人の行方が分からなくなっていた」

え……そんなに……

「ところで、その二十四人には僕たちは含まれているの?」

「いや、俺達以外で二十四人でだ俺たちも含めると……になるか」

……そうだね

「でも、それだけ死者が多いって……抗争でも有ったの?」

普通はそんなに死なないから妨害工作ってことなんだろうけど

それにしたって死者が多すぎる

三分の二って……

「いや……そこは情報が手に入らなかった。隠されているとしたらかなり上手い隠し方だろうな」

隠された?それだけの死者が出たのに?

もしかして……抗争の規模が余りにも大きすぎて警察が捜査しきれないから隠した、とか?

いやいや……流石にそれは無い……よね?

その規模の抗争を行えるような財閥に一時とはいえ狙われていた僕たちは大丈夫なのだろうか?

う~ん……まあ、気にしないでおこう

考えると気が滅入りそうだ

今は僕たちの今後について考える時間だからね

「それじゃあ、僕たちはこれからどうするの?その財閥からは距離を取った方が良い?」

「いや……どうだろうな。向こうは四国の辺りを中心に根を張っているようだから、機会が有れば協力を取り付けれると良いんだが……」

そこで、城崎は少し黙る

「前の政権が持っていた財閥関連のパイプが俺たちには一切無い。そもそも一切関係の無い人間を送り出して話を聞いてもらえるかどうか……」

一切関係の無い人間?

「いや……元後継候補は関係者でしょ。まあ、変に触るとしそうって理由で話を聞いてくれるかどうかは分からないけど」

すると、城崎は少し不思議そうな顔をしてから、すぐに納得したような顔になる

「ちょっと待て、一度俺とお前の持っている情報を確認するぞ。まず、俺たちは引き取られる際に前の親が分からないように遺伝子の調整を受けた。そして、年が経ってから財閥にバレないようにもう一度遺伝子を編集した」

「……え?」
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