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人類戦線編
第十七話 戦端
しおりを挟む反射的に横に飛んで撃ち出された銃弾を避ける
(……?!どういうことですか?!)
相手は先程まで司令部に居た人間のはず……
まさか、最初から裏切っていたとでも……
「出来れば捕獲して尋問しましょう!最悪殺す事態になっても構いませんが……」
「ああ、そうだな」
短い文でやり取りをした後、すぐに相手の拘束に向けて行動する
相手が弾を入れ替えてこちらに銃口を向けるが、その頃には我々はその先には居ない
そして、ナイフを取り出して相手の首元に持って行く
(よし、ここで一旦脅しをかけて……)
「馬鹿!よせ!」
次の瞬間、そいつは私に向かって頭突きをしてきた
(?!)
驚いて、少し仰け反りながら避ける
「ありえない……」
まさかあいつ……恐怖心が全く無いとでも……?
いや、それは生物として有り得ないはず……
「どういう訳かは分からないが、あいつは何者かに操られているらしい」
それであんな行動を……
「その精神操作は解けそうなんですか?」
「まあ、厳しいと思うな」
やっぱり……
「じゃあ、殺すしかないんでしょうか……?」
「まあ、そうなる」
その言葉を聞いて、私は覚悟を決めた
元々軍に入った時点で、時と状況によっては自分の同僚を見捨てることもあるだろうとは思っていた
例えば、その同僚が捕虜として取引材料に使われており、相手の出す条件を飲むと自国民が重大な危険に晒される時
例えば、基地が敵軍に制圧されて早く基地を破壊しないとその中にある兵器を使って周囲に甚大な被害を与えかねない時
そういった時に味方、もしくは同期や同僚を見すてる覚悟はできていた
しかし、最初に来てしまったのがその味方を自分で殺す瞬間だとは……
「仕方ありませんね」
そう言って目の前の相手に向け発砲する
しかし、この相手は相当速いらしくその銃弾も避けられた
だが、それで終わりな訳がない
相手が移動した先にはもう一人の味方がいた
そして、その味方が相手の首に向かって銃本体を直接ぶつけた
ゴキリ、と鈍いながらもどこか軽快な音が鳴る
その音がした直後、相手は糸が切れたように倒れる
訳では無かった
(どういう事だ?!)
例え何かに精神を操作されていようとも、首が折れれば脳から身体に司令を出すことが出来なくなり、身体を動かすことも不可能になる筈だ
「……まさか、死体を人では無く物として操っているのか?」
死体……?
「それをする者が、居るんですか?」
いくら何でも、命に対して敬意が、無さすぎる
「少なくとも、俺達が相手しているのはそういうやつのようだな。気を付けろ。この手の輩は俺達の想像の外側にある手段で攻撃してくる。常に想定外の事態が起こると思っておけ」
「……分かりました」
正直、コレを行った相手に色々と言いたいことはある
けど、今はそんなことを考えている暇はない
相手は生前はプロの軍人だったんだから、余計なことを考えていたらその間にこちらが倒されてしまう
今は集中しよう
そして、一瞬静かな時間があり
三人が一斉に動き出した
――――――――――――――――――――――――
まず、先程まで操られていた壮年の男が一番近くにいる女に向けて蹴りを繰り出す
その間にもう一人の男が壮年の男にの目に向けて土を蹴り上げた
(相手が何を使ってこちらの状況を把握しているのかは分からないが、視界を利用しているのだとしたら少しは妨害になるはず……)
しかし、相手の動きが鈍る様子は無い
むしろ、先程よりもスピードが上がっていた
(ハズレか……)
その後、異変に気が付く
(おかしい……こいつの肉体の限界を考えるともうそろそろ動きが鈍ってもおかしく無いはずだ)
ここまで損傷が激しいと、物理的な理由で動きが鈍るはずなんだが……
(それを度外視して無理に動かしている……つまり、残り時間が少ない、ということか?)
いや、今までは時間を稼いでいたが、もうそうする必要が無くなったという可能性も有るか……
「気を付けろ。あくまで予想だが、これから本命が来る可能性がある」
もう一人の女に近寄って考えを伝える
「本命……もしかして、この攻撃が陽動だとでも?」
陽動か……
「勿論その可能性もあるが、俺が考えているのは違う。恐らくだが、相手はこの死体を通してこちらの様子を把握している。最初にこいつを斥候として送り込んだ可能性が高いと思うぞ」
そして、斥候だということは、本隊が存在するということだ
「来たぞ」
自分たちの後ろの方に気配を感じ、振り向く
そこには、黒髪黒目の青年が立っていた
――――――――――――――――――――――――
「チッ……これも使えないか」
壊れた機械を前に俺はそうボヤいた
大量の燃料を犠牲にして手に入れた結果がコレとは、報われないな
「しかし、何故ロシア兵がこんな所に……」
赤青白の三色の縞模様をした旗を見つめながら俺は考察する
俺は日本から中国の上空を通る航路でイスラエルに行こうとした
そうなると、ここは東シナ海にあるどこかの島である可能性が高い
そんなところにロシア軍が居るはず無いんだが……
「ん?反応が……」
島内の一箇所で戦闘が始まった
もしかすると先程向かわせた奴が暴れているのかもな
ということは誰か人が居るはずだ
「少し見に行くとするか」
俺は司令室を後にした
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