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寮に帰った私はエマに泣きついた。
エマは私の話を聞き、落ち着けとお茶私の前に置いた。
「お嬢様。お嬢様にとっては大変残念なことですが、平民になることはもう諦めてください。王妃様まで出てこられたらもうどうしようもありません。人生諦めも大切ですよ?」
諦めたくないのー!!
でも分かってるんだ…もう逃げ道がない事を…。
クッションを殴る私からクッションを取り上げたエマは話を続けた。
エマめ…他人事だと思って…。
「さて、平民になれないのは確定しましたが、まだ道は選べます。そして大切な事なので確認しますが、お嬢様が平民になりたいと言ったのは家から逃げたいからでしたよね?そして没落すると思い込み、平民として生きていけるようにと…。王妃様のご提案に乗ればお嬢様の1番の望みであるカルサイト家から離れる事ができるんですよね?ならば喜んで乗ってはいかがですか?いえ、乗るしかないのですが…。あと私から1つ言わせて貰うとお嬢様は確かにメイドとしてもやっていけるでしょう。しかしお嬢様の身についたその気品のある仕草は平民にはありません。街の皆様は私と姉妹だと言うことを信じていませんよ?平民と関わるのが好きな貴族のお嬢様と思っているでしょうね。」
「嘘!?完璧な平民に変装出来ていると思ったのに!?」
「お嬢様成績はいいのですが、その辺は本当に残念ですよね…。確かに焼き鳥を20本近く毎回歩きながら食べたりする貴族なんていませんね…お嬢様を除いては…でも食べ方や歩き方が美しすぎるんです。もうバレバレです。まぁ、街の皆様はそんなお嬢様を慕って下さっているのですから、それは良しとしてどうされますか?」
「うぅ…見破れるなんて…。どうするって養子や婚約者の事?」
「はい、そうです。婚約者の方はまだ相手からのアタックがないので見守るとして、私は養子に入った方がいいのではないかと思います。」
「養子に?」
「はい。お嬢様の話を聞くと結婚等はお嬢様の好きなようにしていいと仰っているのですよね?ならば養子に入ってからゆっくり婚約者を探すのも手かと…。王妃様がカルサイト家を止めておいて下さると言っておられるようですが、キャロットお嬢様の婚約者を押し付けられる可能性が高くなってきております。ここはさっさと逃げるのが良いかと…。養子に入ってしまえば、今溜め込んでいるお金は自由に使えるようになります。そのお金でドレス工房を作られてもいいのではないですか?まぁ、養子先が許可をしてくださればの話ですが…。王妃様から紹介されたこの公爵家は悪い噂を聞いません。試しに1度面会に行かれてはいかがですか?」
「そうだね…1回会ってみないと話は始まらないよね…。よし!手紙を書くから発送お願いできる?会ってみてから養子については決める事にする!平民のフリして食べ歩きが趣味だって事も伝えてそれでもいいのかを確認する!あと工房の事とかも!今ウジウジしてても仕方がないよね。今日は寝て明日以降に真剣に考える!」
アンリは立ち上がり便箋を手に公爵家に1度会ってみたいと手紙を出した。
平民になれないのは本当に残念だけど…本当に残念だけど…今は家との縁切りが1番の問題だ!
いや、平民になりたかったんですけどね…。
人生何が起こるか分からないね…。
エマは私の話を聞き、落ち着けとお茶私の前に置いた。
「お嬢様。お嬢様にとっては大変残念なことですが、平民になることはもう諦めてください。王妃様まで出てこられたらもうどうしようもありません。人生諦めも大切ですよ?」
諦めたくないのー!!
でも分かってるんだ…もう逃げ道がない事を…。
クッションを殴る私からクッションを取り上げたエマは話を続けた。
エマめ…他人事だと思って…。
「さて、平民になれないのは確定しましたが、まだ道は選べます。そして大切な事なので確認しますが、お嬢様が平民になりたいと言ったのは家から逃げたいからでしたよね?そして没落すると思い込み、平民として生きていけるようにと…。王妃様のご提案に乗ればお嬢様の1番の望みであるカルサイト家から離れる事ができるんですよね?ならば喜んで乗ってはいかがですか?いえ、乗るしかないのですが…。あと私から1つ言わせて貰うとお嬢様は確かにメイドとしてもやっていけるでしょう。しかしお嬢様の身についたその気品のある仕草は平民にはありません。街の皆様は私と姉妹だと言うことを信じていませんよ?平民と関わるのが好きな貴族のお嬢様と思っているでしょうね。」
「嘘!?完璧な平民に変装出来ていると思ったのに!?」
「お嬢様成績はいいのですが、その辺は本当に残念ですよね…。確かに焼き鳥を20本近く毎回歩きながら食べたりする貴族なんていませんね…お嬢様を除いては…でも食べ方や歩き方が美しすぎるんです。もうバレバレです。まぁ、街の皆様はそんなお嬢様を慕って下さっているのですから、それは良しとしてどうされますか?」
「うぅ…見破れるなんて…。どうするって養子や婚約者の事?」
「はい、そうです。婚約者の方はまだ相手からのアタックがないので見守るとして、私は養子に入った方がいいのではないかと思います。」
「養子に?」
「はい。お嬢様の話を聞くと結婚等はお嬢様の好きなようにしていいと仰っているのですよね?ならば養子に入ってからゆっくり婚約者を探すのも手かと…。王妃様がカルサイト家を止めておいて下さると言っておられるようですが、キャロットお嬢様の婚約者を押し付けられる可能性が高くなってきております。ここはさっさと逃げるのが良いかと…。養子に入ってしまえば、今溜め込んでいるお金は自由に使えるようになります。そのお金でドレス工房を作られてもいいのではないですか?まぁ、養子先が許可をしてくださればの話ですが…。王妃様から紹介されたこの公爵家は悪い噂を聞いません。試しに1度面会に行かれてはいかがですか?」
「そうだね…1回会ってみないと話は始まらないよね…。よし!手紙を書くから発送お願いできる?会ってみてから養子については決める事にする!平民のフリして食べ歩きが趣味だって事も伝えてそれでもいいのかを確認する!あと工房の事とかも!今ウジウジしてても仕方がないよね。今日は寝て明日以降に真剣に考える!」
アンリは立ち上がり便箋を手に公爵家に1度会ってみたいと手紙を出した。
平民になれないのは本当に残念だけど…本当に残念だけど…今は家との縁切りが1番の問題だ!
いや、平民になりたかったんですけどね…。
人生何が起こるか分からないね…。
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