【完結】確かにモブ…私モブのはずなんです!

水江 蓮

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「ミュリエル!そっちに一体いった!取りこぼした!」

「いいよ~!これぐらい余裕!」

そう言って私は氷魔法を魔物に向かい放った。
私の魔法で倒されたミノタウロスはドロップ品を落とし消えた。

「やった!ミノタウロスの肉だ!今日の夕飯はミノタウロスの肉だ!」

私がミノタウロスの肉を手に喜んでいるとライナーが呆れた顔をしながらこっちにやってきた。

「ミュリエルが肉を欲しがるせいか肉しかドロップしなくなっちまったじゃねぇか…まぁ、美味いからいいんだけどな。」

「そうそう!しかも処理済みの肉がドロップするんだよ?これって楽だよね~。さて、今日は何を作って食べる?」

「ミュリエル最近元気がないように見えたから心配してたけど…この様子じゃ大丈夫そうね?」

そう言ってキャロラインに頭を撫ぜられた。

キャロラインにまで心配かけていたとは!!
本当に申し訳ない。
私の心が弱いばっかりに…。

ダンジョンの中はいい。
だってドラノーラ男爵令嬢を見なくてすむんだもの。
ジンは私の傍にいていつもの笑顔を向けてくれる。

私の願いはジンと幸せになること。
それだけは譲れない。

私は気合いを入れ直し皆に向かって謝罪した。
頭を下げる私をジンは優しく抱きしめた。

「ミュリエルはいつも一人で頑張ってしまうから心配だよ。俺はそんなに頼りにならない?もう少し頼って欲しい。まぁ、頼れる男に俺がならなきゃいけないんだけどな!」

「ううん!ジンは頼れる男だよ!私本当に頼りにしているもん!ただ…ちょっと色々考えてちゃって…疲れてただけ!もうこんなに元気だよ!」

そう言って私はジンの腕の中からジンを見上げた。
そんな私を見てジンは額にキスを落とした。
その後私の頬の辺りで頭をグリグリと押し付けながら、

「ミュリエルは直ぐに無理するからな~。今は詳しくは聞かない。でも本当に困ったら絶対に相談してくること!いいね?」

そう小声で呟いた。
耳元で囁かれた事もあり真っ赤になって固まっていると、ディメルクによってジンが私から剥がされた。

「イチャイチャするのはせめてセーフティゾーンでして。それよりご飯…今日はすき焼き食べたい…。」

そう言うとディメルクは器用に自分のお腹を鳴らした。
そんなディメルクを見て私は声を出して笑ってしまった。

大丈夫だ。
この班にいる限り私は笑える。

こんなに心強い仲間は他にはいない。

この行事が終わってもきっと大丈夫。

私は前を向いて進むだけだ。
ジンとの未来を決して手放さなければいいだけだ。

私は胸の前でギュッと手を握るのだった。
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