俺と猫

Sigre

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夏の日のこと

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「今日も今日とて暑っついな~」

自宅の縁側で横になりながらつぶやく。
暑いなら中へ入ればいいのに…なんて誰もが思うことだろう。

「にゃ~」

「んだよ、お前までそんなこと言うのか~?」

勝手に庭に入って来て我が物顔で寝転ぶ野良猫と会話を試みる。

「…」

「…無視かよ、はぁ~退屈だな~」

本当なら今頃夏祭りに出かけてたのに!昨日あんなことが無ければ!!!
そんなことを思ったってもう遅い。きっかけは些細なことだった。

「ねぇ!来週の土曜日なんだけど、隣町で夏祭りがあるんだって!一緒に行かない??」

「あー、ごめん、俺その日仕事だわ。」

「え~、いっつも仕事じゃん!!行こーよー!」

「ごめんて…」

「…そっか…、わかった。」

普段夜勤が多く彼女との予定を合わせるのが難しい。いつも悲しい思いをさせてしまっていたからほんの少しサプライズがしたかった。
ほら、ジェットコースターとか上げて下げてで盛り上がるじゃん?そんな感じで一旦理ってから休み取れたから行こ!!って言おうと思ったのに、思ってたのに…



「はぁ…」

「にゃ~ぁ(欠伸)」

「はぁ…」

日陰でのびのびとくつろいでいる猫を見ながらため息をつく。
するともう1匹白い猫がやってきて一緒にくつろぎ始めた。

「にゃ」

「みゃぁう」

「にゃ~」

ぐぅるるるるる~

匂いを嗅いだ後に白い猫のそばに寄り寝始めた。

「おいおい、お前にはムリだよ!その子はレベルが高すぎるぞw」

なんて、笑いながら見ていた。
しばらくすると、白い猫が起き上がった。

「お?どっか行くのか?今日は暑いぞ~」

「みゃぁう…」

「にゃ~」

「え?マジか?お前たちいまさっきあったばっかで……!!」

白い猫が家の塀に登り、俺らを見下ろしている。すると、

「にゃ~」

すました顔でこちらを見ている。
日陰で休ませてくれてありがとう。とお礼を言ってるのか、お前も頑張れと励まされてるのか、はたまた、バカにされてるのか、そいつの考えてることは一切わからんが一応返事をすると白い猫を追いかけてどこかえ消えていった。

「にゃ~…かぁ…」

1人になった。これからのことを考えながら仰向けになる。

「あっちぃ~な~」


これが俺と野良猫のとある夏の1日の話だ。
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