どうやら魔王を復活させてしまったようです。

神部 大

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それ以外の物語

40話 兄の想いはノータイミング

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 リオ共和国首都バイゼル。
 この街にはいくつかのギルドが共存している。

 大凡の冒険者はバイゼルにあるリオ共和国のギルド本部で依頼を受けるが、それなりに経験を積みAランク並の実力をつけたものは本部の審査を通過し独立して新ギルドを作るというのがこの国の定石であった。


 それはこの共和国が聖教騎士団とギルド、この二部の力によって治められ、互いにその勢力拡大を狙っているからだ。



 そしてここは二年前にAランク冒険者となったレイク・アドバインが立ち上げた新ギルド『#白翼の剣_ホーリーソディア_#』。

 内装は白と薄青で仕上げ、高級アンティークの艶樫の木で特注したこだわりのテーブルセットが広間に二つ置かれ、観賞用の緑が四隅で癒やしを主張している。

 奥には主にここのマスターであるレイクが打ち合わせ兼来客用に使用する個室もあった。



 さてそんなまだギルドカウンターも設置されていない広間の長テーブルには、既にそれぞれ町の調査を終えて戻ってきたルーシアパーティと、同じく北のノルヴァを同郷の誼で調査してきたザイルズパーティが疲れた顔で椅子を斜めにしながら座していた。


「ちょっと、その椅子高いらしいから気をつけてよ」

「ったくお前の兄ちゃんも本当変な所拘るよな」
「どっかの破廉恥野郎よりこだわりを持ったハイセンス男子の方がいいに決まってますわ!」

「おしゃれ男子よ、オシャ男」


 ルーシアパーティの元貴族令嬢剣士と偏屈魔法士がザイルズパーティに噛み付くが、ザイルズ一行は旅の疲れかそれに返す元気は無かった。

 ギルドマスターである兄が戻ってから全体報告をする手筈だが、レイクは野暮用で出ている上、十日経って未だ戻らぬラックの事もあってとりあえずは世間話程度に調査結果を話し合う。

 

「私達の方は特に何も無いわね、至って平和って所かしら。それはいいんだけれど、この地図で分布を見る限りある方向から瘴化が増えている気がするの」

 
 ルーシアは半世界地図にいくつか小さな赤いマテリアルを置いていく。
 それはどうやら故郷サンブラフ村の森を更に越えたカルデラ帝国の先からだ。


 ザイルズはテーブルから赤いマテリアルを手に取ると、タンとそれを半世界地図に追加した。


「俺達が行った北、これも丁度この分布側に当たるって訳だ」

「……って、まさかあんた達。ジェネラル級に当たったの!? よく、生きて戻ってきたわね」
「逃げ帰って来たに決まってますわ、悪運だけはいいですわね」

「いや、なんと言ってくれても構わない。俺は幾ら同郷のとは言え、今の仲間を危険に晒すわけにはいかない。それがリーダーってもんだ」


 ザイルズパーティが向かった北ノルヴァではどうやらゴブリンの多発により田畑が荒らされたり、女が攫われると言った事件が多発しているようだった。

 北のノルヴァにギルドはもちろん無く、少しばかりの報酬で既に攫われた女達の解放を他ギルドに依頼しているとの事。
 これだけゴブリンが多発しているとなると本当にどこかでジェネラル級がいる可能性も懸念された。


 ザイルズパーティは安全面を考慮し、自分達だけでそれ以上の深追い調査はせずに戻ってきたのだった。


「攫われた女性達がいると言うのにノコノコ逃げ帰って来るなんて考えられませんわ! 男の風上にも置けません」
「最低ね、最低」

「こっちには女もいるんだ! 好き勝手な事を言うのはいいが、勇敢と馬鹿を混同するなこのじゃじゃ馬が!」

「なんですって!!」
「やめなさぁいっ!!」


 ゴブリン達に攫われた女達を見捨てたと言う事で嫌悪感を顕にしたルーシアパーティ女子陣。
 だがザイルズ側の回復士はただただ申し訳なさそうに俯いていた。


 険悪な場をルーシアがダンとテーブルを叩きながら立ち上がる。



「うぉっ、このテーブル高えんじゃねぇのよ?」

「ミディア、メローネ。ザイルズの判断は間違ってないわ。それにノルヴァも依頼を出してる……きっと報酬が割に合わないんだわ。だからこそこうしてザイルズ達がこのバイゼルにそれを報告してくれたのは大きい。
 その話なら無償でもスポンサーの付いてるお兄――白翼の剣は元より、他のバイゼルギルドや下手すると聖教騎士団も動けるかもしれない。それに高々三人のパーティが行っても犠牲が増えるだけ」

「俺達だって苦渋の決断だ。それに、ゴブリンに攫われたなら……最悪生きてる可能性も、ある」

「「………」」



 ゴブリンやオークに関しては、その他の魔獣や魔物と違い狙った得物を苗床にして生かすのだ。

 つまりその命はまだあると見てもいい。
 
 餌食にされた者の精神が無事かは分からないが。


 一同が口を噤む。

 そんな刹那、ギルドの扉がゆっくりと開かれた。
 腰には細めの銀剣を差し、白い外套を羽織った壮年の優男。

 ルーシアの兄でありこの新ギルド『#白翼の剣_ホーリーソディア_#』のマスター、レイク・アドバインは四角い箱を片手にニコニコと笑いながら「もう戻ってたのか」とそこにいる皆に声をかけた。


 だがそんな陽気なムードと全くかけ離れ流れるその空気に、レイクも何かあったのかと箱を小さなワインテーブルに置いて皆の前に歩み寄る。



「どうやら今はそんな場合じゃ無さそうだね。ルーシア、調査結果の方聞いてもいいかい? っと、ラックがまだか。まさか、ラックに何か」


 レイクはその場の空気とルーシアの幼馴染であるラックがいない事にまさかと冷たい汗が背中を流れた。


「違うの、お兄……マスター。調査結果を報告します。現状西のザールは前に私とラックで見てきていてこれと言って異常はなかったから保留にしてるわ。東のトールも特に平和そのもの、南はまだラックが調査中よ。
 但し北のノルヴァでゴブリンが多発。何人かの女の人達が……恐らく監禁されているわ、依頼もまだ他ギルドでは受理されてない可能性が高い。もしかすると」

「――それを纏める#将軍_ヤツ_#がいる、か」

「可能性の話だけれど」


 レイクはルーシアの調査結果を聞き留め、既に大凡の事態を理解したようだった。
 リオ共和国内の人民に被害が出ていると言う事、#将軍_ジェネラル_#級が他国で目撃され当国でもそれが危惧されている以上、それだけで十分に動けると判断したのだろう。


 レイクは既に本部ギルド、聖教騎士団に白翼の剣が積極的な調査を行っており、それ如何では協力を惜しまないと言う言質を取ってきていたのだった。


「だが……とりあえずラックが心配だな。あれからもう十日だ、南はザッカルだろう? あそこなら馬車で三日もあれば十分往復出来る距離の筈だ、何もなければいいが――」


 レイクの言葉に改めて皆はラックが調査に向かった場所を地図で確認する。

 そのすぐ隣には赤いマテリアルが。

 瘴気の波は不思議とサンブラフ村を中心に弧状に広がっており、まるでサンブラフの奥の大森林で何かがその瘴気を食い止めているかのようだった。


「あいつも出会した可能性が高いな……あの馬鹿脳筋だけに見つけたら確実に挑むに決まってる」

「私の判断ミスだ……あいつの実力を考慮してたけど、よく考えれば二つ名がファイヤーボールだって言うの忘れてた。誰かつけるべきだった、私見てくる!!」
「ファイヤーボールって……ヤバい奴だったの」

「駄目だルーシア! すぐに本部と聖教騎士団に掛け合ってくる。そうなれば南にも人員は割けるだろう、俺も行く」


 「だからここは抑えろ」と、今にも一人で飛び出しそうであった妹の暴挙を必死で止めるレイク。

 ザイルズ達も「あの馬鹿」「脳筋だからな」「剣しか能がない」と心配の表情。
 ルーシア側のメンバーも「ファイヤーボールって何?」「かなりヤバイ奴です」等と散々な言いようだ。




「っしゃあぁぁおら帰ったぁしゃぁぁおらぁぁ!!」

「しゃぁぁおらぁぁ」


「びっっくりしたぁ!」
「ラック!!」
「お前無事だったか!」

「此処が、ラック様の……」

 
 そんな刹那、皆の心配を他所に件の男がギルドの扉をぶち開ける。
 ラックはどこか上気した様子で手に持つ麻袋を皆がいる長テーブルにダンと置いた。

 袋からは溢れんばかりの戦利品。
 金が施された何処か禍々しいオーラを放つ草冠に、折れた太い杖。

 鎖で編まれた腰巻きに黒い刀身のファルシオン、黒と紫の魔結晶が無造作に転がる。
 
 
 それを見たレイクは「テーブルと扉は大事にしてくれよ」等と言う言葉を思わず飲み込み、ドンとテーブルにかがみ込んだ。


「こ、こ、これは!? 馬鹿な!!」

「お兄ちゃん?」
「んだよお前、ちゃっかり戦利品取ってきたのか脳筋の癖に。あ、脳筋だからか」

「へへ、もしかしてジェネラルやった的な? まぁそりゃないわな」

「はわわわ……そ、それ、く、草冠、魔界のつ、つ、杖じゃわわわ」



 レイクはどもったままラックの戦利品を見て硬直し、魔法士であるメローネはそれに心当たりでもあったのか同じく空いた口が塞がらなかった。


「と言うかそれよりラック! アンタなんでお供が出来てんのよ!!」

「んぁ? ああこいつらは倭国から逃げてきたカミナリとイカヅチだ。ゴブリンの親玉から助けてやった、あと盗賊。それより見ろよ! これ、やべぇ剣だぜ! 貰った」

「……それよりって酷いぜ師匠」

「#雷_ミカヅチ_#と#風_タケオミ_#です、でもラック様がそう言うなら直ぐにでも改名して」


 お供の二人はすっかりラックに心酔している様子だった。

 だが当のラックは腰に差した刃渡り五尺はあろう青白い刀を抜き、キラキラとした目でそれ眺めている。

 色々と言いたいことはあろう一同。
 だがそれでもルーシアはいたって冷静に、改めて何があったのかを三人に尋ねる。


「だからよぉ、ゴブリンがおめぇそりゃいっぱいたのよ。黒いのやらでかいのやら、ありゃボスはメイジだな、地味な魔法ばっか使いやがって。まぁでも俺様にかかりゃあ余裕でしゃぁあおらぁだぜ!」

「だからそのしゃぁあおらって何よ、煩いから止めて」

「師匠ちげぇーよ! 師匠はゴブリンの王を倒したんだぜ、最強だよ。ついでに道間違ってどっかの町の女子達も助けてたじゃねーか! 俺はもう決めたんだ、師匠に付いていくってな!」

「え、女の子? 町、ちょっと待って、#王_キング_#?」

「確かに黒いゴブリンが多くいました。他に言葉を話す個体はゴブリンジェネラルと言うもので間違いなさそうです。

 それは自らをゴブリンの#王_キング_#と名乗る、とてつもない魔法を使う個体がそう呼んでいた事から判断出来ます。

 それと女性達はノルヴァと言う田舎町でゴブリンに攫われたようです。皆ご家族の方達も涙を流してラック様に感謝され……私も、そのラック様に――」


 ラックに様を付けて呼ぶお供の#雷_ミカヅチ_#がそう言い頬を染める。

 ミカヅチの話しを聞いて、そこにいた七人はまるで何かの英雄伝説でも聞いているかのような気持ちになった。


 ようやく言葉を発したルーシアパーティの魔法士メローネが、この杖と草冠は伝承にあるゴブリンの王の装備品だと震える声で漏らす。



 もう限界だった。
 確かにラックは昔から無鉄砲で、脳筋と言える位に剣の腕は確か。
 
 ファイヤーボールと呼ばれ、常に最前線で戦いながらも今まで無事にやってきていた。


 だがいくら何でもたった一人で、瘴化したブラックゴブリン数体を倒し。

 ゴブリンのジェネラル級をついでのように倒し?

 あまつさえ伝承でしか聞いたことの無いような一種族を治める王を倒して戦利品を持ち帰る?

 更に更に道を間違って懸念の対象を助けて、お供を二人連れて帰ってきただとぉぉぉ!!!!


 ルーシアは目眩でその場に倒れそうになったのをメローネとミディアが慌てて支えた。


 ザイルズは頭を抱え、だが色々な安心感からか笑っていた。


 強いて言うなら、一番混乱していたのはこの男かもしれない。

 ギルド『白翼の剣』のマスター。
 ルーシアの兄レイクはフラフラとワインテーブルから四角い箱を持つと徐に皆がいる長テーブルへその中身を出し始めた。


 赤い木苺が十五個、雲のように真っ白なクリームに乗ったホールケーキ。
 中央にはルーテシア国でしか出回らないと言う貴族の嗜み、カカオチョコを固めた小さな板に『成人おめでとう』と書かれていた。


「え、あ、こ、え? お兄、ちゃん?」

「は、ははは……ルーシア、ほら……成人、まだ祝ってなかっただろ? ふふ、内緒で用意してたんだ、ドッキリってやつさ、フフフ」


 そこにいた誰もが目を丸くした。


 あれ、この人とんでもなくタイミング読めない人なの? と。

 だがレイクがそのまま「ふふふ」と笑いながら卒倒したのを見て、誰もがああもう脳が限界だったんだなと理解した。


「何してんの、お兄ぃぃちゃぁぁんん!!」


 小さいが大きな躍進をする事となった新ギルドには、ルーシアの叫びとラックの「ケーキパーティしゃぁぁおらぁぁだぜぇ」と言う雄叫びが響き渡ったと言う。

 



四章 それ以外の物語 完
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