一生のおねがい!

多賀森

文字の大きさ
8 / 35

7.本当の一線

しおりを挟む
 桃耶は人生で初めての強い快楽を感じているはずなのに、決定的な快感が足りないことに少し混乱していた。やはり陰茎を触らなければ達することができないらしい。刺激を耐えるためにずっと握りしめていたシーツから手を離し、その腕を自らの局部へ伸ばそうとする。しかし、そんな動きは田宮の手に阻まれてしまった。刺激を待ってカウパーを垂らした陰茎が主張しているのに、望みは叶えさせてもらえない。
「なんで……ッいきた、のに、……う゛……」
「ごめん、おれ桃耶がナカでイくとこ見たい」
 田宮の大変勝手な理由で、こんなにも必死な桃耶の欲求は簡単にねじ伏せられてしまう。それなのに、桃耶の感覚はバグでも起こしたのか、一層の興奮が押し寄せてきて田宮を締めつけた。
「ん、急にすげー締めるじゃん」
「は、たみや……きもち、なんでイけないんだよお」
「あーやば、もう動いてい? 痛かったら蹴り飛ばしていいから」
 頭の中が欲求でいっぱいで、桃耶はまともに会話ができていない。我慢のきかない腰がへこついて絶頂を催促する。田宮はそんな桃耶の姿態にあてられたようで、今までゆっくり慎重にしてきた動きを一変させた。はやくなるピストンの動きに伴って激しい摩擦と強い性感が桃耶を翻弄していく。声の抑えられなくなる、カリが前立腺に引っかかるあの感覚が立て続けに襲ってくる。

「~~ッあ゛! ひ、ぁ、っ……あ、あ゛!」
「やっぱここ反応いいな、桃耶きもちよさそー……」
「そっ……こ、ほ、~~ごしごしや゛めて……ッ」
「きもちーのに?」
 田宮は弱点を狙うのをやめてくれない。頭をやってしまいそうなほど暴力的な快感なのに、それでも到達点までは導かれず、ほんのり絶望すら感じてきた。両手をまとめて絡め取られた自分では何をすることもできなくて、ただ田宮に与えられる途方もない絶頂を待つしかないのだ。終わりが見えない性感と苦しみに、思わず涙がこぼれた。
「ぅ……ううう……っ、ふ」
「え! あ、ま、まじか、ごめん桃耶、ごめん」
 普段ほとんど見ることの無いガチ泣きに、田宮は面白いほど動揺した。動揺しつつも腰を止められないのか、速度は緩めながらも往復は止まない。今はまったく余裕が無いけれど、おろおろしているくせに欲に抗えずにセックスを続ける田宮を素面で思い出したら笑ってしまいそうだ。相手が自分でさえなければ。

「も、ぃかせて……おねが、だから……ナカだけでイくのまだむり、もっとあとにして、」
「っそうだよな、はじめてなんだからナカだけでイくなんてそうそうないよな。欲張ったわ。無理させてごめん」
 そう言いながら桃耶の手を離し、そのまま桃耶の陰茎を扱く。情けなく泣くほど待ち望んだそれに、桃耶の腰が大きく跳ねた。手はやっと自由になったのに、またシーツを握りこんでしまう。今まで散々セックスの準備をする間に触れて、桃耶の局部をどう触ればいいか知り尽くしている田宮のその手が、手加減無しで桃耶をイかせる動きをする。ナカだって、指ではない、本物の肉に犯され続けている。
「んぁ゛あ……ッた、みや、ぁ、いく……っ」
「うん、イって、桃耶」
「ふ……~~~! ……っ……ぁ…………」
「ッう、締ま……っぁ、ぐ……ッ! …………は、出た……」

 味わったことの無い、眼前が弾けて点滅するような絶頂と同時に、田宮も達しているのを感じる。性的な快楽が解放感からくる気持ちよさとない混ぜになって、相手の体温さえ気持ちよくなって、意味もわからない幸福感が生じた。普段より段違いに長い余韻に身体を震わせる。ずっと欲していたいちばん上のものは、やっぱり田宮がくれた。知らなかった快感を一気に覚えて体力を使い果たした桃耶は、そのまま意識の底に沈んでいった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

処理中です...