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乙女ゲームの悪役令嬢のキャラに転生していると気付いたのは、乙女ゲームが始まった時だった。
貴族の子供が15歳から18歳まで通う事が義務付けられている王立貴族学園。
その入学式の日に、自分の婚約者である第一王子が花の様な色合いの桃色の髪の女子が落としたハンカチを拾ったのを目撃した瞬間、その場面が絵画の様に見えて、わたくしの頭の中に『このスチル、見飽きた(何度もプレイした所為で)』なんて、自分の声じゃない自分の声が響き、それに対して冷静な自分が『私の声ってこんなんだっけ?』なんて思うものだから、わたくしは一瞬自分が誰なのか分からなくなった。
立ち尽くすわたくしを側にいてくれた友人が気に掛けてくれて、わたくしは何とか倒れずにやり過ごす事ができた。
前世ってこんな突然に思い出すものなのね。色んな驚きが頭や身体を支配して立ち尽くしてしまう。
だけど倒れるのだけは回避した。頭は混乱しているけれど、それなのにどこか“自分は冷静”で、目まぐるしく変わる頭の中の情報を正確に判断できている自分も居た。
自分の立場、名前、今見たこと。
自分が誰かと理解した時に、わたくしの中で前世の記憶と今のわたくしが混ざり合う。分裂もせずに“一人のキャサリーナ”になった時、わたくしは混乱からも抜け出してただゆっくりと目を細めた。
でも、平静なふりをしていても考えてしまう。
ここが乙女ゲームを舞台にしていて、わたくしが悪役令嬢なら、わたくしの3年後に待っているのは卒業式での断罪劇。
でも、ねぇ?
3年後まで、待つ必要ってあるかしら?
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乙女ゲームの悪役令嬢のキャラに転生していると気付いたのは、乙女ゲームが始まった時だった。
貴族の子供が15歳から18歳まで通う事が義務付けられている王立貴族学園。
その入学式の日に、自分の婚約者である第一王子が花の様な色合いの桃色の髪の女子が落としたハンカチを拾ったのを目撃した瞬間、その場面が絵画の様に見えて、わたくしの頭の中に『このスチル、見飽きた(何度もプレイした所為で)』なんて、自分の声じゃない自分の声が響き、それに対して冷静な自分が『私の声ってこんなんだっけ?』なんて思うものだから、わたくしは一瞬自分が誰なのか分からなくなった。
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前世ってこんな突然に思い出すものなのね。色んな驚きが頭や身体を支配して立ち尽くしてしまう。
だけど倒れるのだけは回避した。頭は混乱しているけれど、それなのにどこか“自分は冷静”で、目まぐるしく変わる頭の中の情報を正確に判断できている自分も居た。
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