290 / 717
本編
16日 映しちゃおう
しおりを挟む
「竜樹様、チリ魔法院長!朝から何をやっているんですか。•••すごくステキな映像では、あったけど。」
へへー、と。ボランティアのリーダー、バーニー君にひれ伏す、竜樹とチリである。動画が終わった所で、バーニー君の方から寄ってきてくれたのだ。
「ボランティアに来ました!」
「奪還の手伝いと、転移の魔法陣についてエルフ達と相談しに来ました!」
はいっ!と手を挙げて良い子に応える2人である。
ロテュス王子は、バーニー君について、竜樹様にこんなに強く出られるこの人は、一体誰?と、ハテナになっている。3王子とスーリール達は、キャッキャクスクス笑いだ。
「それで何で、あの映像を見る事になったんだか、全く分かりませんが、まあ、置いといて。お2人は、まだ囚われているエルフの奪還作戦について、エルフ達も交えて、お話し合いしたら良いんじゃないですかね。時間が経てば経つほど、こっちも準備できるけど、向こうにも迎え撃つ準備の時間を与えてしまうでしょ。」
ムムン、とバーニー君は腕組みをして、フーム、と鼻息。
座って落ち着いて話しましょう、と体育館の床に落ち着く。近くにいたエルフの皆も、それを取り囲み、話をじっと聞いている。
「それなんだけど、今もエルフ達は、呪いで半分監視されてる状態じゃない?話し合った事、見られてる訳だよね。」
「呪いでどこまで監視できるのか分かりませんが、そうですね。」
う~ん。
「そしてこちらは、向こうの状況が、分からない、と。」
「ええ。不利な戦いですね。」
む~ん。
「だとしたら、こちらから行って、テレビで、全てを、盟約に係る国もジュヴール国内にも、さっきのスクリーンみたいなのをたくさん出して明らかにして、放送したら、良いんじゃないですか?堂々と行って、映して、それでこちらに危害を加えれるようであれば、あちらの正当性はボロボロでしょ。」
ちんまりと大柄な身体を縮こませ三角座りをして、スーリールが発言した。
んん?と皆の視線が集中する。
「呪いも、エルフ達への酷い扱いも、皆、秘密にされてたのでしょ?全部、みーんな、カメラで映して表に出しちゃえばいいと思います!」
竜樹が眉を顰める。心配、でも?んん?と考えて。
「そうだね、スーリール。」
「勿論、私たちが同行してリポートを届けます!ね、プリュネル!クーリール!」
カメラマンのプリュネルも、アシスタントディレクターのクーリールも、コクリ、コクリと頷く。
「危険だよ!最悪捕まって、エルフ達みたいに呪われちゃう、囚われちゃうかもなんだよ!」
心配気に、オランネージュが叫ぶ。ネクターもニリヤも、そしてエルフ達も。グッと息を飲む。
スーリールは、ニッコリ笑った。
「映像は、情報は、私たちの武器です!そして守りでもあります!必ず戻って来れるよう、カメラから離れません!行ってこい!って言って下さい!私達ニュース隊は、プロです!プロの報道隊です!どこにでも行って、ニュースを届けます!」
胸を張るスーリール達。
オランネージュは、仕事に責任と誇りをもった、輝くその表情に、口をむにゅむにゅとして、閉じた。
父上は、こんな気持ちになりながら、危ない所へ、親しんだ者を出したりしなきゃいけない事も、あるのかな。
竜樹が、オランネージュの背中を、撫で撫でする。
「そして、今、私が発言した案に覗き見して対処するなら、囚われたエルフ達を、酷い状況に置いたままじゃ、外聞が悪いってやつになりますよね?急いで何とか取り繕おうとするかしら?それ、私たちが行くまでに間に合いますかね?」
ニコニコニッコリ。
「ウン。そして、決めた事が見られて分かっちゃうなら、細かく決めなけりゃ良いよね。臨機応変ってやつね。向こうも、来る時間とか曖昧で、お互いに擦り合わせて、とかしなかったもんね。こっちも曖昧で良いよね。そして言いたい放題あれこれ言っておくのも良いかもね。」
竜樹は、ニヘヘと笑う。
ロテュス王子が、そっと囁くように口を開く。
「囚われたエルフ達のいるところは、分かります。神鳥オーブ様が泥団子で神力を通してくれてから、私の共感覚で詳しく分かるようになったんです。1人1人、転移で迎えに行けると思う。」
お父様のいる所も、弟のエクラのいる所も、分かります。
ウン、ウン。
「じゃあ、まずエルフの王様が囚われてる所をドーンと画面に出しつつ助けて、神の目とカメラを囚われたエルフのいる所やジュヴールの王様のいる所に仕掛けて、バーンとジュヴール国内のエルフ達をザックリ助けたら、神様招んで、公開お話し合いしましょうかね。」
「それって作戦なの?」
ネクターが言えば。
コココ、コケコ!
『オーブがついてる!呪いが何だ!戒めなど、効くものか!罠など何ほどのものよ!カカカ!神の鳥の力、なめんなよ!』
「オーブ、頼んだよ!そして、俺も行きます。」
え、と皆が竜樹を見て、お口をあぐ、と開けた。
「俺が行かなきゃ、スマホで神々の庭に合図できないでしょ。それに、俺を取り込もうとしたりすれば、誓約が働くよね?」
何だかジュヴールの、あの元宰相さんも、竜樹を狙っていたらしいし。
タカラが、王様に報告を。
とアタフタし始めたので、他国からの留学生ボランティアにテレビ電話を借りて打ち合わせした。
その間、呪われて覗き見されているエルフ達は、ある事ない事、噂話をわざとして、監視者を混乱させる事にした。
へへー、と。ボランティアのリーダー、バーニー君にひれ伏す、竜樹とチリである。動画が終わった所で、バーニー君の方から寄ってきてくれたのだ。
「ボランティアに来ました!」
「奪還の手伝いと、転移の魔法陣についてエルフ達と相談しに来ました!」
はいっ!と手を挙げて良い子に応える2人である。
ロテュス王子は、バーニー君について、竜樹様にこんなに強く出られるこの人は、一体誰?と、ハテナになっている。3王子とスーリール達は、キャッキャクスクス笑いだ。
「それで何で、あの映像を見る事になったんだか、全く分かりませんが、まあ、置いといて。お2人は、まだ囚われているエルフの奪還作戦について、エルフ達も交えて、お話し合いしたら良いんじゃないですかね。時間が経てば経つほど、こっちも準備できるけど、向こうにも迎え撃つ準備の時間を与えてしまうでしょ。」
ムムン、とバーニー君は腕組みをして、フーム、と鼻息。
座って落ち着いて話しましょう、と体育館の床に落ち着く。近くにいたエルフの皆も、それを取り囲み、話をじっと聞いている。
「それなんだけど、今もエルフ達は、呪いで半分監視されてる状態じゃない?話し合った事、見られてる訳だよね。」
「呪いでどこまで監視できるのか分かりませんが、そうですね。」
う~ん。
「そしてこちらは、向こうの状況が、分からない、と。」
「ええ。不利な戦いですね。」
む~ん。
「だとしたら、こちらから行って、テレビで、全てを、盟約に係る国もジュヴール国内にも、さっきのスクリーンみたいなのをたくさん出して明らかにして、放送したら、良いんじゃないですか?堂々と行って、映して、それでこちらに危害を加えれるようであれば、あちらの正当性はボロボロでしょ。」
ちんまりと大柄な身体を縮こませ三角座りをして、スーリールが発言した。
んん?と皆の視線が集中する。
「呪いも、エルフ達への酷い扱いも、皆、秘密にされてたのでしょ?全部、みーんな、カメラで映して表に出しちゃえばいいと思います!」
竜樹が眉を顰める。心配、でも?んん?と考えて。
「そうだね、スーリール。」
「勿論、私たちが同行してリポートを届けます!ね、プリュネル!クーリール!」
カメラマンのプリュネルも、アシスタントディレクターのクーリールも、コクリ、コクリと頷く。
「危険だよ!最悪捕まって、エルフ達みたいに呪われちゃう、囚われちゃうかもなんだよ!」
心配気に、オランネージュが叫ぶ。ネクターもニリヤも、そしてエルフ達も。グッと息を飲む。
スーリールは、ニッコリ笑った。
「映像は、情報は、私たちの武器です!そして守りでもあります!必ず戻って来れるよう、カメラから離れません!行ってこい!って言って下さい!私達ニュース隊は、プロです!プロの報道隊です!どこにでも行って、ニュースを届けます!」
胸を張るスーリール達。
オランネージュは、仕事に責任と誇りをもった、輝くその表情に、口をむにゅむにゅとして、閉じた。
父上は、こんな気持ちになりながら、危ない所へ、親しんだ者を出したりしなきゃいけない事も、あるのかな。
竜樹が、オランネージュの背中を、撫で撫でする。
「そして、今、私が発言した案に覗き見して対処するなら、囚われたエルフ達を、酷い状況に置いたままじゃ、外聞が悪いってやつになりますよね?急いで何とか取り繕おうとするかしら?それ、私たちが行くまでに間に合いますかね?」
ニコニコニッコリ。
「ウン。そして、決めた事が見られて分かっちゃうなら、細かく決めなけりゃ良いよね。臨機応変ってやつね。向こうも、来る時間とか曖昧で、お互いに擦り合わせて、とかしなかったもんね。こっちも曖昧で良いよね。そして言いたい放題あれこれ言っておくのも良いかもね。」
竜樹は、ニヘヘと笑う。
ロテュス王子が、そっと囁くように口を開く。
「囚われたエルフ達のいるところは、分かります。神鳥オーブ様が泥団子で神力を通してくれてから、私の共感覚で詳しく分かるようになったんです。1人1人、転移で迎えに行けると思う。」
お父様のいる所も、弟のエクラのいる所も、分かります。
ウン、ウン。
「じゃあ、まずエルフの王様が囚われてる所をドーンと画面に出しつつ助けて、神の目とカメラを囚われたエルフのいる所やジュヴールの王様のいる所に仕掛けて、バーンとジュヴール国内のエルフ達をザックリ助けたら、神様招んで、公開お話し合いしましょうかね。」
「それって作戦なの?」
ネクターが言えば。
コココ、コケコ!
『オーブがついてる!呪いが何だ!戒めなど、効くものか!罠など何ほどのものよ!カカカ!神の鳥の力、なめんなよ!』
「オーブ、頼んだよ!そして、俺も行きます。」
え、と皆が竜樹を見て、お口をあぐ、と開けた。
「俺が行かなきゃ、スマホで神々の庭に合図できないでしょ。それに、俺を取り込もうとしたりすれば、誓約が働くよね?」
何だかジュヴールの、あの元宰相さんも、竜樹を狙っていたらしいし。
タカラが、王様に報告を。
とアタフタし始めたので、他国からの留学生ボランティアにテレビ電話を借りて打ち合わせした。
その間、呪われて覗き見されているエルフ達は、ある事ない事、噂話をわざとして、監視者を混乱させる事にした。
57
あなたにおすすめの小説
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
私を家から追い出した妹達は、これから後悔するようです
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私サフィラよりも、妹エイダの方が優秀だった。
それは全て私の力によるものだけど、そのことを知っているのにエイダは姉に迷惑していると言い広めていく。
婚約者のヴァン王子はエイダの発言を信じて、私は婚約破棄を言い渡されてしまう。
その後、エイダは私の力が必要ないと思い込んでいるようで、私を家から追い出す。
これから元家族やヴァンは後悔するけど、私には関係ありません。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
精霊に愛された錬金術師、チートすぎてもはや無敵!?
あーもんど
ファンタジー
精霊の愛し子で、帝国唯一の錬金術師である公爵令嬢プリシラ。
彼女は今日もマイペースに、精霊達と楽しくモノ作りに励む。
ときどき、悪人を断罪したり人々を救ったりしながら。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
◆三人称視点で本格的に書くのは初めてなので、温かい目で見守っていただけますと幸いです◆
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる