王子様を放送します

竹 美津

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本編

交流室にただいま

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「ただいま~!」
「まいまでつ~!」
「こ、こんばんは~。」

ニリヤ王子と、お嫁の虎幼女エンリちゃん、ニリヤの首にくるりんと宵闇蛇プリッカ、そしておずおずと新聞寮を訪れた、今夜お泊まりの、ぽちゃほっぺカスケード子爵家クラフティ少年。
靴を脱いで、とてとて、交流室へ。

「あっ、ニリヤ!プリッカも!」
「エンリ!やっと帰ってきた~!サーカスも見ないで!もう!心配しただろ!」
オランネージュ王子と、虎少年おにーたアルノワが、真っ先に声をかけた。
先に帰っていた各チーム、交流室で、床にクッション、中にはコロリンこと寝っ転がって、暖かい室内、てんでに寛いでいたのが、皆立ち上がって。

サーカスを堪能してきたチーム。
酒の品評会、販売展示会、お酒の子供新聞を販売したチーム。
織物会館のお披露目、古布の小物など販売展示に行ったチーム。
エステ、大画面広場での実演臨時出張所で美について体験したチーム。
街遊び、小規模の大食い大会や、吟遊詩人・大道芸人達を見たりしたチーム。
同じく街で、出店を冷やかしたり、買い食いしたり、ピティエのお茶屋お祭り路面出店にお邪魔したチーム。
ラフィネ母さんと一緒に無理なく街を歩いたちびっ子チーム。
そして、寮で留守番、テレビを見てお祭りをのんびり楽しんだチーム。
全員が、夕飯に間に合うように、ここに集って、ニリヤとプリッカ、エンリにクラフティを、わぁわぁと取り囲んだ。

ニリヤ達が事件に巻き込まれていたのだ、という事は。
お助け侍従さんが、クラフティが泊まりにくるよのお知らせと共に、事前にお伝えしているので、皆知っている。ラフィネかーさ達大人も、クラフティとプリッカの受け入れ体制は整え済みだ。

それでなくても、心配していたオランネージュ王子、ワイルドウルフのファング王太子、そしておにーたアルノワを中心に、ニリヤ達が中座し戻れなかった理由を、驚きをもってあれこれお助け侍従さんに聞いたので。皆、楽しかったお祭りでコーフンの上に、じけんだ!と盛り上がったのだった。
うん、あれだよね。事件に巻き込まれたなんて、一瞬、まるでアイドルみたいに皆にスゲースゲーで囲まれちゃうものなのだ。時の人。
箱の中、電話でぴっかりだったから怖くなかった、とか、クラフティ友達なった、とか。
「ヘェ~クラフティ様、そんなに友達ほしかったのか。そうだよなぁ、俺たちは、ずっとはらへりだったけど、でも、ひとりじゃなかったよ。ツライヨナ、ひとりって。何だよ何だよ、仲良くしようじゃん。」
ジェムがニシシシ、と笑っている。
クラフティは、受け入れられて、じーんと手をこねこね。
「ん、うん、よろしくね、ジェム。」
「俺のこと、知ってるの?クラフティ様。」
知ってるよ!ふふふ。
「テレビで、いっぱい見たよ!こんな風に、仲良くしたいって思ってたんだ!」

よろしくね、初めまして、ふーん、へぇー!と一頻り紹介と冒険譚を聞いた後。

オランネージュはニリヤに、無事で良かった、としながら。
「サーカス、面白かったんだよ、ニリヤ。」
「う。」
むぐぐ、サーカス。そうだ、結局ニリヤとエンリちゃんは、見られなかったのだ。あんなに楽しみにしてたのに。
今まで忘れていたのに、言われて、ハッとするニリヤである。

オランネージュはうっとり、思い返して。
「猫ちゃんショーはね、お姉さんが、お名前を呼ぶと、色々な所から猫ちゃんが飛び出してきて、たまに呼んでないコが、びゅーんって来たりしてね。違う違うぅ、って、でも、やる気なの?なんて玉乗りしたりして、よちよち、一生懸命可愛いんだよー。綱渡りもしたんだよ!私のお膝の上を走ってね、柔らかい猫ちゃんの足が、ポンポンって。大きいコも、小ちゃいコも、毛足が長いコも、つやつやしてるコもいた!皆きびきびしてた!あくびしてる子もいたけど!」
とサーカスがいかに面白かったか、大分猫ちゃんに偏りながらも報告した。
おとなしい垂れ耳兎獣人、ラランの弟ルルンも、ぶーらんこを見る前は、こわわ!と言っていたけれど。
「ぶーらんこ、しゅごかったんでしゅ!ちょうたかいとこの、ゆーら、ゆーらで、ぽーんって、とんだの!くるりんってまわって、おててでつながってね、あのね、あのね、さいごはおちたんでしゅ!」

ニリヤ、ふぇ!とお目々をおっきく見張って。空中ブランコを見たかったんだ!
「さいご、おちたの!?だいじょぶかったの!?」
とルルンに迫った。

「大丈夫だったのだ!下に、ネットが張ってあって、落ちても受け止めてくれるようになっていた!それでも、あんな高い所で、ぴょんぴょんして、演者の男性も女性も灯に照らされて美しかったし、音楽に合わせて素敵に雰囲気があって、最後、ポーンっていきなり飛び降りたのだ!びっくりした!ネットで、びよよよ~ん、って跳ねて、ぱっ!ってブランコの上と下でポーズをとってね。光と闇の中、素敵な演奏の音がドンドン、ビーンって身体に響いて、ステージのどれも輝いて。何だか夢の中にいるような気持ちになったよ、楽しくて、びっくりして、笑えて、うっとりしてねぇ。」
身振り手振り、ファング王太子の、少し興奮したレビューに、ニリヤは。

「ぶらんこ••••••。おっこちる!すごい、み、みたかった、うぅ。」
ショボ、とお口をへの字にした。
エンリちゃんが、ポムポム、とニリヤのお背なを叩いて慰める。
サーカス見てきたチームは、まだまだ興奮冷めやらなくて、どこが面白かったか、セージャンタイガーのエスピリカが、あの巨体で、どんなにステージを縦横無尽に駆け巡ったか。火を恐れずに、尻尾をブン、お尻を振って、さあっと輪っかをくぐった様子を、身振り手振り。どた靴道化師のショーが、滑稽で笑えたこと。怪力人間跳躍パフォーマンスの妙技に、どんなに心奪われたか。わぁわあと報告をした。

ふにゅにゅにゅ。聞きながら、段々ニリヤのお目々が潤んできて•••お手てがギュと握られて。お口がもむもむ、噛み締められて。

見たかった、見たかったな。
サーカス、お祭り、特別なとき。そんなに楽しかったなんて。今日のサーカスは今日だけのもの。ステージは生き物、もう、もう、見られない。
ぐすっ、鼻がツンとする。

「エンリも、女の子と喧嘩しちゃったのは仕方なかったけどさ。あの子、ちょっと失礼だったから!でも、サーカスを見れば良かったんだ。一緒にサーカスみたかったのに。」
ぶちぶち、とアルノワおにーたが言って、そう、だってサーカスは面白かったんだよ、だけど、妹エンリがどうしているか、時々ふっと、いいのかな•••って、おにーたは、心が引かれて、楽しみきれなかったのだ。
そんなブーブーに、エンリちゃんは、ニッコシぱっふ、とおにーたに抱きついて。
「エンリもいしょ、みたかったでつ!あしたいくでつ?」

あした!?
しょんぼり、ふるふるニリヤも、それを聞いて。
「!あした!あしたも、サーカス、やってるよね!エンリちゃん、いっしょ、あしたいこっか!?」
気を取り直した!

「そうなんだよ。明日のサーカスは、今日のテレビ放送を受けて、『体験してみよう!はじめてのサーカス!』って、子供達に、ひくーい位置の綱渡りをやらせてくれたり、エスピリカや猫ちゃんと触れ合ったり、色々体験させてくれるんだって!私、猫ちゃんと触れ合いたかったから、ニリヤとエンリちゃんも、明日ぜひぜひ行くよって言っといたよ!他にも見たい子連れて行こ。時間で締め切るらしいから、早く行こうね!」
オランネージュ兄様は、抜かりないのである!

ふぅわぁああ!
キラキラと輝くニリヤのお目々。ふわっと緩むお手て。
「サーカス、みれる!エンリちゃんも、クラフティも、いっしょいこ!」
「いしょ、いくでつ!みるでつ!」
わーい!とばんざーい。
「わ、私も一緒していいの?ですか?」
クラフティが、もじもじ、ポッポとほっぺを赤くして。
「それじゃ、今日、みんながまわったところを報告し合って、明日はどこに行きたいか、話し合おうぜ!」
はなしあおー、はなしあおー!

と意気込んだのは良いのであるが。
「はいはい、皆~、話し合いは、ご飯を食べながら。お風呂も入らなきゃだし、やることやってから、のんびりゆっくり、お話したらどうかしら?」
ラフィネかーさが、さあっ、と夕飯のお知らせをしたので、皆よいこに、はぁ~い!とお返事をした。

「うぅ、ううううぅ。エンリ様、良ぐご無事でぇぇえ~~~!」
お部屋の隅で、エンリのお付きの虎侍女、スープルが号泣で。泣き腫らした瞼はぶーぶーに腫れて、よた、よろ•••と食事のお支度を始めた子供達の真ん中、エンリちゃんの元へ。
「スープルは、スープルは、もう、う、ひっ、ひく、生きた心地がしませんでした!エンリ様、おねがいでずがら、スープルを置いていがないでぐだざいぃぃい~!」
うぇあああ~!!!
ハンカチモミモミ、小ちゃいあんよに、お胸に、しょげた虎耳が、何だかパサパサに乱れて、蹲って擦り付けられる。
「すーぷる、どちてないてるでつか?よちよちでつ、いじゅめられたでつか?エンリがついてるでつよ?ガブちてやるでつか?」
頭を撫でこ。

ヒン!
「エンリ様がづいででぐれながっだがら、ないでるんでずよおぉお!!」
ふひぃぃいん!
子供達、びっくりして、中にはスープルのお背なを撫でたり慰める、サンみたいな子も。

「すーぷる、さびちかったでつか?いちょいまちょでつ。エンリは、エンリはねぇ、きょお、おいちゃんにめっ!てなったんでつ。いきかえった!いいおよめになるだちた!いいこになるだちた!すーぷるも、すてきなおじょう、ふんふんのドヤ!になるでつ!げんきだつでつよ。」
「エンリちゃんも、ぼくも、クラフティも、レェアきしだんちょおに、わるかったとこ、ダメだよされたんだよね!きおつけるからね!スープル、おいてってごめんね。きをとりなおして、あしたからまた、がんばろ!」
エンリちゃんもニリヤも、自分がやっといて何だが、慰めてるつもりである。元気出して、ネ、スープル。

「はぁい、気をづげでぐだざいネ•••ぐづん。」
しつこく言い募った所で伝わらないので、取り敢えず置いてかれた事を謝ってくれるなら、明日から、明日から、あした、から、•••この元気なちびっ子達の面倒をみるのは大変だけど、頑張るスープルである。



タン、タンタン。
「いや~いやいや、大変だった。」

あの足音、声は。そう、皆の竜樹とーさである。廊下を、ロテュス王子とマルサ王弟と。
「とーさ!」
「たつきとーさ!あのねあのね!おれ、おまつり、おもしろかった!」
「たつきとーさ、サンね、エステのね、とーさのおしごとの、ちゃんとみてきた!」
「大道芸人のー!」
わぁあ!と食事の支度、机や椅子があっちゃこっちゃ、途中でとーさを中心に、子供団子になる。
「はぁーいはぁーい、皆ただいま~。ヘェ~、すごい、お祭り面白かったんだねぇ。ご飯の後、少しとーさは記者会見ってテレビに出なきゃなんだけど、その間に、どんな事があったか大きな紙に皆でいっぱい書いて、とーさに後で、たーくさん聞かせて~!」
チーム毎にまとめてね、と促されて、うん!と皆笑った。


先程、竜樹がクロク団のロニーと別れてくる時に。
ロテュス王子に転移してもらって、王宮に帰ってきたら、竜樹は、ぷはー、といきなりしゃがんで、周りが、えっ!?となった。
カメラでの映像を喉をギュウと締めるような気持ちで、緊迫して見ていたクロクの皆が、ああっ、と息を飲み、ガタガタと椅子を蹴った。

「こわ、こわかったぁああ~!」
フニャ、と情けない顔で笑う竜樹に、マルサ王弟が大笑いである。
「ハッハ!平気で爪剥いでたじゃんか!何が怖いだよ、全くなぁ!」
バンバン!と背中を叩く。
ロテュス王子もクスクス。
クロクの皆は、ボーゼンである。

「いやさぁ、やっぱり本当に殴る系の人っておっかないねぇ。暴力は、いやだよ。」
「ミニュイの裏ボスと話をつけるギフトが、何言ってんだよ•••。」

ヴァイスの巣に案内して、目の前で見てきたクロクのリーダー、ロニーは、だー、と項垂れて、そして。頬と鼻を若干赤くして、ぶ、とした顔をしながら目線を外し。
「俺は分かった。アンタは、逆らっちゃいけないヤツだって。お、親が何だって俺は怖かねーけど、アンタは怖い。俺たち、ちゃんとやるから、あんましおっかねー事すんなよな。」
と言って、クロクの皆に。
「お前らも見ただろ、その、ギフトのオヤジは俺らが敵うやつじゃねー!俺たちは竜樹のオヤジに絶対服従だ!分かったな!」
「「「はいっ!!!!」」」

何故だかクロク、憧憬の混じる眼差しで竜樹を見ているのである。そりゃそうだ、ロニーはちゃんと、守られた。安心の庇護下に入る、という事を、意識し始めたクロクなのかもしれない。


交流室に話は戻る。
お祭りのお祝いに豪華なご馳走、といきたい所だけれど、皆お昼に買い食い、ちょっと食べ過ぎている子が多いだろう、と予測して。
夕飯は、お祝いの鳥のローストはあるけれど、それとちょっとしたサンドイッチとサラダで、食べられる量を調整して食べるよう。後は温かいほうじ茶で、胃を温めて消化を促す。

地方教会の子供達も、それぞれの土地で、パシフィスト国内どこでも、お祭り会場がそこかしこ、なるべく人が集まりやすい土地に造られているので。何だか地方教会と繋がっている画面でも皆いつもに増して賑やかである。遊んできて疲れた子、楽しくってるふるふの子。

三角巾を頭に、配膳お支度。
ちゃんと手も洗ってあるし、お腹具合はそれぞれだけど、食べられるだけサンドイッチを時どめの番重からお皿にもらって、はーい、準備が。

「竜樹様、もし、宜しゅうございますか?」

ひょん、と交流室に、お助け侍従さんが顔を出す。
「おや、何でしょう?」

「ハルサ王様と、マルグリット王妃様が、こちらにいらっしゃいます。その、エンリ嬢のお家に、事情と、危ない目に遭わせた謝罪をすべく、すぐに王様がテレビ電話を持たせてかのモナーム家へ、遣いをやったんです。エンリ嬢の無事なお姿も見せて、安心してもらいたいと。」

ああ、じゃあ、王様王妃様も一緒に、あちらも寛いでもらって、食事をしながら、ゆっくりお互い、落ち着いて話をできたら、良いのじゃないかなぁ。
ニコッ、と笑って、うんうんした竜樹に、ホッとした侍従さんは。
「ハルサ王様、マルグリット王妃様、すぐにみえます。子供達に待ては辛いでしょうから、食べてお待ち下さ•••。」「竜樹殿、先程ぶりであるなぁ!」「来ちゃいましたわ!」

すぐそこに来ていた王様と王妃様である。侍従さん、ひょ、となっているじゃないの。




ーーーーーーー

いつもより遅い時間の更新で失礼致します。すみませぬ。
また、前話で、ワイルドウルフに貴族ない→少ししかない に修正しました。読み返さなくても大丈夫ですよ。

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