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本編
才能に惚れる
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白金の絹糸を10本~20本の束にして、針に通し、頭のパーツに刺して植え付ける。
「人間の髪って同じとこから2本とかあってもそのくらいだけど、リィアルは人形、細かく作るのに、髪は束なんだね。」
トラムがそんな事を言う。
「あーね、1本ずつ植えもしてみたんだけど、上手くいかないんだよ。髪が多くなりすぎちゃうし、形のバランスがとれなくてね。人間と、何もかも同じに作るのじゃなくて、もっと小さな人形なりの作り方の工夫ってあるんだ。髪結い遊びもしたいじゃん?貼り付けるなら一本ずつもありだけど、遊ぶにはこれが一番ちょうどいいんだ。」
ヘェ~、とそれなりのコツを皆がふむふむする。
「服もそうだよ。人と同じにボタンホールを作って留めるのは、大きさにもよるけど、厚みや糸の処理が、あまり綺麗じゃない。」
着させてピッタリ身体に沿わせる重なり部分は、バリッとくっついて剥がれる、竜樹様の見つけた乾燥した葉っぱの繊維を使ってるんだ。
マジックテープのこの世界版、といったら良いだろうか。乾燥して、洗濯にも耐えうる、便利な葉っぱがあるのだった。
ママズクラブのお母さん達が、赤ちゃんの肌着などに便利に使い始めてデザインしているのを、リィアルは目ざとく採用している。
かの有名なお人形の、市販の服などはマジックテープで背中を留める形が多くあるが、厚みがあって、そこが子供向け風に野暮ったく惜しくもある。それが、こちらの世界のマジックテープは、薄くてざりざりの突起も見えないのに、ピッとくっつくのだ。
竜樹の世界のものより薄くて丈夫。余程優秀で見栄えが良い。
「リィアル。このお人形、世の中の少女達に、時には少年にも、楽しんでもらえたら、嬉しいと思いませんか?」
オリヴィエが、すん、と目を眇めて微笑、机に頬杖。
「もっと自由に、お金の苦労をせず、色々楽しく作りたいと思いませんか。同じく人形作りを楽しくやれる仲間と。」
ビシュ、ビシュ、と素早く髪を植えていくリィアルは、オリヴィエの方を一瞬見て微笑む。
「あぁ、そりゃあ楽しいから、言われてみればさぁ。色んな子に、お人形の服作ったり着せたり、遊んだら楽しいよ、ってやりたい気持ちはあるよ。小ちゃい頃って傷つきやすいし、何か悲しい事があっても、お友達の人形を可愛がれば、なぐさめられるじゃん。」
リィアルの体験が、楽しいで悲しいを上書きする、こんな発言になるのだろう。
「だったら。」
んー、と考えながらも人形の頭の半分は既に髪が植っている。
「でもさぁ、それってなんか商売とかめんどくせぇだろ。人形作り以外のことしたくないから。あとは、他の人とやった事ないからな。他人とやると、好きに出来なかったりするんじゃん。」
「ですが。」
オリヴィエ、勢い込んではふ、と息荒く。
ふ、と顔を上げたリィアルは、それをいなすように。
「あとさー、一回型を作っちゃえば沢山作れるからさ。商家に捕まってた時もそうだったけど、なんか私の直すものとか、作った布の人形とか、特許で勝手に権利ってやつ?とっちゃえば、オリヴィエ様がそうするってわけじゃないけど、なんかあたしの知らないとこで、あんまり納得できない人形とか作られちゃいそうじゃん。」
一回それ、やられそうになった時あるんだよね。逃げたけど。
リィアルが修繕で捕まっていた時に、作っていた布の人形に目を付けて、商家で勝手に特許を取り、リィアルにデザインをさせ、奴隷のように金だけ吸い上げようとした所があったのである。
リィアルとしては、人形が世に出るなら良いのかな、とも思ったらしいのだが。利益ばかりを追い求める、そんなケチな商売では、美しく素晴らしいものを作ろうとする彼女に妥協ばかりをさせ、口出しばかりをし、邪魔ばかりであんまり頭にキタので試作を周りの少女達に配りまくって逃げ出したそうである。
そこに捕まる前に、王太后様の後ろ盾もある織物会館に拾われたのだから、リィアルは運が強い。
んむむむむ、リィアルに商売の悪い先入観を与えた輩、許すまじ。
オリヴィエは、す、と息を吸って、一旦気を落ち着かせる。
「私は騙しません。良い事も悪い事も、そうですね、言いましょう。ドレスメーカーですからね、貴女の作りたいという気持ちも分かりますし、また、商売としての、自由にならない事の、はい、はっきり言ってそういうこともあるでしょう、分かりますし。人とやっていく良さも、面倒くささもあります。ねぇ、リィアル。」
人形の髪が、長く流れるように植えきって。女性であり、ものづくりをする者の、分厚くなった指先の皮、それでもオリヴィエより随分と細い五指が、愛おしむように人形の頭を撫でつけて整えた。
「うん?何だいオリヴィエ様。よっと、できた。ちょっと毛先を切って整えんね。腰くらいまでの髪で、前髪は目にかからないくらいで揃えるかな?」
「はい、それで。結いますので、長くて良いのです。•••商売は商売で楽しい所もあるんですけど、貴女は作るのが楽しいんですね。」
「うん、そだよ。」
「そうしたら、曲がりなりにも、ドレスメーカーをしている私が、審美の目の幾許かを持つと自負する私が、ちゃんと慮りながら、商売の部分を預かったらダメですか?」
貴族向けの人形と服、平民向けの人形と服は、確かに使う布、材料が違ってくるでしょう。
その選定や、種類作り、リィアルに満足してもらえるように試作をして、許可を得て。
「貴女の気に入らない人形は、世に出さないと誓います。子供達に遊んで欲しい。それは、リィアルが、お金が潤沢でなかった時の服で、高いものが買えない女の子達にだって、届くと嬉しいって、あるでしょう?安くても、工夫した、手に入る中での最高に素敵な人形や人形服。リィアル、材料がとびっきりじゃないとダメ、っていうのじゃあ、ないんですよね?」
う~ん。
「まぁ、そうだね。元々そうだったし、今でも安いなら安いなりに、楽しくやれるよね。」
「リィアルが本当に趣味だけの、望みのままの人形を作れる資金も、手に入りますよ。でも、それだけじゃ、きっと楽しさは半分です。色々な立場の女の子達が楽しくできる、人形って何かな、って私と考えませんか?これから先、私と、ずっと一緒にやっていきませんか?」
真剣なオリヴィエに、ふえ?と人形の髪を整えていたリィアルは、ピッ、と止まった。ふにゃあ、と笑う。
「アッハッハ!ずっと一緒にって、何か旦那さんになるみたいじゃん!」
「はい、貴女は見てないと無茶をしそうですから。もし良ければ旦那さんにもなりますよ。」
キリッとした。
ふえ!?
「オリヴィエさま、リィアル好きなの!?」
「こくはく、じゃん!」
「ふわわわわ!だんなさ!」
少年3人は、ぽぽ!となった。
「けっこん、けっこん!」
竜樹とーさとラフィネかーさもそうだけど、すきすきけっこんはよいことである、とプランは思っている。座っている椅子の上でぴょんぴょんして、ギッギッ木が鳴る。
クリニエは乙女にポワポワしているし、トラムはビックリ顔だ。
目をまん丸にしていたリィアルは、うーん、と冷静に人形の顔に目を描く絵の具を出しながら。
「オリヴィエ様、貴族の方でも割と上じゃなかったっけ?」
「家は侯爵家ですね。次男ですから継ぎませんけど。爵位はないんで、兄の手伝いというかドレスメーカーの仕事で支えて、って形です。」
貴族の娘に婿入りして爵位を、とか。
そんな事をリィアルは聞かなかった。
「オリヴィエ様、別にあたしが好きだったりしないだろ?」
それを聞いたオリヴィエは。
オネエではない、ちゃんと青年の、そして男性としての審美眼も持ったオリヴィエは。
に~ん、と嫣然たる笑みを返す。
「才能に惚れる、ってあるんですよ。それは一目で、電撃のように分かる。小さな貴女のその、尊い手から、なんと素晴らしいものが出来てくる事か。そして人となりは、これから知っていきますけれど、貴女も私を知らないでしょう?知っていきたいな、っていうのはね、もう、恋の始まりなんです。私はそれを、逃したくないですね。」
貴族の男、オリヴィエは乙女を持つが、こんな時にはちゃんと男なのだ。
パチパチパチ!
突然拍手が起こり、皆がその音を見る。
いかにも高貴な、拍手しているニコニコ顔の美おばあさまと、お付きの者。貴族らしきおじ様。そしてトラムのお父さん、織物会館のモティフ館長が。
この修繕・復元・防汚処理室の入り口付近で、人形作りのリィアルと乙女男子オリヴィエ、トラム、クリニエと乙女でもなさそうなプランのやってる事を興味津々、覗き込んできていた。
ガタン!とオリヴィエが立つ。胸に手、頭を垂れる。
「王太后様、知らず失礼を。」
王太后様!?と、どうして良いか分からない少年3人と、平民リィアルは、ガタタタ、と取り敢えず立って、オリヴィエを見て、ペコンと頭を下げて。
スフェール王太后様、美おばあさまは大きな口をニンニンと笑ませて寄ってくる。そして、机の上の、リィアルの宝物、美しい人形に、つん、と人差し指を、触れ、ようとして躊躇い、リィアルに。
「気にしないで続けて?ね、これ、この素晴らしいお人形とお洋服、私、触らせてもらっても、よろしくって?」
チャーミングな顔で。
ときめき少女めいて聞くのだった。
ーーーーーーー
ここのところお休み多めですけど、お許しを。
何だかふにゃあと力が入らず、眠かったり体調も整え中でして、でも週に2~3回はなんとか更新したく思っています。
良かったら気長にお付き合いくださいね。
お休みが多めでも、文字数少なめで低空飛行でも、続ける気持ちが大事だな!と思ってやっております。
暑かったり寒かったり、皆様もお身体に気をつけて。
人形話、書いてて楽しいのです。楽しんでいただけると嬉しいのですが。(╹◡╹)♡
「人間の髪って同じとこから2本とかあってもそのくらいだけど、リィアルは人形、細かく作るのに、髪は束なんだね。」
トラムがそんな事を言う。
「あーね、1本ずつ植えもしてみたんだけど、上手くいかないんだよ。髪が多くなりすぎちゃうし、形のバランスがとれなくてね。人間と、何もかも同じに作るのじゃなくて、もっと小さな人形なりの作り方の工夫ってあるんだ。髪結い遊びもしたいじゃん?貼り付けるなら一本ずつもありだけど、遊ぶにはこれが一番ちょうどいいんだ。」
ヘェ~、とそれなりのコツを皆がふむふむする。
「服もそうだよ。人と同じにボタンホールを作って留めるのは、大きさにもよるけど、厚みや糸の処理が、あまり綺麗じゃない。」
着させてピッタリ身体に沿わせる重なり部分は、バリッとくっついて剥がれる、竜樹様の見つけた乾燥した葉っぱの繊維を使ってるんだ。
マジックテープのこの世界版、といったら良いだろうか。乾燥して、洗濯にも耐えうる、便利な葉っぱがあるのだった。
ママズクラブのお母さん達が、赤ちゃんの肌着などに便利に使い始めてデザインしているのを、リィアルは目ざとく採用している。
かの有名なお人形の、市販の服などはマジックテープで背中を留める形が多くあるが、厚みがあって、そこが子供向け風に野暮ったく惜しくもある。それが、こちらの世界のマジックテープは、薄くてざりざりの突起も見えないのに、ピッとくっつくのだ。
竜樹の世界のものより薄くて丈夫。余程優秀で見栄えが良い。
「リィアル。このお人形、世の中の少女達に、時には少年にも、楽しんでもらえたら、嬉しいと思いませんか?」
オリヴィエが、すん、と目を眇めて微笑、机に頬杖。
「もっと自由に、お金の苦労をせず、色々楽しく作りたいと思いませんか。同じく人形作りを楽しくやれる仲間と。」
ビシュ、ビシュ、と素早く髪を植えていくリィアルは、オリヴィエの方を一瞬見て微笑む。
「あぁ、そりゃあ楽しいから、言われてみればさぁ。色んな子に、お人形の服作ったり着せたり、遊んだら楽しいよ、ってやりたい気持ちはあるよ。小ちゃい頃って傷つきやすいし、何か悲しい事があっても、お友達の人形を可愛がれば、なぐさめられるじゃん。」
リィアルの体験が、楽しいで悲しいを上書きする、こんな発言になるのだろう。
「だったら。」
んー、と考えながらも人形の頭の半分は既に髪が植っている。
「でもさぁ、それってなんか商売とかめんどくせぇだろ。人形作り以外のことしたくないから。あとは、他の人とやった事ないからな。他人とやると、好きに出来なかったりするんじゃん。」
「ですが。」
オリヴィエ、勢い込んではふ、と息荒く。
ふ、と顔を上げたリィアルは、それをいなすように。
「あとさー、一回型を作っちゃえば沢山作れるからさ。商家に捕まってた時もそうだったけど、なんか私の直すものとか、作った布の人形とか、特許で勝手に権利ってやつ?とっちゃえば、オリヴィエ様がそうするってわけじゃないけど、なんかあたしの知らないとこで、あんまり納得できない人形とか作られちゃいそうじゃん。」
一回それ、やられそうになった時あるんだよね。逃げたけど。
リィアルが修繕で捕まっていた時に、作っていた布の人形に目を付けて、商家で勝手に特許を取り、リィアルにデザインをさせ、奴隷のように金だけ吸い上げようとした所があったのである。
リィアルとしては、人形が世に出るなら良いのかな、とも思ったらしいのだが。利益ばかりを追い求める、そんなケチな商売では、美しく素晴らしいものを作ろうとする彼女に妥協ばかりをさせ、口出しばかりをし、邪魔ばかりであんまり頭にキタので試作を周りの少女達に配りまくって逃げ出したそうである。
そこに捕まる前に、王太后様の後ろ盾もある織物会館に拾われたのだから、リィアルは運が強い。
んむむむむ、リィアルに商売の悪い先入観を与えた輩、許すまじ。
オリヴィエは、す、と息を吸って、一旦気を落ち着かせる。
「私は騙しません。良い事も悪い事も、そうですね、言いましょう。ドレスメーカーですからね、貴女の作りたいという気持ちも分かりますし、また、商売としての、自由にならない事の、はい、はっきり言ってそういうこともあるでしょう、分かりますし。人とやっていく良さも、面倒くささもあります。ねぇ、リィアル。」
人形の髪が、長く流れるように植えきって。女性であり、ものづくりをする者の、分厚くなった指先の皮、それでもオリヴィエより随分と細い五指が、愛おしむように人形の頭を撫でつけて整えた。
「うん?何だいオリヴィエ様。よっと、できた。ちょっと毛先を切って整えんね。腰くらいまでの髪で、前髪は目にかからないくらいで揃えるかな?」
「はい、それで。結いますので、長くて良いのです。•••商売は商売で楽しい所もあるんですけど、貴女は作るのが楽しいんですね。」
「うん、そだよ。」
「そうしたら、曲がりなりにも、ドレスメーカーをしている私が、審美の目の幾許かを持つと自負する私が、ちゃんと慮りながら、商売の部分を預かったらダメですか?」
貴族向けの人形と服、平民向けの人形と服は、確かに使う布、材料が違ってくるでしょう。
その選定や、種類作り、リィアルに満足してもらえるように試作をして、許可を得て。
「貴女の気に入らない人形は、世に出さないと誓います。子供達に遊んで欲しい。それは、リィアルが、お金が潤沢でなかった時の服で、高いものが買えない女の子達にだって、届くと嬉しいって、あるでしょう?安くても、工夫した、手に入る中での最高に素敵な人形や人形服。リィアル、材料がとびっきりじゃないとダメ、っていうのじゃあ、ないんですよね?」
う~ん。
「まぁ、そうだね。元々そうだったし、今でも安いなら安いなりに、楽しくやれるよね。」
「リィアルが本当に趣味だけの、望みのままの人形を作れる資金も、手に入りますよ。でも、それだけじゃ、きっと楽しさは半分です。色々な立場の女の子達が楽しくできる、人形って何かな、って私と考えませんか?これから先、私と、ずっと一緒にやっていきませんか?」
真剣なオリヴィエに、ふえ?と人形の髪を整えていたリィアルは、ピッ、と止まった。ふにゃあ、と笑う。
「アッハッハ!ずっと一緒にって、何か旦那さんになるみたいじゃん!」
「はい、貴女は見てないと無茶をしそうですから。もし良ければ旦那さんにもなりますよ。」
キリッとした。
ふえ!?
「オリヴィエさま、リィアル好きなの!?」
「こくはく、じゃん!」
「ふわわわわ!だんなさ!」
少年3人は、ぽぽ!となった。
「けっこん、けっこん!」
竜樹とーさとラフィネかーさもそうだけど、すきすきけっこんはよいことである、とプランは思っている。座っている椅子の上でぴょんぴょんして、ギッギッ木が鳴る。
クリニエは乙女にポワポワしているし、トラムはビックリ顔だ。
目をまん丸にしていたリィアルは、うーん、と冷静に人形の顔に目を描く絵の具を出しながら。
「オリヴィエ様、貴族の方でも割と上じゃなかったっけ?」
「家は侯爵家ですね。次男ですから継ぎませんけど。爵位はないんで、兄の手伝いというかドレスメーカーの仕事で支えて、って形です。」
貴族の娘に婿入りして爵位を、とか。
そんな事をリィアルは聞かなかった。
「オリヴィエ様、別にあたしが好きだったりしないだろ?」
それを聞いたオリヴィエは。
オネエではない、ちゃんと青年の、そして男性としての審美眼も持ったオリヴィエは。
に~ん、と嫣然たる笑みを返す。
「才能に惚れる、ってあるんですよ。それは一目で、電撃のように分かる。小さな貴女のその、尊い手から、なんと素晴らしいものが出来てくる事か。そして人となりは、これから知っていきますけれど、貴女も私を知らないでしょう?知っていきたいな、っていうのはね、もう、恋の始まりなんです。私はそれを、逃したくないですね。」
貴族の男、オリヴィエは乙女を持つが、こんな時にはちゃんと男なのだ。
パチパチパチ!
突然拍手が起こり、皆がその音を見る。
いかにも高貴な、拍手しているニコニコ顔の美おばあさまと、お付きの者。貴族らしきおじ様。そしてトラムのお父さん、織物会館のモティフ館長が。
この修繕・復元・防汚処理室の入り口付近で、人形作りのリィアルと乙女男子オリヴィエ、トラム、クリニエと乙女でもなさそうなプランのやってる事を興味津々、覗き込んできていた。
ガタン!とオリヴィエが立つ。胸に手、頭を垂れる。
「王太后様、知らず失礼を。」
王太后様!?と、どうして良いか分からない少年3人と、平民リィアルは、ガタタタ、と取り敢えず立って、オリヴィエを見て、ペコンと頭を下げて。
スフェール王太后様、美おばあさまは大きな口をニンニンと笑ませて寄ってくる。そして、机の上の、リィアルの宝物、美しい人形に、つん、と人差し指を、触れ、ようとして躊躇い、リィアルに。
「気にしないで続けて?ね、これ、この素晴らしいお人形とお洋服、私、触らせてもらっても、よろしくって?」
チャーミングな顔で。
ときめき少女めいて聞くのだった。
ーーーーーーー
ここのところお休み多めですけど、お許しを。
何だかふにゃあと力が入らず、眠かったり体調も整え中でして、でも週に2~3回はなんとか更新したく思っています。
良かったら気長にお付き合いくださいね。
お休みが多めでも、文字数少なめで低空飛行でも、続ける気持ちが大事だな!と思ってやっております。
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