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18-1 それとこれとは別の話
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▼▼▼
単純な話が、アデレードは物凄くペイトンの好みだったということではないか。
顔がいいのか、性格がいいのか、声か、話し方か、或いは全部が好みなのか、全く分からないが、兎に角アデレードの何かがペイトンの好みのど真ん中にある。
最近になってジェームスはその結論に達した。
確かに、出合い頭の経緯がおかしくて、ペイトンはアデレードのペースに嵌ってしまった。
が、だったらそれは慣れれば解消されるはずだ。
しかし、現状どうか。
いつまでもそれに引きずられているのは、おかしい。
元々ペイトンは異常な女嫌いで、自分に言い寄ってくる女を片っ端から手酷く振るのが正常運転の男だ。
そして、言い寄ってこない女性も決して好きではなく、仕事だからやむなく相手しているだけで、不必要には関わらない。
それがアデレードが相手だと全く勝手が違う。
契約だから仕方ないという体で動いているが、もし相手がアデレードでなかったら同じにするだろうか。
絶対しないだろうというのがジェームスの出した答えだった。
ただ、そういうことを言うと頑なに否定するだろうし、この手の話で人を揶揄うのは非常に趣味が悪い。
だから、黙って見守ることにしていたのだが、それは突然覆った。
「お前知っていたんだろう。何故言わなかったんだ」
「は?」
ペイトンは昨夜、夕食後、私室へ戻ってくると、ずっと陰鬱な表情を浮かべていた。
ジェームスは、どうしたもんかね、と思いつつもそのまま放置して就寝した。
すると、今朝になり唐突に喧嘩を売ってきたのだ。どういうことなのか。ジェームスは困惑した。
「貴方の頭の中のことを私が全て把握している体で話すのは止めて頂いても?」
「幼馴染がどうとか、前に言っていただろう」
「幼馴染……」
いや、本気でわからんのだが、とジェームスは思考を巡らせたが、ペイトンがこんな風に感情を剥き出しにするのはアデレード絡みだろうな、と思い改めた。すると答えは割とすぐに出た。
「あぁ、前に言った奥様に対して酷い態度を取っていた男の話ですか?」
「そうだ。彼女が振られたというのはその男なんだろう?」
「……それ、誰に聞いたんですか?」
まさかノイスタインでの噂がこちらまで飛び火してきているのか、とジェームスは眉を寄せた。
アデレードがペイトンと結婚したことを面白く思っていない女性は多数いる。
アデレードから茶会で絡まれた話を直接聞いてもいる。
尤も、アデレードは武勇伝のように嬉々として語っているで、面と向かって嫌味を言ってくる令嬢達に関しては今のところ手立てを考える必要はなさそうだが、変な噂が飛び交っているなら火消ししなければならないな、とジェームスは思っていた。
「彼女から聞いた」
「え?」
しかし、ペイトンが意外な答えを返してくるのでジェームスは驚いた。
「奥様からですか?」
「物凄く好きだった人に手酷く振られたと彼女が言った」
「そうですか」
夕食時の会話がどのようなものか知らないが、そんな込み入った内容まで話し合う仲になっているとは喜ばしい。
侍女のバーサの話では、実家ではレイモンド・リコッタの話題は禁句となっていたらしいから。
「手酷くってどう手酷くなんだ?」
「え? そんなこと私に聞かれましても。折角そういう話題になったんだったら、話を広げたらよかったじゃないですか。失恋話って、女性は聞いてほしいものですよ」
「不快だからするなと言われたんだ! いい加減なことを言うな」
親切心で教えたつもりだが、ペイトンが当たり散らしてくるので、ジェームスは若干ムッとした。
「どういう状況でそういった話になったのか、状況が把握できませんでしたので。奥様から話を振ってきたのではなく、旦那様が無理やり聞き出したということでしょうか。それなら確かに話は全然違ってきますね」
「別に無理やり聞いたんじゃない」
今度は打って変わってぼそぼそ言う。
情緒不安定すぎないか。大体、なんなんだこの不毛な会話は、とジェームスは歯痒くなった。
「無理やり聞いたのでないならどうやって聞いたんですか。どういう会話をしたんですか。断片的に言われてもわかりませんよ」
「だから、彼女が僕と結婚した理由を聞いたんだ。そしたら、好きな人に手酷く振られて、もう恋はしないから、女嫌いの僕ならお互い様で都合いいと思ったと言われたんだ!」
「……それは、ちょっと変わった理由ですね」
バーサから聞いた内容と調査報告からおおよそ予測していた通りだが、聞かれたからと言って明け透けに答えるアデレードをジェームスは少し苦々しく思った。
ペイトンには言わないでやってほしかった。
なんというかアデレードのことに関しては物凄く打たれ弱い。
尤も、「君を愛することはない」と声高々に宣言したペイトンが自分を好いているとは、アデレードは夢にも思っていないから、仕方ないことなのだが。
「それで、何を悩んでおられるのですか?」
ペイトンが口籠る。
頼むからそのデカい図体でもじもじ悩むのはやめてくれと、ジェームスは言いたい思いを呑み込んで黙って待った。
「失恋したのに結婚するなんて……」
「は? どういう意味ですか? 失恋したんだから、次へ前向きに進むのは良いことなのでは? いつまでも引きずるのはどうかと思いますが」
「お前、僕の話をちゃんと聞いているのか? 彼女はそんなつもりはないんだ」
あー……、とジェームスは思った。
アデレードの長い長い初恋に終止符が打たれたのは、嫁いでくる直前のことと聞いた。アデレードはまだ失恋の痛みが癒えていないのだろう。
だから、もう誰も好きにならない、とかなんとか、そういうことを言ったのだろう。
若い頃は、初めての失恋でそういう気持ちになることは、よくあることだ。
だが、案外普通に次の恋愛が見つかるのも、よくあることだ。
今それをアデレードに言ったところで、受け付けないだろう。ジェームズも、そんなことを言うつもりは毛頭ない。
けれど、この男のことは話が別だ。何を一緒に落ち込んでいるんだ、と腹立たしくなった。何のために恋愛指南書を読み漁っているのか。
「いや、逆に良かったじゃないですか。弱っている時に優しくされると、人は恋に落ちやすいそうですよ」
「馬鹿か。何度も言わせるな。彼女ははっきり拒絶したんだ」
引っ掛かるのはそこなのか、とジェームスは少し目を見開いた。
ということは、やっと恋心を認める気になったのか。
いや、恐らく「誰も好きにならない」と言われたことがショックすぎて、今自分が何を言っているのか、訳が分かっていないのだろう。
「別に人を好きになるのは一度と決まっているわけじゃないですし」
「本人がはっきり言ったんだぞ」
「そんなこと真に受けてどうするんですか」
子供じゃあるまいし、とジェームスが呆れたように言うと、ペイトンは黙ったままこちらを見た。複雑な表情。こんな顔は見たことがなかった。
面白半分で考えていたジェームスは、目が覚めたような気持ちになった。真面目に答えなければ、と。
だが、まさか、ペイトンにこんなことをアドバイスする日が来ようとは感慨深すぎる。
「あのですね、旦那様は女性は向こうから寄ってくると思っているかもしれませんが、世の中の大半の男は、好きな女性は自分で口説かないと振り向いてくれませんよ。それから、奥様は旦那様のことを全く好きではありませんけど、それは失恋したからではありません。好きじゃないし、失恋している。ただそういう状態なだけです」
「……お前、嫌なこと言うな」
「事実を言ったまでです」
ペイトンがまた黙り込む。何を考えているのかは不明だが、少しは感じるものがあったようだ、とジェームスは生温かく見守った。
しかし、これは実にめでたいことだ、とジェームスは思った。同時にこの恋が成就することがあるんだろうか、とも不安になった。
はっきり言って、ペイトンならば、もっと楽な恋愛がいくらでもできる。
言い寄ってくる女性なら星の数ほどいる選り取り見取りの男が、何故、よりにもよって一番難しいところを選んでしまうのか。
せっかく女性嫌いを克服して初めて人を好きになったのに、万が一失恋したら、この男の場合は、本当に金輪際恋愛できなくなってしまう可能性が高い。
かとってアデレードに無理強いもできないのだが。
(まぁ、そんなことをごちゃごちゃ考えても仕方ないか)
自分にできることは応援することだけだ、とジェームスは気を取り直した。
どんなに好きでも上手くいかない場合もあるし、大して好きでもないのに結婚してまうこともある。非常に理不尽であるもの。それが、恋というのものだ。
願わくば、どうか上手くいきますように。
「頑張って口説いてください」
ただ、不安すぎるので、念の為に二回言っておくことにした。
単純な話が、アデレードは物凄くペイトンの好みだったということではないか。
顔がいいのか、性格がいいのか、声か、話し方か、或いは全部が好みなのか、全く分からないが、兎に角アデレードの何かがペイトンの好みのど真ん中にある。
最近になってジェームスはその結論に達した。
確かに、出合い頭の経緯がおかしくて、ペイトンはアデレードのペースに嵌ってしまった。
が、だったらそれは慣れれば解消されるはずだ。
しかし、現状どうか。
いつまでもそれに引きずられているのは、おかしい。
元々ペイトンは異常な女嫌いで、自分に言い寄ってくる女を片っ端から手酷く振るのが正常運転の男だ。
そして、言い寄ってこない女性も決して好きではなく、仕事だからやむなく相手しているだけで、不必要には関わらない。
それがアデレードが相手だと全く勝手が違う。
契約だから仕方ないという体で動いているが、もし相手がアデレードでなかったら同じにするだろうか。
絶対しないだろうというのがジェームスの出した答えだった。
ただ、そういうことを言うと頑なに否定するだろうし、この手の話で人を揶揄うのは非常に趣味が悪い。
だから、黙って見守ることにしていたのだが、それは突然覆った。
「お前知っていたんだろう。何故言わなかったんだ」
「は?」
ペイトンは昨夜、夕食後、私室へ戻ってくると、ずっと陰鬱な表情を浮かべていた。
ジェームスは、どうしたもんかね、と思いつつもそのまま放置して就寝した。
すると、今朝になり唐突に喧嘩を売ってきたのだ。どういうことなのか。ジェームスは困惑した。
「貴方の頭の中のことを私が全て把握している体で話すのは止めて頂いても?」
「幼馴染がどうとか、前に言っていただろう」
「幼馴染……」
いや、本気でわからんのだが、とジェームスは思考を巡らせたが、ペイトンがこんな風に感情を剥き出しにするのはアデレード絡みだろうな、と思い改めた。すると答えは割とすぐに出た。
「あぁ、前に言った奥様に対して酷い態度を取っていた男の話ですか?」
「そうだ。彼女が振られたというのはその男なんだろう?」
「……それ、誰に聞いたんですか?」
まさかノイスタインでの噂がこちらまで飛び火してきているのか、とジェームスは眉を寄せた。
アデレードがペイトンと結婚したことを面白く思っていない女性は多数いる。
アデレードから茶会で絡まれた話を直接聞いてもいる。
尤も、アデレードは武勇伝のように嬉々として語っているで、面と向かって嫌味を言ってくる令嬢達に関しては今のところ手立てを考える必要はなさそうだが、変な噂が飛び交っているなら火消ししなければならないな、とジェームスは思っていた。
「彼女から聞いた」
「え?」
しかし、ペイトンが意外な答えを返してくるのでジェームスは驚いた。
「奥様からですか?」
「物凄く好きだった人に手酷く振られたと彼女が言った」
「そうですか」
夕食時の会話がどのようなものか知らないが、そんな込み入った内容まで話し合う仲になっているとは喜ばしい。
侍女のバーサの話では、実家ではレイモンド・リコッタの話題は禁句となっていたらしいから。
「手酷くってどう手酷くなんだ?」
「え? そんなこと私に聞かれましても。折角そういう話題になったんだったら、話を広げたらよかったじゃないですか。失恋話って、女性は聞いてほしいものですよ」
「不快だからするなと言われたんだ! いい加減なことを言うな」
親切心で教えたつもりだが、ペイトンが当たり散らしてくるので、ジェームスは若干ムッとした。
「どういう状況でそういった話になったのか、状況が把握できませんでしたので。奥様から話を振ってきたのではなく、旦那様が無理やり聞き出したということでしょうか。それなら確かに話は全然違ってきますね」
「別に無理やり聞いたんじゃない」
今度は打って変わってぼそぼそ言う。
情緒不安定すぎないか。大体、なんなんだこの不毛な会話は、とジェームスは歯痒くなった。
「無理やり聞いたのでないならどうやって聞いたんですか。どういう会話をしたんですか。断片的に言われてもわかりませんよ」
「だから、彼女が僕と結婚した理由を聞いたんだ。そしたら、好きな人に手酷く振られて、もう恋はしないから、女嫌いの僕ならお互い様で都合いいと思ったと言われたんだ!」
「……それは、ちょっと変わった理由ですね」
バーサから聞いた内容と調査報告からおおよそ予測していた通りだが、聞かれたからと言って明け透けに答えるアデレードをジェームスは少し苦々しく思った。
ペイトンには言わないでやってほしかった。
なんというかアデレードのことに関しては物凄く打たれ弱い。
尤も、「君を愛することはない」と声高々に宣言したペイトンが自分を好いているとは、アデレードは夢にも思っていないから、仕方ないことなのだが。
「それで、何を悩んでおられるのですか?」
ペイトンが口籠る。
頼むからそのデカい図体でもじもじ悩むのはやめてくれと、ジェームスは言いたい思いを呑み込んで黙って待った。
「失恋したのに結婚するなんて……」
「は? どういう意味ですか? 失恋したんだから、次へ前向きに進むのは良いことなのでは? いつまでも引きずるのはどうかと思いますが」
「お前、僕の話をちゃんと聞いているのか? 彼女はそんなつもりはないんだ」
あー……、とジェームスは思った。
アデレードの長い長い初恋に終止符が打たれたのは、嫁いでくる直前のことと聞いた。アデレードはまだ失恋の痛みが癒えていないのだろう。
だから、もう誰も好きにならない、とかなんとか、そういうことを言ったのだろう。
若い頃は、初めての失恋でそういう気持ちになることは、よくあることだ。
だが、案外普通に次の恋愛が見つかるのも、よくあることだ。
今それをアデレードに言ったところで、受け付けないだろう。ジェームズも、そんなことを言うつもりは毛頭ない。
けれど、この男のことは話が別だ。何を一緒に落ち込んでいるんだ、と腹立たしくなった。何のために恋愛指南書を読み漁っているのか。
「いや、逆に良かったじゃないですか。弱っている時に優しくされると、人は恋に落ちやすいそうですよ」
「馬鹿か。何度も言わせるな。彼女ははっきり拒絶したんだ」
引っ掛かるのはそこなのか、とジェームスは少し目を見開いた。
ということは、やっと恋心を認める気になったのか。
いや、恐らく「誰も好きにならない」と言われたことがショックすぎて、今自分が何を言っているのか、訳が分かっていないのだろう。
「別に人を好きになるのは一度と決まっているわけじゃないですし」
「本人がはっきり言ったんだぞ」
「そんなこと真に受けてどうするんですか」
子供じゃあるまいし、とジェームスが呆れたように言うと、ペイトンは黙ったままこちらを見た。複雑な表情。こんな顔は見たことがなかった。
面白半分で考えていたジェームスは、目が覚めたような気持ちになった。真面目に答えなければ、と。
だが、まさか、ペイトンにこんなことをアドバイスする日が来ようとは感慨深すぎる。
「あのですね、旦那様は女性は向こうから寄ってくると思っているかもしれませんが、世の中の大半の男は、好きな女性は自分で口説かないと振り向いてくれませんよ。それから、奥様は旦那様のことを全く好きではありませんけど、それは失恋したからではありません。好きじゃないし、失恋している。ただそういう状態なだけです」
「……お前、嫌なこと言うな」
「事実を言ったまでです」
ペイトンがまた黙り込む。何を考えているのかは不明だが、少しは感じるものがあったようだ、とジェームスは生温かく見守った。
しかし、これは実にめでたいことだ、とジェームスは思った。同時にこの恋が成就することがあるんだろうか、とも不安になった。
はっきり言って、ペイトンならば、もっと楽な恋愛がいくらでもできる。
言い寄ってくる女性なら星の数ほどいる選り取り見取りの男が、何故、よりにもよって一番難しいところを選んでしまうのか。
せっかく女性嫌いを克服して初めて人を好きになったのに、万が一失恋したら、この男の場合は、本当に金輪際恋愛できなくなってしまう可能性が高い。
かとってアデレードに無理強いもできないのだが。
(まぁ、そんなことをごちゃごちゃ考えても仕方ないか)
自分にできることは応援することだけだ、とジェームスは気を取り直した。
どんなに好きでも上手くいかない場合もあるし、大して好きでもないのに結婚してまうこともある。非常に理不尽であるもの。それが、恋というのものだ。
願わくば、どうか上手くいきますように。
「頑張って口説いてください」
ただ、不安すぎるので、念の為に二回言っておくことにした。
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