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第626話
――ど、どうなったんだ?
マルメルは目を凝らす。
あの瞬間、地面に無数のエネルギー反応が発生し、ヨシナリの警告に従って彼は後退したのだ。
敵の攻撃圏外に出た後、即座に地面に銃撃してドローンを破壊しようしたのだが、思った以上に深い位置に埋まっている様で簡単に破壊する事が出来なかった。
仕方がないとアノマリーをエネルギーに切り替えて手近なドローンを破壊し始めたのだ。
他の下がったメンバーも足元へと攻撃を始める。
その間、ヨシナリ達は逆に突っ込んで行ったのだ。 これには流石に驚いた。
引くのは良くないと教えてくれたのはヨシナリだったが、まさか自分で実践するとは思わなかった。
特に今回に関しては足元から無数の高出力のレーザーが飛んでくるのは目に見えていたからだ。
なら下がるのが正解ではないのか?
事実としてヨシナリ、ユウヤ、ベリアル、カカラ以外は全員下がった。
ふわわですら躱せないと判断して回避を選択したのだ。
そんな状況で前に出るのはイカれていると言わざるを得ない。
カカラが三人の盾になる事で攻撃をやり過ごし、ベリアルが先頭で斬り込みヨシナリ、ユウヤがドローンを破壊して相手の攻め手を潰す。
元々、全員でやっていた事を三人で賄うのだ。 かなりの無理がある。
それでも二人は驚異的な反応で全てのドローンを破壊。
ヨシナリは切り札を切る事でパフォーマンスを引き上げる事で無理を通したようだ。
――す、凄ぇ。
思わずマルメルは内心でそう呟く。
ドローンの出現位置を瞬時に把握し、完全に形になったと同時に撃ち抜く。
ユウヤは広範囲の散弾砲と比較的ではあるが遠くまで狙える電磁鞭で処理していた。
その間にベリアルが凄まじい回転のラッシュを繰り出す。
短距離転移からの分身、エーテルの形状変化を利用したクロー、ブレードと変幻自在に形を変えた攻撃。 並の相手であったなら碌に反応できずに沈む強烈な攻め。
そんな凄まじいラッシュを敵機は器用に躱し、いなす。
特に機体を傾けるだけの最小の動きでベリアルのラッシュを躱しているのは何の冗談だと思ってしまった。
「急げ! さっさと片付けるゾ!」
ポンポンがやや焦った声で地中のドローン破壊を促す。
分かってると言わんばかりに他もひたすらに銃撃や砲撃で地面を抉る。
その間にヨシナリは勝負に出たようだ。 ドローン排除からの捨て身の突撃。
リミッターを外したホロスコープの加速は敵機の想定を僅かでは上回ったようだ。
タックルのようにぶち当たり、抱き着くように上半身を抑えて地面に叩きつける。
そのままマウントを取って拳を振り上げて、下ろす。
敵機も黙ってやられるつもりはないらしく、胸部からレーザーを発射。
密着している状態のヨシナリに躱せる訳もなくまともに喰らう。
だが、ヨシナリはそれがどうしたと言わんばかりに敵機の頭部に拳を叩きつけ、機体の爆発が秒読みと判断してパンドラの出力を臨界に引き上げたのだ。
「全員、離れろ!」
そして凄まじい爆発がフィールドを揺るがした。 当然、ヨシナリの反応はロスト。
敵機の反応は――残っている。
「――嘘だろ」
思わずマルメルは呟く。 爆発によって発生した粉塵が晴れ、敵機の姿が露わになる。
ヨシナリの捨て身の一撃を喰らって無傷という訳にはいかなかったのか、かなりの損傷だった。
装甲の大半は脱落し、下半身は原型を留めておらず、胴体に至っては内部機構が露出している。
人間でいうのなら骨と臓器が剥き出しになっているような有様だ。
頭部もバイザーの中に埋まっていたらしい本来の頭部が僅かに見える。
敵機はほぼ上半身だけで空中に佇んでおり、ややあって小刻みに震え出した。
「へぇ、楽しそうやん」
ふわわの言葉で意図を理解した。 そう、敵機は笑っているのだ。
まるで楽しくて仕方がないと言わんばかりに。
次の瞬間、無数の転移反応が敵機の周辺に出現。 ドローンではない。
装甲、脚部、機体を構成するパーツだ。
どうやら欠損部分の予備を呼び出す事で損傷を補うつもりだろう。
「やらせるかよ!」
ツガルが突っ込むが爆発の影響範囲外に下がってしまった事もあって間に合わない。
敵機の完成は即座だった。 だが、その姿は以前とは似ても似つかない姿となっている。
紫色の装甲に下半身はフロートではなく二本の足。 腕もドローンではなく腕になっている。
頭部もバイザーではなく二つのカメラアイによって人体により近くなった。
「おいおい、パワーゲインがさっきまでの比じゃ――」
ポンポンが何か言いかけていたが、敵機が動く方が先だった。
真っすぐに突っ込んで来る。 最初に反応したのはベリアルだ。
短距離転移で前に出て爪の一撃。
敵機は躱しながら蹴りを放ち、ベリアルの機体をくの字に圧し折るがそれは分身。
本体は背後だ。 エーテルブレードによる刺突、胴体を貫く動きだが敵機は横回転していなしながら旋回によりベリアルの側面に回り蹴り飛ばす。
流石にこれは躱せなかったのかベリアルは吹き飛んで地面に突っ込んで行った。
ようやく追いついたツガルが機銃を連射しながら肉薄するが敵機は機体を左右に振って回避。
得意の機動で攪乱しようとしたが敵機の周囲を旋回する前に移動先に先回り。
腕を振るうと同時にその手には武器が出現。 チェーンソーのようなそれを一閃。
ツガルは咄嗟に歪曲フィールドを展開して防御。
「受けるな躱せ!」
ベリアルの警告が飛ぶが僅かに遅かった。 チェーンソーはフィールドをない物であるかのようにあっさりと切り裂き、ツガルの機体は真っ二つになり爆散。
ふわわの野太刀が横薙ぎに振るわれるが敵機は上半身を大きく仰け反らせる事で躱す。
「隙ありです!」
直上からシニフィエが襲い掛かる。 エネルギーウイングの加速と落下速度を利用した強襲。
敵機はチェーンソーから手を離すと消失し、代わりに小さな盾のような物が現れる。
全身を回転させ速度と威力を乗せた蹴りを放つが敵機は余裕の動きで盾で受けた。
シニフィエとしては足が止まりさえすればいいと判断しての判断だったのだろうが、盾から発生した斥力フィールドが彼女の打撃を文字通り跳ね返した。
インパクトの瞬間に展開する事でフィールドに接触した蹴りが押し返されたのだ。
「パリィ!? ちょ、これは――」
敵機はいつの間にか手の中に出現させた拳銃を一発。
シニフィエはコックピット部分を撃ち抜かれて即死した。
マルメルは目を凝らす。
あの瞬間、地面に無数のエネルギー反応が発生し、ヨシナリの警告に従って彼は後退したのだ。
敵の攻撃圏外に出た後、即座に地面に銃撃してドローンを破壊しようしたのだが、思った以上に深い位置に埋まっている様で簡単に破壊する事が出来なかった。
仕方がないとアノマリーをエネルギーに切り替えて手近なドローンを破壊し始めたのだ。
他の下がったメンバーも足元へと攻撃を始める。
その間、ヨシナリ達は逆に突っ込んで行ったのだ。 これには流石に驚いた。
引くのは良くないと教えてくれたのはヨシナリだったが、まさか自分で実践するとは思わなかった。
特に今回に関しては足元から無数の高出力のレーザーが飛んでくるのは目に見えていたからだ。
なら下がるのが正解ではないのか?
事実としてヨシナリ、ユウヤ、ベリアル、カカラ以外は全員下がった。
ふわわですら躱せないと判断して回避を選択したのだ。
そんな状況で前に出るのはイカれていると言わざるを得ない。
カカラが三人の盾になる事で攻撃をやり過ごし、ベリアルが先頭で斬り込みヨシナリ、ユウヤがドローンを破壊して相手の攻め手を潰す。
元々、全員でやっていた事を三人で賄うのだ。 かなりの無理がある。
それでも二人は驚異的な反応で全てのドローンを破壊。
ヨシナリは切り札を切る事でパフォーマンスを引き上げる事で無理を通したようだ。
――す、凄ぇ。
思わずマルメルは内心でそう呟く。
ドローンの出現位置を瞬時に把握し、完全に形になったと同時に撃ち抜く。
ユウヤは広範囲の散弾砲と比較的ではあるが遠くまで狙える電磁鞭で処理していた。
その間にベリアルが凄まじい回転のラッシュを繰り出す。
短距離転移からの分身、エーテルの形状変化を利用したクロー、ブレードと変幻自在に形を変えた攻撃。 並の相手であったなら碌に反応できずに沈む強烈な攻め。
そんな凄まじいラッシュを敵機は器用に躱し、いなす。
特に機体を傾けるだけの最小の動きでベリアルのラッシュを躱しているのは何の冗談だと思ってしまった。
「急げ! さっさと片付けるゾ!」
ポンポンがやや焦った声で地中のドローン破壊を促す。
分かってると言わんばかりに他もひたすらに銃撃や砲撃で地面を抉る。
その間にヨシナリは勝負に出たようだ。 ドローン排除からの捨て身の突撃。
リミッターを外したホロスコープの加速は敵機の想定を僅かでは上回ったようだ。
タックルのようにぶち当たり、抱き着くように上半身を抑えて地面に叩きつける。
そのままマウントを取って拳を振り上げて、下ろす。
敵機も黙ってやられるつもりはないらしく、胸部からレーザーを発射。
密着している状態のヨシナリに躱せる訳もなくまともに喰らう。
だが、ヨシナリはそれがどうしたと言わんばかりに敵機の頭部に拳を叩きつけ、機体の爆発が秒読みと判断してパンドラの出力を臨界に引き上げたのだ。
「全員、離れろ!」
そして凄まじい爆発がフィールドを揺るがした。 当然、ヨシナリの反応はロスト。
敵機の反応は――残っている。
「――嘘だろ」
思わずマルメルは呟く。 爆発によって発生した粉塵が晴れ、敵機の姿が露わになる。
ヨシナリの捨て身の一撃を喰らって無傷という訳にはいかなかったのか、かなりの損傷だった。
装甲の大半は脱落し、下半身は原型を留めておらず、胴体に至っては内部機構が露出している。
人間でいうのなら骨と臓器が剥き出しになっているような有様だ。
頭部もバイザーの中に埋まっていたらしい本来の頭部が僅かに見える。
敵機はほぼ上半身だけで空中に佇んでおり、ややあって小刻みに震え出した。
「へぇ、楽しそうやん」
ふわわの言葉で意図を理解した。 そう、敵機は笑っているのだ。
まるで楽しくて仕方がないと言わんばかりに。
次の瞬間、無数の転移反応が敵機の周辺に出現。 ドローンではない。
装甲、脚部、機体を構成するパーツだ。
どうやら欠損部分の予備を呼び出す事で損傷を補うつもりだろう。
「やらせるかよ!」
ツガルが突っ込むが爆発の影響範囲外に下がってしまった事もあって間に合わない。
敵機の完成は即座だった。 だが、その姿は以前とは似ても似つかない姿となっている。
紫色の装甲に下半身はフロートではなく二本の足。 腕もドローンではなく腕になっている。
頭部もバイザーではなく二つのカメラアイによって人体により近くなった。
「おいおい、パワーゲインがさっきまでの比じゃ――」
ポンポンが何か言いかけていたが、敵機が動く方が先だった。
真っすぐに突っ込んで来る。 最初に反応したのはベリアルだ。
短距離転移で前に出て爪の一撃。
敵機は躱しながら蹴りを放ち、ベリアルの機体をくの字に圧し折るがそれは分身。
本体は背後だ。 エーテルブレードによる刺突、胴体を貫く動きだが敵機は横回転していなしながら旋回によりベリアルの側面に回り蹴り飛ばす。
流石にこれは躱せなかったのかベリアルは吹き飛んで地面に突っ込んで行った。
ようやく追いついたツガルが機銃を連射しながら肉薄するが敵機は機体を左右に振って回避。
得意の機動で攪乱しようとしたが敵機の周囲を旋回する前に移動先に先回り。
腕を振るうと同時にその手には武器が出現。 チェーンソーのようなそれを一閃。
ツガルは咄嗟に歪曲フィールドを展開して防御。
「受けるな躱せ!」
ベリアルの警告が飛ぶが僅かに遅かった。 チェーンソーはフィールドをない物であるかのようにあっさりと切り裂き、ツガルの機体は真っ二つになり爆散。
ふわわの野太刀が横薙ぎに振るわれるが敵機は上半身を大きく仰け反らせる事で躱す。
「隙ありです!」
直上からシニフィエが襲い掛かる。 エネルギーウイングの加速と落下速度を利用した強襲。
敵機はチェーンソーから手を離すと消失し、代わりに小さな盾のような物が現れる。
全身を回転させ速度と威力を乗せた蹴りを放つが敵機は余裕の動きで盾で受けた。
シニフィエとしては足が止まりさえすればいいと判断しての判断だったのだろうが、盾から発生した斥力フィールドが彼女の打撃を文字通り跳ね返した。
インパクトの瞬間に展開する事でフィールドに接触した蹴りが押し返されたのだ。
「パリィ!? ちょ、これは――」
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